1963年(昭和38年)の記念すべき第1作「花の生涯」から始まり、現在放送中の2017年「おんな城主直虎」が56作目となる、半世紀以上の歴史を誇る国民的人気ドラマ、大河ドラマ。
そんな歴史ある大河ドラマの中で数多くの名優たちが演じてきたのが、幕末に土佐郷士として生まれて脱藩し、脱藩浪士の身ながら薩長同盟に尽力して維新回天の立役者となった坂本龍馬です。日本史を代表する維新回天の英雄を大河ドラマで演じてきた俳優さんとその作品の一覧をご紹介したいと思います。
5作目 三姉妹 (1967年/昭和42年) 演:中村敦夫
この年1967年は明治維新からちょうど100年目にあたるという事で、大河ドラマ史上初の幕末物が制作される事となりました。同時に女性が主人公というのも大河ドラマ史上初でした(岡田茉莉子・藤村志保・栗原小巻のトリプル主演)。
初物尽くしの記念すべきこの大河ドラマには、大河ドラマで初めて坂本龍馬が登場します。大河ドラマで初めて坂本龍馬を演じたのが放映当時27歳だった中村敦夫さんです。中村さんといえば、「あっしにゃあ関わりのねえこって」の決め台詞で一世を風靡した「木枯し紋次郎」の主演で一気にトップ俳優へと駆け上がりましたが、この作品は紋次郎が放映開始となった1972年(昭和47年)よりも5年も前の作品です。まさに若き日のワイルドな中村敦夫さんが熱き志士を演じたという事ですね。
6作目 竜馬がゆく (1968年/昭和43年) 演:北大路欣也
坂本龍馬の現在での人気を決定付けたといわれているのが、司馬遼太郎の書いた小説「竜馬がゆく」だといわれています。それまでそれほど知名度のなかった坂本龍馬という維新の志士の名を一躍日本人に知らしめたこの小説は、今に至るまで坂本龍馬に関するバイブルといっていい存在であり、幾度となく映像化されている人気作です。
そしてそんな人気小説はNHK大河ドラマでも取り上げられました。大河ドラマ「竜馬がゆく」で坂本竜馬を演じたのが、当時25歳の若者だった北大路欣也さんです。熱く激しい竜馬を25歳ながら見事に演じた北大路さんはこのドラマをステップに大俳優への道を登っていきました。未だに数多くのファンを持つこのドラマですが、放映時の視聴率は散々であり、平均視聴率14.5%という数字は1994年放映の「花の乱」に更新されるまで大河ドラマ最低視聴率を記録していました。
「花の乱」も、現在の最低視聴率タイ記録を持つ「平清盛」もわたし的には素晴らしい大河ドラマだと思っています。いつの時代も「視聴率の良し悪し=ドラマの出来」ではないという事ですよね。このドラマの素晴らしさは、未だに多くのオールドファンに支持されていることで察することが出来ます。
12作目 勝海舟 (1974年/昭和49年) 演:藤岡弘、
この大河12作目の「勝海舟」というドラマは色々とトラブルの多い大河ドラマとして有名ですね。主演の渡哲也さんの病気降板で急きょ松方弘樹さんが代役となり、脚本担当だった倉本聰さんも途中降板して東京を去り北海道に渡った・・という逸話の多いドラマです。
このドラマの主人公の幕臣・勝海舟といえば、坂本龍馬の師匠として有名です。当然弟子である坂本龍馬もガッツリ登場しますよ。ここで龍馬を演じたのが、誰よりも武士の魂を持つ俳優、藤岡弘さん。当時の年齢は28歳。「仮面ライダー」の本郷猛役で子どもたちのヒーローとなってから3年後の事でした。藤岡弘さんの竜馬は本当にビジュアル的にもピッタリでしたね。やはりあの時代の志士たちというのは、見た目にちょっと「バタ臭い」くらいの方がしっくりきますよね。そういう意味で藤岡さんはピッタリなのです。特に龍馬といえば、志士の中でも身だしなみがワイルドというか、そういう意味でも藤岡さんの龍馬はスッと感情移入できるんですよね。
ちなみに藤岡さん、NHKに残っていない自身が保持していたこのドラマの第32話「池田屋」と35話「孤独」、37話「こぼれ花」、44話「龍馬死す」のビデオテープをNHKに寄贈しています。龍馬暗殺の近江屋事件の回もしっかりあるんです。さすがはヒーロー、藤岡弘ですね(笑)。
15作目 花神 (1977年/昭和52年) 演;夏八木勲
録画テープが残っていなくて全話放送が不可能なドラマの中で、個人的に全話放送を絶対に見てみたい大河ドラマ1位がこの「花神」です。
幕末の長州藩の秀才・大村益次郎を中心として、高杉晋作や吉田松陰らを群像劇風に描くこのドラマ・・何度も言いますが全話見たいです。リアルタイムで見た大河ファンのほとんどは絶賛しています。わたしも間違いなく素晴らしい作品だという事は総集編を見ただけでわかります。だからこそ全話見たいのです。この先発掘される事を切に祈ります(涙)
さあ、そんな花神で長州と薩摩の間を取り持ったのが当時38歳と脂の乗り切っていた夏八木勲さん。大好きな俳優です。んでもって龍馬役にピッタリの俳優さんです。名前を聞いた時点で素晴らしい竜馬だというのは断言できてしまいます。本当に素晴らしい俳優さんで、この人の役に外れ役はないと断言してもいいです。ちなみにこのドラマで龍馬の妻・おりょうを演じたのがあのナウシカ役やしょくぱんマン役などで有名な声優・島本須美さんだという事はあまり知られていません。
もしも家庭、或いは知人などの家にこの作品の録画が残っているという方、是非NHKの方にご一報をお願いいたします。
28作目 翔ぶが如く (1990年/平成2年) 演:佐藤浩市
花神での夏八木龍馬の登場後、大河ドラマではしばらく龍馬が見られない日々が続きます。大河に龍馬が帰ってきたのが「花神」放送から13年後の1990年に放送された「翔ぶが如く」。奇遇にも原作は同じ司馬遼太郎先生であります。
幕末薩摩藩に生きた維新三傑の西郷隆盛と大久保利通を主人公として描いたこのドラマで龍馬を演じたのが当時30歳の佐藤浩市さん。これまたビジュアル的には龍馬を演じるにこれほどふさわしい若者もいないだろうというくらいに適役でしたね。
いかにも風来坊って感じに土佐弁を雄弁に操る佐藤龍馬は間違いなくこのドラマの第1部を引っ張ってくれた存在でしたね。今30歳で龍馬をこれだけ演じられる俳優さんがどれくらいいるだろうかと考えてしまいましたね。
というわけで、ここでは1967年の大河ドラマ5作目となる「三姉妹」から1990年の28作目「翔ぶが如く」までにおける坂本龍馬を演じた俳優さんたちをご紹介しました。
この辺りが折り返し点だと思ってもらって結構です。まだまだ大河ドラマの龍馬俳優はいますが、その続きは以下でお願いいたします。
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