大河ドラマで石坂浩二が演じた主役から脇役、悪役キャラ 主人公回数歴代2位の名優の歴史

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時代劇

1963年(昭和38年)に記念すべき第1作目の「花の生涯」の放送開始によってその産声をあげたNHK大河ドラマ。

現在に至る50年以上の大河ドラマの歴史において様々な名作を生み出し、大河ドラマでブレイクを果たした俳優たちを世に送り出してきました。

そんな大河ドラマの歴史を語るうえにおいて外せない俳優の一人が大俳優の石坂浩二さんではないでしょうか。

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国民的人気を誇る大河ドラマで3度の主演実績を誇る名優・石坂浩二

大河ドラマにおける記録というのは様々なものがありますが、その中でも最も俳優さんにとっての栄誉ともいうべきものの一つが最多主演回数というものなのではないでしょうか。

この最多主演回数1位の名誉ある記録を持つのが西田敏行さん。主演回数は4度を数えます。まさに永久不滅の大記録です。西田さんの大河ドラマ史についてはこちらの記事もご覧ください。

西田敏行の歴代大河ドラマ出演作品と演じた歴史上の人物達

そしてそんな歴代主演回数1位の西田さんに続く2位、3度の大河ドラマ主演を誇る俳優さんこそがここでご紹介する石坂浩二さんとなります。

そんな石坂さんの3度の主演作を含む大河ドラマの全出演作品と演じた歴史上の人物名をご紹介していきましょう。

1963年「花の生涯」&1964年「赤穂浪士」 役名無し

石坂浩二さんが「ミスター大河ドラマ」の異名をとるのには色々な理由があるのですが、大河ドラマにとって記念すべきメモリアル、第1作目の「花の生涯」から実は出演しているのです。

当時の石坂浩二さんは22歳で慶應義塾大学法学部の大学生でした。まだ役名もない、ある意味エキストラと変わらないくらいの端役も端役だったという事です。

そしてそんな第1作の翌年、大河ドラマ2作目の「赤穂浪士」にも同じく役名が無い役でご出演なさっています。

役名もないエキストラ同然の役から主演まで駆け上がり、「ミスター大河ドラマ」とまで呼ばれるようになった石坂浩二さん。まさに「ジャパニーズドリーム」と呼ぶにふさわしいサクセスストーリーだと思いませんか。

1965年「太閤記」 石田三成役

大河ドラマ1作目と2作目は役名のないほどの端役での出演だった石坂浩二さんですが、何と3作目の「太閤記」にも出演されました。1作目から3作連続での出演です。

そしてこの「太閤記」においては、ようやく役名のある登場人物役を与えられたのです。その役がなんと石田三成役。豊臣秀吉の右腕として、そして関ヶ原の戦いでは実質的な西軍対象として徳川家康と戦った、歴史ファンなら誰もが知っている超有名武将ですね。

この太閤記が実質上の石坂浩二さんの大河ドラマでの歴史の始まりという感じでしょうか。もちろん前二作の経験も貴重だったのでしょうが。

ちなみにこのドラマでは主役を務めた緒形拳さんもほぼ無名の状態からの大抜擢を受け、この後大俳優への道を駆けあがっていきます。この辺りの大抜擢をしたNHKはさすがというしかないですよね。

1969年「天と地と」 上杉謙信役

大河出演三作目にして初めて役名の付いた登場人物を演じた「太閤記」から4年後、石坂浩二さんにとっては初の大河ドラマ主演作品が登場します。

昭和の文豪・海音寺潮五郎の傑作小説を原作とした「天と地と」において、石坂浩二さんは主人公の上杉謙信を演じられました。大河ドラマ出演4作目、大河初出演から数えて7年目、28歳にしての大河ドラマ初出演でした。ちなみにこのドラマの主演が縁で石坂さんと海音寺さんは親交が深まり、石坂浩二さんと浅丘ルリ子さんの結婚式では海音寺潮五郎さん夫妻が媒酌人を務める事になったほどです。

「越後の龍」「軍神」「毘沙門天の化身」など数多くの異名を持つ戦国屈指の名将・上杉謙信。石坂浩二さんの謙信はそのカリスマ性を如何なく発揮していました。恐らくかなわぬ願いなのでしょうが・・全話完全版を見てみたかった(涙)

1975年「元禄太平記」 柳沢吉保役

初主演となった「天と地と」から6年後、再び石坂さん主演の大河ドラマが制作されました。赤穂浪士たちによる忠臣蔵事件を描いた作品です。しかしこの作品の特異な点は、赤穂四十七士を主人公にするのではなく、当時の徳川将軍・徳川綱吉の側近中の側近で幕府の側用人・柳沢吉保を主人公にして幕府の側用人としての吉保の視点で描いた事でしょう。柳沢吉保という人物の栄光と落日を描いた意欲作ですね。

そんな異色作における石坂浩二さんですが、今では石坂さんといえば「日本一の柳沢吉保俳優」という異名もあります。というのも石坂浩二さん、この「元禄太平記」だけでなく、1992年放送の藤沢周平原作、村上弘明主演のNHK時代劇「腕におぼえあり」と1994年公開の高倉健主演「四十七人の刺客」でも柳沢吉保を演じていらっしゃるからです。「腕におぼえあり」の方ではなんと、大石内蔵助役がこの「元禄太平記」と同じく江守徹さんという、大河ファンにはたまらないキャスティングとしても話題となりました。

これまでに大河ドラマで忠臣蔵事件を題材とした作品は4作品。うち大石内蔵助以外が主人公なのはこの作品のみ。攻めてましたよね、この頃のNHKって。完全な冒険作でしょう。しかしそれを成功作として結果を出しているのだからNHKも石坂さんも凄いですね。

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1979年「草燃える」 源頼朝役

主演作である前作「元禄太平記」から4年後、みたび石坂浩二さんに主役の座がめぐってきます。11年間で3度の大河主演。こんな短いスパンで3度にわたって主演を務めた俳優さんは当然いません。本作では源頼朝役で、妻である北条政子役を務めた岩下志麻さんとのダブル主演という形となりました。

石坂浩二さんがこれまでに演じた主人公、「天と地と」の上杉謙信、「元禄太平記」の柳沢吉保、そしてこの「草燃える」の源頼朝。これらの主人公の大河ドラマにおける共通点として言えるのが、これらの主人公は大河ドラマで石坂浩二さんしか演じていないという事です。

歴史上の偉人が複数回大河ドラマの主人公となるのは決して珍しい事ではありません。織田信長や豊臣秀吉、徳川家康の戦国三英傑や源平争乱期の源義経と平清盛、赤穂浪士の大石内蔵助、さらには幕末の英雄である坂本龍馬や西郷隆盛・・こういった人物は2度以上大河ドラマの主人公として題材に選ばれているのです。

つまり石坂さんはあまり大河ドラマでは主人公に選ばれにくい人物を演じているという事です。確かに、柳沢吉保や源野頼朝といえば、赤穂四十七士や源義経らのヒーローにとっては敵役となる事の多い人物です。

アンチヒーローを主人公として演じるというのは非常に難しいのですが、それをやってのけて1年間持たせてしまうというのもやはり俳優としての力量の凄さといえるのではないでしょうか。

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