今年見たドラマの中でも素晴らしいドラマ、「ベストドラマオブザイヤーby俺」を選ぶとしたら、迷わずこのドラマを選びます。
2015年7月から9月にかけてテレビ朝日系で放送された「民王」です。
「みんおう」ではなく、「たみおう」と読みます。
いやぁ、おもろいっす。番宣見た時にはあまりに荒唐無稽な設定なので見るのをためらったのですが、いやぁ、見て良かったっす。
荒唐無稽な設定とは、総理大臣である父と大学生であるその息子の体が入れ替わってしまうというものです。「父は大学生として、息子は総理大臣としてそれぞれの難題に立ち向かう」というコメディドラマです。遠藤憲一主演という事で「おっ」と思ったのですが、その設定とコメディドラマである事から少し見る気が萎えたのですが、やっぱり食わず嫌いはよくありませんね。危うくこんな素晴らしいドラマをみすみす見逃してしまうところでした(爆汗)
そんな「民王」のDVD&ブルーレイ化が決定。発売日は12月16日で、DVD、ブルーレイBOXには遠藤憲一さんや菅田将暉さんのインタビュー、高橋一生さんの政治用語解説、NG集やメイキング映像など映像特典は9つ、160分以上の超豪華内容。さらに封入特典もドラマ内で話題になった「モフモフン」のシールなど3点とこれまたドラマファンにはたまらない内容。
いや、マニア心をくすぐってくれますなぁ。まあ速攻予約しましたがねwww
見てない人は見てみてください、損はさせません。だってすっげー面白いんだもん。
原作・池井戸潤と脚本・西荻弓絵なんだから面白いに決まってますわな(笑)
原作は今を時めく人気作家・池井戸潤。説明不要でしょうが、説明しますwあの「半沢直樹」、「華咲舞が黙ってない」「ルーズヴェルト・ゲーム」「鉄の骨」「下町ロケット」などを世に送り出した小説家です。
映像化された池井戸作品は殆ど見ているのですが、他の作品では、割と弱い立場にある主人公が上の人間に立ち向かってそれを倒すという下剋上的なものが多いのですが、この作品の主人公はこの国のトップである総理大臣というのが面白いですね。しかしご安心を。弱き人々の声を背に難題に立ち向かう主人公たちの活躍は、他の池井戸作品にも負けない興奮と爽快感をわたしたちに与えてくれますよ。
脚本はこれまた大・大・大好きな西荻弓絵。あのドラマ史に燦然と輝く名作・「ケイゾク」「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」の脚本家です。
西荻さんの作品で大好きなのは何といってもシリアスとコメディの絶妙な調和。そしてその類い稀なギャグセンス。マニア心をくすぐる小ネタの数々。これはもう西荻さんでなければ出せないと言ってもいい世界観を持っておられます。
実際このドラマを見るまで脚本が西荻さんだとは知りませんでした。しかし、第1話途中で「ん?」となり、もしやこの素晴らしいセンスは・・・と思いネットで調べたら案の定西荻さんの脚本でした。とにかく西荻ワールド全開といってもいいこの作品。「ケイゾク」や「SPEC」のファンの方にも強くおススメします。筋金入りの「ケイゾク」「SPEC」ファンのわたしが言うのですから安心してください(笑)
対照的な2人を演じた遠藤憲一と菅田将暉の凄さ
強面の剛腕政治家・武藤泰山とその息子で気弱な大学生・武藤翔。この二人の中身が入れ替わるという事は、この2人の人物をそれぞれが演じなければならないという事です。
武藤泰山役が遠藤憲一。武藤翔役が菅田将暉。
二人の演技が凄すぎです。入れ替わる前と入れ替わった後の二人は目力、声色、仕草、発するオーラ、何から何まで別人へと変貌します。まるで本当に魂が入れ替わったのではと思うほどです。遠藤憲一さんは昔から大好きな俳優さんでその実力は十分過ぎるほどに知っています。知っていたからこそ遠藤さん主演という理由で見始めたようなものです。しかし、相手役の菅田将暉。この若手俳優さんはほとんど知らなかったです(ゴメンなさい涙)。
が、しかぁーし!!
ホントすみませんでした。素晴らしい演技力です。特に泰山になった時のあの鬼気迫る迫力。あの遠藤さんを相手に一歩も引けをとっていません。間違いなく今の若手俳優の中では演技力で抜きん出ています。
とにかく、このベテランと若手、両実力派俳優の演じ分けは必見です。特に好きなのが翔になった時の遠藤さん。仕草がとにかく可愛くて面白すぎです。「総理」と呼ばれると条件反射でヒョイッと効果音付きで手を挙げるところは何度見ても笑ってしまいます。
あ、そういえば菅田将暉くんがあのauのCM「三太郎シリーズ」の鬼ちゃん役って最近初めて知りました。一緒に民王見てた嫁も気づいてませんでした。全く気づかない程、役によって全く違うキャラクターに変貌してしまう凄い俳優さんだって事を再認識しましたね。
高橋一生、草刈正雄ら、脇が素晴らしいんですわ、これがまた
ええ、素晴らしいんです。その他の出演者も。
泰山を官房長官として支える狩屋 孝司役にこれまたベテラン演技派俳優・金田明夫さん。入れ替わった2人を陰日向にサポートするいい人をいい人オーラ全開で演じてます。武藤親子とこの狩屋に秘書の貝原を加えた4人のカラミがこれまた面白い。個性的な3人の間を取り持つバランサーとして孤軍奮闘する金田さん。いぶし銀ですなぁ。あ、金田さんメインの回もありますのでお楽しみに。
そして、個人的に好きなキャラナンバー1、泰山の秘書を務める貝原 茂平役の高橋一生。この役者さんも大好きな俳優さんです。
初めて見たのは引きこもりのパソコンオタク・森永和範役で出演した「池袋ウエストゲートパーク」です。出番はあまり多くなかったのですが、強烈なインパクトを残しましたね。近年だと、去年の大河ドラマ「軍師官兵衛」での冷静沈着な官兵衛の腹心・井上九郎右衛門役も素晴らしかったです。
今回のこの民王でもその存在感は際立ってます。クールで知的な秘書なのですが、口が悪くて意外と短気。特に泰山と入れ替わった翔とのカラミは絶品です。あまりにも知識の無い翔にいらだった時の無機質な暴言、舌打ちなどなど・・これがわたしにとって民王の最大の楽しみであったといっても過言ではありません。とにかくこの貝原の魅力はとても文面ではお伝えする事が出来ません。見てください。そんだけです。
あと外せないのが警視庁公安の刑事・新田 理役の山内圭哉。これがまた貝原に負けず劣らずのギャグメイカーw
変装の名人であり、情報収集や戦闘力に長けた凄腕刑事役として泰山たちの心強い味方なのですが、イントネーションが変ですwあと、武器のチョイスが変ですw変装も変ですw顔がいかついので余計に面白さが際立ちます。そういえばこの山内さん、「SPEC」のテレビドラマ版第2話で千里眼を持つスペックホルダーとして出演していました。西荻さんのお気に入り俳優さんなのでしょうか。西荻ワールドにぴったりはまってますんで、それも納得です。
その他にも翔が密かに想いを寄せるヒロイン・南 真衣役に本仮屋ユイカさん。物語の大きなカギを握る女子大生・村野 エリカ役に元KARAの知英さん。泰山の政敵・蔵本 志郎役に大御所・草刈正雄さん。同じく政敵・城山 和彦役にこれまた大御所・西田敏行さん。皆さん個性的でクセの強い役を見事に演じ切っています。
そして、各話の最後には出演者一同がエンディングソング「ストレスフリー」で歌手のmiwaさんと踊ってるんですが、出演者の表情や動き、これがまたいいんですよね。出演者の一体感が感じられて、このドラマに相応しい曲と映像だと思います。
あまりネタバレしてもいけないんですが、最終回の終わり方的に続編ありそうな雰囲気ありありだったんでめっちゃ期待してしまってる自分がいるんですが・・・やってくれますよね?ね?ね?たのんますよぉ、テレ朝さん。
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