太陽にほえろ刑事達の殉職シーンとストーリー等 山さん・ロッキー・ゴリさん・ボギー・ラガー編

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記事「太陽にほえろで殉職した全刑事一覧①マカロニ、ジーパン、テキサス、ボン、殿下、スコッチ編」ではマカロニ刑事からスコッチ刑事までの殉職をご紹介しましたが、ここではそのあとの刑事たちの殉職場面をご紹介しましょう。

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1982年8月 岩城創(ロッキー)刑事 享年30 演:木之元亮

1982年(昭和57年)という年は、七曲署にとっては非常に縁起の悪い年となります。1月のスコッチ刑事(沖雅也)の殉職に続いて、8月にも一人の刑事がその若い命を散らす事となります。

その男の名は岩城創(いわきはじめ)。通称はロッキー。顔中髭だらけのルックスが特徴の刑事です。顔はムサイが心はとても優しい男で、動物と自然を何より愛する男、それがこのロッキー刑事なのです。

そんなロッキー刑事が殉職したのがなんと「ロッキー山脈」。既に交通課婦警の早瀬令子(後のマミー刑事/演:長谷直美)と結婚して子供も設けていたロッキーは、ロッキー山脈へと犯人を追跡、そこで犯人を追い詰めますが、自然の動植物を守ったところを犯人に撃たれて命を落としました。

ロッキー山脈登頂が夢であった岩城刑事の遺骨は、妻の令子の遺志によってロッキー山脈に風葬される事となり、ロッキーはずっと前から夢見ていたロッキー山脈に眠る事となったのです。

ロッキー刑事の壮絶な殉職から約7か月後となる1983年3月、ロッキーの妻、岩城令子は七曲署に刑事として赴任。マミー刑事と呼ばれ、キップのいい姉御肌の女刑事としてロッキー刑事の代わりに最終回まで活躍することとなっていくのです。

1982年10月 石塚誠(ゴリさん)刑事 享年40 演:竜雷太

七曲署にとって「魔の1982年(昭和57年)」はまだ終わりません。殉職ラッシュのラストを飾るのはこの人、ドラマ開始当初からのレギュラー陣の一人でもある、石塚誠刑事(竜雷太)、通称ゴリさんです。

七曲署内のムードメイカー的な役割もつとめるその明るく熱血なキャラ、そしてそんなキャラクターとは相反するほどの凄腕スナイパーとしての顔も持つ個性派刑事のゴリさん。若手を引っ張り若手の教育係的役割を果たす一方で、ボスや山さん、長さんといったベテラン刑事たちと若手刑事たちとの間をつなぐ潤滑油的な役割を果たしていた、七曲署ではとても重要な人物であったことは間違いありません。

そんなゴリさんは1982年(昭和57年)10月、覚せい剤事件に関与した暴力団との銃撃戦後、工事現場で覚せい剤常習者から被弾して倒れます。病院へ搬送途中の救急車の中、ボス(藤堂俊介)と婚約者の麻生晴子(水沢アキ)の見守る中、息を引き取りました。

ゴリさんの死によって、放送開始当時からの七曲署刑事はボスと山さん(露口茂)の二人だけになってしまったのです。

1984年4月 春日部一(ボギー)刑事 享年28 演:世良公則

三人もの殉職者を出した魔の1982年、ゴリさんの殉職から1年半後の1984年4月に一人の若手刑事が殉職しました。

殉職した刑事の名は春日部一(かすかべはじめ/世良公則)。通称はボギー。

実は太陽にほえろの歴史の中でも、1982年頃は最も人気の高かった時期だといわれていました。ちょうどこのボギー刑事が新メンバーとして加入した時期です。この時期の太陽にほえろの黄金期は「カワセミ時代」と呼ばれています。この「カワセミ」とは、その当時の太陽メンバーの中でも特に高い女性人気を誇った刑事たちを演じた俳優さんの頭文字をつなげたものです。

 神田正輝(西條昭/ドック刑事)
 渡辺徹(竹本淳二/ラガー刑事)
 世良公則(春日部一/ボギー刑事)
 三田村邦彦(原昌之/ジプシー刑事)

この4人のイケメン俳優の頭文字をつなげてカワセミ時代といわれたという事ですね。

しかしこのカワセミ時代は1983年2月のジプシー刑事(三田村邦彦)の西多摩署への転属によって崩れ、この春日部一の殉職によって完全に終わりを迎えたといえます。

殺人事件の容疑者を敢えて見逃して海外逃亡させたボギーは辞表と警察手帳をボスへと返し、殺人事件の黒幕を裁く事を決意。しかしそんな矢先、黒幕の手下と雇われた殺し屋によって神社の境内で取り囲まれ左胸を一突きされてしまい、敢え無く息絶える・・。

演じた世良公則さんの希望によって感動的なBGMなどもあえて流れない中、殺し屋によって呆気なく命を奪われたボギーの最期は、逆にわたしにとっては衝撃的なものでした。最もリアルな殉職場面といってもいいでしょう。後期の殉職シーンの中では個人的に最も好きな殉職シーンですね。世良さんの演技も素晴らしかったです。

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1985年8月 竹本淳二(ラガー)刑事 享年26 演:渡辺徹

カワセミ時代を彩ったイケメン刑事たちの一人、ラガー刑事(竹本淳二/演:渡辺徹)にも最期の時が訪れました。

ラガー最後の事件となったのはバスジャック事件。このジャックされたバスに自分たちにとって都合の悪い存在の人間がいた暴力団が、そのバスジャックを利用して関係のない乗客もろとも始末してしまおうとした事件でした。

その事実を知ったラガーはバスを狙撃する人間を阻止すべく、銃撃戦となります。ラガーはスナイパーによって致命傷となる凶弾を受けますが、ギリギリのところで狙撃者二名を阻止し、バス狙撃を未然に防ぐことに成功。バスが無事だったことを見届けると、ラガーは安堵の表情を浮かべて息を引き取りました。エレベーターのドアに挟まれながら・・

すっかりメタボ体形へと変貌を遂げていた殉職当時の渡辺徹さんの肉付きの良いお腹がエレベーターのドアに何度も挟まれている場面のおかげで、お笑いの要素が強い殉職シーンとなってしまったこのラガー殉職ですが、ストーリー的にはとてもよくできた回ですね。まさに人知れず多くの人を救った名もなき英雄の物語なのです。

1986年4月 山村精一(山さん)刑事 享年54 演:露口茂

そして七曲署刑事最後の殉職者となったのが、太陽にほえろの第一回からのレギュラーであった山村精一刑事(山さん/露口茂)。ボス(藤堂俊介/石原裕次郎)と並んで、太陽にほえろの顔ともいえる看板刑事だった山さんの殉職は衝撃的だったと同時に、太陽にほえろの終焉の近いことを予感させる出来事でもありました。

山さんは先立たれた妻の縁戚に当たる隆という少年を養子に迎えて育てていましたが、隆の実の父親が帰国したのを機に、隆を実の父の元へと返そうとしており、息子の隆は難色を示しながらも態度を軟化させていた。そんな矢先、海外の外交官が絡んだ大規模な国際拳銃密造事件が発覚。この件で山村は上層部の妨害に屈さずに事件を解決。そして山村には七曲署から千代田署への栄転がすでに内定していた。

しかしある夜、密造事件に絡んでいた暴力団の報復を受けて凶弾に倒れる。傷を負いながら刺客を退けた山村はボスに電話して応援を要請すると、隆にこれから帰宅すると電話して告げる。

そして隆の待つ自宅へと歩を進めたところで倒れ、そのまま力尽きたのであった・・

もうね、太陽にほえろの最期の殉職者が山さんでよかった・・という思いと、やっぱり太陽にほえろの最終回に山さんは絶対にいるべきだった・・という思いがない交ぜになりますね。当時は山さんまで殺さんでも・・と思ったものですが、今考えると最後が山さんで良かったとも思えます。しかし最終回に山さんがいないことに我慢できない自分もいる・・と。

これは太陽にほえろファンそれぞれに思いがあるのでしょうが、とにかくそれくらいにこのドラマにとっては決して欠かすことのできない男、そんな存在こそが山村精一という男だったのです。

とにかく露口茂さんの演技は重厚さと知性、さらには時にコミカルさも見せるというまさに変幻自在さ。完全に山さんというブランドを築き上げていました。未だに山さんの物まねできますからね、わたし(木梨憲武と柳沢慎吾の影響もろに受けてますけど(笑)。それくらいのドラマ史に残る名キャラですよ。

CS放送やDVDでいつでも殉職シーンが見れる便利な世の中に

というわけで、殉職刑事編①とともに、総勢11名の太陽にほえろでの殉職刑事をご紹介してみました。

やはり一番有名なのは、未だに多くの番組で紹介されたり、物まねされたりするジーパン刑事(松田優作)の衝撃的な殉職シーンなのでしょう。しかし、これだけの長い歴史を誇る長寿ドラマであれば、当然それぞれの世代によって、さらにはそれぞれの好きなキャラなどによって思い入れの深い殉職シーンは当然異なることでしょう。

幸い現在は多チャンネル時代となって、CS放送などでも太陽にほえろの再放送をしていますし、DVDやブルーレイなどでも手軽にお気に入りの回を見ることが出来るようになりました。こんな時代だからこそ、それぞれの殉職場面を見比べて新たな発見をしてみるというのも楽しいですよ。リアルタイムでは気づかなかったことにも色々気づけますしね。

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