ハード・ロック/ヘヴィ・メタル界を代表するイギリスの大御所バンド、デフ・レパード。
1980年のデビュー以来、11枚のスタジオアルバムを発表してきた同バンドですが、その中から絶対的自信を持っておすすめできる珠玉の一枚をここでご紹介しようと思います。
その珠玉の名盤こそ、1983年発売のデフ・レパード3枚目のアルバム「炎のターゲット」です。
1983年発売「炎のターゲット(PYROMANIA)」
このページでご紹介する「炎のターゲット」は原題を「PYROMANIA(パイロマニア)」といい、デフ・レパード3枚目のアルバムにして、彼らを世界的なビッグネームへと飛躍させた出世アルバムでもあります。
1983年(昭和58年)1月20日に発売されたこのアルバムは、じわじわとチャートを上昇し続け、最終的にはビルボード全米アルバム2位にまで昇りつめ、アメリカで1000万枚以上を売り上げてダイヤモンドディスクに認定されました。ビルボードにチャートインしていた期間は123週という、驚異的なロングセラーとなったのもこのアルバムの特徴といえるでしょう。
この「炎のターゲット」発売時期のデフ・レパードのメンバーラインナップをご紹介しておきます。
ジョー・エリオット(ヴォーカル)
スティーヴ・クラーク(ギター)
フィル・コリン(ギター/コーラス)
リック・サヴェージ(ベース/コーラス)
リック・アレン(ドラム)
結成メンバーであるギターのピート・ウィリスに代わって元ガールのフィル・コリンがこのアルバムのレコーディング途中から加入。というわけで、ピートのギターパートとフィルのギターパートが混在しています。
では、曲紹介やアルバム紹介に移りましょう。
天才リフ・メイカー、スティーヴ・クラークのギターが炸裂する「ロック・ロック」
いかにも80年代!!(もちろん誉め言葉w)なシンセサイザーのイントロからいきなりスティーヴ・クラークの荒々しくノリノリなギターリフが炸裂するこの名盤のオープニングに相応しい1曲目「ロック・ロック(Rock! Rock! “Till You Drop”)」。
やっぱスティーヴ・クラークは天才的なリフ・メイカーですね。ジョーの熱く猛々しいシャウトもまさに“ROCK”!これぞレップス!!って感じの荒々しくも計算されつくした最高のハードロックナンバーです。
彼ら最大のヒットアルバムとなった次作「ヒステリア」は楽曲は素晴らしいのですが、オーバープロダクション気味でライヴ感やハードロックっぽさが失われてしまったと思えてしまうわたし的にはやはりこのアルバムの生っぽさの残るサウンドプロダクションの方が好きなのです。
MTVのヘヴィ・ローテ入りしたキャッチーなヒット曲、1stシングル「フォトグラフ」
この傑作アルバムの1stシングルとなった2曲目「フォトグラフ(Photograph)」のPV(プロモーションビデオ)です。ハードロックのシングルとしては異例のヒットを記録し、MTVでヘヴィ・ローテーション入りして全米ビルボード12位まで上昇し、このアルバムの売り上げの勢いを加速させる要因ともなりました。
キャッチーなリフに歌メロ、メロディアスなサビとデフ・レパードの特徴の一つでもあるコーラスワークも実に美しいです。ハード・ロックとコマーシャリズムが絶妙なバランスで成立しているといってもいい、彼らのセンスを感じさせてくれる曲ですね。
キャッチーなんだけど哀愁と湿り気のあるこのメロディは、やはりアメリカのバンドでは作れないと思います。NWOBHM(ニュー・ウェイブ・オブ・ヘヴィ・メタル)ムーヴメントから出てきた彼らこそ作れたともいえる曲ですね。
ライヴオープニング曲「ステージフライト」はデフ・レパード屈指の疾走系スピードチューン
ライヴでの聴衆の歓声→ジョーの雄たけび→強靭なリフ、の流れが否応なしにアドレナリンを噴出させてくれる、アルバム屈指…いやデフ・レパードのキャリア屈指の疾走系スピードチューン「ステージフライト(Stagefright)」がアルバム3曲目に控えます。
一時期のデフ・レパードのライヴではオープニングを飾る事も多かったこの「ステージフライト」。ライヴのオープニングチューンとしてこれ程最適な曲は無いという必殺チューンですね。
スピード感はありますが、メロディ自体は結構ポップで一聴すれば荒々しいけど実は聞き易いという、やはりデフ・レパード節な曲なのです。
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