昭和の文豪、司馬遼太郎が「小説公論」に連載していた新撰組の短編小説をまとめて作られた「新選組血風録」。
発表から半世紀以上が経った現在でも多くのファンを魅了し続けているこの傑作歴史小説ですが、他の司馬氏の人気作品と同様に過去幾度も原作として映画やドラマなどに使用されて映像化作品として世に出されました。
そこでここではそんな「新選組血風録」を原作として制作された映画やテレビ時代劇等で新撰組やその他主要キャストを演じた歴代の俳優さんをご紹介してみたいと思います。
過去に映画化・テレビ時代劇化された「新撰組血風録」作品
「新撰組血風録」の歴代キャストをご紹介する前に、まずはこの小説が原作として使用された映画やテレビドラマ等の映像化作品をご紹介しておきましょう。
1963年公開の映画「新選組血風録 近藤勇」(東映)
1965年のテレビドラマ「新選組血風録」(テレビ朝日)
1998年のテレビドラマ「新選組血風録」(テレビ朝日)
1999年の映画「御法度」(松竹)
2011年のテレビドラマ「新選組血風録」(NHK BSプレミアム)
以上が過去にドラマ・映画化された「新選組血風録」の映像化作品となっています。
1965年、1998年、2011年のテレビドラマはどれも連続時代劇シリーズとなっており、1999年の映画「御法度」は新選組血風録原作のうち「前髪の惣三郎」と「三条磧乱刃」エピソードを基に制作された大島渚監督の遺作となった映画で、松田龍平さんのデビュー作でもあります。
1965年版ドラマは時代劇ファンの間では結束信二版と呼ばれており、同じく結束信二版「燃えよ剣」とともに名作の呼び声高い傑作時代劇ですね。栗塚旭や島田順司、舟橋元、左右田一平等隊士役俳優たちはそれぞれハマり役として人気となりました。
なお、1963年の映画版と1998年のテレ朝版テレビ時代劇は新撰組局長の近藤勇が主人公ですが、他の3作品は副長の土方歳三を主人公として作られています。
土方歳三、近藤勇、沖田総司、山南敬助ら試衛館道場以来の古参隊士役
1963年映画 | 1965年ドラマ | 1998年ドラマ | 1999年映画 | 2011年ドラマ | |
---|---|---|---|---|---|
土方歳三役 | 加藤武 | 栗塚旭 | 村上弘明 | ビートたけし | 永井大 |
近藤勇役 | 市川右太衛門 | 舟橋元 | 渡哲也 | 崔洋一 | 宅間孝行 |
沖田総司役 | 品川隆二 | 島田順司 | 中村俊介 | 武田真治 | 辻本祐樹 |
山南敬助役 | 佐藤慶 | 早川研吉 | 三浦洋一 | 松下哲 | |
永倉新八役 | 国一太郎 | 有川正治 | 堤大二郎 | 阿部亮平 | |
原田左之助役 | 尾形伸之介 | 徳大寺伸 | 小西博之 | 武智健二 | |
井上源三郎役 | 木谷邦臣 | 北村英三 | 樋浦勉 | 坂上二郎 | 大浜直樹 |
藤堂平助役 | 徳大寺伸 | 国一太郎 | 若林久弥 | 田上晃吉 |
※赤字は主演俳優
試衛館道場以来の仲間であり、武州多摩時代から浪士組として上京して新選組結成まで苦楽を共にした新撰組主要隊士であり、どの新撰組ものでも大抵はドラマ・映画の中心となる面々ですね。
近藤、土方、沖田という新撰組三羽烏は当然全作皆勤ですが、それ以外では”源さん”こと6番隊組長の井上源三郎が全作品で登場しています。
斎藤一・山崎烝、伊東甲子太郎、芹沢&新見に加納惣三郎ら新撰組隊士
1963年映画 | 1965年ドラマ | 1998年ドラマ | 1999年映画 | 2011年ドラマ | |
---|---|---|---|---|---|
斉藤一役 | 島田兵庫 | 左右田一平 | 深江卓次 | 尾関伸嗣 | |
山崎烝役 | 南方英二 | 坂口祐三郎 | 大杉漣 | トミーズ雅 | 加藤虎ノ介 |
伊藤甲子太郎役 | 安倍徹 | 原田甲子郎 | 峰岸徹 | 伊武雅刀 | 鶴見辰吾 |
芹沢鴨役 | 遠藤辰雄 | 松山千春 | 豊原功補 | ||
新見錦役 | 飯沼慧 | 岩尾正隆 | 細見大輔 | ||
篠原泰之進役 | 木村功 | 穂高稔 | 船越英一郎 | 菅田俊 | 浜田学 |
武田観柳斎役 | 中村錦司 | 陶隆 | 佐戸井けん太 | 藤原喜明 | |
松原忠司役 | 春川純 | 茂呂弘人 | |||
谷三十郎役 | 兼田好三 | 川副博敏 | 萩原紀 | ||
吉村貫一郎役 | 川浪公次郎 | 伊藤洋三郎 | |||
大石鍬次郎役 | 月形哲之介 | 林彰太郎 | |||
加納惣三郎役 | 黒田勇樹 | 松田龍平 | 佐藤永典 | ||
田代彪蔵役 | 松井範雄 | 浅野忠信 | 伊原侑蔵 |
新撰組血風録は15の短編からなる物語という事で、どのエピソードに焦点を当てるかによってキャスティングはかなり変わってきますね。原作の中の「前髪の惣三郎」を取り上げた映画「御法度」で加納惣三郎が準主人公的扱いとなるのはそういう事です。
にしても異彩を放っているのが1998年版ドラマでの芹沢鴨役。松山千春ってそう、あの超大物歌手の松山千春さんです。同姓同名の俳優さんではありません(笑)。実はこのドラマの主題歌「さよなら」を松山さんが歌っていらっしゃり、その縁でのご出演となっています。にしても最強のサプライズキャスティングですよね。
坂本龍馬や桂小五郎、中村半次郎ら維新志士に古高俊太郎ら池田屋関連キャスト等
1963年映画 | 1965年ドラマ | 1998年ドラマ | 1999年映画 | 2011年ドラマ | |
---|---|---|---|---|---|
坂本龍馬役 | 岡野進一郎 | ||||
おりょう役 | 一色彩子 | ||||
桂小五郎役 | 名和宏 | 勝野洋 | 野村宏伸 | ||
幾松役 | 村松安子 | 麻乃佳世 | |||
大高忠兵衛役 | 小川孝 | 池内万作 | |||
古高俊太郎役 | 伊吹剛 | 嶋本勝博 | |||
池田屋惣兵衛役 | 有馬宏治 | 春海四方 | |||
中村半次郎役 | 小田部通麿 | 高木均 | 原田大二郎 | 志村東吾 | |
明里役 | 有沢妃呂子 | ||||
松平容保役 | 原田甲子郎 | 円谷浩 | 林泰文 |
最後に新撰組隊士以外の主要キャストを。
坂本龍馬の出番が少ない代わりに、武田観柳斎粛清を描いた「鴨川銭取橋」の主要登場人物である薩摩の”人斬り半次郎”こと中村半次郎や長州関連エピソードの関係で長州藩の桂小五郎という幕末志士が新撰組の敵として登場する機会が多くなっていますね。
池田屋事件関連では、大高忠兵衛や古高俊太郎(枡屋喜右衛門)、池田屋惣兵衛らが登場する作品が多くなっています。
新選組キャストに関してはこちらの記事もどうぞ。
コメント