現在テレビ朝日系でレギュラー放送中の水谷豊さん主演の「相棒」。現在の刑事ドラマの人気筆頭を誇るこのドラマ以外にも、様々な刑事ドラマが放送されている日本のテレビ界。
世代を超えて時代を超えて日本人に愛され続ける刑事ドラマですが、昭和の時代はもっと数多くの、今ではレジェンドと呼ばれる大ヒット刑事ドラマなども溢れていました。そんな刑事ドラマの顔ともいえるのがオープニング曲。オープニングタイトルの出来栄えで作品の成否まで左右されるとまで言われる程重要なオープニング。それだけに昭和の時代にはとにかくカッコイイ刑事ドラマのオープニング曲がたくさんありました。
ここではそんな昭和の刑事ドラマの名オープニング曲を独断と偏見でカッコイイ順にランキング形式にしてご紹介したいと思います。
第10位 キイハンター(1968年/TBS)作曲:菊池俊輔
ドラマ名:キイハンター
放送期間:1968年4月6日~1972年9月30日
テレビ局:TBS
主 演:丹波哲郎
OP曲名:非情のライセンス
作 曲:菊池俊輔
ぶっちゃけますが、わたしはこのキイハンターというドラマは、放送開始当時まだ生まれていなかったためにリアルタイムで見ていません。しかしこのオープニング曲はよく知っています。未だに多くの番組のBGMなどに使用されていますし、何より私の場合学生時代に聞いていたラジオ番組、「スーパーギャング・コサキン無理矢理100%」でよくかかっていたからです(特に野際陽子さんのヴォーカル入りバージョンの方)。
このあまりに有名な曲はタイトルを「非情のライセンス」といい、数々のドラマやアニメなどの主題歌を手掛けた菊池俊輔氏の手によるものです。
オープニングではこの「非情のライセンス」の歌詞のないインストゥルメンタルバージョンが流れ、エンディングでは野際陽子さんの歌う歌詞入りの「非情のライセンス」が流れていました。まさにこの名作「キイハンター」の代名詞ともいえるテーマソングです。
このオープニングはとにかくオシャレでカッコいいですよね。放送開始から半世紀近く経とうかという現在でもおしゃれなんですから、当時はそりゃ超絶カッコよかったであろうことは想像に難くありません。丹波哲郎、野際陽子、川口浩、谷隼人、大川栄子、そしてサニーこと千葉真一・・どの俳優さんもとにかくシブくて美しくて華凛でカッコよかったですねえ(遠い目)
第9位 西部警察PART1(1979年/テレビ朝日) 作曲:宇都宮安重
ドラマ名:西部警察
放送期間:1979年10月14日~1982年4月18日
テレビ局:テレビ朝日
主 演:渡哲也
OP曲名:西部警察メインテーマ
作 曲:宇都宮安重
演 奏:ホーネッツ
木暮課長(石原裕次郎)や大門団長(渡哲也)、リキ(寺尾聡)やおやっさん(藤岡重慶)ら大門軍団一同が西部署から出てきて階段を降りながらのこのテーマ曲。ミディアムテンポで重厚なこの世界観、まさに西部警察ですよね。
サビのメロディがギターのバージョンとトランペットのバージョンとあり、どちらも味があっていいのですが個人的にはやっぱ断然トランペット派ですね。というか、この曲を聴くとうぉぉぉ―っ!!と吠えながら窓ガラス割って現れるゲン(源田刑事/演:刈谷俊介)の絵が真っ先に出てきてしまうわたしは少数派でしょうか(笑)。
今でもサントラなどが発売されており、色んなバージョンや挿入曲もいつでも好きな時に聞ける・・ホントに便利な世の中になったものですなあ(遠い目)
第8位 警視庁殺人課(1981年/テレビ朝日)作曲:小林亜星
ドラマ名:警視庁殺人課
放送期間:1981年4月13日~10月19日
テレビ局:テレビ朝日
主 演:菅原文太
OP曲名:アーバン・サンライズ
作 曲:小林亜星
演 奏:上田力&パワーステーション
テレビ朝日系列で約半年間放送された「警視庁殺人課」。同時期には刑事ドラマのレジェンドともいえる番組が乱立していたために影が薄いドラマなのですが、このドラマのオープニングもまたカッコいいんです。
主人公のミスター(菅原文太)が殺人課の秀才(三田村邦彦)やエンジェル(一色彩子)を鍛える映像をバックに流れるこの曲は、いかにも小林亜星さんらしい親しみやすいメロディにポップさを加えながら、オシャレでカッコいいBGMに仕上がっています。
ちなみにこのオープニングタイトルの曲名は「アーバン・サンライズ(Urban Sunrise)」といい、演奏は上田力&パワーステーションによるものです。プロレスラーの星野勘太郎さんが現役時代に入場曲として使用していたのでプロレスファンの方にはお馴染みの曲といってもいいかもしれません。あ、そういえばこのドラマにはウルフ刑事役で同じプロレスラーの剛竜馬さんも出演していらっしゃいました。星野さんも剛さんももう鬼籍に入られてるんですよね・・現役時代を知っている人間からしてみれば信じられないですが・・
第7位 大空港(フジテレビ/1978年)作曲:菅野光亮
ドラマ名:大空港
放送期間:1978年7月24日~1980年3月24日
テレビ局:フジテレビ
主 演:鶴田浩二
作 曲:菅野光亮
フジテレビで1978年(昭和53年)から1980年までフジテレビで放送された鶴田浩二さん主演の刑事ドラマがこの大空港。その名の通り、新東京国際空港内にある「空港特捜部」の刑事たちが空港を舞台に活躍する物語です。
その名を示すがごとく、オープニングでは空港にある飛行機の様子、さらに大空に向けて飛び立つジェット機などを背景に菅野光亮(かんのみつあき)氏作曲のこのオープンぐテーマが鳴り響きます。大空港というドラマに合わせた、限りなく広い大空を思い起こさせるような非常にスケール感の大きな、とても壮大な曲です。これはこれですごくカッコいいんです。ガキでしたが、とにかくこの音楽のカッコよさと、壮絶に殉職していった多くの空港特捜部の刑事たちの生き様(死に様?)に熱く胸を躍らせたのが昨日のように思い出されますね。
主演の鶴田浩二さんはもちろんの事、緒形拳さん、田中邦衛さん、黒沢年男さん、中村雅俊さん、片平なぎささん、石川さゆりさん・・とにかく凄いメンバーです。超絶名曲に豪華メンバーで面白い・・その割には影が薄い・・不思議な事もあるものですな。
あと、ムカつくのが大空港で検索かけたらほとんどの場合洋画の「大空港」(アーサー・ヘイリー原作のアメリカ映画っす)が出てきてしまう事。確かにあっちも名作でしょうけど、それにしてもこのドラマ埋もれすぎでしょって感じです。もっともっと再評価されてほしい作品です。
第6位 太陽にほえろ!(日本テレビ/1972年)作曲:大野克夫
ドラマ名:太陽にほえろ!
放送期間:1972年7月21日~1986年11月14日
テレビ局:日本テレビ
主 演:石原裕次郎
OP曲名:「太陽にほえろ!」メイン・テーマ
作 曲:大野克夫
演 奏:井上堯之バンド(後に大野克夫バンド)
「は?太陽にほえろが6位?顔洗って出直してこいや!!」
という怒号は重々承知ですが、ぶっちゃけあまりにも本編のドラマ以外に色々な番組などで聴きすぎて飽きてしまったというのが正直なところなので勘弁してください。曲の素晴らしさに関してはもちろんトップクラスの出来だというのは間違いのないところです。
この刑事ドラマ史、いや日本ドラマ界におけるアンセムと呼んでもいいほどの名曲を作ったのが大野克夫さん。若き日には堺正章さんや井上順さん、かまやつひろしさん、田邉昭知さんらとともに伝説のグループサウンズバンド、ザ・スパイダースのスティールギター兼オルガニストとして活躍、スパイダース解散後はスパイダースでの仲間であった井上堯之(たかゆき)さんや萩原健一さん、沢田研二さんら錚々たるビッグネームたちとPYGを結成する等、その時代の音楽界をリードするカリスマだった人です。
この太陽にほえろの演奏は大野さん自身も所属した井上堯之バンド(後に解散して大野克夫バンドに引き継がれる)。時代に合わせて様々なバージョンが発表されているこの曲ですが、やはり初期の頃の生っぽいラフなバージョンが好きですね。皆さんにも是非聞き比べてもらいたいですね。
というわけで最高にカッコいい刑事ドラマのオープニングベスト10の10位から6位までをご紹介しました。長くなりそうなので5位以上の続きは以下からどうぞ(苦笑)。
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