第4回「挑戦」詳細ネタバレストーリー
真田昌幸(草刈正雄)と信繁(堺雅人)は、織田家に臣従の意を示すため、織田信長(吉田鋼太郎)のいる法華寺(ほっけじ)へ到着した。
控えの間に通された二人が見たのは、葵の紋入りの旗の数々。徳川家康(内野聖陽)の旗である。葵の旗を見ながら昌幸は元亀三年(1573年)の「三方が原の戦い」を思い浮かべる。「三方が原の戦い」は今は亡き武田信玄が若き徳川家康を散々に打ち破って家康に自害を覚悟させた戦であった。その戦いに昌幸も加わっており、当時は「武藤喜兵衛」という名で信玄の手足となって戦ったのである。
法華治の廊下で一足先に織田家の臣下となっている室賀正武(西村雅彦)に出会い、正武に上杉と真田の密約が信長に漏れていることを伝えられるが、昌幸は自分の描いた調略だとは露とも知らぬ素振りで白を切る。
信繁が法華寺内で弓の手入れをする本多忠勝(藤岡弘、)に話しかけていると、そこに徳川家康が現れる。目の前の人物が家康だとは思いもよらない信繁は真田家の事を家康に話し、家康はその話を興味深く聞き入るとともに信繁の聡明さに感心する。
とそこへ矢沢三十郎(迫田孝也)を引き連れて父・昌幸が現れる。信長への貢ぎ物に何がいいかと家康に助言を求める昌幸に家康は馬を献上する事を提案し、昌幸が感謝していると、家康が昌幸に問う。
「武田軍に武藤喜兵衛というえらく強い侍大将がおりましてな。そのものにはほとほと手を焼きました。ご存じありませぬか」
家康が武藤喜兵衛をそこまで評価していたことに内心驚きながらも昌幸は眉ひとつ動かさずに答える。
「存じませぬな」
真田の郷では信長に会いに行った父・昌幸が心配で落ち着かぬ様子の真田信幸(大泉洋)がいた。そんな信幸はふと姉・松(木村佳乃)や梅(黒木華)・きり(長澤まさみ)らの怪しげな行動を目にする。つけていくと、そこには梅の兄・堀田作兵衛(藤本隆宏)の家であった。松・梅・きりは松の夫・小山田茂誠(高木渉)をかくまっていたのである。現れた信幸に対して嘘をついて必死に茂誠の存在を隠そうとするが、信幸はあえて気づかぬふりをしてその場を去る。
法華寺ではいよいよ昌幸と信長の対面が迫っていた。広間に通された昌幸と信繁を待っていたのは信長の嫡男・信忠(玉置玲央)。他に家康と織田家の重臣・滝川一益(段田安則)もいた。座した昌幸に対して信忠が上杉家への密書を取り出して昌幸を問いただす。
二心があったわけではないと弁明する昌幸。それどころか開き直って織田家に真田家を守るよう強く言い放つ。疑いが晴れようとしたときに家康が口を開いた。
「大の戦上手である真田安房守昌幸は上杉からも誘われるほどの大物である。そうわれらに思わせようとしたのではないのですか?」
昌幸の謀略を見抜いていた家康。さらに家康は事の真偽を控えの間に待たせてある上杉家の家老・直江兼続に直接聞いてみると言う。絶体絶命の危機に陥った昌幸だったが、慌てる様子もなく、
「確かめたければ確かめるがよろしかろう」
と言い放ち昌幸と家康は一歩も引かずに目と目を合わせて睨みあう。家康は折れて読み違いであったことを認め、信忠に昌幸を信じるよう説く。そして昌幸に一言、
「さすがは勇名を馳せられた武藤喜兵衛殿。肝が据わっておられる。」
家康は昌幸が武藤喜兵衛であったことを覚えていたのである。
信長を呼びに行った信忠が帰ってきた。上座に座らず家臣側の座に座る。そして足音が聞こえた。座にいる武将たちが平伏する。近づく足音。静まり返る広間と緊張感が増す武将たち。
そこにブーツを履いた信長が現れる。片膝をついて平伏する昌幸の顔を覗き込む信長。しばし無言で昌幸の顔を射るような眼差しで見つめた信長は一言、
「・・良き面構えじゃ」
この瞬間、真田家の織田家への従属が認められた。
織田家の重臣・滝川一益から織田家の意向を伝えられた昌幸。信濃の真田の郷はこれまで通り真田の領地として認められたものの、岩櫃城・沼田城などの上野の領地は織田家に召し上げられてしまう。その代わり、信濃・小県の国衆のまとめ役として信任される事となった。実質上の小県の盟主として認められたのである。
同じころ、信繁は家臣である三十郎に実際に見た信長の印象を語っていた。そんな時、大きな罵声が響いた。慌てて駆けつける信繁と三十郎。するとそこには鬼の形相で家臣・明智光秀(岩下尚史)の頭を欄干に打ち付ける織田信長の姿があった。その信長の狂気の一面を固唾をのんで見守る信繁。声も出なかった。
織田家家臣となった昌幸と信繁は事の顛末を長男・信幸や重臣・高梨内記(中原丈雄)、信濃国衆・出浦昌相(寺島進)に説明する。そこで問題となったのが織田家の本城である安土城へ送る人質である。昌幸の母・とり(草笛光子)を提案する昌幸に対して信繁が姉・松を人質とするよう進言する。
信繁は姉・松とともに松の夫・茂誠も安土へ逃がそうと考えたのである。松と一緒におられると同時に真田の郷からも脱出できる一石二鳥の妙案である。信繁の説明を受けた松は人質の件を喜んで引き受ける。
昌幸は沼田城奪取の功労者である叔父・矢沢頼綱(綾田俊樹)に沼田城と岩櫃城を織田家に差し出す事を説明し、己の力不足を詫びる。落胆を隠せない頼綱であったが、昌幸を気遣って言う。
「沼田城が上野で最も大事な城だと信長が認めたという事じゃ。むしろ鼻が高いわ」
そう言って笑うと、昌幸も安堵して表情を崩した。
姉・松は家臣に紛れた夫・茂誠とともに安土へ着いた。弟・信繁も一緒だ。物珍しい安土の城下町と天下一と言われる安土城に圧倒される信繁たち。
その夜、寝所で寝ていた信繁は悪夢にうなされていた。
突如信長に反旗を翻した明智光秀によって信長が京都の本能寺で討たれたのである。歴史に名高い「本能寺の変」である。
視聴した感想と最優秀キャラ(MVP)
今回もやばかったです。面白すぎて。毎回毎回同じことを書いて申し訳ないですが、面白いんだからしょうがないっす(笑)。
今回は先にMVPを発表しましょう。
真田昌幸と徳川家康。
最初の武藤喜兵衛を巡るやり取りと上杉への文書を巡るやり取り。この後宿命のライバルとしてしのぎを削る両者のダークサイドが存分に見えて非常に見ごたえがありました。どちらかを選ぶことなどできません。どちらもがMVPです。
ここまで武将同士の心理戦を見事に描いた作品をわたしは他に知りません。特に昌幸ファンにとってはたまらない展開であったと思います。家康ファンにとっても家康の底知れない能力を垣間見れて満足だったのではないでしょうか。
ところで一つ疑問に思ったことがあります。
昌幸の上杉への密書を自作自演だと疑った家康が、奥の間に待たせてある上杉家の参謀・直江兼続に密書が本物かどうか確かめると言ったシーンです。後でふと思ったのですが、直江兼続は実際にはいなかったのでは?と思ったのです。つまり、家康のブラフ(はったり)ではなかったのでないかと。だからこそ昌幸が毅然とした態度を崩さなかったことで家康が引いたと思うのですがみなさんはどうお思いになられましたでしょうか。あえて直江兼続を出さなかったのにはそういう意図があったのではないかと思いますが、あえて三谷幸喜は視聴者に判断を委ねたのかもしれませんね。
もう一人、織田信長役の吉田鋼太郎さんも良かったです。出番は2シーンだけだったのですが、あの目力には圧倒されました。なんというか、剛のオーラというよりは、もっと得体のしれないどこまで行っても底の見えない奥深いオーラというか・・。そんな不気味な威圧感を放っていた信長だったと思います。あの昌幸ですら圧倒されるほどの存在感でしたね。さすが吉田鋼太郎って感じでした。
が、まさかまさかのエンディング。もう本能寺かよっ!こんだけ?吉田鋼太郎こんだけ??
ホント、大河ドラマって贅沢ですよね(涙)
信幸が機転を利かして松を人質に推薦するところもよかったですし、信繁の肝っ玉の大きさや武将としての潜在能力を示す場面もあり、真田ファンにとっては十分満足できました。
来週はいよいよ本能寺の変後の各人たちの右往左往が見られそうです。もちろん真田家も再び激動の渦へと放り込まれる事になるのですがね(苦笑)。
にしても吉田信長・・・惜しいっすわ・・
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