1980年代に脚本家デビュー以来、1990年代のドラマ黄金期から現在に至るまで数多くの名作ドラマを世に送り出してきた稀代のヒットメイカー、野島伸司。
世相の問題に鋭く切り込む過激な描写や劇的な展開など、野島伸司氏のドラマには色々な要素がありますが、野島ドラマと呼ばれるドラマの特徴の一つとして挙げられるのが、他のドラマとは一線を画した主題歌の数々です。
流行りのJポップに拘ることなく、過去の名曲などそのドラマにマッチした選曲は見事なものです。中でも目立つのが洋楽を主題歌や挿入曲、エンディング等に用いることです。
とういわけでここではこれまでに野島ドラマで使用された洋楽の名曲たちをご紹介していきたいと思います。
冬の散歩道 サイモン&ガーファンクル
1994年TBSドラマ「人間・失格~たとえば僕が死んだら」(挿入歌)
赤井英和さん主演のTBSドラマ「人間・失格~たとえば僕が死んだら」の挿入歌として使用されたのがこの「冬の散歩道(原題:A Hazy Shade of Winter)」。諸事情により挿入歌とされていますが、実質的にはドラマのオープニングテーマ曲といえます。
「サウンド・オブ・サイレンス」などで有名なアメリカを代表するフォーク・デュオ「サイモン&ガーファンクル」の人気曲です。サイモン&ガーファンクルらしい美しいハーモニーと憂いを帯びたメロディが印象的な、彼らの楽曲の中ではロック要素の強い曲でもあります。大ヒット曲の多い彼らの曲としては意外なことに全米ビルボードシングルチャートは最高13位とトップ10入りを逃しています。
なお、エンディングには同じくサイモンとガーファンクルのこの超有名曲も使用されています。
日本でも有名な彼らの代表曲「明日に架ける橋(原題:Bridge over Troubled Water)」。全米1位に輝いたサイモン&ガーファンクル最大のヒット曲です。この曲以外に「水曜の朝、午前3時(原題:Wednesday Morning, 3 A.M.)」もエンディングソングとして使用されています。
トップ・オブ・ザ・ワールド カーペンターズ
1995年TBSドラマ「未成年」(オープニング主題歌)
「高校教師」「人間・失格~たとえばぼくが死んだら」に続く野島伸司三部作の最終作「未成年」のオープニング主題歌に起用されたのがこの全米1位曲「トップ・オブ・ザ・ワールド」。アメリカの兄妹ポップデュオ「カーペンターズ」が歌う、彼ららしい爽やかなポップソングです。
ちなみにこの「トップ・オブ・ザ・ワールド」はミムラ(現:美村里江)さんとオダギリジョーさん主演のフジ月9ドラマ「ビギナー」(2003年)のエンディング曲にも使われていました。
このドラマがきっかけでカーペンターズが再び日本でブームとなり、ベスト盤など過去のアルバムが売り上げを伸ばしました。なお、エンディングや挿入歌でもカーペンターズの様々な曲が使用されたこのドラマ。最終回のエンディングに使用されたのがこの超有名曲。
全米最高2位を記録したカーペンターズの代表曲の一つ「イエスタデイ・ワンス・モア(Yesterday Once More)」です。日本でも人気の曲ですね。
ラヴ ジョン・レノン
1998年日本テレビドラマ「世紀末の詩」(オープニング主題歌)
様々な愛の形を描いたドラマ「世紀末の詩(うた)」。愛をテーマに描いたこの作品で使用された主題歌がジョン・レノンの「ラヴ」。毎回エンディングに使用されたこの曲、セピア色で描かれるその回の主人公たちの懐かしき日々のバックで流れるこの曲に涙した方も多いのでは?(わたしがそうなんですけどね笑)
ジョンの生前にはシングルとして発売されなかったため、ここ日本での知名度はいま一つでしたが、このドラマによってスポットが当たる事となった名曲です。
そして挿入歌もこの名曲。
ベン・E・キングが1961年に発表した名曲のカヴァーです。リヴァー・フェニックス主演の同名映画でも有名ですよね。この曲は「世紀末の詩」のオープニングタイトルで流れていました。
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