必殺シリーズ歴代主題歌(ED曲)ベスト10② 中学生・西崎みどりの名曲に小林旭&阿久悠&森田公一の黄金トリオも

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必殺シリーズの醍醐味の一つといえば、素晴らしい映像美とその美しい映像を極限まで生かしている素晴らしい音楽の数々。

殺しの際にかかるテーマ曲はもちろんの事、オープニングや劇中の挿入曲、出陣のテーマなど、その優れた音楽はドラマの人気に大きく貢献したのは間違いありません。

そしてそんな必殺の音楽集で外せないのが、様々な歌手や俳優が歌っていたエンディング曲。ここでは個人的に素晴らしいと思う(思い入れの深い?)必殺エンディング曲ベスト10をご紹介したいと思います。あくまでわたくし個人の独断と偏見によるものなのでクレームの類いは受け付けません(苦笑)。

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第5位 やがて愛の日が(必殺仕置人主題歌) 唄:三井由美子

曲   名:やがて愛の日が
シリーズ名:必殺仕置人
発 売 年:1973年
歌 手 名:三井由美子
作   詞:茜まさお
作   曲:平尾昌晃
編   曲:竜崎孝路
B面収録曲:さすらい雀
発 売 元:ビクターレコード

この三井由美子さんも作曲家・平尾昌晃先生の愛弟子であり、平尾さんの作った必殺主題歌を大ヒットさせた福岡県出身の演歌歌手です。必殺シリーズ2作目「必殺仕置人」は、必殺シリーズの人気の行方、シリーズ化を決定付けた名作ですが、そのエンディングに選ばれただけあってこの「やがて愛の日が」もやはり秀逸でしたね。

前作「荒野の果てに」が西部劇を彷彿とさせるアップテンポの軽快で爽快なナンバーだったのとは一転、この「やがて愛の日が」はまさに日本人の心を歌った演歌となりました。しかしこれがいい!いや、正確には「これもいい!」ですね。恨みや情念、哀愁といった必殺シリーズの肝となる世界を体現したような曲で、ドラマとの相性は素晴らしかったですね。仕置人の人気の一端をこの曲が背負った事は間違いありません。

最終回ラストで解散して江戸を離れた念仏の鉄、棺桶の錠、鉄砲玉のおきん、おひろめの半次。この曲を聞くといつも、おきん(野川由美子)と半次(秋野太作)が二人で「日本は広いよ~」と途方に暮れる絵、念仏の鉄(山崎努)が両面裏の銭を見て、「世の中、裏目ばっかりよ」と不敵な笑みを浮かべるシーンが浮かんできてしまいます。

第4位 夢ん中(江戸プロフェッショナル・必殺商売人主題歌) 唄:小林旭

曲   名:夢ん中
シリーズ名:必殺商売人・必殺からくり人富嶽百景殺し旅
発 売 年:1978年
歌 手 名:小林旭
作   詞:阿久悠
作   曲:森田公一
編   曲:EDISON
B面収録曲:愁冬歌
発 売 元:クラウンレコード

この曲が主題歌となった「必殺商売人」も必殺シリーズ中では珍しく平尾昌晃さんが音楽を手掛けなかった作品であり、そんな作中で主題歌となったのがこの「夢ん中」。歌うは映画スターの小林旭。作詞はあのヒットメイカー・阿久悠で作曲はミュージシャンとしても作曲家としても名曲を多数送り出した森田公一という何とも豪華な面々です。

凄いのはそんなハードルあがりまくりのこのメンバーに相応しい名曲がしっかりと生まれている事。森田公一さんの染み入るようなメロディライン、一聴して小林旭!と分かる程に個性豊かな小林旭さんの名調子ももちろんなのですが、やはりこの曲を一味違うものにしているのが名作詞家・阿久悠さんの書く大人の男と女の世界でしょう。

「男もつらいし、女もつらい。男と女はなおつらい。それでいいのさ、いいんだよ。会うも別れも夢ん中」

サビの部分のこの歌詞なんて、素晴らしすぎます。ガキにゃあ絶対わからん世界ですが(笑)、ある程度人生を築き上げてきた人にゃあ感じるものがあるでしょう。酒飲みながらじっくり聞き入りたい名曲です。阿久悠さんにはもっともっと長生きしていただいて、日本語の美しい世界観溢れる名曲をもっともっと残してほしかったですね。

ちなみに坂本冬美さんのカバーバージョンも発売されていますので興味のある方は聞き比べてみてください。

第3位 荒野の果てに(必殺仕掛人主題歌) 唄:山下雄三

曲   名:荒野の果てに
シリーズ名:必殺仕掛人
発 売 年:1972年
歌 手 名:山下雄三
作   詞:山口あかり
作   曲:平尾昌晃
編   曲:竜崎孝路
B面収録曲:恋から愛から
発 売 元:ミノルフォンレコード

記念すべき必殺シリーズ第1作目の主題歌にして、その後の必殺シリーズでも何度となく引用されている、まさに必殺シリーズのアンセム、象徴的ソングといってもいい存在なのがこの「荒野の果てに」です。

歌ったのは、山下雄三さん。この歌手名は平尾昌晃さんが命名したものだそうです。そして作曲は必殺シリーズではお馴染みの平尾昌晃さん。ここから必殺平尾ソングの歴史も始まったのです。

当時をリアルタイムで知らないわたしが言うのも何なのですが、この「荒野の果てに」のようなアップテンポで軽快なロック調のナンバーを時代劇の主題歌に起用するというのは、この必殺シリーズが初だったのだそうです。それ程この「荒野の果てに」という曲は画期的な時代劇主題歌だったのだと。確かにこの曲を聴いていると、アドレナリンが噴出してくるのが自分でも分かります。梅安や左内らの仕掛のシーンが終わった後にこの曲が流れるのですから尚更です。

文句なしの第3位です。というか、この必殺屈指の名曲の上にあと2曲あるのですが・・まあ独断と偏見によるベスト10なのでご容赦ください(苦笑)

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第2位 さざなみ(必殺仕業人主題歌) 唄:西崎みどり(現:西崎緑)

曲   名:さざなみ
シリーズ名:必殺仕業人
発 売 年:1976年
歌 手 名:西崎みどり
作   詞:荒木一郎
作   曲:平尾昌晃
編   曲:竜崎孝路
B面収録曲:西陽のあたる部屋
発 売 元:ミノルフォンレコード

必殺シリーズの主題歌を4度手掛けた西崎みどりさん。そんな西崎さんが歌った必殺シリーズ7作目「必殺仕業人」の主題歌こそこの「さざなみ」です。西崎さん自身の最大のヒット曲といえば、何といっても中学2年生(14歳)の時に歌った「暗闇仕留人」主題歌の「旅愁」ですが、わたしはこの「さざなみ」の方が好きです。

まあ西崎さんが必殺で歌った曲、「旅愁」「さざなみ」「流星」(新必殺仕舞人主題歌)、「もどり道」(必殺橋掛人主題歌)はどれも甲乙つけがたい程素晴らしいんですけどね(笑)。後は好みや思い入れという事になると思います。というわけで、わたしの好み、思い入れ的にはこの「さざなみ」なのです。

個人的にはやはり壮絶だった必殺仕業人の最終回で、赤井剣之介(中村敦夫)とその妻・お歌(中尾ミエ)が捕り方に追われる場面で流れるこの曲の切なさに心を打たれるのです。めった斬りにされて、虫けらのように川で息を引き取るこの二人・・そのある意味必殺の殺し屋の最後に最もふさわしいともいえるこの二人の死に様(生き様)とこの曲はシンクロしてしまいます。

2位に選ぶだけあって文句なしの名曲です。西崎みどりさんはやはり凄い歌手ですよね。この曲を歌ったのはまだ中3ですよ?やいと屋又右エ門(大出俊)はこのドラマの最終回ラストシーンで果たしあいの末に剣之介の仇を取った中村主水を評して「恐ろしい男だ・・」とつぶやきましたが、そのセリフを拝借しましょう。

「恐ろしい娘だ・・」

第1位 負け犬の唄(まけいぬのブルース)(必殺からくり人他主題歌) 唄:川谷拓三

曲   名:負犬の唄(ブルース)
シリーズ名:必殺からくり人、必殺からくり人血風編
発 売 年:1976年
歌 手 名:川谷拓三
作   詞:荒木一郎
作   曲:平尾昌晃
編   曲:竜崎孝路
B面収録曲:拓ヤンのブルース
発 売 元:キャニオンレコード

「必殺からくり人」と「必殺からくり人血風編」の2作で主題歌に起用されたのがこの「負け犬の唄」です。からくり人では1番、血風編では2番が使用されています。

この曲を歌ったのは個性派俳優として頭角を現していた名優・川谷拓三さん。ピラニア軍団の一員としても有名な超個性派俳優さんです。ハッキリ言って歌唱力はお世辞にも上手とは言えません。本職の歌手さんには足元にも及ばないレベルです。

でもいいんですよねえ・・。歌詞もメロディもアレンジも素晴らしい名曲なのですが、歌ったのが川谷さんというところに得も言われる化学反応が起きているんです。「負犬の唄(負け犬のブルース)」というこの独特の世界観がまた川谷拓三という一人の俳優にピッタリシンクロするんです。

必殺からくり人と血風編の殺しのテーマはこの「負け犬の唄」のインストゥルメンタルバージョンなのですが、これがまた秀逸なのです。「からくり人」は主人公の花乃屋仇吉(山田五十鈴)を初め、夢屋時次郎(緒形拳)、仕掛の天平(森田健作)、八尺の藤兵ヱ(芦谷雁之助)らの主要メンバーのほとんどが殉職するという壮絶な最期を迎えます。そんなからくり人たちの悲壮な戦いと、幼い子供たちを抱えて仇吉や壺屋蘭兵衛(芦田伸介)らが嵐吹く中を島抜けする場面がこの曲を聞くと蘇ってくるのです。

ああ、やっぱり必殺の主題歌って素晴らしいですね。

 

というわけでどうでしたか?独断と偏見(爆汗)による必殺主題歌ベスト10。

断っておきますが、このベスト10に入っていない曲の中にも素晴らしい曲は山ほどあります。それこそ甲乙つけがたいほどに。あくまでこのランキングは今書いているまさにこの時のランキングであり、明日になったら気分次第でどう変わっているかはわかりません(苦笑)。逆に言えばそれほど素晴らしい曲ばかりだという事です。

まだ聞いた事のない方はとりあえず音楽だけ聴いてみるもよし、必殺シリーズの各作品でご覧になるもよし、どちらでも楽しめる事は間違いありません。ただし、必殺の醍醐味の一つは素晴らしい映像美と素晴らしい音楽の融合だと思ってますので、ドラマを見るのを個人的にはお勧めします。とにかく素晴らしいです。

必殺主題歌の10位から6位については以下をご覧ください。

必殺シリーズ歴代主題歌(ED曲)ベスト10①

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