1970年代に山口百恵の主演などで話題となった「赤いシリーズ」で一躍大人気となり、1980年代半ばにはその独自路線のドラマで人気爆発したのが「大映ドラマ」でしょう。
大映テレビ制作のドラマを総称していた「大映ドラマ」の、その黄金期ともいわれる1980年代の作品の中でも屈指の人気シリーズがここにご紹介する「少女に何が起こったか」なのです。
大映の人気ドラマ「少女に何が起こったか」主題歌は赤坂泰彦も在籍したJポップグループ
以下が大映ドラマの名作「少女に何が起こったか」についての詳細情報です。
放送期間:1985年1月8日~3月26日
放送時間:毎週火曜日20:00~20:54
放送回数:全12話
放送制作:TBS
制作会社:大映テレビ株式会社
監 督:國原俊明、土井茂
脚 本:増村保造、安本莞二
音 楽:菊池俊輔
主題歌 :東京JAP「摩天楼ブルース」
主 演:小泉今日子
くはぁ、放送はもう32年前すか・・思えばわたしが中学生の頃でしたね。わたしの仲良かった連中は男女問わずほとんど見てた記憶がありますね。水曜日の教室は決まってこのドラマの話題だった事をよく覚えています。
数限りない苦悩や困難に直面しながら耐えるヒロインの小泉今日子、そしてそのあまりにも衝撃的な最終回の劇的展開は本当に衝撃的でしたね。
男女比でいうと、やっぱり男子人気の方が高かったドラマだと思います。そりゃそうでしょう、当時人気ナンバーワンのアイドル、小泉今日子主演のドラマだったのですから。
そしてこのドラマの主題歌(エンディング曲)「摩天楼ブルース」を歌ったのが東京JAP。後にソロで大ブレイクした赤坂泰彦(あかさかやすひこ/当時はヤス赤坂)さんもドラムスを担当したメンバーでした。惜しまれつつ1986年に活動休止した伝説のJポップグループですね。
このドラマで中高生の間で一躍有名となったショパンの「革命」
この大映ドラマ屈指の人気ドラマである「少女に何が起こったか」の舞台となるのは東音楽大学という音楽学校です。
そこの御曹司である天才ピアニスト、東雪彦の娘・東雪が天才ピアニストとして大成していく様子を、自身の生い立ちの謎に関するサスペンス風味も含めながら描いていくドラマですね。
このドラマではピアニストが描かれていることもあり、クラシックのピアノ曲が良く流れます。中でもこのドラマで有名になったのが、ショパンの「革命」でしょう。
このドラマを見ていれば、他のクラシック曲は知らなくても、ショパンの「革命」だけはわかるという中高生も多かったはずです。わたしとわたしの周りがそうでしたから(笑)。
我々世代のショパン「革命」認知度は相当高いはずです。その理由はこのドラマなのですよ。
ヒット曲連発でアイドル人気絶頂期の小泉今日子の連ドラ初主演
なんといってもこのドラマ「少女に何が起こったか」の最大のセールスポイントは、当時アイドルとして人気絶頂であった「キョンキョン(KYON²)」こと小泉今日子の初の主演となる連続ドラマであるという事でしょう。
ドラマ初主演とはいってもすでにアイドルとしてはトップクラスの人気者だった、「花の82年組」と呼ばれる程のアイドル黄金世代の中でデビューした小泉今日子さん。このドラマが始まった時にはすでに歌手として「真っ赤な女の子」「艶姿ナミダ娘」「渚のハイカラ人魚」「ヤマトナデシコ七変化」「スターダストメモリー」などの大ヒット曲を連発していました。
さらにドラマもフジテレビの「月曜ドラマランド」枠で不定期に放送されていた「あんみつ姫」では主演を果たしており、女優としてのスペックも十分に披露していたため、この連続ドラマ初主演に期待は高まるばかりでした。まさに「待望の」連ドラ主演だったわけです。
そんな待望の小泉今日子主演の大映ドラマ「少女に何が起こったか」。成功作だったか失敗作だったかは平均視聴率21.4%という数字が物語っているのかもしれません。
天才ピアニストの東雪彦を父に持つ東雪(野川雪)の一流ピアニストになるまでの苦労や挫折、努力などを「大映節」ともいえるまでの仰々しさ(いい意味でです笑)で描いたこの作品での小泉今日子さんの意地らしいまでの可憐さ、可愛さはとても言葉では言い表せません。
この作品を見たことのない人にただ一言いいたいのは、「これが俺らのスーパーアイドル、小泉今日子だぜ!!」って事ですかね(笑)。まあそんくらい筆舌に尽くしがたいほどのカワイさなのです。それを見るだけでも価値があるドラマですね。
悪徳刑事(石立鉄男)の名セリフ「薄汚い(うすぎたねえ)シンデレラ」
このドラマ「少女に何が起こったか」にはドラマ史に残る超有名なセリフがあります。我々40台半ばくらいの世代にとってはかなり知名度のあるセリフです。そンな名セリフが・・
「この薄汚ねえ(うすぎたねえ)シンデレラ!!」
という、キョンキョン演じる東雪を罵倒するセリフです。そう、「薄汚ねえシンデレラ」とは小泉今日子の事なのですね。
この名セリフを吐いたのが、悪徳刑事の川村を演じていた石立鉄男さん。大映ドラマではおなじみの名俳優さんですよね。この川村刑事が夜12時になると東雪の前に現れ、さんざん我らがキョンキョンを罵倒し苦しめるという憎き敵役なのです。
しかしこの「薄汚ねえシンデレラ」というセリフは人気を博し、わたしたちのクラスなどでも急上昇ワードとして使われることとなりました。そんくらいインパクトの強いセリフであり、石立さんのキャラも見事なヒールっぷりだったのです。1980年代へのオマージュが溢れていたNHK朝ドラ「あまちゃん」で小泉今日子さんに古田新太さんがこのセリフを放ったことでもこの「うすぎたねえシンデレラ」がどれだけ当時流行ったかがわかります。
そんな石立鉄男さん演じる悪徳刑事の川村ですが、最終回の最期の最期で、小泉今日子演じる東雪の元を去る時、彼女に対してこう声をかけます。
「じゃあな、薄汚ねえシンデレラ!!いや‥とってもかわいいシンデレラ」
と。悪徳刑事のこの変わりよう‥その真実やいかに?それはドラマ本編を見てご確認ください(笑)。
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