江戸時代の徳川吉宗治世の享保年間に町奉行として数々の功績を残し、300年を経た現代でも「名奉行」として名を残す“大岡越前(おおおかえちぜん)”こと大岡忠相(おおおかただすけ)。
そんな忠相の名を広く世に知らしめる事となった大きな要因の一つに、忠相がテレビドラマなどで取り上げられたことが挙げられます。
ここでは大岡越前守忠相を主人公として描いた歴代の各作品や主演俳優、主要レギュラーキャストなどをご紹介してみたいと思います。
大岡越前(1970年TBSナショナル劇場)主演:加藤剛
ドラマタイトル | 放映年月日(毎週月曜日夜8時~) | 話数 | 放映局 |
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大岡越前(第1部) | 1970年3月16日~9月21日 | 全28話 | TBS |
大岡越前(第2部) | 1971年5月17日~11月22日 | 全28話 | |
大岡越前(第3部) | 1972年6月12日~1973年1月15日 | 全31話 | |
大岡越前(第4部) | 1974年10月7日~1975年3月24日 | 全25話 | |
大岡越前(第5部) | 1978年2月6日~7月31日 | 全26話 | |
大岡越前(第6部) | 1982年3月8日~10月11日 | 全32話 | |
大岡越前(第7部) | 1983年4月18日~10月24日 | 全27話 | |
大岡越前(第8部) | 1984年7月16日~1985年1月21日 | 全26話 | |
大岡越前(第9部) | 1984年10月28日~1986年4月21日 | 全26話 | |
大岡越前(第10部) | 1988年2月29日~9月5日 | 全27話 | |
大岡越前(第11部) | 1990年4月3日~10月15日 | 全26話 | |
大岡越前(第12部) | 1991年10月14日~1992年3月30日 | 全24話 | |
大岡越前(第13部) | 1992年11月16日~1993年5月10日 | 全26話 | |
大岡越前(第14部) | 1996年6月17日~12月2日 | 全24話 | |
大岡越前(第15部) | 1998年8月24日~1999年3月15日 | 全26話 |
「大岡越前といえばこれ!!」という人は多いでしょう。そう、月曜夜8時に「水戸黄門」とともにその代名詞ともなった人気時代劇「大岡越前」。大岡忠相を演じた加藤剛さんの名奉行ぶりは終了から20年以上経つ今でもはっきりと脳裏に焼き付いています。
ここにご紹介したのは連続テレビシリーズのみですが、2006年には「ナショナル劇場」の50周年記念特別企画スペシャルとして「大岡越前」のスペシャルドラマが2時間時代劇として放映され、このドラマが加藤剛版大岡越前の事実上の最終回と位置付けられています。
シリーズが長いために多くのレギュラーキャラクターがいるこの「加藤剛版大岡越前」ですが、その中でも主要レギュラーメンバーをご紹介しておきましょう。
加藤剛版大岡越前の主要登場人物と俳優名
登場人物名(配役) | 俳優名 | 摘要 |
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大岡忠相 | 加藤剛(主演) | |
榊原伊織 | 竹脇無我 | |
徳川吉宗 | 山口崇 | |
大岡雪絵(1~6部) | 宇都宮雅代 | |
大岡雪絵(7・8部) | 酒井和歌子 | |
大岡雪絵(9~15部) | 平淑恵 | |
村上源次郎 | 大坂志郎 | 第9部まで |
すっとびの辰三 | 高橋元太郎 | |
猿の三次 | 松山英太郎 | 2~4・6~11部 |
丁の目の半次 | 左とん平 | 12~15部 |
風間駿介 | 和田浩治 | 5~9部 |
蕪木兵助 | 森田健作 | 8~12部 |
立花喬之助 | 佐藤佑介 | 9~14部 |
水すましの源五郎 | 薗田正美 | 8・10~12部 |
千春 | 土田早苗 | 4部まで |
おはな | 田坂都 結城しのぶ 遠藤真理子(香山まり子) 安永亜衣 |
第3部 第4部 5~10部 11部 |
志保 | 根本律子(根本りつ子) | 7~14部 |
鳶の伊三郎 | 中村竹弥 | 3部まで |
政吉 | 里見浩太朗 | 3部まで |
神山左門 | 天地茂 | 3部まで |
佐橋孫兵衛 | 佐野浅夫 | 10~13部 |
海野吞舟 | 志村喬 | 4部まで |
大岡妙 | 加藤治子 | 1~7・11部 |
大岡忠高 | 片岡千恵蔵(特別出演) | 6部まで |
さすがはテレビ時代劇全盛期の長寿シリーズだけあって凄いキャスティングです。忠相の父役に片岡千恵蔵さん、母役には加藤冶子さん、その他にも天地茂さん、里見浩太朗さん、志村喬さん、佐野浅夫さん、中村竹弥さん…この頃の時代劇のパワーを感じさせてくれるキャスティングです。このドラマから生まれた和田浩冶さん演じる人気キャラクター、同心・風間駿介は局の垣根を越えてテレビ東京「疾風同心」というスピンオフドラマの主人公となった程でしたね。
主役の加藤剛さんはもちろんのこと、竹脇無我さんも山口崇さんも本当に男から見てもカッコよかったですねぇ。忠相の妻・雪絵を演じた歴代の女優さんも皆さん本当にお綺麗でしたね。個人的には宇都宮雅代さんの凛とした美しさに子供心ながらドキドキしてたのは懐かしい思い出です(苦笑)
炎の奉行 大岡越前守(1997年テレビ東京12時間超ワイドドラマ)主演:市川團十郎・市川新之助
タイトル | 放映年月日 | 製作 | 放映局 |
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炎の奉行 大岡越前守 | 1997年(平成9年)1月2日 | テレビ東京・松竹 | テレビ東京 |
こちらは時代劇ファンにはおなじみのテレ東お正月の風物詩だった12時間超ワイドドラマ(後に新春ワイド時代劇に改題)で1997年年明けに放映された「炎の奉行大岡越前守」。主演は歌舞伎界を代表する大名跡・十二代市川團十郎さん。そしてその若き日の大岡市十郎時代を演じたのがその息子・七代目市川新之助(後の十一代市川海老蔵)さんという親子共演となりました。
このドラマの特色は、大岡忠相の青春時代から描くことによって彼が生きた時代の有名人たちを総登場させて同時代のオールスター競演を実現させたという点でしょう。以下はこの「炎の奉行 大岡越前守」の各部のサブタイトルです。
第1部 刃傷 松の廊下
第2部 赤穂浪士討ち入り
第3部 綱吉死す!尾張徳川家の野望
第4部 大奥激震!絵島生島事件
第5部 対決!雲霧仁左衛門
第6部 吉宗落涙 天一坊事件
松の廊下での刃傷事件からの赤穂浪士討ち入り、いわゆる「忠臣蔵」から徳川家継死去後の8代将軍後継問題、江島生島事件に大盗賊・雲霧仁左衛門、そして将軍ご落胤を騙った天一坊改行が処刑された天一坊事件まで、まさに時代を代表する一大イベント(事件・出来事)が満載となっています。
以下が主なキャストです。
市川團十郎版大岡越前の主要登場人物と俳優名
登場人物名(配役) | 俳優名 | 摘要 |
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大岡忠相(市十郎) | 十二代 市川團十郎(主演) 七代 市川新之助 |
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由衣 | 黒木瞳 | |
秋月数馬 | 村上弘明 古屋暢一 |
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大岡忠高 | 十七代 市村家橘 | |
大岡みつ | 高田敏江 | |
徳川吉宗 | 渡辺徹 | |
浅野内匠頭長矩 | 十八代 中村勘九郎 | |
吉良上野介義央 | 石橋蓮司 | |
大石内蔵助 | 柄本明 | |
堀部安兵衛 | 田中健 | |
徳川綱吉 | 長門裕之 | |
柳沢吉保 | 津川雅彦 | |
徳川家宣 | 森下哲夫 | |
天英院 | 波乃久里子 | |
徳川宗春 | 萩原流行 | |
紀伊国屋文左衛門 | 夏八木勲 | |
絵島 | 高島礼子 | |
生島新五郎 | 堤大二郎 | |
雲霧仁左衛門 | 西岡徳馬 | |
木鼠の吉五郎 | 六平直政 | |
因果小僧六之助 | 貴山侑也 | |
おさらば伝次 | 伊藤高 | |
天一坊 | 内海光司 |
コメント
実は…子供の頃はそれ程好きではなかった時代劇の中で、唯一大好き(積極的に観たい)だったのが”加藤剛版”大岡越前でした。当時は基本的にはリアルタイム視聴ではなく学校帰りの再放送タイムのヘビーローテーションで中期〜後期を観ていたと思います。そのため最近まで時系列や登場人物もバラバラで全く把握しておりませんでした。たま〜に出てくる片岡千恵蔵さんに、「このオッサンやたらと貫禄があるけど、誰やねん!」と今思えば大変失礼なツッコミをいれておりました。汗
自分の場合は、うちの祖父がとにかく時代劇好きだったので祖父の布団の中で祖父と一緒に見ていました。それこそ物心ついた頃からでしたね。
同じナショナル劇場の水戸黄門も当然ながら見ていたのですが、大岡越前の方が好きでしたね。理由はと聞かれるとよくわからないのですが…
小学校の担任の先生が熱狂的な加藤剛さんファンだったのも懐かしい思い出です。
片岡千恵蔵さんは確かに(笑)。なんだかわからんがとにかく“凄い”という事だけは理解できました。やっぱスターですよね。
大人になって再視聴したくても出来ない時代が長く続きましたが最近になってCSで全15部を高画質で観れるようになった事は本当に喜ばしい事ですよね!(永久保存版×2セット CS視聴のキッカケになった番組です。あとは鬼平です。)
久しぶりに大坂志郎さんを拝見した時には幼い頃?の眠っていた記憶が蘇り、おおーっ!と声をあげてしまいました。改めて観て、1〜3部のクオリティーの高さには驚愕しました。
ちなみに子供の頃の雪絵役は平さんしか記憶になく、あの落ち着いたそこはかとない色香が大好きでした。笑
我ながら成熟したガキだった⁈爆汗
やっぱり「大岡越前」は加藤剛さんだなぁとCSでの再放送見る度に思ってしまいますね。
ああいうタイプの役者さんって今や絶滅危惧種であり、それってやっぱり時代劇がダメになった大きな要因でもありますよね。
話は変わりますが…
実はナショナル劇場で一番好きだったのは「江戸を斬る」だったというのはここだけの話です 笑
「江戸を斬る」と言えば紫頭巾ですね!笑
あの頃の松坂慶子さんは本当にキレイでしたね。西郷輝彦さんが主役のシリーズが好きでした。…が、松山英太郎さんの役どころが「大岡越前」と微妙に被っていて混乱していたことを覚えています。
「大岡越前」を全話視聴してみて、第3部3話『天下の果し合い』が一番素晴らしいと思いました。スケール感が違いましたよね。あとは第1部は傑作ぞろいですが、4話の『慕情の人』を観て、雪絵さんに一目惚れしました!笑
確かに松山英太郎さんこそ“ミスターナショナル劇場”といってもいい存在だったかもしれません(笑)
加藤剛さんの大岡越前の初期はほんとに神がかってましたよね。当時うちの祖父がテレビにかじりついて見ていたのも頷けるし、当時をリアルタイムで知っている人たちが「今の時代劇は…」と嘆くのもわかるような気がしますね。
「今の時代劇は…」…おっしゃる通りですね。ただ、鬼平って90年代ですよね?私の感覚では最近なのですが⁇ 笑
だからまだ出来る!って思いたいんですがねー。
それにしても70年代の時代劇の長屋の人達のリアリティ?は今では絶対に真似出来ないですよね。ガリガリのお爺さんとか‼︎
>>まだ出来る!って思いたいんですがねー
そう、まだ出来ると自分も思います。まだ当時のスタッフなども残っているでしょうし。でも残された時間は少ないのもまた事実なわけで、何とかならんもんかと 涙
昔の時代劇の爺ちゃん婆ちゃん、井戸で赤ちゃんおぶって洗濯するお母さんなどのリアルさは素晴らしいですよね(笑)まさに市井の人たち!!って感じで。ちな、うちの妻は加藤嘉さんが大好きらしいです。里見浩太朗さん主演の忠臣蔵を見てファンになったみたいです。めっちゃカワイイって(笑)
加藤嘉さんもそうですが、笠智衆さんや志村喬さん、東野英太郎さんのような”自然な歳の重ね方”をしている俳優さんをすっかり見なくなりましたよねぇ。最近の役者さんはみんな”歳より若く見える”俳優ばかりで、ドラマの重みや説得力が落ちてしまっている一因のような気がしてなりません。クセの強い顔⁈の悪役俳優さん然りです。
加藤嘉さんですか‼︎
渋い、素晴らしい眼をお持ちですね。笑
加藤嘉さんといえば「真田太平記」の沼田城での攻防戦が思い出されます。カクシャクとした古武士然とした佇まいが良いですよね。ご本人の思いは別にしてカワイくも見えますよね。笑
私も大好きな俳優さんです…が、再視聴した「獅子の時代」での苛烈な最期の描写が少しトラウマでした。苦笑
(だかそれが良い。)
個人的に真田太平記での叔父上や獅子の時代の父親役が加藤さんのイメージです。当時はまだ70歳前後だったんですよね。80歳くらいかと思ってました 苦笑。独特のオーラをお持ちの個性派俳優さんでしたね。
家族で加藤さんの話題になった時にうちの母は「ああ、あの悪役の…」と言っており、その時に初めて加藤さんが悪役としても名を馳せていらっしゃったことを知りました。確かに初期の必殺シリーズ等でも素晴らしい悪役っぷりを見せてくれていました。こんな名優をカワイイなんて…失礼ですな 爆汗