三上博史主演・藤原竜也デビュー作フジドラマ「それが答えだ!」深田恭子、小栗旬出演の未DVD化再放送無しの名作

ドラマ

クール毎(3ヶ月)に大量の連続ドラマが放映されていくというサイクルで長年回っている日本の民放ドラマ事情。

当然ながらこれまでに数え切れない程のドラマが製作されてきたわけですが、その中には名作と呼ばれながらも未だに再放送やDVDなどのソフト化がなされていない“不遇”の作品も数多くあります。

ここではそんな隠れた名作の中から、「それが答えだ!」というドラマをご紹介してみたいと思います。

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フジ連ドラ枠「水曜劇場」で「ギフト」と「成田離婚」の間が「それが答えだ!」

ではまずドラマ「それが答えだ!」の簡単な概要をご紹介しましょう。

放送期間:1997年7月2日~9月17日
放映時間:毎週水曜日21:00~21:54
     (初回と最終回のみ22:54まで)
ドラマ枠:水曜劇場
放送回数:全12話
制  作:フジテレビ・共同テレビ
音  楽:服部隆之
主題歌 :ウルフルズ「ワンダフル・ワールド」
脚  本:戸田山雅司
主  演:三上博史

いやぁ、今からもう20年以上も前になるんですね、このドラマ。まあ年取るわけです(笑)

毎週水曜夜9時からフジテレビで放映されていた、全12話の連ドラですね。ドラマ枠は今では明石家さんまさん司会の「ホンマでっか?TV」が放送されているかつてのドラマ枠「水曜劇場」でした。この「それが答えだ!」以外にも「振り返れば奴がいる」や「古畑任三郎シリーズ」、「ショムニシリーズ」、「王様のレストラン」、「沙粧妙子 – 最後の事件 -」といった人気ドラマを生み出したドラマ枠ですね。

ちなみにこの「それが答えだ!」の前クール(1997.4月期)の水曜劇場ドラマは木村拓哉さん主演の「ギフト」で、後クール(1997.10月期)は草彅剛さんと瀬戸朝香さんW主演の「成田離婚」でした。どちらも有名なドラマですよね。奇しくも元SMAPメンバーの主演作に挟まれた格好で制作されたのがこの「それが答えだ!」だったのです。

「それが答えだ!」のあらすじ・ストーリー

全世界にその名を轟かす天才マエストロ、鳴瀬望(三上博史)。ウイーンやベルリン、ボストンでもタクトを揮った、誰もが認める音楽家としての実力を持ちながらそのあまりにも傲慢な性格かつ高すぎるプライド故に、指揮者としてのコンサート中に演奏していたオーケストラ全員にボイコットを受けて退場されてしまうという事件を起こす。トラブルメイカーとして名を馳せてしまった鳴瀬は仕事のオファーも無くなり、山梨県の山中にある山荘へと引き籠る生活を送る事となる。

その山荘の麓にある酒屋の息子で地元の白八木中学校の教師をしている池田邦男(萩原聖人)は、実家の酒屋の配達で山荘に赴いたのがきっかけで鳴瀬と知り合い、鳴瀬を楽器屋と勘違いして学校のピアノの修理を依頼する。ようやく入った仕事のオファーを受けるために断るつもりだった鳴瀬だが、ボイコット事件の謝罪を条件としたオファーを蹴った鳴瀬は中学に赴きピアノを直したついでに演奏を始めた。

世界に名を馳せた天才マエストロのその演奏に心を打たれ奪われる白八木中学校のオーケストラ部の生徒や顧問の池田、そして他の先生や生徒たち…

素人同然の中学校のオーケストラ部の生徒たちに音楽の素晴らしさを教えて欲しいと鳴瀬に懇願する池田。一切受ける気はなかった鳴瀬だが、マネージャーの樫尾(阿南健治)が鳴瀬に持ってきた仕事はその中学校の音楽の臨時講師の仕事だった。

山梨の山奥の中学校で子供たちを教える事となった、子供と田舎と学校が何よりも嫌いな天才マエストロ・鳴瀬望。しかし、様々な事を乗り越えて純粋に音楽に取り組んでいく中学オーケストラ部の生徒たちや池田ら教師、村の人々との触れ合いの中で徐々にだが確実に人間的にも変わっていく鳴瀬。

そして天才マエストロが見つけ出した己の本当に進むべき道への答えとは…?

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エキセントリックで繊細な天才マエストロを見事演じた三上博史(みかみひろし)

ぶっちゃけると、ストーリー自体は割とありがちな話っちゃあありがちな話かもしれません。天才マエストロと呼ばれた世界的音楽家と、音楽に関しては素人の中学生がお互いに成長していくという成長ストーリーとなっています。

ただし、このドラマを圧倒的なものとしているのが主演の三上博史さん。傲慢で我がまま、プライドは高く独善的、そんな天才が傷つき出会った山奥の村の人々との交流によって徐々に心を開き、優しさや思いやりといった感情を投げかける事が出来るようになっていく…という鳴瀬望という役どころは非常に難しい役だと思います。そんな鳴瀬の天才特有のエキセントリックな部分と、シャイで繊細な部分が同居する複雑な人物をこれだけ絶妙に自然に演じられるのは三上さんしかいないといっていいでしょう。本当に素晴らしい。主演が彼でなくてはこのドラマは現在でも語り継がれる程のこんな名作にはなりませんでした。断言します。

三上さんといえば、野島伸司作品の「この世の果て」でも世界的な天才ピアニスト・高村士郎役を演じられました。あの役は、この作品と同じ音楽家役でも、もっと繊細で人間的に弱い役どころでした。その弱さゆえにどんどん堕ちていってしまうという役でした。プライドの高さは共通する部分でしたが、同じ天才音楽家役でもこの辺りの演じ分けなども流石だと思いますね。

第1話では湖(池)で泳いだ後に全裸で岸へと上がってきた三上さんのバックショットがありますが、見事な肉体美でした。三上ファンの皆さんには必見のシーンでしょう(笑)。

そして、最終回に鳴瀬が音楽室で生徒一人一人の名前を呼ぶ場面…これはもう涙腺崩壊というか決壊ですな(号泣)

回替わりメジャーユニフォームの中学教師役・萩原聖人と恋人役の酒井美紀

マエストロの心を開く大きなきっかけを作る事となり、鳴瀬の一番の理解者といってもいい存在となる白八木中学校教師の池田邦男、通称“らっきょ”を演じた萩原聖人さんもいい仕事しています。純粋で一本気な思いついたら行動あるのみの体育会系教師を好演しています。この萩原さんの、天才マエストロ・鳴瀬と対照的なキャラクターは、鳴瀬の闇の部分を照らす太陽のような役割を果たしていく事となっています。どんなに跳ねのけられようが、諦めずに体ごとぶつかっていって鳴瀬の心を開いていくキーマンとなる人物です。

メジャーリーグファンには、毎回変わる萩原さん演じる池田が着用しているメジャー球団のレプリカユニフォームも楽しみだったのではないでしょうか。なお、池田が実家で飼っている愛犬の名前はマダックス。そう、精密機械の異名をとったメジャー屈指のコントロールを誇る300勝投手のグレッグ・マダックスから取った名前です(笑)

そんな池田の白八木中学校の同僚教師で想いを寄せ合う安藤千恵役には酒井美紀さん。前年には長瀬智也さんとのW主演ドラマ「白線流し」で一躍ブレイクしたばかりでしたね。ホントにこの中学校にいそうな雰囲気を持った、いい意味で純朴な若手女性教師といった感じでこれまたいい配役でした。

羽田美智子、麻木久仁子にブレイク前の藤原紀香、中学生の深キョンも

酒井美紀さん以外にも綺麗どころも多数出演しているこのドラマ。

まずは密かに鳴瀬に思いを寄せるツンデレな(笑)、白八木中学の女性教師役には羽田美智子さん。そして同じく白八木中学女性教師の浅丘幸美役に麻木久仁子さんも。麻木さんといえば今やクイズ女王というイメージが強いかもしれませんが、女優さんとしても活躍されていたのです。

そして意外なとこでは、村にあるカフェ店員である小野たみえ役の藤原紀香さん。まだブレイク前の藤原さんの役は、毎度露出度高めの衣装で登場するセクシーな役どころでしたね。生徒たちや村人たちもこんな店員いた日にゃあたまったもんじゃありません。

そして忘れちゃならない白八木中学校の生徒たちの中にも…

水野和音を演じたのが深キョンこと深田恭子さんです。撮影当時はまだ14歳の中学3年生でした。

デビュー間もないという事もあり、演技力は正直まだまだですが、とにかくその存在感は圧倒的です。天使が舞い降りたのかと思うばかりの可憐さ、美しさ。彼女の後の大ブレイクは、少なくともこのドラマを見ていた人は全員が確信していたのではないでしょうか。それ程の圧倒的な可愛さだったのです。

なお、深キョンの大出世作となる「神様、もう少しだけ」の放送はこの作品のちょうど1年後の事となります。

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 白八木中学オーケストラ部の子役には藤原竜也や吉野紗香、ジャニーズJr.らも

深田恭子さんが白八木中学校オーケストラ部の生徒としてレギュラー出演していたとご紹介しましたが、白八木中学オーケストラ部として出演していた12人の生徒役をご紹介しましょう。

和音 深田恭子
美鈴 村山真夏
唱子 杉浦香奈子
響介 二本樹顕理(ジャニーズJr.)
謡司 岡崎正志(ジャニーズJr.)
楽人 小関航(ジャニーズJr.)
律子 吉野紗香
千歌 佐々木恵理
真琴 池田直子
演也 藤原竜也
奏  倉貫匡弘
弦太 山口森広

特筆すべきはやはり、榊演也役の藤原竜也さんでしょう。このドラマがデビュー作で当時は15歳の中学三年生。顔も声も当時からやっぱり藤原竜也です(当たり前ですW)。生徒たちの中でも華というか存在感はずば抜けていますね。

後は吉野紗香さんも有名ですよね。吉野さんの場合はこのドラマ出演以前にも多くの番組で子役としてキャリアを重ねていました。その他の生徒役では、奏役の倉貫匡弘さん、弦太役の山口森広さんが現在でも俳優として活動していらっしゃいます。

なお、音、鈴、唄、響、謡、楽、律、琴、演、奏、弦…と、白八木中学オーケストラ部生徒役12名の名前には全員音楽に関する感じが一文字当てられています。

未再放送・ソフト化(DVD/ブルーレイ化)理由は傷害事件不祥事?クラシック音楽使用料?

冒頭で述べたように、このドラマ「それが答えだ!」は放送終了後、現在に至るまで未だに再放送が無く、DVDやブルーレイ等のソフト化もされていません。まさに“幻の名作ドラマ”と化しているドラマとなっているのです。

制作サイドから正式に未再放送、未ソフト化の理由がアナウンスされたわけではないので、現在に至るまで再放送やソフト化が無い理由はあくまで推測という話になってしまうのですが、その理由として推測されているのが2点。

1つはドラマ内で使用されているクラシック曲の使用料が非常に高額であるという理由。

まあ、確かに主人公の鳴瀬は天才音楽家という設定ですし、中学校オーケストラ部を題材にしているため、多くのクラシックの名曲が使用されています。ああ、成程なあと合点はいきます。

もう1つが、「生徒役で出演していたジャニーズJr.の一人が傷害事件で逮捕されて事務所を解雇された件」によって再放送・ソフト化が難しくなっているという説。作品がお蔵入りになる理由として多いですよね、出演者の不祥事が絡んでいるというもの。最近ではこの説が最有力視されており、wikiでも理由としてこの記述があります。

まあ、どんな理由にせよ、このような良作ドラマが日の目を見ることなく「幻の名作」扱いされているのは本当に忍びないというのが正直な感想です。なんとかソフト化してほしいものです。絶対買いますから…(涙)

心揺さぶる服部隆之作のオープニング&劇中曲、声変わり前の小栗旬もゲスト出演

とにかくこのドラマは脚本が素晴らしい。感動ものなのですが、当時の感動ドラマにありがちな「ほら泣いてみ」的押しつけがましさがなく、それが余計に涙と感動を誘います。

そして三上博史の狂気に満ちた天才音楽家の顔と生徒たちを優しく見守る父の顔とを同居させた迫真の演技。三上博史の本領発揮のドラマです。憑依型俳優という言葉が最近やけに安売りされていますが、三上博史さんこそ本当の憑依型俳優であり、その呼称に相応しい俳優でしょう。

とにかく熱血ならっきょ(萩原聖人)とピュアで一生懸命、生意気だけど健気なオケ部の生徒たち、そして先生たちを含めた村の人々の素朴さもまた良し。舞台となった村の牧歌的な日本の原風景も心を癒してくれます。

そしてやはり凄いのが服部隆之さんの音楽。数多くの映画やドラマのサントラを手掛けていらっしゃいますが、このドラマでもやはりドラマの素晴らしさを大きく引き立たせてくれるものとなっています。オープニングのピアノによるメインテーマ曲(演奏:若林顕)は聴くたびにこのドラマの名場面が蘇ってきて胸が熱くなってしまいます。

何度も言っていますが、このレベルのドラマが見られない状況になっているのは損失以外の何物でもないと思います。藤原竜也さんの記念すべきデビュー作ですし、深田恭子さんを見るだけでも一見の価値ありの作品だと思います。このドラマの前クールで放送された「ギフト」も放送から20年以上DVD化されていませんでしたが(VHS版は有り)、2019年に発売される事となったので、密かに期待したいですね。

あ、忘れてましたが、10話と11話にはコンクールで白八木中のライバル校として登場する開倫中の生徒役で、まだ14歳の小栗旬さんも出演しています。白八木中オケ部を「おのぼりさん」と称したクソ生意気なガキ役ですね。身長はまだ藤原竜也さんより低くて声変わりもしていない小栗旬さんも必見です。

あー、リアルタイム放映時に全話撮っとけば良かったなぁ…

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