[映画版]劇場版で金田一耕助を演じた俳優➀東映版や大映版、東宝版で名探偵を演じたのは?

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ドラマ

日本の推理小説界を代表する昭和の推理作家、横溝正史。そんな名作家の数ある代表作のうちでも最も一般的に有名なのが名探偵・金田一耕助が活躍する探偵小説、金田一耕助シリーズでしょう。

日本を代表する探偵小説の主人公、金田一耕助を主人公とする作品は多くの劇場版が製作され、日本映画界を代表する俳優たちが演じてきました。

ここでは、これまで映画で金田一耕助を演じた俳優さんたちを古い順にご紹介していきたいと思います。

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映画版初代金田一耕助役 片岡千恵蔵(かたおかちえぞう)

名  前:片岡千恵蔵(かたおかちえぞう)
本  名:植木正義
生年月日:1903年(明治36年)3月30日
没年月日:1983年(昭和58年)3月31日(満80歳没)
出  身:群馬県新田郡藪塚本町(現:群馬県太田市)

映画における初代金田一耕助役は戦前・戦後の日本を代表する時代劇スター、片岡千恵蔵さんです。坂東妻三郎、長谷川一夫、嵐寛寿郎、市川右太衛門、大河内伝次郎とともに「時代劇六大スタア」と呼ばれるほどの超大御所であり、栄えある初代にこれだけ相応しい俳優さんもいないでしょう。以下が片岡千恵蔵版金田一耕助シリーズの作品一覧です。

作品名 公開年 監督 製作/配給
三本指の男 1947年(昭和22年) 松田定次 東横映画/大映
獄門島 1949年(昭和24年) 松田定次 東横映画/東京映画配給
獄門島 解明篇 1949年(昭和24年) 松田定次 東横映画/東京映画配給
八ツ墓村 1951年(昭和26年) 松田定次 東映京都/東映
悪魔が来りて笛を吹く 1954年(昭和29年) 松田定次 東映京都/東映
犬神家の謎 悪魔は踊る 1954年(昭和29年) 松田定次 東映京都/東映
三つ首塔 1956年(昭和31年) 松田定次 東映京都/東映

片岡千恵蔵さんによる金田一耕助シリーズは全7作で、片岡さん44歳~53歳時に演じられました。

この片岡千恵蔵版金田一耕助シリーズは、横溝正史さんの原作とは真犯人が違っているという、原作小説を読んで真犯人を知っているファンでも最後まで楽しめる内容となっているのがポイントですね。

映画版2代目金田一耕助役 岡譲司(おかじょうじ)

名  前:岡譲司(おかじょうじ)
旧芸名 :美濃部進、岡譲二
本  名:中溝勝三
生年月日:1902年(明治35年)5月25日
没年月日:1970年(昭和45年)12月17日(満68歳没)
出  身:東京府東京市京橋区越前堀(現:中央区新川)

戦前のサイレント映画時代から活躍していた岡譲司さんが劇場版における二代目の金田一耕助俳優となります。

今から約半世紀前にお亡くなりになったこの岡さんについてわたしはリアルタイムではもちろん知りませんが、この岡譲司さんの長男である真山譲次さんは「人造人間キカイダー」に出てくる人気キャラ、ハカイダー(サブロー)役を演じられた元俳優さんです。いやあ、懐かしい(笑)

以下が岡譲司版金田一耕助劇場版作品となります。

作品名 公開年 監督 製作/配給
毒蛇島綺談 女王蜂 1952年(昭和27年) 田中重雄 大映

映画版3代目金田一耕助役 河津清三郎(かわづせいざぶろう)

名  前:河津清三郎(かわづせいざぶろう)
旧芸名 :河津精一河津史郎
本  名:中島誠一
生年月日:1908年(明治41年)8月30日
没年月日:1983年(昭和58年)2月20日(満74歳没)
出  身:東京府東京市日本橋区蠣殻町(現:中央区日本橋蛎殻町)

戦前はマキノ・プロダクションの時代劇スター、そして新興キネマの主演男優として、そして戦後は存在感ある個性派バイプレーヤーとして活躍した河津清三郎さんが三代目金田一耕助です。

作品名 公開年 監督 製作/配給
幽霊男 1954年(昭和29年) 小田基義 東宝

この河津さん主演で東宝が製作した「幽霊男」は劇場版、テレビドラマ版含めて映像化されたのはこの作品のみという意味では非常にレアな映画といえるでしょう。

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映画版4代目金田一耕助役 池部良(いけべりょう)

名  前:池部良(いけべりょう)
生年月日:1918年(大正7年)2月11日
没年月日:2010年(平成22年)10月8日(満92歳没)
出  身:東京府東京市大森区(現:東京都大田区)

1949年(昭和25年)に今井正監督作品として製作された「青い山脈」で原節子さんと主演して青春スターとしての地位を不動のものとした池部良さんが四代目金田一耕助です。俳優だけでなく、文化人として講演等、さらに文筆家としても様々な作品を残された、まさにマルチな才能を発揮された名優さんですね。「太陽の塔」や「明日の神話」で有名な芸術家、岡本太郎さんとは従兄弟の間柄となります。

そんな池部さんが演じたのが以下の作品となります。

作品名 公開年 監督 製作/配給
吸血蛾 1956年(昭和31年) 中川信夫 東宝

映画版5代目金田一耕助役 高倉健(たかくらけん)

名  前:高倉健(たかくらけん)
本  名:小田剛一
生年月日:1931年(昭和6年)2月16日
没年月日:2014年(平成26年)11月10日(満83歳没)
出  身:福岡県中間市

この方についてはもう詳細な説明も不要でしょう。日本が生んだ最後の映画スター、男も女も惚れてまう、“健さん”こと高倉健さんです。

生涯のうちに数えきれない程の映画に主演してきた健さんですが、金田一耕助を演じたというのは意外と知られていない事実なのではないでしょうか。

作品名 公開年 監督 製作/配給
悪魔の手毬唄 1961年(昭和36年) 渡辺邦男 東宝

健さんが演じたのは「悪魔の手毬唄」。過去に映画やテレビで何度も映像化された金田一耕助シリーズの中でも人気作の一つです。とはいえ、この健さん版の「悪魔の手毬唄」は原作とも他の映像化作品とも別ものととらえた方がいいのかもしれません。登場人物の姓名や血縁関係などもかなり違っているのでストーリーを知っている人ほど戸惑うかもしれません。

映画版6代目金田一耕助役 中尾彬(なかおあきら)

名  前:中尾彬(なかおあきら)
生年月日:1942年(昭和17年)8月11日
出  身:千葉県木更津市

今や俳優としてだけでなく、バラエティやワイドショーでのご意見番的存在として、そして時には妻の池波志乃さんと芸能界一といわれるおしどり夫婦ぶりも見せてくれる中尾彬さん。若い世代には“アキラ”とか“ネジネジ”と呼ばれて人気となっている中尾彬さんが六代目の金田一耕助を演じられました。

わたしの世代的に中尾さんといえばやはり悪役イメージが強かったのですが、そんな中尾さんの金田一作品がこちら。

作品名 公開年 監督 製作・配給
本陣殺人事件 1975年(昭和50年) 高林陽一 映像京都・ATG
たかばやしよういちプロ
大映京都撮影所

ハッキリ言ってこの作品、見てない人は絶対に見るべきです。ジーンズ姿の金田一耕助に若干の違和感は抱くかもしれませんが、んなもんはすぐ慣れます(笑)。それよりも高林陽一監督の作る世界観はまさに唯一無二であり、高林ワールドともいえるこの一種独特の空気感は後の金田一耕助シリーズに大きな影響を与え、ある意味その後のひな型的存在になったという説も頷ける程の出来です。

中尾彬さんや田村高廣さんら俳優陣も実力者ばかりでみな素晴らしいです。今のバラエティなどでの中尾さんしか知らない若い人たちはこの作品の中尾さんを見てリスペクトし直すのではないでしょうか。まさに俳優・中尾彬の本領発揮!の映画なのです。

以上、映画版金田一耕助初代から六代目までをご紹介しました。七代目以降についてはこちらの記事から続きをどうぞ。

 

この続き、第7代目以降の映画版金田一耕助主人公俳優についてはこちらからどうぞ。

[映画版]金田一耕助シリーズの歴代俳優②

なお、テレビドラマ版金田一耕助作品の主人公キャストについては以下の記事をご参照ください。

[テレビドラマ版]歴代金田一耕助シリーズ俳優➀

[テレビドラマ版]歴代金田一耕助シリーズ俳優②

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