1963年(昭和38年)の記念すべき第1作「花の生涯」から始まり、2017年の「おんな城主直虎」が56作目となる、半世紀以上の歴史を誇る国民的人気ドラマ、大河ドラマ。
そんな歴史ある大河ドラマの中で数多くの名優たちが演じてきたのが、戦国時代の革命児であり、豊臣秀吉、徳川家康とともに「戦国三傑」と謳われる英雄・織田信長。第六天魔王と呼ばれて畏怖された織田信長、ここではそんな日本史の英雄を大河ドラマで演じてきた俳優さんとその作品の一覧をご紹介したいと思います。
3作目 太閤記 (1965年/昭和40年) 演:高橋幸治
記念すべき大河ドラマでの織田信長の初登場がこの大河ドラマ3作目となる「太閤記」での高橋幸治版織田信長です。高橋幸治さんが30歳の時の作品ですね。
その威厳とカリスマ性に溢れる織田信長像は未だに「織田信長といえば高橋幸治だ!」というオールドファンが多い事でも有名ですね。大河ドラマにおける織田信長俳優の代表といってもいい俳優さんです。高橋さんは後にもう一度信長を演じられますが、その話はまた後で(笑)。
ちなみにこの作品で現存しているのは第42話「本能寺」だけだそうです。言うまでもなく信長の壮絶な最期の場面、高橋幸治さんの見せ場です。
7作目 天と地と (1969年/昭和44年) 演:杉良太郎
越後の龍と呼ばれた上杉謙信の障害を描いた海音寺潮五郎の名作小説、「天と地と」を原作とした物語ですね。演じたのはその後は大河ドラマで数々の名演を見せる事となった杉良太郎さん。年齢は弱冠25歳です。この作品が大河ドラマデビューとなりました。大江戸捜査網の十文字小弥太役で主演を張る前年の事ですね。
主役が上杉謙信という事で、ライバル関係の主軸は武田信玄、さらには関東の北条氏康という事になるのでそれほど出番は多くないのですが、越後の龍や甲斐の虎に挑んでいく若き日の野性味あふれる織田信長を演じる杉良・・考えただけでカッコいいですよねえ。
11作目 国盗り物語 (1973年/昭和48年) 演:高橋英樹
織田信長が主人公となった記念すべき初の大河ドラマがこの国盗り物語です。巨匠・司馬遼太郎さんの傑作小説のドラマ化ですね。高橋英樹さん29歳時の織田信長役という事になります。
主人公とは言っても、ここでの織田信長は「美濃のマムシ」と恐れられた斎藤道三、そして本能寺の変で信長に反旗を翻す事となる明智光秀とのトリプル主演。道三を演じられたのが平幹二郎さんで明智光秀を演じたのが当時売り出し中の二枚目俳優・近藤正臣さん。どちらも大河ドラマ常連の名優です。
舅の蝮の道三に婿の尾張のうつけに苦悩の名臣。平幹二郎と高橋英樹、近藤正臣。考えただけでゾクゾクしますね。リアルタイムで全話見た人たちを心から羨ましく思いますよ(涙)。
16作目 黄金の日日 (1978年/昭和53年) 演:高橋幸治
大河ドラマ3作目の「太閤記」で織田信長を演じ、大人気を得た高橋幸治さん。その高橋さんが43歳となって大河ドラマで再び織田信長を演じたのがこの「黄金の日日」です。
この黄金の日日では、太閤記と同じく豊臣秀吉役を緒形拳さんが演じ、高橋幸治&緒形拳の信長・秀吉コンビが復活したと大河ファンを感涙させたのだそうです。それだけ太閤記での緒形秀吉、高橋信長が強烈なインパクトだったんでしょうね。
高橋幸治さんの13年ぶりとなった織田信長はもはや貫禄十分でしたね。得も言われぬカリスマ性と底知れぬ恐ろしさが同居する信長でした。この作品は全話視聴できますのでおススメします。とにかく面白いドラマです。杉谷善住坊(川谷拓三)のノコギリ引きでの処刑シーンだけはトラウマものですが・・(爆汗)
19作目 おんな太閤記 (1981年/昭和56年) 演:藤岡弘、
ホームドラマで大人気の脚本家・橋田寿賀子さんが初めて大河ドラマを手掛けたと話題となった「おんな太閤記」。豊臣秀吉とその妻・ねねの出世物語で織田信長を演じたのが当時35歳だった藤岡弘さん(当時は名前に「、」はなし)。
個人的には大好きな織田信長像、イマイチな織田信長像色々なのですが、初めて見た大河ドラマでの織田信長というのがわたしの場合この藤岡弘さんが演じたおんな太閤記での信長でした。ですので、非常に思い入れの深い織田信長ですね。藤岡弘さんのワイルドで濃い信長は特にビジュアル面ですごく好きですね。とにかくカッコイイです。
ちなみに高橋幸治さんと同様に、藤岡弘さんもこの後もう一度大河ドラマで織田信長を演じます。後に出てきますのでお楽しみに(笑)。
21作目 徳川家康 (1983年/昭和58年) 演:役所広司
出ました出ました、役所広司さんが織田信長を演じた「徳川家康」。個人的には現時点で大河ドラマに限らず、全ての作品の織田信長の中でも最も好きな織田信長です。演じた役所さんは当時まだ27歳。27歳であの荒々しくも魅力的な信長を作り上げたのかと思うと、現在の大俳優としての地位も当然だと納得できてしまいます。それくらい凄い信長でしたし、この役で一気に「役所広司」という名を世間一般に広めたのだと思いますね。
全七巻の完全版DVDも発売されていますので、役所広司の熱演を余すところなく見る事も可能です。ていうか、大河ファンならば絶対に見ておかなければならない作品の一つだと思いますね。主演の滝田栄さんを初めとして、役所さん以外も素晴らしい俳優さんだらけです。
26作目 武田信玄 (1988年/昭和63年) 演:石橋凌
大河ドラマ史上第2位となる平均視聴率39.2%を記録したモンスター大河ドラマ、「武田信玄」。主人公である武田信玄の後半生において台頭してきた若き日の猛る織田信長を演じたのが、石橋凌さんでした。年齢は放送当時32歳。自身初のテレビドラマであり、テレビドラマデビュー作品でもありました。
いやあ、伝説的ロックバンド「ARB」のカリスマヴォーカリスト、あの石橋凌が大河ドラマに出るっつーんで学校でもちょっとした話題になってましたねえ。ていうかクラスの女子が「石橋凌メチャクチャカッコいい!!」って言ってたのを覚えてますね。確かにカッコイイんですよね。泰然自若とした武田信玄や上杉謙信、北条氏康らと比較すると、いかにも若くて猛々しいキャラなんですが、石橋凌さんがそんな血気盛んな信長を見事に演じていましたね。この作品での信長はあれでいいと思います。これも必見ですな(笑)。
27作目 春日局 (1989年/平成元年) 演:藤岡弘、
藤岡弘さんの二度目の大河ドラマでの織田信長役はこの作品でした。前回の「おんな太閤記」から8年後となった43歳で信長を演じた「春日局」です。脚本家はおんな太閤記と同じ橋田寿賀子先生です。
誰よりも日本を愛し、武士道を愛する現代の「侍」、藤岡弘、さん。2016年の「真田丸」では戦国最強の武将との評価もある猛将・本多忠勝を演じて見事な殺陣も披露してくれました。硬軟自在に戦国武将を演じさせたら右に出る者はいないといってもいい存在かもしれません。まだまだ大河の舞台で見続けたい俳優さんの一人ですね。
この続き、大河ドラマ織田信長俳優の後半戦はこちらの記事でご覧ください。
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