必殺仕事人2015放送決定 現在の必殺から失われたもの 期待しているからこそあえて言わせてもらう!

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来週11月29日(日曜日)夜9時からテレビ朝日系で必殺仕事人2015が放送されます。

この必殺仕事人2015は東山紀之主演で2007年から続く必殺仕事人シリーズの最新作であり、近年軒並み低視聴率にあえいでいるテレビドラマの中では安定して数字を取れているらしいです。

実を言いますと、わたくしは必殺視聴歴30年以上を誇る筋金入りの必殺マニアで御座います(必殺43年の歴史からすればひよっこだよっていう先輩方からの叱責と嘲笑は重々承知しております笑)。

もちろん必殺シリーズは後追いで全作・全話見ております(あー、何話か見忘れてるのがあるかも汗)。

東山版必殺仕事人もレギュラー放送された2009、単発物の2007、2009、2010、2012、2013、2014もぜーんぶ見ました。

仕事人メンバーは東山とTOKIOの松岡昌宏、和久井映見は2007から皆勤賞で、その他は入れ替わりで主にジャニーズ事務所所属のメンバーが若手仕事人役を務めています。

「あり」か「なし」かで自分自身としてはっきり言わせて頂くと、この東山版必殺仕事人は必殺シリーズとしては「なし」という評価です(あくまで個人的ですよ、個人的)

ただ必殺シリーズ好きとしては続いてほしいし、改善すれば良くなると思うので一必殺ファンの戯言と思って読んでいただければ幸いです。

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中村主水の影

この必殺シリーズの顔と言えば、何といっても故・藤田まことさん演じる中村主水でしょう。必殺は主水抜きには語れないと言っても過言ではありません。

主水の表の顔は南町奉行所の同心(今で言うと警察官)で仕事の出来ない窓際族、家に帰れば婿養子として姑と嫁にいびられる冴えない中年男。裏の顔は晴らせぬ恨みを金で晴らす凄腕の殺し屋。

この中村主水は必殺シリーズ全31作(レギュラー放送分)のうち半分以上の16作にてレギュラー出演している、まさに必殺の顔と言ってもいい存在です。

そして、この藤田まことさん演じる中村主水は東山紀之主演の必殺仕事人2009にも出演していました(藤田さんの逝去は2010年)。

 

一方、東山紀之演じる殺し屋・渡辺小五郎も中村主水と同じく南町奉行所の同心で仕事はサボり魔であり、渡辺家の婿養子というところも同じ。違うのは、主水と違って嫁と姑に過保護なまでに気にかけられていること(結果的にそれがイビリっぽくなることも)。

つまり、ほぼ中村主水と同じキャラなのです。

これが東山版必殺の最大の問題だと自分は思っています。

正直、往年の必殺を知るファンにとっては中村主水は唯一無二の存在であり、あの表の顔の昼行灯(役に立たない人という意味)ぶりと裏の殺し屋の顔の見事なコントラストは藤田まこと以外にあり得ないとわたし個人も思っています。

そんな中、なぜ東山をもろに中村主水と被るようなキャラで主役に据えたのか?往年のファンではなく、中村主水を知らない世代にアピールしようとしたのか?謎です。往年の必殺ファンの反感を買うのは目に見えているからです。

やるなら、東山を中村主水とは全く違うキャラで主役に据えるべきだったと思います。

第2の中村主水ではなく、中村主水と並ぶまたは超えるような新たな必殺の顔を狙うべきだったと考えます。

中村主水と同じキャラで中村主水を超える事は永遠に出来ないし、結果的には「やっぱり中村主水は凄かった」と、藤田まことさんが再評価されるだけのような気がします(それはそれで嬉しいけどね)。

これはもちろん東山紀之のせいではなく、制作者の致命的なミスだとわたしは思います。

むしろ、東山にはクールな殺し屋、過去の必殺シリーズで言うと故・沖雅也が演じた市松のような路線がハマりそう。逆に意表をついてワイルド無頼系もいいかも。山崎努が演じた念仏の鉄みたいな坊主系。とにかく、主水と同じキャラだけはダメですわ。

やっぱり悪役は重要!

最近のスペシャル版で話題になっているのが、大御所の悪役起用です。

2012では高橋英樹、2013では里見浩太朗が殺される側で起用され、今回の2015では竹中直人がラスボスらしいです。

最近の必殺を見ててつくづく思うのが、悪役のはまり役の俳優さんが少なくなったなぁって事です。

昔はホントに憎たらしい、正に悪役中の悪役って俳優さんがたくさんいましたよね。

必殺の悪役の定番といえば、菅貫太郎、伊藤雄之助、遠藤太津朗、川合伸旺、今井健二、田口計、清水紘治、浜田寅彦、南原宏治、戸浦六宏、安倍徹、山本麟一、志賀勝、外山高士、江幡高志、浜田晃、五味龍太郎、名和宏、神田隆・・・ざっと思いついただけでもこんだけ。もっともっといけますけど長くなりそうなのでやめときます(笑)

こういう人たちの見事な演技のお陰で、最後恨みを晴らす仕事人たちに感情移入出来ていたんだという事が最近の必殺を見てつくづく分かりました。

大御所の悪役起用も結構ですが、やはり餅は餅屋。しっかりとした悪役の演技を出来る人、容姿もそれにふさわしい人(失礼っ笑)をキャスティングしてほしいと思います。それだけで大分違ってくるかと。

そういう意味では、今回の悪役・竹中直人さんには期待大ですね。演技もうまいし、悪役もはまりそうな人相ですし(失礼っ!!)。

何かと表現に制約の多い今のテレビドラマ制作ではなかなか厳しいかもしれませんが、やはり脚本もしっかりと悪役を引き立てるような脚本作りをしてほしいですね。やっぱり必殺の殺され役は絶対悪でなければいけません。

「こいつは殺されても仕方ないだろ。頼むから恨みを晴らしてやってくれ」

と心底思えるような、根っからの悪人作りをお願いします。

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アクの強い殺し屋

悪人に天誅を下す仕事人たちですが、現在のレギュラーの殺し屋たちは、主役の東山紀之、経師屋の涼次役のTOKIO松岡昌宏、リュウ役のHey! Say! JUMP知念侑李。

ビジュアル的には綺麗です。綺麗ですが、圧倒的に個性と演技力が足りません。

必殺シリーズの、特に前期作品(仕置人や仕掛人、仕業人など)が好きな人は特にそう思うのではないでしょうか。

藤枝梅安役の緒形拳(必殺仕掛人)、念仏の鉄役の山崎努(必殺仕置人・新必殺仕置人)、市松役の沖雅也(必殺仕置屋稼業)、赤井剣之介役の中村敦夫(必殺仕業人)、中山文十郎役の田村高廣(助け人走る)、それに中村主水役の藤田まこと・・・・それ以外にも個性的な殺し屋がキラ星のごとくいました。

彼らはとにかくアクが強く、だからこそハマれば中毒になってしまうような魅力に溢れていました。

見た目よりも個性と演技力重視。今こそ、必殺シリーズの原点回帰として、このような初期作品のアクの強さを前面に出してみたらどうでしょうか。ミーハーファンは減るかもしれませんが、固定ファンは確実に今の路線よりも多くなると思います。

 

ところで、今回は新たな仕事人メンバーとして、エンケンこと遠藤憲一が殺し屋としてメンバーに加わるそうです。

これですよ、これ!!

こういう人選なんですよ!!演技がうまくて個性派でアクの強い俳優さん。遠藤憲一そのままじゃないっすか(笑)

個人的には必殺仕事人2015の一番の楽しみですね。



とまあ、好き勝手書きましたけど、必殺好きとしてはやはり期待はしています。

またシリーズ化してほしいという願いももちろんあります。

必殺シリーズ初期のあの殺伐とした世界観、やさぐれてるがとにかくカッコイイ殺し屋たち、ホントに殺したくなるような憎ったらしい悪役たち。

今の時代に持って来たら逆に受けると思いますよ。考えて下さいよ、テレビ朝日さんとABCさん。

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