NHK大河ドラマ「真田丸」第25話「別離」史実から見たネタバレ予想と第24話「滅亡」視聴感想とMVP

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真田六文銭 真田丸
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小田原征伐後、高野山幽閉となった北条氏直は大名復帰が決定していた?

豊臣軍21万に包囲された小田原城はついに開城し、豊臣秀吉(小日向文世)に降伏。隠居・北条氏政(高嶋政伸)が切腹し、当主・北条氏直(細田善彦)は出家して高野山へ追放されて関東の名門・北条家は滅亡しました。今回の真田丸第24話「滅亡」では、北条家の最期の様子が詳細に描かれていましたね。

真田丸では北条家四代当主で隠居の氏政は頑なに死を覚悟していたという描写でしたが、実際にはどうだったのでしょう。降伏条件としては氏政も助けられるという条件でしたが、秀吉はそれを破り、氏政らに切腹を申し付けました。氏直は、徳川家康(内野聖陽)の娘婿という事で何とか一命はとりとめましたが・・。

恐らく、氏政は籠城を決意した時から死は覚悟のうえであったと個人的には思っています。これだけの大戦を起こし、そして天下人に抗ったのですから。秀吉側からしてみれば、当主である氏直の命を助けただけでも格別の配慮であったと思います。そしてそれは、氏政自身も十分理解していたと思います。そこが見通せ無いほどに凡庸な武将ではなかったでしょう。

というわけで、概ね今回の真田丸は史実通りであったと個人的には思っています。

ただし、欲を言えば北条家のその後についても後日談でいいので触れてほしかったというのが正直なところです。

小田原城開城・降伏によって滅亡した北条家ですが、氏直の命は助けられました。そして高野山に追放となった氏直ですが、実は高野山追放から1年後には豊臣家の大名として復活を果たしているのです。

所領はわずか1万石だったのですが、秀吉としては翌年には山陰の伯耆国(現在の鳥取県)で城持ち大名として大々的に北条家を再興させる意図があったという説も残っています。しかし、大名復帰を果たしたわずか三か月後に氏直は当時の伝染病であった天然痘にかかり、三十歳で急死してしまいます。しかし、以降も北条家は氏直の従兄弟が後を継ぎ、その名を残す事となったのです。

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実際の伊達政宗を想起させる真田丸での長谷川朝晴の独眼竜

今回の「滅亡」において、北条家滅亡と同様に個人的に注目していたのが、奥羽の独眼竜・伊達政宗(長谷川朝晴)です。先週は死に装束(白装束)で秀吉に謁見しただけの顔見世的な出演だけで終わりましたが、今回はしっかりセリフもありましたね(笑)。

秀吉に自身でついた仙台名物・ずんだ餅を振る舞い、秀吉に露骨にすり寄る政宗。しかしその服装は、「伊達男」の由来となった程の派手ないで立ちで、正にド派手なパフォーマンス好き。人物の懐に入る上手さは、真田信繁(堺雅人)に対して、自分は秀吉と似ていると言った事からも分かるように、「人たらし」と呼ばれた太閤豊臣秀吉に相通ずるものがありましたね。

実際に政宗はそんな人物でした。しかし、心の奥底に秘めた野望の炎はこれまた秀吉に負けず劣らず大きい、と。これまた秀吉との共通点ですね。

そして政宗と信繁は出会い別れましたが、その時に大坂の陣で再会を果たすというナレーションが入りました。この二人は大坂で敵として相対しますが、同時に信繁の忘れ形見は意外な形で伊達家と深くかかわる事となります。その詳細についてはここでは省略しますが、詳しくは政宗の家臣・片倉小十郎景綱の記事をご覧ください。

長谷川朝晴の伊達政宗、皆さんはどう思われました?軽すぎだという意見もあるかもしれません。しかしわたしは非常に気に入ってます。等身大の政宗だったと思っています。大坂の陣の楽しみがまた増えましたね。

「滅亡」のMVP 大名の中でも異彩を放った高嶋氏政

真田丸第24話「滅亡」のMVPへと参りましょう。

今回は北条氏政をおいて他には選べないでしょう。というわけで高嶋政伸演じた北条氏政がMVPです。

真田家を取り囲む諸大名たち。武田勝頼(平岳大)、上杉景勝(遠藤憲一)、徳川家康、織田信長(吉田鋼太郎)、豊臣秀吉・・全ての武将たちの個性溢れる描き方、熱演はこの真田丸の肝と言ってもいい部分です。その中でもとりわけ異彩を放っていたのが高嶋政伸の北条氏政でしたね。

最初の登場シーンで汁かけ飯を食べるシーンから始まり、最期も汁かけ飯で終わりました。この有名な汁かけ飯のエピソードが霞んでしまうくらいに高嶋政伸の演技は凄かった。本当に素晴らしい俳優さんです。鬼気迫る怪演と言ってもいいでしょう。昔は優等生の弟役が多かったのですが、まさに個性派俳優の座を不動のものとしましたね。今度は大河でどんな役を演じてくれるのか楽しみでなりません。お疲れ様でした。

次点には真田昌幸(草刈正雄)。こちらも素晴らしかった。特に家康、景勝とともに氏政と面会したシーン。沼田を巡って繰り広げた強敵として氏政に投げかけた言葉にはグッときましたね。

忍城攻めに際しての石田三成(山本耕史)とのやり取りも良かったです。二人のキャラクターをこれでもかというほど見せつけてくれた場面でした。うーん、やっぱり真田安房守も捨てがたいけど、まあ仕方ない(笑)。お父さんはこれからも見せ場いっぱいありますしね。

旧知のライバルである氏政を助けようと奔走する家康もまた良かったです。約定を違えて平然と氏政切腹を決めてしまう秀吉との対比が面白いですね。情に流される家康の人間臭さがリアルでしたね。実際に家康は北条家存続のために史実でも奔走しましたからね。まあ家康公もこれから見せ場は存分に用意されていますから今回は譲ってもらいましょう(笑)。

北条家退場は非常に寂しいですが、次週からは豊臣家の内紛がいよいよ本格化しそうです。感傷に浸っている暇はありませんね(苦笑)。


第25回「別離」のストーリー

小田原攻めによって秀吉に従わなかった関東の名門・北条家を滅ぼし、さらに奥羽の伊達家が秀吉に臣従を誓った事で、ついに豊臣秀吉の天下統一は成った。

遂に宿願を果たした秀吉であったがその矢先に思わぬ暗雲が立ち込める事となった。秀吉の側室・茶々(竹内結子)が生んだ豊臣秀吉の長男・鶴松(幼名は捨)が重い病に侵されてしまったのである。

八方手を尽くす豊臣家であったが、鶴松の症状は改善せぬばかりか、日増しに重くなるばかりであり、豊臣家には悲壮感が渦巻いていた。

一方、小田原城で信繁が知った千利休(桂文枝)の堺の商人としての裏の顔。そしてそれを暴かんとする石田三成と大谷吉継(片岡愛之助)。この事実を重んじた三成らは、これを機に利休を豊臣家から排除しようと決意するのであった。

結果として、事実を突き止められて追い詰められた利休は、三成や吉継によって切腹へと追い込まれる事となった。

利休の死は呪いという噂となって、病床に苦しむ鶴松の姿と重ね合わされるのであった・・

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史実から見た「別離」ネタバレと考察

北条家を滅ぼして名実ともに天下人となった豊臣秀吉。次週からはその豊臣家の運命の暗転が本格的に始まる回となります。

まずその第一弾が千利休切腹。秀吉の茶頭というだけでなく、政治的な事にまで大きな影響力を持っていた豊臣政権内の千利休。そんな利休が切腹させられる事となるのです。原因は諸説あります。もうそれは色々と。ただし、直接の原因は、利休の木像の下を秀吉にくぐらせたというのが通説となっているようです。

この真田丸においては、三成、吉継らが利休の商人としての本質を危惧しての排除という事になりそうですね。それも諸説あるうちの一つとなっています。利休はやはり本質は商人であり、豊臣家のためにというよりも、堺の利益を重んじるという事ですね。これは諸説ある中でも非常に説得力のある説だとわたしも思います。そこに豊臣政権内の派閥闘争的な色合いも含んだものとしているのが、真田丸の特徴とも言えますね。言ってみれば、複合説です。

これらを利休の木像とどう絡ませてくるのか、三谷幸喜のお手並み拝見というところですかね(何者なんですかね、わたくし笑)。

そしてもう一つの豊臣家凋落の大きな要因となったのが、秀吉と茶々の間に出来た鶴松の死。

そう、鶴松はわずか三歳(満年齢で2歳)でこの世を去ってしまいます。史実によると、この鶴松の死による秀吉の落胆は見るに堪えない程の物であったと言われています。まあそれはそうでしょう。秀吉53歳にしてようやく授かった子だったのですから。年を取ってからの子は尚更可愛いというのは、古今関係ないものであった事でしょう。

この頃から豊臣家は大きく滅亡への道を転げ始めるのです。

関ヶ原の戦いでの西軍の主力武将・宇喜多秀家と西軍を裏切った小早川秀秋が登場!!

小田原征伐後の1~2年後というのは、天下人秀吉にとって大切な人々を次々と失う時期でもありました。

鶴松、弟の豊臣秀長(千葉哲也)、母のなか(大政所 演:山田昌)・・。子、兄弟、そして親・・一人でも辛いのに三人も立て続けです。それは秀吉にとっては辛いなどという言葉で言い表せない程の物であったでしょう。そしてそれらの悲劇は間違いなくこの後の秀吉の行動や思考にも大きな影響を与えた事だと思われます。

ここから天下人・秀吉がどう変貌していくのか、そして豊臣家はどのようにして大坂の陣へと向かっていくのか、正に滅びの道を見届ける事となるでしょう。

そんな悲劇の幕開けとなる次週「別離」ですが、初登場キャラもお目見えです。

まずは徳川家康や上杉景勝と並んで豊臣五大老の一人となって関ヶ原で東軍と戦った備前・岡山の宇喜多秀家(高橋和也)。

三成、吉継らとともに関ヶ原の戦いで徳川家康と死闘を演じた武将です。個人的に大好きな武将でもあります。真田丸ではひょっとして出番ないのかなと思っていたので、素直に嬉しいですね。

もう一人は豊臣秀俊(浅利陽介)。こう書くといまいちピンと来ないかもしれませんね。後の小早川秀秋です。そう、関ヶ原で西軍を裏切って東軍を勝利に導いたあの小早川秀秋です。

正確に言え初登場ではありませんね。一度、子供の頃に出てきています。もちろんセリフなどありませんでしたが(笑)。

小早川秀秋が登場し、ますます豊臣家の運命の歯車が加速してきたなと感じてしまいますね。次週は色々な意味で見逃せない回となりそうです。

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