日本の演劇界の名優たちが演じてきた金田一耕助。ここでは映画版の金田一耕助の7代目から13代目までをご紹介します。
初代から6代目までは以下の記事をご覧ください。
映画版7代目金田一耕助役 石坂浩二(いしざかこうじ)
名 前:石坂浩二(いしざかこうじ)
本 名:武藤兵吉
生年月日:1941年(昭和16年)6月20日
出 身:東京府東京市京橋区(現:東京都中央区)
恐らく一般的なファンの方に「金田一耕助役の俳優といえば??」という質問をすれば、最も多くのファンが答えるのがこの俳優さんの名前なのではないでしょうか。それ程までに作品も多く、どの映画も大ヒットした作品ばかりだからです。
以下、石坂浩二さんが金田一耕助を演じた劇場版の一覧です。
作品名 | 公開年 | 監督 | 製作/配給 |
---|---|---|---|
犬神家の一族 | 1976年(昭和51年) | 市川崑 | 角川春樹事務所/東宝 |
悪魔の手毬唄 | 1977年(昭和52年) | 市川崑 | 東宝映画/東宝 |
獄門島 | 1977年(昭和52年) | 市川崑 | 東宝映画/東宝 |
女王蜂 | 1978年(昭和53年) | 市川崑 | 東宝映画/東宝 |
病院坂の首縊りの家 | 1979年(昭和54年) | 市川崑 | 東宝映画/東宝 |
犬神家の一族 | 2006年(平成18年) | 市川崑 | 黒井和男/東宝 |
個人的に言わせてもらえば、テレビドラマ版での古谷一行さんと並んで最も印象の強い金田一耕助です。やっぱり子供の頃に見た「犬神家の一族」のインパクトはいまだに忘れられません。大野雄二さん作曲のあの名曲「愛のバラード」を聞いたら佐清(すけきよ)の覆面姿と湖から突き出た両足がフラッシュバックして体がざわつきます(笑)。
市川崑監督・石坂浩二主演の金田一シリーズは計6作作られ、特に「犬神家の一族」は第1作の製作から30年を経た2006年に市川崑&石坂浩二でリメイクされて大ヒットし、巨匠・市川崑監督の遺作となりました。
なお、石坂浩二さんは35歳から65歳まで金田一耕助を演じられたこととなります。これは演じた年数と年齢幅的にはもちろん最高記録という事となります。
映画版8代目金田一耕助役 渥美清(あつみきよし)
名 前:渥美清(あつみきよし)
本 名:田所康雄
生年月日:1928年(昭和3年)3月10日
没年月日:1996年(平成8年)8月4日(満68歳没)
出 身:東京府東京市下谷区(現:東京都台東区)
国民栄誉賞を受賞した国民的俳優、渥美清さん。日本人であればやはり「フーテンの寅さん」こと車寅次郎のイメージが強い渥美さんも映画で金田一耕助を演じていらっしゃいました。以下がその作品。
作品名 | 公開年 | 監督 | 配給 |
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八つ墓村 | 1977年(昭和52年) | 野村芳太郎 | 松竹 |
この八つ墓村が公開された1977年といえば、石坂浩二さん主演の東宝版金田一シリーズも公開された年であり、東宝と松竹というライバル同士が金田一耕助シリーズで真っ向ガチンコ勝負でぶつかったという側面もあります。
この八つ墓村も個人的には強烈なインパクトを残している作品です。やっぱり山崎努さんが村人32人を殺害したあの狂気の姿ですね。いやあ、子供心ながら恐ろしかったです(笑)。この映画のキャッチコピーの「祟りじゃぁー!!」は幼いながらも流行っていたのをしっかりと覚えています。なお、この野村芳太郎&渥美清作品も東宝の市川崑&石坂浩二版に劣らぬ大ヒットを記録しましたが、残念ながら続編は作られませんでした。もっと渥美さんの金田一を見たかったと思ったのはわたしだけではないはずです。
映画版9代目金田一耕助役 西田敏行(にしだとしゆき)
名 前:西田敏行(にしだとしゆき)
本 名:西田敏行
生年月日:1947年(昭和22年)11月4日
出 身:福島県郡山市
九代目金田一耕助も国民的俳優さんです。しかも現役バリバリの。以下が西田金田一が見られる映画です。
作品名 | 公開年 | 監督 | 製作/配給 |
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悪魔が来りて笛を吹く | 1979年(昭和54年) | 斉藤光正 | 角川春樹事務所/東映 |
これまた金田一耕助シリーズの中では映像化作品の多さでトップクラスの「悪魔が来りて笛を吹く」です。劇場版では片岡千恵蔵さんによる金田一シリーズ以来の映画化となります。
ちなみにこの1979年といえば、西田敏行さんが「西遊記」で猪八戒を演じた翌年、「池中玄太80キロ」のファーストシリーズが始まる前年です。西田敏行さんが俳優として人気が沸騰してきた時期ですね。
映画版10&11代目金田一耕助役 古谷一行(ふるやいっこう)&三船敏郎(みふねとしろう)
名 前:古谷一行(ふるやいっこう)
本 名:古谷一行(ふるやかずゆき)
生年月日:1944年(昭和19年)1月2日
出 身:東京市浅草区
こちらが第10代目金田一の古谷一行さん。とはいっても、この映画版での主演の前にテレビドラマ版金田一耕助シリーズでおなじみの存在であり、ハマり役といってもいい存在ですよね。
この古谷さんが主演した映画が以下の作品です。
作品名 | 公開年 | 監督 | 製作/配給 |
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金田一耕助の冒険 | 1979年(昭和54年) | 大林宣彦 | 角川春樹事務所・三船プロ/東映 |
恐らく…というか間違いなく、数ある金田一耕助シリーズの中でも最大にして最高の異色作・問題作が本作です。詳細なネタバレはまだ見ていない人のために避けますが、いわゆる推理ミステリー作品ではなく、数々のパロディや小ネタをちりばめたコメディ映画となっています。
んでもって、この映画の中で上映されるサイレント映画で金田一耕助を演じているのがこの国際的超大物俳優です。
名 前:三船敏郎(みふねとしろう)
本 名:三船敏郎
生年月日:1920年(大正9年)4月1日
没年月日:1997年(平成9年)12月24日(満77歳没)
出 身:中国・山東省青島市
ほんの数カット、数分ほどの出演でセリフもないのですが、その存在感は別格です。さすがは“世界のミフネ”というべきでしょうか。ちなみに相棒の等々力警部役はこれまた大御所・三橋達也さんです。この豪華すぎるもう一人の金田一耕助も必見でしょう。
映画版12代目金田一耕助役 鹿賀丈史(かがたけし)
名 前:鹿賀丈史(かがたけし)
本 名:勝田薫且(かつた しげかつ)
生年月日:1950年(昭和25年)10月12日
出 身:石川県金沢市
劇団四季出身の個性派俳優、鹿賀丈史さん。主役から悪役までどんな役でもこなせる実力派のこの方も金田一耕助を演じていらっしゃいました。
作品名 | 公開年 | 監督 | 製作/配給 |
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悪霊島 | 1981年(昭和56年) | 篠田正浩 | 角川春樹事務所/東映・日本ヘラルド |
「悪霊島」です。子供の頃によくテレビCMで流れていたあのフレーズ、
「鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい…」
いやはや、あのコマーシャルだけでビビッて一人でトイレに行けない小学生時代を思わず思い出してしまいましたね(苦笑)。
原作者・横溝正史氏の最後の長編小説となったこの「悪霊島」は、原作発表後すぐにこの映画によって実写化がなされました。この「悪霊島」が昭和を代表する推理作家の最後に相応しい作品であることは言うまでもありません。
映画版13代目金田一耕助役 豊川悦司(とよかわえつし)
名 前:豊川悦司(とよかわえつし)
生年月日:1962年(昭和37年)3月18日
出 身:大阪府八尾市
そして2018年現在において最新の映画版金田一耕助がこちら、豊川悦司さんとなっています。作品がコチラ。
作品名 | 公開年 | 監督 | 製作 |
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八つ墓村 | 1996年(平成8年) | 市川崑 | 角川書店・東宝・フジテレビ |
20年以上も前になるんですね。もっと最近の事かと思っていました…年取るはずですね(苦笑)。
金田一シリーズとしては超有名な八つ墓村で監督もこれまた金田一耕助といえば!という存在の巨匠・市川崑監督。そして主演は当時ドラマなどで飛ぶ鳥を落とす勢いだった超人気俳優“トヨエツ”。まさに全てが超一流でそろえられたヒットを宿命づけられた作品でしたね。この映画からちょうど10年後に市川崑監督は石坂浩二さん主演の「犬神家の一族」を作り、それが現時点で最新の金田一耕助映画となっています。
なお、この映画は金田一シリーズではすっかりお馴染みとなっていた小林昭二さんの遺作となっています。うちら世代にはウルトラマンのムラマツキャップ役や仮面ライダーの立花藤兵衛としてあまりに身近な俳優さんでした。それにしても65歳での逝去はあまりに早すぎという他ありません。訃報を聞いた時は本当にショックでしたね…
なお、テレビドラマ版金田一耕助作品の主人公キャストについては以下の記事をご参照ください。
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