王様のレストランが三谷幸喜の最高傑作候補な理由 服部隆之のOP曲や平井堅のED主題歌も

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ドラマ

中谷美紀&渡部篤郎の「ケイゾク」、オダギリジョー&栗山千明の「熱海の捜査官」、遠藤憲一&菅田将暉の「民王」、竹野内豊&山崎努の「世紀末の詩」・・

これまで数多くの名作ドラマをご紹介してきた当サイトですが、大事なドラマをここまで取り上げませんでした。忘れていたわけではありません。ずっといつかご紹介しようと頭に残していたドラマです。まあそういった名作たちはまだいくつもわたしの頭の中にあるわけですが・・(苦笑)。

今回ご紹介する名作ドラマは、「王様のレストラン」です。

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三谷幸喜脚本・王様のレストランとは?

ここでご紹介する王様のレストランというドラマについて簡単に概要をご説明しておきます。

ジャンル:コメディードラマ
放送期間:1995年4月19日~7月5日
放送時間:毎週水曜日21:00~21:54
ドラマ枠:水曜劇場
放送回数:全11話
制作局 :フジテレビ
演  出:鈴木雅之・河野圭太
脚  本:三谷幸喜
主  演:九代目松本幸四郎

うーん・・もう22年前になるんですね。そりゃあ年取るわけですよね・・なんてブルーになってても仕方ありません(笑)。とにかく現在の演劇界を代表する喜劇作家・三谷幸喜が「古畑任三郎」の成功によって一躍テレビドラマ界でも脚光を浴びた直後の連続テレビドラマでしたね。個人的には、古畑の脚本家のドラマなんだから面白くないわけがないだろ??って感じの軽ーいノリで見始めた記憶がありますね。まさか放送終了後20年以上経ってもこれだけのインパクトを引きずるドラマだとも知らずにね(苦笑)。

王様のレストランのあらすじ・ストーリー

フレンチレストラン「ベル・エキップ」。オーナー兼シェフを務めたこのフレンチレストランの創業者の死によって傾きかけていた名門フレンチレストランが二人の男の登場によって再び活気を取り戻し、一流フレンチレストランとしての輝きを取り戻していく様子を描いた群像劇。

ある日、フレンチレストラン「ベル・エキップ」に二人の客が来店する。一人は前オーナーシェフの愛人の息子・原田禄郎(筒井道隆)。もう一人は亡きオーナーシェフの親友で元「ベル・エキップ」のギャルソン、千石武(松本幸四郎)。

実は亡くなったオーナーシェフは「ベル・エキップ」の新たなオーナーに禄郎を指名したのだった。そして禄郎は「ベル・エキップ」を復活させるため、かつて「伝説のギャルソン」と呼ばれながらもオーナーシェフと対立して「ベル・エキップ」を去り、現在は給食センターで働いている千石武をギャルソンとして「ベル・エキップ」呼び戻すために説得を行っていたのだ。

しかし、禄郎にオーナーの座を奪われたとも知らない禄郎の兄・水原範朝(西村雅彦)やバイトから昇格したシェフ・磯野さやか(山口智子)、現ギャルソンの梶原民生(小野武彦)らの従業員には全くやる気も活気もなく、あまりのベル・エキップの惨状を目の当たりとした千石は禄郎の説得に首を縦にふらなかったのだが・・・

天才・三谷幸喜が己に課した制約。枷(かせ)の厳しさが生んだ超名作

三谷幸喜脚本による極上のエンターテイメント、「王様のレストラン」。

三谷幸喜といえば、作品を作る際に自らに課す制約が有名ですね。敢えて自分自身に枷をはめて制約を課すことによって普通の作品にないような独自性というか、オリジナリティが生まれるんですよね。

例を挙げれば、2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」。この三谷幸喜初の大河ドラマにおいては、1話で取り扱うのはとある1日の出来事であるという制約を課しました。つまり、大河ドラマ「新選組!」における全49話というのは、新選組にとって非常に重要な49日間を切り取ったものでもあるという事です。これは凄く斬新で新鮮でしたね。個人的には大成功だったと確信しています。

昨年2016年の大河ドラマ「真田丸」では、主人公の真田信繁(幸村)が実際に体験していない事は、たとえ歴史的にどんな大事件であろうとも極力必要最小限の描写とするという制約でした。その制約が見事に守られたのは「高速本能寺の変」や「高速関ヶ原の戦い」などで存分に思い知らせてもらいましたよね(笑)。

というわけで、この「王様のレストラン」の執筆に際しても、三谷幸喜は己に大きな枷を課す事に決めました。その枷とは・・

物語の全ては主人公たちのレストラン“ベル・エキップ”の中で起き、そして完結する

そう、この「王様のレストラン」は全てレストラン“ベル・エキップ(La Belle Équipe)”の中で起こった物語が描かれているのです。いわば密室劇といってもいいでしょう。そしてそれは三谷幸喜にとって最も得意とする分野でもあります。

そしてこのドラマに課せられた制約は見事にドラマのオリジナリティを確立し、独特の緊張感や様々な人間模様や心理描写、そして個性豊かなキャラクターたちの魅力を存分に味わわせてくれることとなりました。

ドラマの概要のジャンルには便宜上、コメディドラマと書きましたが、そんな一口にコメディと語る事すら憚られてしまいます。笑えますが少しホロリともきます。基本的に完璧な人間もいませんが、徹底して悪いやつもいません。ダメな人間にも良いところはある。決して優れていなくても力を合わせれば何とかなるんだ・・というある意味人間賛歌のドラマでもあると思います。

うん、我ながら素晴らしい(笑)。このドラマはね、「人間賛歌」なんですよね。そう、わたしの大好きな漫画「ジョジョの奇妙な冒険」と同じ人間賛歌なのですよ。

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天才作曲家・服部隆之&三谷幸喜名コンビはOP曲「Bon courage!!-勇気-」から始まった・・

王様のレストランといえば、印象的なのがあのオープニングテーマ曲ですよね。荘厳で優雅で雄大、そして聞けば聞くほどに感動と勇気を聴く者に与えてくれる・・まさに名曲という名に相応しいドラマ界の名アンセムです。恐らく「王様のレストラン」をご覧になった事のない方も殆どの人はこのオープニングタイトルは耳にしたことがあると思われます。それくらいに様々なBGMとしてテレビで流されまくっていますから。

永遠に語り継がれていくであろう名ドラマ「王様のレストラン」。そしてその名ドラマと対となってこれまた語り継がれるであろうオープニングタイトル曲。作曲者は服部隆之氏。そしてそのタイトル名は「Bon courage!!-勇気-」

三谷幸喜&服部隆之といえば、これまで数々のテレビドラマや映画などでタッグを組んできたゴールデンコンビとして余りにも有名ですが、実はこの黄金コンビの実現はこの「王様のレストラン」からだったのです。

そりゃあこれだけの凄い仕事人ぶりを見せつけられれば三谷幸喜先生も服部隆之先生を指名するでしょうね。大河ドラマ「新選組!」や「真田丸」はいかにも「和!!」って感じで素晴らしいんですが、この力強い「洋!!」って感じのオーケストレーションもたまりませんよね。

まあどっちが好みかなんてのはぶっちゃけ個人的にはどうでもいい問題でして(笑)、ハッキリと一つだけ言えるのは、服部隆之という人が天才であるという事ですよね。

王様のレストランエンディングは平井堅デビュー曲「Precious Junk(プレシャス・ジャンク)」

オープニングテーマとなった服部隆之氏の「Bon courage!!-勇気-」は現在でも様々なBGMに使用される程の名曲ですが、エンディング曲もまたメモリアルな楽曲となっています。

それもそのはず、あの平井堅さんのメジャーデビューとなった初シングル曲「Precious Junk(プレシャス・ジャンク)」が使用されているのです。

メジャーデビュー曲ですから当然ながら放映当時の平井堅さんはまだ無名のシンガーでした。しかしながらそんな平井さんを抜擢したというのが今考えれば凄いですよね。その後はヒットを連発して一躍日本を代表するシンガーソングライターへと上り詰めたのですから。

オリコンチャート最高位は50位で売り上げ枚数は50万枚と大ヒットとはならなかった本作ですが、確実に平井堅という名を視聴者に刻むこととなりました。

ベル・エキップの12人 しずか、禄郎、範朝、千石・・キャラ立ちが凄い

このドラマはベル・エキップで働く人物たちの群像劇です。ベル・エキップの12人全員が主人公です。彼らの誰一人が欠けてもこのドラマは成り立たなかったでしょう。それほど12人全員が光り輝いていました。

その12人の主役が以下の面々です。

千石  武 松本幸四郎(ギャルソン)
磯野しずか 山口智子(シェフ・ド・キュイジーヌ)
原田 禄郎 筒井道隆(パトロン)
水原 範朝 西村雅彦(ディレクトール)
梶原 民生 小野武彦(メートル・ド・テル)
大庭金四郎 白井晃(ソムリエ)
稲毛 成志 梶原善(パティシエ)
和田  一 伊藤俊人(コミ)
畠山 秀忠 田口浩正(スー・シェフ)
三条 政子 鈴木京香(バーマン)
佐々木教綱 杉本隆吾(プロンジュール)
J・デュヴィヴィエ ジャッケー・ローロン(ガルド・マンジェ)

まさに12人の無名の勇者たち・・とでも言ったらいいのでしょうか。誰も特別な人間などいませんが、普通の人間でも気持ちの持ちようとチームワークで素晴らしい集団へと変貌することが出来るという、ある意味人間賛歌的なポジティブさを感じさせてくれます。このドラマを見るといつでも元気と勇気を与えられるのはそのためです。

シェフの黙ってりゃかなりいい女のしずかやド素人パトロンの禄郎(ろくろう)、ヒヨコを思いやる(笑)ダメダメ人間の範朝(のりとも)、見栄っ張りでスケベな梶原、カッコつけキザ野郎のちょっといいやつ大庭、とにかく全員が全員魅力的なんです、人間的に。どいつもこいつもちょっと足りない部分もあるけど、本当にいいやつなんです。

三谷幸喜の凄さってこれでもかってほどにキャラを立たせることですよね。それほど出番の多いわけでないキャラでもしっかり感情移入してしまっている自分がいるんです。

まさに三谷マジック炸裂というやつですね。当然このドラマもそうです。

三谷幸喜の最高傑作??それは見た後毎に変わるもの?

三谷幸喜という脚本家の当て書き(演じる俳優を当てはめながら脚本を書く事)には今さらながら恐怖さえ覚えます。流石という他ありません。とにかく皆が皆、とてつもなく魅力的なのです。全員が光り輝いているのです。どうしようもないダメ人間もいます。でも憎めない。本当にダメで嫌なやつなんてそうそうこの世の中にいるもんじゃないよ。そんな当たり前のことを当たり前に気付かせてくれるドラマですね。そして皆にしっかりと見せ場やスポットライトも用意されています。本当に凄い脚本です。演者さんは幸せだろうなとまで思えます。もちろんそれにこたえる演者さんの実力も言うまでもありません。

どの役者も生き生き演じています。どのキャラクターも魂が入っています。どんどんみんなに感情移入していく自分がいます(笑)。

森本レオさんの名ナレーションとミシェル・サラゲッタの格言で始まるこのドラマ。毎回毎回ワクワクしながら見てたのを未だにはっきりと覚えていますね。こんな素晴らしいドラマをもしもまだ見ていない方がいらっしゃるのであれば、それは逆にラッキーなのかもしれません。あのワクワク感を22年経った今新たに体験できるのですから。

タイトルにはこの「王様のレストラン」が三谷幸喜の最高傑作“候補”であると書きました。理由は簡単。他に最高傑作候補が山ほどあるからです。古畑任三郎を見終わった後には「やっぱこれが一番だ」と感じ、「真田丸」を見終われば、「いやあ、やっぱし丸最高!!」となりますし・・。とにかく三谷作品は見終わった時点でその作品が最高傑作なんですよね、殆ど(笑)。

なわけで、どれが最高傑作かなんて決められません。あくまで候補ですよ(笑)。

コメント

  1. リキ太 より:

    私もこのドラマは永久保存版に録っております…まさに最高傑作ですよね!
    私の持論”良いドラマはキャストの顔が役名で思い浮かぶ”がありますが、「王様のレストラン」も完璧にそうですね。

    (このような指摘は本意ではないのですが)記事の中で小野さんの役名が”範朝さん”になっているんですけど、すぐに”梶原(かじ『は』ら)さん”だと思い出しましたよ。笑

    私の中では西村さんの最高傑作はこの作品です…異論は認めます。笑(「真田丸」の”黙れ小童!”も捨てがたいので)
    何というか、演じすぎていないところが良いんです。ダメ人間なんですけど、オーバーアクションやコメディに走らず、あくまでも範朝さんとしてはカッコつけて、取り繕ってる様子がどうしようもなく”愛しいクズ”(最高の誉め言葉)に見えて最高でした。三条さんの母性がくすぐられている感じがよくわかりますよね。
    「下り坂」は最高です!(爆)
    梶原(かじ『は』ら)さんと言い、人間のどうしようもない部分を本当に丁寧にさらけ出していますよね。
    「いだてん」もそうですが、食わず嫌いの方々は表面的なコメディっぽい描写の奥にある人間の業や性を描いていることに気付いていて見ないんですかね?
    ホント、自画自賛されている(笑)”人間賛歌”って素晴らしい表現ですね。

    最後に”和田さん”こと伊藤俊人さんがお亡くなりになられたのは本当にショックでした。幅の広い演技ができる名バイプレイヤーだけに残念でなりません。

    • りぞっと より:

      うあぁ…ご指摘ありがとうございます。訂正しておきました(涙)

      本当に皆さんキャラが立ってますよね。こういう群像劇&密室劇を書かせたら三谷幸喜氏の右に出るものはいないと思います。最近でもこのドラマに影響を受けたであろうフォロワー的ドラマが何本か製作されていますが、残念ながら20年以上も前のこの「王様のレストラン」の足元にも及んでいません。

      三谷さんって「愛すべきダメ男」大好きですよね(笑)西村さんの出世作は「振り返れば奴がいる」「古畑任三郎」でしょうが、最高傑作はこのドラマだというのには大賛成で全く異論はございません、激しく同意です!!

      • リキ太 より:

        丁度コメントのきっかけとなったもので、私自身は全く気になっていないのですが…なんだか申し訳ありません。
        西村さんの最高傑作、ご賛同いただき嬉しいです。
        やはり私の周りでも「古畑任三郎」を挙げる人が殆どでした。

        あと、三条さんの絶妙な”愛人”感はこの時期の鈴木京香さんならではでしたね。(「新選組!」も良かったですね。)
        何となく背徳感が漂ってる感じが良くないですか?笑

        • りぞっと より:

          鈴木京香さん、もはや三谷作品には欠かせない女優さんですからね。
          三条さんやお梅といったフェロモンむんむんの魔性の女役をこなしたかと思えば、飾らぬ尾張弁で天下人を支える肝っ玉嫁さん役も違和感なしに演じてしまうあのふり幅の広さはまさに「女優」ですよね。
          失礼ながら「君の名は」で主演されていた頃にはこんな大女優になるなんて思ってませんでした。我ながら見る目の無さに情けなくなりますね(爆汗)

          • リキ太 より:

            見る目の無い人間がここにもいます〜。(涙)
            全く同じ状況で同じことを思いました。ただ、めっちゃ美人でしたので全く気にならなかったです。(恥)
            沢口靖子さんと同じ系統かと。
            ところが見る見るうちに演技の幅が広くなって驚きましたよ。ホント見る目無いです。
            いや、要は成長されてるんですよ!(自己弁護)笑

            成長という点では綾瀬はるかさんってここ数年、凄いと思いませんか?
            「八重の桜」とか「義母と娘のブルース」って見た目ではなく完全に演技で泣かされましたよ〜。

          • りぞっと より:

            綾瀬はるかさんいいですよね。「いだてん」キャストに決定と報じられた時にはガッツポーズしちゃいましたよ(笑)

            天然系のキャラで誤解されやすいですが、同世代の女優さんの中でも演技力はトップクラスですよね。同性からも異性からも好感をもたれる、まさに国民的女優に相応しい存在だと思います。

  2. てれびみないけど より:

    素晴らしい!
    こんなドラマ他にないと思います
    こういう奇跡が稀に起きるんですね
    テレビって実はすごい