戦国時代と言えば、言うまでもなく男たちがお家のため、そして自分たちの野望のために争いを繰り広げた時代ですが、その裏には当然それを支えた女性たちがいました。
時には人質として敵国へと出されたり、政略結婚の一環として嫁に出たり、逆に嫁として嫁いできたり、戦となれば戦う男たちをまさに影となって支える存在でした。
当然「真田丸」でもそんな女性たちの姿が描かれます。
今回は真田家の女性たちをご紹介します。
真田安房守正幸の妻・薫(かおる/演:高畑淳子)
真田安房守昌幸の正室であり、松、真田信幸(信之)、真田信繁の母。山手殿とも呼ばれる。後出家して寒松院と名乗る。
昌幸が武田家家臣であった時代には甲斐の新府城にて人質として預けられていた。しかし織田家による武田攻めの際に新府を脱出し、上田へ帰還する。
関ヶ原の合戦時(1600年)にも西軍(石田三成)の人質として大阪にあったが、これも脱出し上田へ帰っている。
関ヶ原の合戦で夫・昌幸と次男・信繁が九度山へ流罪となった際には信之の元へと引き取られ、上田に残る事となる。
昌幸幽閉後は出家して名を寒松院と改め、大輪寺へ移る。
昌幸の死から2年後、信繁の死の2年前の1613年に死去。享年は65とされているが諸説あり。
この薫(山手殿)の出自としては色々な説があります。公家の菊亭晴季の娘というのが有名ですが、菊亭家は主君である武田家の正室の実家である三条家と同等の名門公家であるため、家臣に過ぎない真田家の正室が菊亭家出身というのはあり得ないという説も有力です。
もうひとつ有力となっているのが、武田家家臣・宇多頼忠の娘とする説です。この頼忠の次女は石田三成に嫁いでおり、薫がこの頼忠の娘だとすると昌幸と三成とは義兄弟ということになります。この縁から昌幸が関ヶ原において三成の率いる西軍に味方したのではないかという説もありますね。
この「真田丸」では薫は公家出身であり、誇り高き妻という事になっているようです。
ゆえに武家のしきたりと相いれない部分もありますが、実際は愛情深き女性であり、大名間を渡り歩く昌幸に振り回されて気をもむというような一面も見せる魅力的な女性に描かれているとの事です。
演じるのは高畑淳子。大河ドラマは2008年の「篤姫」以来8年ぶり3度目。娘の高畑こと美さんは女優であり、息子の高畑裕太さんも若手実力派俳優として一躍脚光を浴びていますが、この高畑さんも舞台出身という事もあり、その実力は万人が認めるものですね(最近はバラエティ出演が多いので、若い人にはバラエティ畑だと思っている人が多いようですがw)。
高畑さんが演じる薫は、ある意味真田家の一服の清涼剤のような存在になるでしょうね。気位は高いが、ある意味天然っていう役どころのようです。まああの昌幸の妻ですから、大らかな女性でないとやっていけないでしょうね(笑)
真田弾正幸隆の妻・とり(おとり)(演:草笛光子)
昌幸の父・真田幸隆(幸綱)の正室であり、昌幸、信尹らの母。松、信幸、信繁の祖母である。恭雲院とも呼ばれている。
真田家にも使えていた武将・河原隆正の娘であるが生年は不明。没年は1592年と1593年という2つの説がある。
真田家の基礎を築き、武田信玄にも劣らない智謀を持つ名将と言われた昌幸の父・幸隆の正室、とり(恭雲院)を演じるのは大女優・草笛光子さん。大河出演は2009年の「天地人」以来7年ぶり9作目(2013年にナレーションを務めた「八重の桜」を含めると10作目)。
実はこのとりに関してはその経歴に関してはほとんど資料に残っていません。作家の三谷幸喜は常々「歴史的事実はそのままを描くが、史実に残っていないところは想像を膨らませて描きたい」と語っている通り、この真田家の「ゴッドマザー」とりはその想像力を大いにかきたてられる人物なのではないでしょうか。
真田家の先代として数々の修羅場をくぐってきた幸隆の妻らしく、非常に肝の据わった女性として描かれるのではないでしょうか。公家出身という設定の薫と違い、信濃の豪族出身らしく、いい意味での土臭さのようなものも持ち合わせており、そういう意味でも薫との嫁姑関係は必見ですね。
草笛さんの演技に関しては何の心配もないですし、あとはどれだけの肝っ玉ばあちゃん(笑)ぶりを見せてくれるのかが楽しみです。
小山田信誠の妻で真田兄弟の姉・松(木村佳乃)
真田昌幸の長女であり、小山田信誠の妻。永禄8年(1566年)生まれであり、信幸より1歳年上、信繁の2歳年上である。
夫の小山田茂誠は真田家の家老であり、現在の長野県小県郡青木村の村松という場所に領地を与えられ住んでいたことから、「村松殿」と呼ばれていた。
寛永7年(1630年)に死去。享年65。
真田家の長子にして、信幸・信繁の姉、真田松を演じるのは東山紀之の奥さん、木村佳乃。大河ドラマ出演は2009年の「天地人」以来、7年ぶりとなります。その他に2001年の「北条時宗」でも男勝りなヒロイン役を演じていましたね。
この松は信繁・信幸の良き理解者であり、実際に信繁がこの松に宛てた手紙も残されています。
劇中においてはしっかり者で気取らない、そして「北条時宗」で演じた桐子役と同じく男勝りな一面も持つ、気丈な女性を演じます。
自らを「体育会系女子」と言い切るほどに体育会系ノリで知られる木村佳乃さんにとっては地で演じられるといってもいい役かもしれませんね(笑)
そんな真田家の影の中心人物と言ってもいい彼女ですが、木村さん本人がインタビューで語っているところによると、物語序盤で大きな災難に遭遇してしまうそうで、その結果何と、記憶喪失になってしまうのだとか。男性陣だけでなく、真田家の女性陣からも目が離せない展開になりそうです。
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