小山田茂誠(おやまだしげまさ) 演:高木渉
おやまだしげまさ。武田家の譜代の重臣であり親族衆でもある小山田信茂の家臣。小山田茂誠(しげまさ)は信茂の分家筋にあたる。
茂誠は永禄10年(1567年)生まれで真田信繁とは同い年である。妻は真田昌幸の娘であり、信濃の小県郡村松に居を置いた事から「村松殿」と呼ばれている。
小山田氏が武田家を裏切ったことによって織田家に処刑された後は真田昌幸に仕える事となる。時期は不明だが、その後は昌幸の長男・真田信幸(信之)に仕え、大坂の陣においては病により出陣出来なかった信幸に代わり、信幸の息子である信政・信吉兄弟の配下として豊臣方と戦う。
上田から松代まで終生信之に付き従い、片腕として信之を支え続けた。寛永19年(1642年)没。享年76。
この小山田信誠という人物は「真田丸」の主人公である信繁とは非常に仲の良い人物で、実際に信繁が茂誠に宛てた書状も現存しています。ちなみに信繁が生前最後に送った手紙はこの茂誠宛てです。
姉の松(村松殿)への手紙も残っており、信繁が姉夫婦と親密であったことが伺われますね。
真田信繁・信幸兄弟を長きにわたって支える事となるこの小山田茂誠を演じるのは高木渉さん。大河ドラマは初出演、というか映像作品自体がこの「真田丸」デビューです。
というのもこの高木さん、声優としてのキャリアが凄いのです。名探偵コナン(少年探偵団)の小嶋元太役や、ドラえもんの先生役、ゲゲゲの鬼太郎のねずみ男役等で有名ですが、個人的には大好きな「HUNTER×HUNTER」のナックル役が最も印象深いですね。あと、まだ放送開始前ですが、これも大好きなジョジョの奇妙な冒険の4月開始の第4部「ダイヤモンドは砕けない」での虹村億泰役にも決まっており、これも楽しみで仕方がないです。
と同時に、この有名声優さんがこの映像作品デビューの大河ドラマ「真田丸」でどんな演技を見せてくれるのか?というのにも興味を持たずにはいられませんよね。ちなみにこの高木渉さん、映像作品は今回が初めてですが、舞台俳優として場数を踏まれているとの事なので、演技に関しては心配なく観ていられそうですね。
佐助(さすけ) 演:藤井隆
この佐助に関しては架空の人物です。が、恐らく江戸時代の講談で人気となった真田十勇士の一人、猿飛佐助から取った名前だと思われます。真田幸村の手足となって徳川家康と戦った真田十勇士は講談師が作った架空の人物達なのですが、この十勇士にはそれぞれにモデルとなった実在の人物が存在していたという説もあります。
猿飛佐助にモデルとなった実在の人物がいるか否かは置いておくとして、真田家が忍びを使った諜報戦略に長けていたというのは間違いないであろうとも言われています。信繁の祖父・幸隆(幸綱)、父・昌幸、そして信繁自身もですが、真田家代々に共通するのが、智謀策謀に長けていたという事です。敵方を寝返らせたり、敵国の様子を把握する能力、そして少数でも多数を打ち破るゲリラ戦術など・・これらは情報収集能力や敵を攪乱する能力に長けた配下がいてこそ成り立つ戦術です。真田家にはそういった裏で暗躍するいわゆる「忍び」がおり、その者たちが縦横無尽に働いていたであろうことは間違いないと言われています。
そんな真田の忍びの一人として「真田丸」に登場するのがこの佐助です。
佐助以外の真田家の忍びは今のところ明らかになっていませんが、この佐助らを束ねる頭領の役目を果たすのが、寺島進さんが演じる信濃の豪族であり、素っ破(忍びの別名)でもあったと言われる出浦昌相(いでうらまさすけ)なのだそうです。いわば、佐助の直接の上司ともいえる存在ですね。
恐らくこの先の真田家の重要な合戦などにおいて重要な役割をになうであろうこの佐助。上田合戦や大坂の陣での活躍が今から楽しみで仕方がありませんね。
演じるのは吉本興業所属のお笑い芸人であり、俳優、そして歌手など幅広く活躍する藤井隆。
これも意表を突かれる配役ですね。しかし、実際の忍びとは藤井隆さんのような感じだったと思うのです。どういう意味かというと、我々のイメージでは忍びというとカッコいい人や渋い人が演じるというイメージですが、実際映画やドラマで出てくるような忍びは目立って仕方がないと思うんですよね(笑)忍びとはまさに影の存在であり、敵の中に潜入して諜報活動を行ったり、攪乱したりしなければなりません。一般人に交じって敵国で情報収集したりしなければなりませんし、見た目は目立たない普通の人だったと思うのです。逆に普通の人であればあるほど優れた忍びであったと言えるのではないでしょうか。
そういう意味で藤井隆さんはピッタリだと思うのです(笑)恐らく、三谷幸喜もそれを見込んでキャスティングしたのだと思いますね。
そんな普通の中の普通人である佐助がその外見とは裏腹にどんな活躍を見せてくれるのか、期待です。
矢沢三十郎頼幸(やざわさんじゅうろうよりゆき/頼康)演:迫田孝也
やざわさんじゅうろうよりゆき。真田家の重臣。父・頼綱は信繁の父・昌幸の叔父であり、昌幸とは従兄弟にあたる。後に名を矢沢頼康と改める。
生年は天文22年(1553年)。昌幸の6歳下で信繁の14歳上になる。
上杉景勝への臣従に伴う信繁の上杉家への人質としての越後行きの時には信繁に付き従って越後で過ごす。
徳川軍7000を上田にて打ち破った第一次上田合戦においては居城である矢沢城にて敵を撃破、追撃戦でも相手を散々に打ち負かす活躍を見せた。
関ヶ原の戦いにおいて信幸が上田の領主となって以降は信之に従い、大坂の陣にも出陣するなど、家老として活躍。
元和6年(1620年)に死去。享年68。
真田家の親族衆であり、股肱の家臣でもある矢沢三十郎頼幸を演じるのは迫田孝也さん。大河ドラマは初出演となります。
1977年生まれの38歳で、「ザ・マジックアワー」や「清須会議」などの三谷作品でもおなじみの俳優さんです。
信之にとっても信繁にとっても忠誠心に溢れ、勇猛果敢なこの矢沢三十郎頼幸を三谷幸喜作品を知り尽くした迫田さんがどう演じるのか見ものですね。
矢沢頼綱(やざわよりつな)演:綾田俊樹
やざわ・よりつな。真田幸隆(幸綱)の弟にして昌幸の叔父。信玄時代を知る真田家中の要の存在であり、重臣中の重臣。
兄・幸隆に従って挙げた戦功は数知れず。幸隆の真田家再興における右腕ともいえる人物。
武田家滅亡後は大名として独立を果たした甥の真田昌幸に仕えて沼田城を任され、真田家の上州支配を司る。
子の頼幸に家督を譲った後、慶長2年(1597年)死去。享年80。
押しも押されもせぬ真田家中の大物中の大物です。
何といっても信玄存命中の武田家の最盛期に数々の武功を立てた人物という事でその存在感は昌幸も一目置く人物であったと言われています。
そんな真田家中の重しを演じるのがベテラン名脇役・綾田俊樹。
大河ドラマは初出演ですが、準大河ドラマとも呼ばれる水曜時代劇シリーズの「宮本武蔵」と「真田太平記」に出演されていますね。綾田さんと言えば、柄本明さんやベンガルさん、高田純次さんらと共に活動していた東京乾電池のイメージが強いです。その後は小悪党的な役柄を多く演じていらっしゃって、いい意味で唯一無二の存在感のある俳優さんですね。
ちなみにあの「真田太平記」では往年の名俳優・加藤嘉(かとうよし)さんが演じられていましたね。まさに真田家の大物って感じの頼綱でした。
この「真田丸」では綾田さんが真田の生き字引とも言える頼綱をどんな風に演じるのかとても興味深いですね。加藤嘉さんの頼綱を超えるような熱演を期待します。
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