真田家を語るうえで外す事の出来ない重要な合戦「第一次上田合戦」が終わりました。
そしてその上田合戦で信繁の妻、お梅(黒木華)が犠牲となり、第13話「決戦」は幕を閉じました。本来であればカタルシスの絶頂でのエンディング・・となるはずだったのですが、梅の死によってクライマックスはとても言いようのない悲痛なものとなってしまいましたね・・
そして次週からは舞台を大阪に移して真田丸の新章である「大坂編」が始まります。信州・上田という地方舞台から、一転天下を司る当時の日本の中心地・大坂へ。
新しく登場する人物たちも多くいるみたいですし、これは期待せずにはいられませんね。
第14回「大坂」のストーリー
上州・沼田城を巡って繰り広げられた真田家と徳川家の戦い、「第一次上田合戦」。その最大の激闘である「神川の戦い」は真田家の圧勝に終わった。
しかしまだ局地戦が終わったばかり。徳川家康(内野聖陽)はまだ真田討伐を諦めてはいなかった。
そんな折、徳川家にある想定外の事態が起きる。徳川の屋台骨を揺るがす程の事態であり、真田家との対立にも大きな影響を及ぼすものであった。
一方、上方・大坂では織田信長の後継者である羽柴秀吉(小日向文世)が着々と天下人の座を手に入れるべく動いていた。圧倒的な軍事力と支配力を背景に、全国の大名たちへ秀吉への臣従を迫っていたのである。
真田信繁(堺雅人)が人質としてあった春日山城・上杉景勝(遠藤憲一)も迷った挙句、秀吉に服従する事を決意。大坂へ上洛する事となり、信繁も上杉家家臣・直江兼続(村上新悟)らと大阪城への面談に付き従う。
秀吉からの服従命令は、小牧長久手の戦いで羽柴軍を敗った徳川家康の元にも来ていた。徳川家と同盟を結んでいる関東の覇者・北条氏政(高嶋政伸)の元にも。秀吉の前にひれ伏すかどうかの判断を迫られる全国の大大名たち。
そして景勝とともに大阪へ着いた信繁は秀吉の居城である大坂城のとてつもないスケールに圧倒される。そしてそこでは秀吉、石田三成(山本耕史)、茶々(淀殿・竹内結子)、加藤清正(新井浩文)、片桐且元(小林隆)ら、歴史に名を遺す人物たちとの新たな出会いが待っていた・・
「大坂」史実から見たネタバレ予想
まず一つだけ言っておきたいのが、第13話「決戦」で描かれたのは、あくまで「第一次上田合戦」の中の最大の激闘である「神川の戦い」であったという事です。言ってみればこの戦いは上田合戦の中の局地戦の一つであって、神川の戦いで大惨敗を喫した徳川軍はまだ真田家討伐を諦めた訳ではなかったという事です。徳川の真田に対する脅威はまだ去ってはいなかったのです。
神川の戦いが閏8月2日。そして徳川軍が完全に真田家討伐を諦めて撤退したのが11月だと言われています。なぜ徳川は真田討伐を諦めたのか?恐らくそれが上記のストーリーの中にある、徳川家に起きた「想定外の事態」であると思われます。
その徳川の屋台骨を揺るがす程の事態とは、徳川家の重臣中の重臣であった石川数正(伊藤正之)の羽柴秀吉への出奔です。簡単に言うと、数正が徳川家を裏切って敵対していた秀吉についたという事です。
これは家康にとって痛恨の極みともいえる出来事でした。数正は徳川家の内政・外交・軍事全てにおける中心的人物です。つまり、徳川家の内部機密が全て敵対する羽柴秀吉に筒抜けとなってしまったのです。これでは秀吉と天下を争うどころではありません。もちろん真田家と戦っている場合でもありません。この出来事によって徳川家は軍制等を全て新しいものに変えるなど、とてつもない労力を擁する事となってしまったのです。
そしてもう一点、気になるのが前回の前半で徳川家康に槍を突き付けられながら選択を迫られた真田信尹(栗原英雄)の動向。
史実ではこの後、真田信尹は引き続き徳川家康の家臣として徳川家に仕える事となっています。一度徳川家を離れて浪人の身分となりますが、それはまた少し先の話となります。この真田丸の中では今一つ信尹の立ち位置が理解しづらい部分がありますが、既に信尹はれっきとした徳川家臣です。ですので、いかに信尹が対立する真田昌幸(草刈正雄)の実弟であろうとも、徳川家臣である信尹に対してこのような行動をとるとは考えにくいです。この描写に関しては、三谷幸喜の創作によるものだと思われます。しかし、他家にありながら、真田家のために立ち回ったという信尹の業績に関しては事実です。実際に真田本家のために有力大名との仲立ちをしたりしており、恐らく信尹と昌幸は密接に連絡を取り合っていたのではとも言われています。
というわけで、身の危険が迫る信尹ですが、命に別状はないと思われます(笑)。隠れファンの多い信尹だけに一安心ってとこですかね。
石田三成、加藤清正、片桐且元、茶々、大蔵卿局、うたが初登場!
いよいよ中央勢力と信繁が交わる大坂編への突入。当然ながら初登場人物のオンパレードとなります。しかも大物揃い。
第6話「迷走」でほんの数秒だけ(笑)登場した羽柴秀吉が本格的に登場する他、秀吉の片腕として後に関ヶ原で家康と雌雄を決する石田三成、虎退治で有名な三成とは犬猿の仲の加藤清正、豊臣家と徳川家の板挟みとなった苦悩の人、片桐且元が初登場。どの武将も秀吉とは切っても切り離せない歴史上有名な武将達です。
それ以外にも、織田信長の姪であり、秀吉の側室として嫡子・秀頼を生んだ茶々(淀殿)、秀頼の乳母として大坂城落城を共にした大蔵卿局(おおくらきょうのつぼね)、悲劇の武将、石田三成の妻として佐和山城で三成に殉じたうたも初登場。どの女性もこれからの真田丸のキーパーソンとなる重要人物です。
個人的に凄く楽しみなのが、やはり山本耕史の石田三成。山本耕史と言えば、三谷大河「新選組!」では実質の主人公ともいえる副長・土方歳三を演じるなど、もはや三谷作品には欠かせない役者さんですね。
人生の全てを豊臣家のために捧げた義の武将・石田三成。その姿は同じく人生の全てを新選組に捧げた土方歳三と被ると思うのはわたしだけではないはずです。山本耕史の三成には何の不安もないです。もはや楽しみしかないんです、わたし的には。間違いなく史上最高の石田三成が見られるはずです。それは疑う余地がありません(笑)。
三成と言えば気になるのが、三成の盟友であり、信繁の義父ともなる大谷吉継。新婚で幸せいっぱいの(笑)片岡愛之助演じる吉継の出番は来週は無さそうです。とはいえ、舞台が大坂に移った以上は登場はすぐそこまで迫っているはずです。
とにかく梅の死という悲劇を乗り越えて新たな舞台へと進む信繁のこれからに目が離せなくなることは間違いないでしょう。
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