スラッシュ四天王(メタリカ、メガデス、スレイヤー、アンスラックス)と呼ばれたスラッシュ・メタルを代表する4バンド。その中でも最も商業的な成功を収め、アメリカの国民的バンドにまで上り詰めたのが、メタリカです。
その音楽はまさに硬派。男連中のためのバンド!!って感じですね(女性のメタリカファンのみなさんゴメンナサイ汗)。
そんなメタリカの個人的一押しアルバムなどをご紹介したいと思います。
アングラの帝王「メタリカ」。そして世界の頂点に
もはやスラッシュ・メタルなどという範疇で語る事さえも憚られるほどに全世界的成功をおさめたモンスターバンドであるメタリカ。
しかし4thアルバム頃までは、やはりスラッシュ・メタルと呼ばれるほどに攻撃的なバンドでしたね。もちろんいい意味でです。メタリカというバンドの代名詞となっている、プログレッシヴ・ロックっぽさが現れ始めるのは、2ndアルバム辺りからでしょうか。大作主義志向が見られ始めると言い換えてもいいかもしれません。
まあとにかく80年代の中盤あたりは、まだまだスラッシュ・メタルというのはアンダーグラウンドの音楽であり、一部マニアのための音楽でした。市民権を得ていたとは言えない時代でしたね。
そんな中、メタリカは我が道を行くのです。そう、ファストでラウド、それでいてプログレっぽい複雑な曲展開・・まさにメタリカは我が道を突き進みながらスターダムに駆け上がっていきました。
ファンの間では、前期と後期のアルバムで評価が全く違うと言ってもいい感のあるメタリカ。まあそれはそれほどに成功したという証でもあるわけですが、確かに前期と後期では作風が大きく様変わりしたといってもいいかもしれませんね。
一押しおススメアルバムは「ライド・ザ・ライトニング」!!
そんなメタリカの個人的一押しアルバムといえばこれです。
RIDE THE LIGHTNING 邦題:ライド・ザ・ライトニング
1.Fight Fire with Fire
2.Ride the Lightning
3.For Whom the Bell Tolls
4.Fade to Black
5.Trapped Under Ice
6.Escape
7.Creeping Death
8.The Call of Ktulu
1984年発売のメタリカ2ndアルバムです。アルバム制作時のメンバーが、
ジェイムズ・ヘットフィールド(ヴォーカル、リズム・ギター)
ラーズ・ウルリッヒ (ドラムス)
クリフ・バートン (ベース)
カーク・ハメット (リード・ギター)
うーん最強の4人ですな(笑)。男くさいっす。だがそれがいいっ!!女のファンなんてメタリカにはいらんのや!(女性メタリカファンのみなさんゴメンナサイ)
とか何とか言いながら、初めてメタリカを見た大阪でのライブでは結構女性ファンがいたのに驚きましたね。95%は男なんだろうなと思っていたので、思ったより女子が多かったのが意外だったのをハッキリ覚えています。
自分のメタリカ初体験は、確か大阪の厚生年金会館でした。「…And Justice For All」ツアーでしたね。オープニングが「To Live Is To Die」で、中間のアコースティック部分からのスタートだったのをハッキリと覚えています。うぉー、この曲で始まんのかよぉぉぉぉっ!!て鳥肌もんでしたね(笑)。
アルバム構成が似ている二枚目、三枚目、四枚目はお好み次第?
おっと、いきなり話が脱線しまくりですな(苦笑)
お薦めアルバムが何故「Ride the Lightning」なのか?
うーん、カッコイイからです(汗)。
1曲目いきなりアコースティックで始まりますが、心臓の悪い方はご用心(笑)。いきなり来ますよ、いきなり。アコースティックパートが終わるや否や、まさにライトニング(稲妻)のようなへヴィなリフのカットイン。そっからはもう8曲目まで怒涛の展開です。あっちゅう間ですわ(笑)。
ちなみにこれが一曲目の「Fight Fire with Fire」。2009年のメキシコでのライヴですね。うーん、カッコよすぎっすなぁ。てかこの年でこのパフォーマンスはやばいでしょ、いい意味でね(笑)。
ていうか、メタリカは迷いましたね。このアルバムか、次の3rdアルバム「Master Of Puppets(邦題:メタル・マスター)」かと。恐らく初期のころからのメタリカファンの間でもこの2枚だとどちらを選ぶか迷う人は多いと思いますね。4thの「…And Justice For All(邦題:メタル・ジャスティス)」もいいんですけど、ジャスティスはラーズのドラムの音(特にスネア)が軽すぎなんですよね、個人的に。それに新加入のベーシスト、ジェイソン・ニューステッドのベース音が全く聞き取り不可能なくらい聴こえません(笑)。なので一歩後退です。
ただメタリカの場合、2nd、3rd、4thの三枚は非常にアルバム構成が似通っているんですよね。
3枚とも最初の1曲目はスピードスラッシュの疾走曲で幕を開け、2曲目にタイトル曲である曲構成の複雑な大作を持ってきています。そして4曲目ではへヴィでありながらドラマティックなスローナンバーで締めています(アナログ時代であればA面ラストの曲ですね)。
ラストかラス前にはこれまたインストゥルメンタルの壮大な大作を配置し、その前後辺りにスピード&へヴィな爆裂曲でノックアウト!!ってな構成です。
んでもってどのアルバムも素晴らしい曲ばかりなので、あとはもう個人の好みになっちゃうんですよね。
てなわけで、個人的に一番好きなのがこの「Ride the Lightning」だったというわけです。適当な理由でスミマセン。
今は亡きカリスマ、ベーシストのクリフ・バートンとは?
メタリカのライヴデビューは1989年の「…And Justice For All」ツアーだったと述べましたが、このツアーには「Ride the Lightning」でベーシストだったクリフ・バートンがいませんでした。ジェイソン・ニューステッドがメタリカのベーシストだったのです。
メタリカの不動のベーシストであり、コンポーザーでもあったクリフ・バートンは、メタリカ在籍中の1986年9月7日にツアー中のスウェーデンで事故によって亡くなりました。まだ24歳という若さでした。
クリフを一目でいいから生で見たかったという想いが未だにわたしの中にはあります。というのも、メタリカというバンドがインディーズ時代にカリスマ的な人気を誇った理由は、このクリフの存在があまりにも大きいからです。
ジェイムズ、ラーズ、カークの三人も非常にカリスマティックなミュージシャンですが、クリフの存在はその三人を凌駕するほどであったと言われています。
そのファッションを含めたルックス、剛のメタリカにプログレっぽさや大作志向の曲を持ち込んだその音楽センス、そして比類なきベーシストとしての天才的なプレイ。
クリフがいたら今のメタリカどうなってたんだろ?ってメタリカファンなら誰でも一度は考えた事あるんじゃないですかね。それ程の存在でしたね。
世界を制覇したブラック・アルバムに感じた違和感
最初に書きましたが、メタリカは前期と後期で作風がかなり変わっています。個人的な分岐点を言わせてもらうと、それはメタリカの5thアルバムである「Metallica(通称ブラックアルバム)」以降と4thの「…And Justice For All」以前に分かれると思います。
1991年に発売されたブラック・アルバムは言うまでもなくメタリカを世界のトップに押し上げたモンスターアルバムです。メタリカ初の全米1位獲得アルバムであり、これまで世界で3000万枚以上を売り上げているロック史に残る作品です。
しかし個人的に初めて「ブラック・アルバム」を聞いたときには戸惑いました。印象はただ一点。
「これは俺の好きなメタリカじゃない・・」
その後何度も聞いて良さを感じるようにはなりましたが、今でもそれまでの4枚のアルバムと比べると聞く機会は非常に少ないアルバムです。
ちなみにうちの洋楽好きの妻はこのブラック・アルバムを非常に気に入っています。しかし初期のメタリカのアルバムはあまり聞いてるところを見た事がないです。音楽性は変わりましたが、その分やはり幅広い層に訴求するバンドになったという事でしょうか。スラッシュ・メタル、へヴィ・メタルのカテゴリーから飛び出していってメイン・ストリームに躍り出たメタリカは、既にアングラの帝王ではないんだなと改めて思わずにはいられませんでしたね。まあこれはメタリカだけじゃないんですけどね(笑)。
とにかくブラックアルバムとそれ以前のアルバムを聞き比べてもらえば、その違いは明らかに分かってもらえると思います。
売れてからも初期の曲を大事にしているメタリカ
現在でも初期メンである、ジェイムズ、ラーズ、カークの三人は健在で、未だにパワフルなライブパフォーマンスを見せてくれているメタリカ。
嬉しいのは、メタリカはメジャーになってからでも、けっこう初期の曲をライブでやるんですよね。
メイン・ストリームに躍り出た瞬間にまだ売れていなかった頃の曲たちを封印してしまうバンドも多いのですが、やはり自分たちのルーツはしっかりわかってるんでしょうね。それとも、やはり初期の曲の方が好きなんでしょうかね。
どちらにしても、これからもバリバリの現役としてロック・シーンを引っ張っていってもらわなくては困る存在ですよね。
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