1978年から2002年までレギュラー化されて人気時代劇となった「暴れん坊将軍」。
これだけ長い歴史を誇る長寿番組ですから、主人公の徳川吉宗を演じた“マツケン”こと松平健さん以外の主要人物もシリーズごとに大きく異なっています。
そこでここではそんな「暴れん坊将軍」における新さん(徳田新之助の事。徳川吉宗の世を忍ぶ仮の名前)の心のオアシスであり、頼りになる男達(女もいますが笑)、江戸火消しの「め組」の歴代の組頭や小頭、そして女性達やめ組の面々をご紹介していきたいと思います。
歴代め組組頭 大御所・北島三郎から弟子の山本譲二、そして松村雄基へ
まずは「め組」を取り仕切る歴代の組頭からいきましょう。
役名 | 俳優名 | 登場シリーズ |
---|---|---|
辰五郎 | 北島三郎(きたじまさぶろう) | 吉宗評判記(Ⅰシリーズ)~Ⅶシリーズ |
長次郎 | 山本譲二(やまもとじょうじ) | Ⅷシリーズ~Ⅹシリーズ |
栄五郎 | 松村雄基(まつむらゆうき) | Ⅺシリーズ~Ⅻシリーズ |
こちらがレギュラーシリーズでめ組の組頭を演じた俳優さんたちです。
やはり一番印象深いのが演歌界の大御所・“さぶちゃん”こと北島三郎さんが演じた辰五郎でしょう。歌も超一流なら演技も超一流、流石とうならせられてしまいます。やはり松平健と並ぶこのドラマの顔といえばこのお方です。エンディング曲も手掛けるなど、サブちゃん抜きに暴れん坊将軍は語れないといっても過言ではありません。め組組頭を退いてからも町火消肝煎、江戸町火消し総元締めとなって隼レギュラーとしてシーズンに数回は登場してくれていましたね。
そんな北島三郎さんからめ組組頭の座を受け継いだのが、実際に歌手として北島さんの弟子でもある山本譲二さん。劇中での役名は長次郎でした。実際に北島さんの強い推薦があっての登場となりました。こちらも本職は歌手とはいえ、座長として舞台公演などでキャリアを積んできただけあって気風のいい江戸っ子町火消を気持ちよく演じてくれました。
そして三代目にしてレギュラーシーズン最後のめ組組頭が松村雄基さん。ぶっちゃけ、青春時代を大映ドラマとともに過ごしたわたしなどには憧れの俳優さんです。「スクール・ウォーズ」の大木大介をはじめとして、「不良少女と呼ばれて」の朝雄、「乳姉妹」のトランぺッター、路男役・・まだまだ出て来ますよ(笑)。しかし、いくつになっても変わらぬ男前っぷりはさすがです。江戸町火消しの頭役も板についていました。
そしてこれ以外に最新作である2008年のスペシャル版では組頭・二代目辰五郎が登場しました。演じたのはこれまた超大御所の堺正章さん。生まれも育ちも江戸っ子の堺さんの頭も素晴らしかったですね。
歴代め組の姐さん 春川ますみ、浅茅陽子ら気風のいい江戸っ娘の面々
歴代のめ組の組頭を紹介したのですから、次はそのめ組組頭の女房、つまり奥さんをご紹介しましょう。め組の面々からは「姐さん」と呼ばれる肝っ玉の据わった女性達です。
役名 | 俳優名 | 登場シリーズ | 配偶者・近親者 |
---|---|---|---|
初代おさい | 春川ますみ(はるかわますみ) | 吉宗評判記(Ⅰシリーズ)~Ⅱシリーズ | 辰五郎の妻 |
二代目おさい | 浅茅陽子(あさじようこ) | Ⅲシリーズ~Ⅴシリーズ | 辰五郎の妻 |
三代目おさい | 坂口良子(さかぐちりょうこ) | Ⅵシリーズ~Ⅶシリーズ | 辰五郎の妻 |
おぶん | 生稲晃子(いくいなあきこ) | Ⅷシリーズ~Ⅹシリーズ | 長次郎の妻 |
お杏 | いしのようこ | Ⅺシリーズ~Ⅻシリーズ | 栄五郎の妹 |
こちらが歴代め組組頭の姉さんたちです。お杏だけは組頭の妻ではなく、組頭の妹という事になっています。
いやあ、どの女優さんも江戸町火消の頭の妻としてめ組の血気盛んな男たちを姐さんとして束ねていくだけあってツワモノ揃いでしたよねえ(笑)。
どの女優さんも印象深いですけど、やっぱり初代おさいを演じた春川ますみさんのイメージが個人的には一番強いですね。いかにも「日本の肝っ玉かあさん」って感じが好きでしたね(笑)。21世紀に入ってからは全く仕事をしていらっしゃいませんがお元気なんでしょうか。好きな女優さんだっただけにすごく気になりますね。
あと、生稲晃子さん演じる長次郎の妻・おぶんは第8シリーズからとなっていますが、実は登場自体はその前の長次郎がまだ登場していない第7シリーズから登場しています。設定的には第7シリーズでは、岡っ引きの父の後を継いで目明しと魚屋を兼業する「女一心太助」という男勝りのキャラクターでした。長次郎とは第8シリーズで結ばれて妻になるという設定の珍しいパターンでした。
ちなみに、2008年のスペシャルドラマでは二代目辰五郎(堺正章)の妻として、おさいが再登場しています。演じられたのは岡本麗さん。さすが素晴らしい人選です。
め組歴代小頭 佐藤B作や渡辺篤史らの他にお笑いの小野ヤスシや三遊亭楽太郎も
次に組頭の一番弟子、右腕ともいえる歴代のめ組小頭を見てみましょう。
役名 | 俳優名 | 登場シリーズ |
---|---|---|
源三 | 園田裕久(そのだやすひさ) | 吉宗評判記(Ⅰシリーズ)~Ⅱシリーズ |
半次郎 | 佐藤B作(さとうびーさく) | Ⅲシリーズ |
紋次郎 | 渡辺篤史(わたなべあつし) | Ⅳシリーズ |
安次郎 | 小野ヤスシ(おのやすし) | Ⅴシリーズ |
卯之吉 | 三遊亭楽太郎(現:三遊亭圓楽) | Ⅵシリーズ~Ⅶシリーズ |
峰次 | 中野英雄(なかのひでお) | Ⅺシリーズ~Ⅻシリーズ |
なかなかシブい人選ですね。ちなみに長次郎(山本譲二)が組頭を務めた第Ⅷ~Ⅹシリーズまでは小頭はいませんでした。
組頭と違って短いスパンで後退しているのが特徴ですね。一番長く務めた源三(園田裕久)、卯之吉(三遊亭楽太郎)、峰次(中野英雄)でも2シリーズだけです。
名バイプレーヤーである園田裕久さん、佐藤B作さん、渡辺篤史さん、中野英雄さんに、お笑い界の重鎮の小野ヤスシさん、落語界の実力者・三遊亭楽太郎さんと非常にバラエティに富んだメンバーとなっています。
徳田新之助と名乗った徳川吉宗の心のオアシス「め組」
どうでしたでしょうか。暴れん坊将軍のめ組の組頭、小頭、姐さんを演じた歴代の俳優さんたち。
演歌界の重鎮・北島三郎さんが組頭として第Ⅰシリーズから引っ張り、その後を引き継いでドラマを盛り上げてきた主要キャラクターの歴史が見事なまでに紡がれていますよね。
「暴れん坊将軍」の人気の一面は、将軍という身分を隠した徳田新之助という市井での存在に対して、「新さん」「新の字」と気安く接してくれたこれらめ組の面々のアットホーム感による「オアシス」のような一面、部分も大きかったのではないかと思いますね。
暴れん坊将軍のその他の主要キャストについては以下の記事もご参照ください。
コメント