歴代遠山の金さん俳優の一覧②松方弘樹に高橋英樹、松平健に西郷輝彦、里見浩太朗ら時代劇スター勢揃い

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テレビが誕生して普及し、各家庭で親しまれたテレビ時代劇。

その黎明期から今までに生まれた娯楽時代劇の代表が「遠山の金さん」。ここではそんな遠山の金さんを演じた歴代の俳優さんやその作品などをご紹介していきたいと思います。

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“遠山の金さん”歴代俳優と作品情報①

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1982年(昭和57年) “遠山の金さん” 主演:高橋英樹

桃太郎侍で時代劇スターとしての地位を確立した高橋英樹さんが、杉良太郎さんの後の金さんとしてブラウン管(死語っすよね苦笑)を沸かせましたね。

作 品 名:遠山の金さん
ジャンル :時代劇
放送期間 :1982年4月8日~1985年9月19日(第1シリーズ)
放送期間 :1985年10月15日~1986年9月16日(第2シリーズ)
放送時間 :毎週木曜日20:00~(第ⅠS)
放送時間 :毎週火曜日21:00~(第2S)
放送回数 :第1S(156話)、第2S(42話)
制 作 局:テレビ朝日
原   作:陣出達朗
音   楽:平尾昌晃
主   演:高橋英樹

「桃太郎侍」では、「ひとーつ、人の世の生き血をすすり・・」数え歌風の口上を述べながら悪人をバッタバッタと斬り倒していく桃太郎役を演じた高橋英樹さん。その桃太郎侍終了の余韻を残しながら始まったのがこの「遠山の金さん」での遠山金四郎景元役です。桃太郎侍のインパクトがあまりに強すぎたがために、当初は高橋英樹さん=遠山の金さんというイメージに個人的には違和感がありましたね。前任者の杉良太郎さんの金さんがインパクト強すぎたというのももちろんありますが。

しかし高橋英樹さんの金さんに慣れるのにはそんな時間はかかりませんでした。恐らくこの高橋英樹さんの金さんが「遠山の金さん」シリーズの初見だという方は、高橋英樹こそMY遠山金四郎だ!というのも頷けます。ぶっちゃけこのレベルの時代劇スターになると、こういった勧善懲悪の時代劇ヒーローは自然と板についてしまうのが凄いところなんですよね。

ちなみにこの英樹版金さんシリーズは音楽をあの平尾昌晃さんが手掛けています。平尾さんの時代劇といえば必殺シリーズが真っ先に思い浮かびますが、平尾音楽の好きな必殺ファンにはこちらの番組も要チェックでしょう。

そしてこの高橋英樹版遠山の金さんの最大の特徴といえば、高橋英樹さん演じる金さんが町人姿の時に見せる手ぬぐいでの殺陣。いわゆる「手ぬぐいアクション」というやつです。桃太郎侍で見られるように、高橋英樹さんの日本刀での殺陣は最高レベルの美しさを誇りますが、この手ぬぐいアクションも凄いとうならされてしまいます。これはもう努力もあるのでしょうが、ある種天賦の才なのでしょうね。

桃太郎侍の終了後に始まったこの高橋英樹さん主演の遠山の金さん。そしてこの金さん終了後、高橋英樹さんは新たなる時代劇の伝説の名作、「三匹が斬る」を生み出していく事となるのです。うーん、英樹さんやっぱ凄すぎっす(笑)。

1988年(昭和63年) “名奉行 遠山の金さん” 主演:松方弘樹

次にご紹介するシリーズこそ、現時点で最も長い間レギュラーシリーズとして放送された遠山の金さんシリーズです。

作 品 名:名奉行遠山の金さん
ジャンル :時代劇
放送期間 :1988年4月21日~1998年10月31日(全9シリーズ計)
放送時間 :毎週木曜日20:00~(名奉行遠山の金さん全7シリーズ)
放送時間 :毎週土曜日20:00~(金さんVS女ねずみ全2シリーズ)
放送回数 :217話(全シリーズ計スペシャル除く)
制 作 局:テレビ朝日
原   作:陣出達朗
主   演:松方弘樹

松方弘樹さんのこの「名奉行遠山の金さんシリーズ」は7シリーズに渡り、さらに派生ドラマで実質松方さんの金さんが主人公であるという意味では、「金さんVS女ねずみ」も同一シリーズという事で語ってもいいと思われます。以下に簡単に各シリーズの話数、放送期間を記しておきましょう。

名奉行遠山の金さんシリーズ

シリーズ名 放送期間 全話数
第1シリーズ 1988年4月21日~11月24日 全23話
第2シリーズ 1989年5月25日~11月30日 全24話
第3シリーズ 1990年7月5日~1991年3月28日 全27話
第4シリーズ 1991年11月7日~1992年7月2日 全26話
第5シリーズ 1993年3月4日~12月16日 全31話
第6シリーズ 1994年6月9日~1995年1月19日 全23話
第7シリーズ 1995年9月7日~1996年3月21日 全21話

遠山の金さんVS女ねずみシリーズ

シリーズ名 放送期間 全話数
第1シリーズ 1997年2月1日~7月5日 全20話
第2シリーズ 1998年3月14日~10月31日 全22話

実質松方弘樹さんの遠山金四郎が主演である「金さんVS女ねずみ」シリーズまで含めると全9シリーズ、10年の長期間にわたってレギュラードラマ化され続けた松方弘樹さん主演の「名奉行遠山の金さん」シリーズ。30代の比較的若い世代の方は松方弘樹こそ遠山金四郎だぜ!!って人も多いのではないでしょうか。

金さんのストーリーの爽快さの一つに、「町人姿の遊び人の金さん」と「南町奉行の遠山金四郎景元」とのギャップ、対比の鮮やかさがあるのですが、この松方弘樹さんの金さんはわたし的に一番「遊び人の金さん」が板についていると思います。ちゃきちゃきの江戸っ子で宵越しの銭は持たねえ的な粋でいなせな遊び人・・そんな金さんのカッコよさが最も出ているのが松方金四郎ですね。だからこそお白州での姿がより鮮やかに映えるのでしょう。

2017年1月に脳リンパ腫で惜しまれつつ74歳の生涯を閉じた松方弘樹さん。その数多いキャリアの中でも代表作の一つといっていい役こそが遠山金四郎なのは間違いないと思いますね。

2007年(平成19年) “遠山の金さん” 主演:松平健

現時点(2017年現在)で最後のテレビレギュラーシリーズとなっているのが2007年のこの作品です。

作 品 名:遠山の金さん
ジャンル :時代劇
放送期間 :2007年1月16日~2007年3月20日
放送時間 :毎週火曜日19:00~19:55
放送回数 :全9話
制 作 局:テレビ朝日、東映
原   作:陣出達朗
音   楽:渡辺俊幸
主   演:松平健

テレビ朝日・時代劇・松平健という3つの要素が揃ったこの2007年の「遠山の金さん」。テレ朝、マツケン、時代劇といえば何か思い浮かびませんか?時代劇ファンには簡単な問題ですよね、そう、あの大ヒット時代劇「暴れん坊将軍」と同じなのです。

「遊び人の金さん」が江戸の町で様々な情報収集をするというのが金さんものの定番となっている感もあるのですが、このマツケン版金さんは、様々な人や職業に扮装しての内偵を金さんが行うという新機軸を打ち出しました。その試みは、ともすればワンパターンに陥りがちなこういった勧善懲悪時代劇におけるバリエーションの創出という側面を生み出しましたね。

個人的にこのマツケン版「遠山の金さん」、過去のシリーズに負けないほどのクオリティだと思うのですが、残念ながら9話で終了してしまいました。再評価する声も多い作品なのですが、続編制作には至りませんでした。松平健さんは以前時代劇のレギュラードラマがどんどんなくなっていき、新作が全く作られない現状に対して、「苦しくても時代劇を残していってほしい」とおっしゃってました。まったくもってその通りですね。まさに時代劇ファンの声を代弁するものでもあります。この作品の1シリーズのみでの終了はそんな時代を象徴していますね。

ちなみに、松平健さんは中村梅雀さん主演のNHK-BS時代劇「伝七捕物帳」でも遠山左衛門尉景元(とおやまさえもんのじょうかげもと/遠山の金さんの名前)を演じられています。

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江戸を斬るシリーズ 主演:西郷輝彦、里見浩太朗

ここまで遠山の金さんを主人公に据えたシリーズものをご紹介してきましたが、ちょっと毛色の違ったこの作品もやはりご紹介しなければいけないでしょう。

「水戸黄門」や「大岡越前」といった人気時代劇シリーズを生んだ、TBSの月曜夜八時のドラマ枠、“ナショナル劇場”が生んだ人気シリーズ、「江戸を斬る」です。

タイトルに遠山の金さん、金四郎が入っていないために、見たことのない方にはご存知ない方も多いのですが、この「江戸を斬る」の第2シリーズ以降は遠山金四郎を主人公としたれっきとした金さんものなのです。

この「江戸を斬る」が他の金さんドラマと毛色が違うのかといいますと、タイトルに金さんの名前が入っていないというだけではもちろんありません。一番の違いは金さんが入れている桜吹雪の彫り物、いわゆる「遠山桜」です。普通の金さん作品ではまず悪人に見せておいて、最後にもう一度お白州のお取り調べで見せるあの遠山桜が、この作品ではほとんど登場しません。

では、遠山左衛門尉の活躍を描いた「江戸を斬る」の主人公別に情報をご紹介しましょう。

1975年 江戸を斬る第Ⅱ~第Ⅵシリーズ 主演:西郷輝彦

シリーズ名 放送期間 全話数
第Ⅱシリーズ 1975年11月10日~1976年5月17日 全28話
第Ⅲシリーズ 1977年1月17日~7月11日 全26話
第Ⅳシリーズ 1979年2月12日~8月6日 全26話
第Ⅴシリーズ 1980年2月18日~8月11日 全26話
第Ⅵシリーズ 1981年2月16日~8月24日 全28話

西郷輝彦さんが遠山金四郎を務めた「江戸を斬る」は第2から第6までの5シリーズ、約6年間シリーズ通算134話です。

いやあ、西郷輝彦さんカッコよかったですねえ。まさに色気を湛えた美男子って感じです。背中の桜吹雪の彫り物を見せるシーンが第2から第4シリーズまではレアだったのが当時の女性ファンには残念だったのではないでしょうか。そんな方には第5シリーズがお勧めです(笑)。

この江戸を斬るといえば個人的には西郷輝彦さんの歌う主題歌「ねがい」です。この曲とこのドラマは切っても切り離せない一心同体のようなものですね。まさに時代劇主題歌の中でも出色の名曲です。さすがは元祖御三家!って感じですね。そういえば元祖御三家のうちの一人、橋幸夫さんも遠山の金さん役で主演ドラマをしていましたね。

1987年 江戸を斬る第Ⅶ~第Ⅷシリーズ 主演:里見浩太朗

シリーズ名 放送期間 全話数
第Ⅶシリーズ 1987年1月26日~8月17日 全30話
第Ⅷシリーズ 1994年1月31日~7月25日 全26話

現役の時代劇スターとして数々の主演ドラマで数多くの時代劇ヒーローを世に送り出してきた里見浩太朗さんも金さんを演じられました。それが、西郷輝彦さんの後を継いだ「江戸を斬る」の第7部と8部です。

とはいっても、ぶっちゃけ西郷さん主演の6部までと里見さんの7部以降は金さん以外の登場人物やストーリー設定など、引き継ぎ要素は全くありません。遠山の金さんが主役のドラマだという事くらいでしょうか。全く別物の金さんドラマといってもいいでしょう。

第7部と第8部の間にはじつに7年のインターバルが空いています。これはシリーズものの時代劇からしたら実に異例ですよね。普通は半年~1年のインターバルで次作が作られるのが普通ですから。江戸を斬るといえば西郷輝彦さんという印象が強い方が多きかもしれませんが、里見さんの金さんもやはりいいですね。里見浩太朗節が炸裂って感じです。時代が時代であれば人気作品としてシリーズ化されていただろうにと思ったら実に残念です。

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