福山雅治主演のNHK大河ドラマ龍馬伝(りょうまでん)は名作か?暗殺の近江屋事件に脚本、音楽(BGM)、主役の演技など

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時代劇

2010年に放送されたNHK大河ドラマ「龍馬伝」。司馬遼太郎原作、北大路欣也さん主演で放送された「竜馬がゆく」以来実に42年振りとなった龍馬主役の大河ドラマは日本中に坂本龍馬ブームを巻き起こしました。

ここではそんな2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」についての考察、感想などを記していきたいと思います。

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2010年以降では最高視聴率を記録し、日本に坂本龍馬ブームを巻き起こした龍馬伝

まずは「龍馬伝」についての簡単なデータからいきましょう。

ジャンル :歴史ドラマ
放送期間 :2010年1月3日~11月28日
放送時間 :毎週日曜日20:00~20:45
ドラマ枠 :大河ドラマ
放送回数 :全48話
制 作 局:日本放送協会(NHK)
音   楽:佐藤直紀
脚   本:福田靖
主   演:福山雅治
主 人 公:坂本龍馬(さかもとりょうま)
平均視聴率:18.7%
最高視聴率:24.4%

平均視聴率は2010年以降の大河ドラマの中では最高の視聴率を記録しており、平均18.7%という視聴率も1年間というロングスパンでの視聴率と考えれば今の時代としてはやはり驚異的な高さだと思います。

実を言うとこの龍馬伝の42年前の大河ドラマ、「竜馬がゆく」は平均視聴率が14.5%で、1994年放送の「花の乱」が更新するまで26年にわたって大河ドラマのワースト視聴率を持っていたという不名誉な記録を持っていました。

というわけで、「幕末物、龍馬主人公ものは視聴率が取れないのでは?」といった意見も放送前には一部でささやかれていました。しかしそんな外野の不安を吹き飛ばすこの高視聴率。さすがは日本人のヒーローだといったところでしょうか。

2009年から2011年の3年間は年末にスペシャルドラマとして「坂の上の雲」が放送された関係上、大河ドラマが普通より1話~3話ほど短くなっています。この龍馬伝も例外ではなく48話しかありませんでした。

武市や以蔵らとの土佐郷士時代を丹念に描いた福田靖のオリジナル脚本

脚本を担当したのは人気脚本家の福田靖さん。木村拓哉主演の連ドラ「HERO」や「CHANGE」を手掛け、さらに主演の福山雅治さんとは「ガリレオ」でもタッグを組んだ正真正銘の実力者です。

この「龍馬伝」、原作作品は無く、福田靖さんが原作・脚本を手掛けたオリジナル作品です。最近の大河ドラマに多いパターンですね。最近のドラマには多いパターンであり、失敗例も多いパターンなのですが、この「龍馬伝」は間違いなく成功例の事例に入るドラマだと思います。

わたしが思うこの「龍馬伝」の一番の良さというのは、土佐時代を上手に丁寧に描いた事だと思います。郷士として生まれた龍馬や武市半平太、岡田以蔵らの身分差別との戦いや彼らとの友情、絆・・これらをどこまで丹念に描いて視聴者に感情移入させられるかが龍馬ドラマの勝負所だと個人的には思っています。逆に言えばここに成功すればほぼ成功は約束されるとも。その意味で福田さんの本はほぼパーフェクトだったと思います。

敵役である山内容堂(近藤正臣)や後藤象二郎(青木崇高)、吉田東洋(田中泯)らも非常に素晴らしいキャラクターでした。まさにどの人物もキャラが生きていましたね。

そして極めつけは最終回・・これについては後で嫌っていう程に語らせてもらおうと思います(笑)。

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オーソドックスな福山雅治の坂本龍馬が引き出した濃ゆき脇役キャラ達

主人公を演じたのはミュージシャンで俳優の福山雅治さん。龍馬のイメージそのままにパーマをかけた長髪にして実際に日焼けするなど、この役に対する意気込みは凄かったですね。

この「龍馬伝」というドラマは、非常に濃いキャラが揃っています。裏主人公ともいえる岩崎弥太郎(香川照之)からして劇こゆです(笑)。その他にも山内容堂や後藤象二郎、勝海舟(武田鉄矢)ら、そうそうたるメンバーがこれでもかという程濃い演技を繰り広げてくれています。

一言で言って、そんな濃ゆいメンツのオンパレードであるこのドラマの中で、主演の坂本龍馬役の福山雅治さんの演技はそれほど派手ではありません。皆がイメージする、皆が大好きな、皆が愛している坂本龍馬という男を本当に忠実にオーソドックスに演じてくれています。

悪く言えば「意外性がない」といわれるかもしれませんが、こんなオーソドックスな福山さんの龍馬だったがゆえに脇役に数多くの当たり役を生み出したのは間違いないでしょう。

敢えて主人公が黒子の演技に徹する事で周囲が光り輝き、とことん個性を追求できた・・そんな気がしますし、福山さんの演技は敢えてそこを狙っていたとわたしは確信しています。ハッキリ言ってドラマでの坂本龍馬役といえば、わたし的には“ちとやりすぎな感”を感じる事が多いのです。龍馬龍馬しすぎというか、演技が濃すぎるというか、ちょっと大げさすぎというか・・。その点で福山雅治さんの龍馬はわたくし的には本当に素晴らしかったんです。

「この龍馬伝での福山龍馬こそ、わたしたち日本人皆が思い描き、愛してやまない坂本龍馬である!!」

わたしはそう断言してもいいとさえ思いますね。

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