和久峻三原作の2時間サスペンスドラマシリーズと主要キャスト 京都殺人案内等長寿作品も

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ドラマ

弁護士資格も持つ推理作家の和久峻三さん。その豊富な知識と本職の弁護士という観点から描かれる法廷ミステリーは他の追随を許さない程のクオリティの高さにおいて多くのファンを獲得しています。

そんな和久作品は、当然のようにこれまでに数多くの作品が映像化されてきました。特にミステリー、サスペンスものを多く手掛ける2時間ドラマにおける映像化が顕著です。

そこでここでは、これまでに映像化された和久峻三氏の人気小説の中でも人気を博してシリーズ化されたもの、さらには異なる主役を起用した複数のドラマが作られたものなどをご紹介しましょう。

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藤田まこと主演「京都殺人案内」シリーズ(テレ朝土曜ワイド劇場)

和久峻三さん原作の数ある2時間ドラマシリーズの中でも最大の長期大ヒットシリーズとなったのがこのドラマでしょう。

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
京都殺人案内 32作 1979年~2010年 藤田まこと テレビ朝日系列(土曜ワイド劇場枠)

主要レギュラーキャスト

狩矢荘助役
藤田まこと(1作)

音川音次郎役
藤田まこと(2~32作)

音川洋子役
小林かおり(2~5作)
荒木由美子(6作)
萬田久子(8~32作)

秋山虎五郎役
遠藤太津朗(2~32作)

全32作全てで主演は藤田まことさんですが、原作としては、シリーズの記念すべき1作目となった、狩谷警部こと狩谷荘助が主人公の「花の棺」のみは山村美紗さん原作となっており、和久峻三さんの作品となるのは第2作目の音川音次郎が主人公となる作品からです。つまり、京都殺人案内シリーズ全32作品のうち、和久峻三さんのものは31作だという事です。

藤田さん演じる京都府警の音川刑事をはじめとして、三人の女優さんが演じられた娘の洋子、そして音次郎の上司である遠藤太津朗さんの演じた秋山課長・・どれも見事にハマってましたねえ。藤田まことさんの2010年の死去に伴ってシリーズは終了となりましたが当然でしょう。個人的に音川刑事は藤田さん以外にあり得ません。そして秋山課長も遠藤さん以外に考えられない。それほどピッタリでした。

この「京都殺人案内」が藤田まことさん、遠藤太津朗さんという名優お二人の遺作となったというのがまた・・。相応しい名作といえるんですが本当に寂しいですよね。

藤田まこと主演「フルムーン探偵(熟年夫婦探偵)」シリーズ(テレ朝土曜ワイド劇場)

和久峻三さん原作、藤田まことさん主演の「京都殺人案内」が出ましたが、こちらもテレビ朝日の土曜ワイド劇場枠でレギュラー化された和久さん原作・藤田さん主演のドラマです。

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
フルムーン探偵(熟年夫婦探偵)シリーズ 2作 1982年~1984年 藤田まこと テレビ朝日系列(土曜ワイド劇場枠)

定年退職した元刑事の藤田まことさんと三ツ矢歌子さんの熟年夫婦が旅行で訪れた先で事件に巻き込まれ、それを解決するというドラマです。2作が作られ、1作目の「じゅく年夫婦探偵」では佐渡島、2作目の「フルムーン探偵日本三景巡り」ではその名の通り、安芸の宮島(厳島神社)や天橋立などの日本三景が舞台となっています。

若い世代の方は知らないでしょうが、このドラマが放映された当時というのは、上原謙さんと高峰三枝子さんが熟年夫婦役として出演した国鉄の「フルムーン夫婦グリーンパス」のCMが社会現象ともいえる人気となって、「フルムーン旅行」というのがトレンドとなっていた時代でした。

藤田まことさんと三ツ矢歌子さん。今は亡き名優と大女優のフルムーン夫婦役・・豪華なドラマですよね。

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告発弁護士シリーズ&赤かぶ検事奮戦記シリーズ&芸者弁護士シリーズ

法廷荒らしの異名をとる老弁護士・猪狩文助の活躍を描く告発弁護士シリーズについてはこちらの記事に詳しいのでこちらをご覧ください。

「告発弁護士猪狩文助(いかりぶんすけ)」シリーズ いかりや長介、藤田まこと、柄本明版の2サスキャスト等

さらに、2時間ドラマのみならず、連続ドラマとして何度もシリーズ化された「赤かぶ検事奮戦記」シリーズについても別記事に詳しいのでこちらをご覧下さい。

“赤かぶ検事奮戦記”歴代ドラマキャスト フランキー堺、橋爪功、中村梅雀各シリーズの主要登場人物(柊家や法眼弁護士等)

さらにさらに(笑)、芸者と弁護士の二つの顔を持つ芸者弁護士の活躍を描いた、弁護士芸者シリーズも数多くのシリーズが作られ、多くの女優さんが主役を演じています。その詳細についてはこちらを。

2時間サスペンス・芸者弁護士シリーズ歴代作品と主演女優 涼風真世に藤田朋子、小柳ルミ子や多岐川裕美も??

この3つのドラマは、どのドラマも数多くの名優や大女優さんたちがそれぞれ違うシリーズで主役を演じた、超人気シリーズとなっています。もちろん和久峻三さんの小説の中でも外す事の出来ない名作ですね。

山崎努主演「九門法律相談所」シリーズ(日テレ・火曜サスペンス劇場)

必殺ファンの自分としましては、藤田まことさんとくれば山崎努さんでしょ?(仕置人シリーズの中村主水と念仏の鉄という名コンビ)という事で、山崎努さんも和久峻三さんの名推理小説を原作としたドラマシリーズに主演していらっしゃいました。

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
九門法律相談所 11 1993年~1999年 山崎努 日本テレビ系列(火曜サスペンス劇場枠)

主要レギュラーキャスト

九門耕作役
山崎努

九門恵役
中村あずさ(1作)
床嶋佳子(2~10作)

吉田文助役
佐藤丈樹(4~10作)

前園梅子役
阿知波悟美(3~5、7~11作)

名優の名をほしいままにする実力派俳優、山崎努さんという人は同じ役を演じないという強いポリシーを持っていらっしゃることで有名です。理由は「同じ役を何度も演じていると飽きてしまう」からだそうですが、確かに50年以上にわたる俳優キャリアにおいて、同一人物役を演じたものはごく数える程しかありません。わたしの大好きな必殺シリーズの念仏の鉄は、スタッフの必死の懇願に折れた山崎さんが例外的に同じ役を2度演じた事でも有名です(“必殺仕置人”と“新・必殺仕置人”)。

そしてこの「九門法律相談所(くもんほうりつそうだんじょ)」も「必殺仕置人シリーズ」と同じく異例中の異例といえるシリーズ化でした。山崎努さんが全11作、約6年に渡って九門耕作を演じられた事はファンにとってもこのドラマは非常にレアな作品といっていいでしょう。

水野真紀&片平なぎさ主演「あんみつ検事の捜査ファイル」シリーズ

あんみつ大好きな京都地検宇治支部の検察官、風巻やよいの活躍を描くあんみつ事件の捜査ファイルシリーズも別の女優さんの主演によって複数回映像化されているドラマですね。まずは最初にドラマ化されたのがこちらです。

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
夢の浮橋殺人事件〜あんみつ検事の捜査ファイル〜 2001年4月20日 水野真紀 フジテレビ系列(金曜エンタテイメント枠)

主要レギュラーキャスト

風巻やよい役
水野真紀

谷口事務官役
岸辺一徳

風巻雄一役
西村和彦

武田町子役
根岸季衣

内海弁護士役
大杉漣

残念ながらたった1作のみに終わり、シリーズ化とは成らなかった本作ですが、演じられた俳優さんは非常に豪華です。名バイプレーヤーの名をほしいままにしている岸部一徳さんに大杉漣さん、さらには主演級の西村和彦さんが主人公・やよいの兄を演じるという豪華さ。ひょっとしたら豪華すぎたために2作目以降のキャスティングに難航したのかもなんて勘繰りたくなってしまいますね。

そして以下がもう一つのあんみつ検事シリーズです。

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
あんみつ検事の捜査ファイル 2作 2016年6月13日 片平なぎさ TBS系列(月曜名作劇場枠)

主要レギュラーキャスト

風巻やよい役
片平なぎさ

石橋大輔役
石塚英彦

石橋小太郎役
中村ゆう

安斉みつ子役
ふせえり

井口検事役
梶原善

佐竹安信役
金田明夫

反町刑事役
中村昌也

2016年6月に1作目が放送された、出来立てほやほやの新シリーズです。水野真紀さん主演の前作放映から実に約15年の時を超えての復活となりました。

このドラマの肝となるのが、京都府警の石橋警部補役のホンジャマカの石塚英彦さんと片平なぎささんのあん友コンビ。あんみつ大好きのこの凸凹ペアが事件怪傑に挑むのですが、その笑いありの名コンビぶりは新たな2サスの名物コンビ誕生を予感させます。

これからの長期シリーズ化の期待を抱かせる名ドラマの期待が高まりますね。

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若村麻由美主演「京都のテミス女裁判官」シリーズ(テレ朝土曜ワイド劇場)

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
京都のテミス女裁判官 2作 2003年~2004年 若村麻由美 テレビ朝日系列(土曜ワイド劇場枠)

主要レギュラーキャスト

松宮亜紀子役
若村麻由美

松宮忠則役
長谷川初範

石塚刑事役
トミーズ雅

樫村弁護士役
佐川満男

神崎検事役
高岡健二

「平成のテミス」(テミス=ギリシャ神話における法と掟の女神)とマスコミに名付けられた京都地裁判事の松宮亜紀子の活躍を描くのがこの「京都のテミス女裁判官」シリーズです。

その内容はストーリー展開が二転三転する、いい意味で予想を裏切ってくれるどんでん返し系のドラマですね。2サス的にはお手本ともいえる醍醐味を味わえる硬派なミステリー法廷ドラマとなっています。

さらに1作目には芦屋雁之助さん、2作目には藤田まことさんが特別出演・友情出演しているという贅沢なキャスティングも素晴らしいですね。

古谷一行主演「小樽運河殺人案内」シリーズ(テレ東女と愛とミステリー)

TBSの「金田一耕助シリーズ」や土ワイの「混浴露天風呂連続殺人シリーズ」などで2サスではおなじみの古谷一行さんも、和久峻三さん原作ドラマシリーズに主演していらっしゃいました。以下がそのシリーズ作品です。

シリーズ名 作品数 放送期間 主演 放送局
小樽運河殺人案内シリーズ 2作 2003年~2004年 古谷一行 テレビ東京系列(女と愛とミステリー枠)

主要レギュラーキャスト

熊沢真琴役
古谷一行

ママ・雪子役
かとうかず子

十文字伍一郎役
平泉成

杉田淳一役
正木慎也

第1作目のタイトルが「20時18分の死神」、第2作目が「25時13分の首縊り」、このタイトル名だけで「見てみたい!」と思わせる素晴らしいセンスと言わざるを得ません。

和久峻三さん原作の2時間ドラマといえば、弁護士や検事らを主人公とした法廷ドラマが多いのですが、この作品は小樽中央署の刑事である“クマさん”こと熊沢刑事を主人公としたバリバリの王道サスペンスとなっています。

いやあ、やっぱり古谷一行さんは素晴らしい俳優さんだなあと思わせてくれるドラマですね。あと、わたしらの世代には懐かしいアイドルグループ・忍者(当時のジャニーズ事務所所属)の元メンバーであった正木慎也さんもレギュラーで出演していらっしゃいましたね。

 

以上、和久峻三さん原作の2時間ドラマシリーズをご紹介しました。

その他のシリーズものや単発作品についてはそれぞれ以下の記事をご参照ください。

“赤かぶ検事奮戦記”歴代ドラマキャスト

「告発弁護士猪狩文助(いかりぶんすけ)」シリーズ

2時間サスペンス・芸者弁護士シリーズ歴代作品と主演女優

和久峻三原作単発2時間ドラマ放送テレビ局別 テレ朝、日テレ、フジ、TBS、テレ東各局の名作ミステリー

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