50年以上の歴史を誇る大河ドラマで幕末から明治にかけて活躍した「維新三傑」を演じた俳優たち。
「歴代西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允の維新三傑のNHK大河ドラマキャスト①」に続いて、この記事では1998年放送の「徳川慶喜」以降の維新三傑キャストについてご紹介していきたいと思います。
NHK大河ドラマ第37作 徳川慶喜 1998年(平成10年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷吉之助 | 渡辺徹 |
大久保一蔵 | 池田成志 |
桂小五郎 | 黒田アーサー |
大河ドラマ歴代2位の高視聴率を誇る「武田信玄」や「信長 KING OF ZIPANG」といったドラマで脚本を担当した田向正健氏のオリジナル脚本となった本作。田向節ともいえる独特のセリフ回しや硬派な世界観はこの「徳川慶喜」でも健在です。
徳川最後の将軍・徳川慶喜を主人公に描いたこのドラマにも維新三傑はキッチリと登場します。
まず江戸無血開城に導いた西郷隆盛を渡辺徹さん。アイドル歌手から太陽にほえろのラガー刑事、そして今では郁恵ちゃんの旦那さんで裕太君のお父さんとしてバラエティでも活躍されています。バラエティのイメージが強いですが、俳優さんとしても普通に素晴らしいです。大河ドラマは2001年の「北条時宗」以来遠ざかっていますが、早く戻ってきてほしい俳優さんです。
大久保一蔵役には第三舞台出身の池田成志さん。貴重なバイプレーヤーで、三谷作品などでもお馴染みの俳優さんです。「古畑任三郎シリーズ」では唯一2度、違う役で殺された俳優さんですね。
そして桂小五郎役には黒田アーサーさん。田向さんは信長でも明智光秀役でマイケル富岡さんを抜擢しています。田向作品には名前が横文字のちょっと濃い顔系の俳優さん枠があったのでしょうかね(笑)
NHK大河ドラマ第43作 新選組! 2004年(平成16年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷吉之助(西郷隆盛) | 宇梶剛士 |
大久保一蔵(大久保利通) | 保村大和 |
桂小五郎 | 石黒賢 |
維新三傑からしてみれば宿敵ともいえる存在だったのが京都の治安を守っていた新選組。そんな新選組を主人公として描いた三谷幸喜初の大河作品「新選組」。
当然ながらこのドラマで西郷、大久保、桂の三人は新選組のライバルとして登場してきます。
宇梶剛士さんと保村大和さんが演じた薩摩の西郷と大久保は、坂本龍馬暗殺の黒幕役(というかアシスト役?)となっているように、基本的に掴みどころのない強敵として描かれています。特に西郷隆盛に関しては、大河ドラマ史上最もブラックな西郷どんに描かれているといってもいいかもしれません。
逆に長州の桂小五郎は、プライドが高くて嫌な奴なんだけどどこか憎めない不思議な男として描かれています。同じく長州の久坂玄瑞もそうなのですが、長州藩は基本真っすぐで熱き男達という感じで描かれており、その辺りの薩長の違いも面白いところですね。
NHK大河ドラマ第47作 篤姫 2008年(平成20年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷吉之助(西郷隆盛) | 小澤征悦 |
大久保正助(大久保一蔵→大久保利通) | 原田泰造 |
木戸孝允(桂小五郎) | スズキジュンペイ |
薩摩藩出身で幕府の13代将軍・徳川家定に嫁いだ天璋院篤姫を主人公にしたドラマだけあって、薩摩藩の西郷吉之助と大久保正助は超重要人物として全編にわたって登場するこのドラマ。
ただし、普通の幕末ドラマと違ってこの「篤姫」の中で薩摩藩の中心人物としてフィーチャされているのは、薩摩藩家老の小松清廉。通称小松帯刀です。瑛太さんの演じた小松帯刀はドラマの人気と相まって大きく知名度・人気ともに上昇しましたね。
そんな小松の影に隠れた形となった西郷、大久保ですが、十分に魅力的な人物に描かれていました。特にネプチューンの原田泰造が演じた大久保利通は、新たな大久保像を作り上げたといってもいいのではないでしょうか。
薩摩藩と大奥が中心のドラマということもあり、スズキジュンペイさんが演じた桂小五郎はあくまで脇役としての出番となっています。
NHK大河ドラマ第49作 龍馬伝 2010年(平成22年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷吉之助 | 高橋克実 |
大久保利通 | 及川光博 |
木戸貫治(桂小五郎) | 谷原章介 |
1968年(昭和43年)の「竜馬がゆく」以来、42年振りに坂本龍馬を主人公として描くドラマとして話題となった「龍馬伝」。龍馬を演じるのが人気俳優にして人気ミュージシャンの福山雅治さんという事で、日本全国に龍馬ブームを巻き起こしたのは記憶に新しいところです。
薩摩藩と長州藩の手を結ばせて維新回天を成し遂げた坂本龍馬の物語ですから当然ですが、維新三傑は重要人物として登場します。
高橋克実さん演じる西郷隆盛はちょっとしたくせ者として描かれていますし、ミッチーこと及川光博さんの大久保利通も明らかに龍馬を敵視する切れ者として描かれています。対して桂小五郎は龍馬の良き同志といった感じですが、この桂もやはり最後の方では武力討幕派と大政奉還派として龍馬と袂を分かつ部分が描かれています。維新三傑と龍馬の微妙な関係性を龍馬の立場の変化とともに丹念に描いてある作品だと思いましたね。ただ、薩長のオイシイところは伊勢谷友介さんの高杉晋作に全部持ってかれた感もあります。それ程に圧倒的にカッコイイ晋作でしたからね。
NHK大河ドラマ第52作 八重の桜 2013年(平成25年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷隆盛 | 吉川晃司 |
大久保利通 | 徳重聡 |
木戸孝允 | 及川光博 |
戊辰戦争で新政府軍と戦った会津藩を主人公として描いたこの「八重の桜」。維新三傑は当然新政府軍の一員として登場します。
吉川晃司、徳重聡、及川光博とイケメン俳優ばかりで実に華のある顔ぶれとなっているのですが、中でも特に西郷隆盛を演じた吉川晃司さんが最高の西郷隆盛を見せてくれています。
会津藩にとっては敵の西郷隆盛ですが、最初は頼りになる味方として、そして佐幕と倒幕に別れてからは強大な敵として描かれています。そんな西郷を、まさに「大きく打てば大きく響く」男として吉川晃司さんが素晴らしく魅力的に演じてくれています。
「天地人」での織田信長、「るろうに剣心」での鵜堂刃衛役とともに、吉川晃司さんの俳優力を見せつける作品の一つです。
大久保役の徳重さんも凄く良かったのですが、欲を言えばもっと西郷との絡みを中心とした出番が見たかったですね。木戸役のミッチーは3年前の龍馬伝では大久保利通を演じていましたが、個人的にはこちらの木戸孝允役の方が好きですね。端正な正統派イケメン系のルックスといい、多少神経質さを感じさせる部分といい、桂小五郎っぽさとシンクロします。
NHK大河ドラマ第54作 花燃ゆ 2015年(平成27年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷隆盛(西郷吉之助) | 宅間孝行 |
大久保利通 | 登場なし |
木戸孝允(桂小五郎) | 東山紀之 |
長州藩を主人公とした大河ドラマは1977年(昭和52年)の「花神」以来ということで、放送前から特に山口県や幕末ファンを中心に大いに盛り上がりを見せたこの「花燃ゆ」。残念ながら視聴率は大河ドラマ史上ワーストタイを記録する不調ぶりで、内容的にもあまり評価が芳しくないのが現状といってもいいかもしれません。
長州藩を舞台とした物語という事で、当然ながら幕末長州藩の中心人物ともいえる桂小五郎(維新後は木戸孝允と改名)はメインキャストとして特に序盤~中盤にかけて重要な役割を果たします。その重要さはこのキャストに東山紀之さんがキャスティングされている事からもわかります。東山さんといえばいうまでもなく「琉球の風」で大河主役を務めたほどの俳優さんです。
西郷隆盛役は宅間孝行さん。個人的に宅間さんの西郷役はハマってたと思います。しかし、大久保利通が登場しないというのはある意味謎といってもいいかもしれません。
NHK大河ドラマ第57作 西郷どん 2018年(平成30年)キャスト
登場人物名 | 俳優名 |
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西郷隆盛(西郷吉之助) | 鈴木亮平 |
大久保利通 | 瑛太 |
木戸孝允(桂小五郎) | 玉山鉄二 |
2018年の大河ドラマは1990年(平成2年)以来の西郷隆盛主人公となる「西郷どん」。読み方としては“さいごうどん”ではなく、“せごどん”という鹿児島での呼び方に近いものとなっています。
主人公となる西郷隆盛には鈴木亮平さん。準主人公といってもいい大久保利通役には瑛太さんが既に発表済みとなっています。鈴木亮平さんは初の大河ドラマ出演、瑛太さんは同じ薩摩藩の小松帯刀を演じた篤姫以来、10年振り2度目の大河ドラマ出演となりました。
残念ながら現時点(2017年11月現在)においてはまだ木戸孝允役は決まっていません。しかし西郷隆盛主人公のドラマですので、間違いなく木戸孝允は出演する事となるでしょう。しかもかなり重要な役どころなのでそれなりの俳優さんが起用される事が予想されます。年齢的には鈴木さんや瑛太さんと近い俳優さんになりそうです。
木戸役については決定したらまたお知らせしたいと思います。
2018年2月14日のNHKからの正式発表により、未定だった桂小五郎(木戸孝允)役に玉山鉄二さんが起用される事が決定しました。容姿端麗だった桂小五郎にピッタリの配役だと思います。期待しましょう。
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