平成29年12月17日に最終回を迎えた2017年のNHK大河ドラマ通算56作目となった「おんな城主 直虎」。
戦国時代の遠江国井伊谷の領主・井伊家を、女領主であった(とされる)井伊直虎の生涯を通じて描いたこのドラマについて、個人的な視聴感想等を述べていきたいと思います(あくまで個人的な意見です)。
何故主人公は井伊直政でなく井伊直虎だったのか?時代を無視した女主人公ありきの題材選定
色々と述べたいことがあるのですが、まずは主人公及び時代設定からいきましょう。
ドラマは全50話で主人公は戦国時代に井伊谷を治めた井伊氏の女城主と言われた井伊直虎。通称を次郎法師といいますが、実際には直虎と次郎法師が別人だったのではという説がこの「おんな城主 直虎」の放送前に出回ったのは多くの人がご存知だと思います。
まあハッキリ言って、実在した事はほぼ間違いないものの学界などでもその実像は諸説大きく分かれている人物であり、男性説・女性説ともに入り乱れる謎めいた人物であります。
そこで思ってしまうのが、
「直虎の次代の井伊直政(万千代)が主役じゃダメなの??」
という事でしょう。
この井伊直政という人物は、滅亡寸前だった井伊氏の救世主といってもいい存在で、徳川四天王とまで呼ばれる程に出世して井伊彦根藩の祖となった非常に有名・有能な偉人です。「おんな城主直虎」の中では寺田心くんと菅田将暉さんが演じられました。なぜこの超有名人物ではなく、ほぼ実像の定かでない女性主人公なのか??
大河ドラマ主人公は2010年の「龍馬伝」以来、「江」「平清盛」「八重の桜」「軍師官兵衛」「花燃ゆ」「真田丸」、そして2017年「おんな城主直虎」、そして2018年「西郷どん」まで9年間にわたって男主人公と女主人公が繰り返されて来ました。
つまりまあ、そういう事でしょうね(笑)。女性主人公ありきでの主役選定でしょう。しかし残念ながら中世以前において女性主人公として1年間大河ドラマの主人公足り得る偉人などそうそうはいません。今と比べるべきもない程に男尊女卑の時代だった当時、女性はあくまで陰で家を支える存在でした。従って、事績等が詳細に残っている女性の存在自体が非常に貴重なのです。
そんな時代風潮を無視してあくまで「女性ありき」の主人公設定をする事に眉を顰める大河ドラマファンは多いです。まあわたしも当然ながらその一人ですが(苦笑)
攻殻機動隊やカウボーイビバップを手掛けた菅野よう子は大河の様式美を打ち破ったのか?
続いては音楽へと参りましょう。
この「おんな城主 直虎」の音楽を担当したのが作曲家の菅野よう子さん。歌謡曲からアニソン、ゲーム音楽、映画、ドラマなど幅広いジャンルで数々の名曲を生み出してきた、現在最も売れっ子な音楽家の一人です。個人的には「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズや「カウボーイビバップ」などの印象が強いですね。
個人的には大好きな作曲家である菅野よう子さんですが、しかし大好きだからこそ放送開始前には不安もありました。「菅野よう子」と「大河ドラマ」がどうしても繋がらなかったのです。どうしてもどんなオープニングになるのかイメージが沸かなかったのです。
そして最初にOP曲を聞いた後は、案の定「???」という印象でした。
そして50話見終わった現在でもその「???」な印象は変わっていません。それはオープニングに限らず劇中の数々のBGMにおいても同じです。これから良くなってくるのかは自分でも分かりませんが、これまでの経験上、50話見終わってダメなものはダメなんだろうなという可能性が限りなく強いと思われます(苦笑)
まあどの曲もいわゆる「オシャレ」な曲ではあると思いますが、大河ドラマとして最も大事だと個人的には思っている、思わず血沸き肉躍るようなカタルシスを得る事は出来なかったという感じでしょうか。
敢えて大河ドラマの様式美、つまり大河らしさという殻を打ち破るという意味で菅野よう子氏に音楽を依頼したのでしょうし、その狙いは達成されたといえるでしょう。しかしその結果が受け入れられたのかについてはネットやSNSなどでも賛否が分かれるものとなっています。わたしは今回の菅野氏の音楽は大河には合っていなかったという意見です。
三浦春馬、高橋一生、柳楽優弥、菅田将暉のイケメンリレー方式に見る2017大河の方向性
正直、個人的には全く楽しめなかった「おんな城主 直虎」ですが、わたしの周囲の女性には概ね評価が高かったですね。
うちの母や妻、そして会社の女性社員などにおいても、このドラマを見ている人は女性に多かった印象がわたしの周りでは強いです。
まあそれも納得できるほど見事にこのドラマは女性視聴者をターゲットに作られている大河であるとも思います。
まず主人公は女性主人公という事で女性が感情移入しやすいですし、その直虎役がこれまた同姓人気の高い柴咲コウさん。
そしてその相手役には三浦春馬さんに高橋一生さん、柳楽優弥さん、菅田将暉さんという今をときめく人気イケメン俳優が、まさにリレー方式で主人公・直虎を支える重要な役どころとして登場する準主役として起用されました。
これだけの人気若手俳優のスケジュールを1年間抑えるのは大変なので順次退場というリレー方式で分散させたのかなあ・・等という下衆の勘繰りはやめておきますが(爆汗)、井伊直親(三浦春馬)、小野但馬守直次(高橋一生)、井伊万千代(直政/菅田将暉)は実在だからいいとして、高橋一生処刑後から万千代成人(菅田将暉登場)までの間を架空キャラである龍雲丸(柳楽優弥)とのラブロマンス路線で埋めた事からも、ドラマ期間中にイケメン俳優空白期を作らないぞという制作側の強い意志は嫌という程に感じ取る事が出来ました。
何が言いたいかというと、今年の大河ドラマは「女性視聴者のターン」であったという事でしょう。男性視聴者には昨年「真田丸」があったのだから、2017年は女性視聴者獲得の年だったという事ですね。
まあこれも最近の大河ドラマの傾向通りですよね。
冒頭でわたしの周囲では女性受けが良かったといいましたが、逆に真田丸を見ていた男性大河ファンはほとんど最初から見ていないか、途中脱落組がほとんどでした。今年の夏の会社の飲み会でうちの大河好き課長がわたしに語り掛けてきた言葉が脳裏に蘇ります。
「○○よ、真田丸や軍師官兵衛は面白かったよなあ・・」
わたしが深く頷いたのは言うまでもありません。
まさかの合戦シーン無し!制作予算に優しい斬新すぎる戦国大河の誕生?
続いてはストーリーや演出面など、ドラマの中身に行ってみましょう。
まず驚いたのが、戦国時代の物語であるにも関わらず合戦シーンが無かったという事。これには本当に驚かされました。
確かにテレビ不況といわれる昨今、数十年前のように合戦シーンに多額の費用をつぎ込む余裕がないであろう事は国営放送であるNHKといえども例外ではないのでしょう。最近の戦国大河においても合戦場面の減少は火を見るよりも明らかです。
というわけで、本作においても合戦場面は少ないだろうと予想していたのですが・・まさか合戦無しとは・・(苦笑)
これもまた女性視聴者を意識した作りといってもいいかもしれません。女性ファンは合戦シーンを求めない層が多いですから。
つまり、女性ファン層向けに大河ドラマを作るという事は、膨大な金を使用せざるを得ない合戦場面を省くことが出来るというメリットがあるという事でしょう。
まあ、そんな戦なしの戦国時代大河を「大河ドラマ」と呼ぶかどうかは別として、理には適っているというわけでしょうか、制作側からしてみれば。
最近の大河に多いホームドラマ&ラブロマンステイストの強い直虎
このドラマが史実に基づいているかどうかという部分に関しては、かなり微妙なところでるといえるでしょう。森下佳子さんの脚本は井伊家の家伝である「井伊家伝記」を基につくられていますが、その「井伊家伝記」が完成したのが享保十五年(1730年)。直虎の死後約150年後の資料なのです。現在で言えば、幕末の龍馬暗殺の時代の事を記した作品という事です。まあ生き証人は当然いませんし、誤伝も多く伝承などを基にしたものであるという事もあって、内容の信ぴょう性については識者からも意見が分かれるところといえるでしょう。少なくとも同時代資料に比べれば資料的価値は大きく劣るのは否めません。
というわけで、その資料によるところの多い脚本という事になれば、ドラマとしては多分に創作性が高くなることは必然であるといえますし、事実そういう内容となってもいます。
直虎という人物の資料が少ない分、直虎という人物を狂言回しのポジションとして、周囲の有名人物たち、今川義元・氏真親子、徳川家康、織田信長、武田信玄やさらには直政以外の徳川四天王らに絡ませて同時代の偉人たちを描いていく(いってくれれば・・)・・というわたしの放送開始前の淡い期待は見事に裏切られました(笑)
菅田将暉登場後は、実質菅田将暉主人公と言っていい物語となりましたが、それまでは徹頭徹尾直虎中心の物語でした。いや、直虎とイケメンたちとの、と言った方が正確でしょうか。ですので当然ながら合戦場面はありません。井伊直平(前田吟)や中野直由(筧利夫)、新野左馬助(苅谷俊介)といった井伊氏を支えた重要人物の合戦による壮絶な最期もナレ死で済まされました。
誤解を恐れず言うとすれば、このドラマは戦国の世における「ラブロマンス&ホームドラマ」としてみるのが正しい見方であると思います。これまでNHKが長い年月をかけて紡いできた、わたしが子供の頃から毎週楽しみにしてワクワクしながら見ていた大河ドラマとは似て非なる、最近の大河ドラマに多いタイプのドラマと言い換えてもいいでしょう。放送開始前に本作に出演する光浦靖子らが恋バナしながらの番宣を見ればその傾向は顕著です。
ドラマの良し悪しは別として、こういったドラマは別枠でやって欲しいというのが偽らざるわたしの心境です。朝ドラ枠は女性主人公で路線的にも近いんでそっちでもいいと思います。せめてこの大河ドラマ枠くらいは古くからの大河ドラマが好きな視聴者層のために使ってくれ・・と心の底から思います。民法ではレギュラーでの時代劇が全滅してしまった現在であるから尚更ですね。そんな人間にとってはこの大河ドラマ枠が地上波最後の砦なのですから(涙)
期待は2018NHK大河「西郷どん」へ
というわけで、直虎ファン&NHK及びドラマ関係者の皆様には本当に申し訳ないと思いつつも1年間見終わった後の偽らざる気持ちを書いてみました。基本的にネガティブな事はあまり書きたくなかったのですが、やはり正直な感想なり考え方は、少なくとも大河ドラマに関しては忘備録代わりに書いておこうと思って書きました。書いておいて何ですが(汗)、チラシの裏だと思って気にしないでいただければと思います。
基本的に柴咲コウさんをはじめとして、高橋一生さんや柳楽優弥さん、ムロツヨシさん、阿部サダヲさん、菅田将暉さん、貫地谷しほりさんなどなど、好きな俳優さんが大挙出演していたドラマだったので演技面では楽しめたという事は伝えておきますし、「大河ドラマ」という括りではない一般的なホームドラマとして見たらいいドラマであったと思っています。
ともかく、今は2018年の大河ドラマ「西郷どん」を楽しみにしたいですね。
「スイーツ大河」ではないかと始まる前からささやかれている「西郷どん」ですが、どんな内容となろうとも最後まで見続ける事は間違いないでしょう。でなければ、良かった、悪かったという感想も言えないと思っていますので。
2018大河は「これぞ大河!」という素晴らしい作品を期待したいですね。
コメント
「おんな城主 直虎」は”女性ターン”大河だった、というところはりぞっとさんのおっしゃる通りだと思います。
…その上で、私は意外と評価が高いんですよ。
評価ポイントとして
○直虎のやる事に主人公補正がかからなかった。
→甘い考えによる行動に対してはむしろ裏目に出る事もあり、結構容赦のない描写も多かった。
○寿桂尼&氏真の描写の素晴らしさ
→特に従来の桶狭間以降≒今川家の滅亡の評価からの逆転の発想(文化人として生き残る)描写が良かった。
○前年の”スーパー国衆”真田家から”ただの国衆”の足掻きを描いた視点、という見方をすると、それまでにない着眼点で楽しめた。
りぞっとさんご指摘のマイナスポイント含めて、総合評価として”スイーツ大河を作るならこれくらいのレベルは維持して欲しい”及第点、といったところです。
少なくともドラマやキャラクターとして破綻していた、「GO」や「花燃ゆ」「天地人」とは同列にはしてあげたくないといった思いはあるくらいに楽しむことは出来ました。
まあ、この基準自体低すぎて問題ありますが。(苦笑)
「おんな城主 直虎」に関しては、個人的にもっとマクロな展開を予想(というか期待)してたんですよね。徳川家に今川家、武田に北条、織田…と井伊家を中心としてもっと東海・関東の大勢力のせめぎ合いを期待してただけに、井伊谷中心のドラマ展開にガッカリ感があったというか…。
あと、とても気になったのは「軽さ」でしょうか。戦国時代特有の重厚感が微塵も無いというか、時代感がわたしには全く感じられなかったんですよね。時代劇の衣装を着た現代劇という感じでしょうか。劇中のBGMも「???」なものが多かったですし、菅野よう子さんってことでとても期待していただけに拍子抜け感が半端なかったですね。
個人的なことで恐縮ですが、この作品の場合わたしの中で始まる前からかなりハードルが上がっている状態だったというのが大きかったのかなと今になっては思えます。もう一度しっかり見返してみればまた違ってくるのかもしれません。ちなみにうちの妻はこのドラマはかなりハマってました。わたし的には小野但馬守の新解釈はとても好きでしたね。
ハードル、という点では私はミニマムな状態からの視聴だった事は大きかったと思います。散々ジブリみたいだとかの評判を聞いた上で小野但馬守のちょうど良いくらいから遡って視聴しましたので。
さらにそんな状況だったのでマクロな視点も全く期待せず(苦笑)、と思ったら寿桂尼とか氏真の描写が思いの外良かった、ってな具合でした。
マクロな視点=天正壬午の乱(by真田丸)で満足していたことも大きかったかもです。
「真田丸」は大満足大河作品ですが、その中でも”天正壬午の乱”(と昌幸の活躍)をガッツリと描いてくれた事が涙ちょちょ切れるくらい⁈嬉しかったですね。笑
意外と大河でも、微妙にスルーされますよねぇ。
天正壬午の乱は本能寺後の秀吉VS勝家の煽りをモロに受けてしまってほぼスルー状態ですよね。織田、徳川、北条、上杉、そして真田とこれだけ見応えのある戦役もないんですけどね。それぞれの勢力の生き残りをかけた権謀術数が渦巻く、まさに三谷幸喜好みの展開ですよね(笑)
個人的には、ほんの1話だけの登場でしたが大好きな“鬼武蔵”森長可を出してくれただけでも涙ちょちょぎれもの(死語…)でしたよ。
“涙ちょちょぎれもの(死語…)”
↑反応いただいて有難うございます!笑
森長可…どんな回での登場だったか忘れていましたが、寺島さん演じる出浦の登場シーンですよね。あれはめっちゃカッコ良かったです。森長可役もイメージ通りの谷田さんで良かったですね。(と、私は思ってます。)
正月休みに録画してまともに視ていなかった「西郷どん」を視ようかと考えていたのですが、「真田丸」に変更してしまいそうです。笑
もちろん、こちらは完全に視聴済みですが。
長らくサイトを放置状態にしており、返信遅れて本当に申し訳ございませんでした。
お正月の「真田丸」いかがでしたでしょうか。わたしの場合、全話録画していたHDが故障状態となってしまい、バックアップも取っていなかったために現在は視聴する事が出来ません(涙)
いえいえ、どうかお気になさらずに。こちらこそ好き勝手にコメントさせていただいております。
今年も宜しくお願い致します。
真田丸は42話まで視聴終えました。家族の顰蹙に耐えながら見ております。笑
やっぱり最初の1クールが最高ですが(歴代大河でもトップクラス!)、その後も違う角度からの面白さがあり、最近見たはずなのに全く飽きませんね!
そして…偶然にもこのタイミングで「鎌倉殿の13人」発表でしたから衝撃度&歓喜が”更に倍”状態でした!笑
HDD、残念でしたね。壊れる時は突然みたいですね。
うちのレコーダも年数的にそろそろ危ないので「葵 徳川三代」と「いだてん」はBDにダビングする前まではもう一台のレコーダー(私以外の家族用)にも録画していました。…妻は呆れてます。笑
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
「天正壬午の乱」は本当に見応えがありましたよね。天正壬午の乱以前の2話で退場となりましたが、武田勝頼を演じた平岳大さんの演技は本当に素晴らしく、序盤でガッツリ作品に引き込まれました。さすがは平幹二朗・佐久間良子の血を引くサラブレッドですね。久々に時代劇が似合う俳優さんが出てきたと本当に嬉しく思いました。
妻に呆れられてるのはうちも全く同じですね(笑)
わたしも素晴らしいドラマや映画は何度も見てしまうのですが、妻はそれが信じられないようで「それ前に見たやつでしょ?好きやねー」と冷たい視線が突き刺さるように向けられています。うちだけじゃなくて安心しましたよ(笑)
再視聴で改めて気付いたのですが、武田氏の滅亡〜天正人後の乱まで、ほぼ地続きだったですね。確認してみたら史実でもたった3ヶ月!
恥ずかしながら…
長篠の戦い=武田氏滅亡→数年後に本能寺の変
くらいのイメージでした。(いかに適当に年号を見てるかバレますね。)
いや〜、勉強になりましたー。(汗)
「真田丸」の勝頼にしても「直虎」の氏真にしても、歴史的には表舞台から消えた武将の描写こそ、大河ドラマの醍醐味のひとつですよね。
平さん、お父様に対して地味な印象が強かったんですが(見る目がない!)、この勝頼役で完全に見方が変わりました!今さらですが(汗)、おっしゃる通り良い役者さんです。
歴史的に表舞台から消えた武将…という意味で言えば、2022大河はまさにそのコンセプトにピッタリな大河ドラマになりそうですよね。鎌倉幕府の権力争いの中で滅ぼされていった御家人たち…今から打ち震えるほどに楽しみな自分がいます。
うーん、いっそ「麒麟」→「鎌倉殿」と続いてくれ…(ryしつこいですね)
2022年大河…私も楽しみすぎてうち震えております。
反面、今年の大河のように期待値ハードルが高すぎたと言う反省もありますので”少し落ち着け”と自分に言い聞かせております。笑
来年の大河は全く期待しておりません…が、それぐらいで視ると意外といいかもとは思っております。
「いだてん」がまさにそのパターンでした。
私は別に嫌いではありませんでしたが、いわゆる”クドカンの信者”でもありませんでした(「タイガー&ドラゴン」はハマりました)ので正直ネガティブな予想しかありませんでした。
ところがフタを開けてみると…本当〜に面白かったですよね!
あとは、2000年代〜のスイーツ地獄⁈でかなり耐性が付いたんでしょうね。涙
ですので…生暖かい目線で見守ろうとは思っております。
「いだてん」についての個人的な感想を言わせてもらえば、クドカンファンとしては「いだてん」はクドカンの最大の長所が殺されてしまっていたと思います。現在の「麒麟がくる」と同様、これもまた「分かりやすさ」に迎合してしまった結果のような気がします。もちろんそれはクドカンにとっては不本意な歩み寄りであったのは想像に難くありません。
「分かりやすさ」を求めた(求められた?)結果、目まぐるしい展開や時系列の行き来といった宮藤官九郎の良さが殺されてしまい、何とも中途半端な出来となってしまった感は否めません。まあそれでも一見関係のない点と点が見事な線となる伏線回収の妙などは流石と言わざるを得ませんし、総合的にみれば大満足の1年間でした。ただ、クドカンにやりたいようにやらせていればもっと凄い作品になっていたのは疑いの余地がない…と確信しているのはやはりわたしがクドカン信者だからでしょうか 笑。
長々と書いてしまいましたが、わたしも2021大河ドラマには今のところ全く期待しておりません。ハードルはもはや無きに等しい状態です(苦笑)。ただ、2022が三谷作品に決定したという事で辛うじてモチベーションが保てているといった感じでしょうか。「青天を衝け」はいい意味で予想を裏切る作品となってほしいですが…
そーなんですか⁈
クドカン信…もといファンの方の予想する最大ポテンシャルの「いだてん」、どんな感じになるのかとても興味をそそられますね〜。
似たようなケース、いやもっと酷いケースが「八重の桜」ですよね。あれこそそのまま山本むつみさんに脚本を書かせてあげたら傑作大河になったのに!と本当に悔やまれます。
最近(と言ってもここ10年以上ですが…)純粋な大河ドラマファンと世の中(≒マスメディア)の感覚が大きくズレてますよね。…というか自分の感性が世間とズレてしまったのかと悲しくなります。苦笑
まあ、大河ドラマはこれだけ有名なのに10作品以上ちゃんと視たことある人は極限られた人数なんでしょうねぇ〜。
八重の桜、ホントに最初は素晴らしい出来でした。会津戦争がクライマックスになってしまったのは物語の構成上致し方ない部分はあるのでしょうが、おっしゃる通り脚本家の力量も大きな要素だったのは間違いないですよね。
大河ドラマも毎年テイストがコロコロ変わってしまうのが何だかなぁって思ってしまいます。もちろん新規視聴者の獲得のために致し方ない部分もよーく分かるのですが、「風林火山」→「篤姫」とか「花燃ゆ」→「真田丸」なんて両方見るのは生粋の大河ドラマファンくらいじゃないでしょうか。
例えば、「新選組!」で大河ドラマにハマったうちの従弟などは翌年の「義経」で大河を再び見なくなってしまいました。案外こういう視聴者って多いんだと思いますね。