1971年のデビュー以来、全世界で累計1億5000万枚以上のセールスを記録し、レジェンドが居並ぶ超大物ミュージシャンの中でも歴代6位の売り上げを記録している音楽界の重鎮、ビリー・ジョエル。
本国アメリカはもちろんのこと、ビリー・ジョエルの人気がここ日本でも非常に高い事は、過去に彼の曲がCMやテレビ番組のBGMとして数多く使用されている事からも明らかです。ビリー・ジョエルは知らなくても彼の曲の多くを知っているという日本人は多いですね。彼の作るメロディアスでポップな楽曲は日本人と親和性が高い音楽であるといえます。
そんな中からわたしが最も好きで聞いているビリーが1982年に発表した8枚目のスタジオアルバム「ナイロン・カーテン」をご紹介しましょう。
意外とヒットしなかった?「ナイロン・カーテン」The Nylon Curtain(1982年発売)
前述したとおり、個人的にはビリー・ジョエルのアルバムの中で最も好きなアルバムです。今でもよくCD ラック(死語?w)から取り出して聞いています。
冒頭で、ビリー・ジョエルはそのキャリアで1億5000万枚以上のレコードセールスを誇るといいましたが、彼のキャリアの絶頂期は1970年代後半から1980年代前半。いってみれば、1982年発売のこの「ナイロン・カーテン」はビリーのキャリア全盛期に発売されたアルバムです。
しかしこのアルバム、ビリーの最大の売り上げを記録した「ストレンジャ―」以降のアルバムでは最も売り上げの少なかったアルバムなのです。しかも断トツで。
「ストレンジャ―」(1977年)「ニューヨーク52番街」(1978年)「グラス・ハウス」(1980年)「イノセント・マン」(1983年)はそれぞれ700万枚以上を売り上げているのに対してこの「ナイロン・カーテン」だけは200万枚台の売り上げに終わっています。圧倒的にセールス的には少ないのです。
もちろん、売り上げとアルバムの出来は比例するものではありません。しかし個人的にどうもこのアルバムのこのセールスは合点がいかないのです。ビリー自身が自信作だと言い切った程のアルバムですし、実際にそれだけの出来になっているアルバムだからです。
ではPV動画などでこのアルバムの主な曲などをご紹介していきます。
第1弾シングル「プレッシャー」ビルボード全米最高20位
前述したとおり、このアルバムはビリーの全盛期のアルバムだというのに意外なほどに売れませんでした(それでも全米最高位7位ですが…)。その理由の一つに、他のアルバムに比べるとヒットシングルに恵まれなかった事があると思います。こちらがこの「ナイロン・カーテン」からの1stシングルとなった「プレッシャー」のPVです。
うーん、名曲なんだけどなぁ…(苦笑)。
シンセサイザーが大胆にフィーチャーされてちょいニューウェイブっぽさも感じるアップテンポな曲ですが、ビリーのメロディセンスが存分に生かされた、ビリーの楽曲の中でも最上位に入る程素晴らしい曲だと思うのですが…。ビリーのこの時期のシングル曲にしては全米ビルボード20位止まりというのはやはり低いと言わざるを得ません。
ビリー本人がこのアルバムは自身にとっての「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」(ビートルズの実験的な名作アルバム)という程に実験色の濃いアルバムなのですが、そんなアルバム中の曲群の中でもその色合いの濃いこの曲が当時のアメリカでは受け入れられなかったという事なのでしょう。サウンドもそうですが、歌詞もそのタイトル通り、人間が受ける心理的圧力、そしてそんな抑圧による恐怖や不安といった精神的重圧について歌った重めのテーマですからその辺りも敬遠されたのかもしれません。
この曲に関してはライブバージョンがまた素晴らしい出来なんです。ライブで最も映える曲といってもいいかもしれません。つーわけでライヴヴァージョンもどうぞ(笑)
うーん、やっぱり素晴らしい。アルバムにもましてビリーの声は伸びやかで迫力があり、バンドの音の厚みも臨場感十分ですよね。
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