“言葉”というのは時代によって同じ言葉でもその意味が変わったり、用途が違ったりするのは世の常ですが、中にはその時代によって使い捨てられていく消費物でもあるという意味合いも持っています。そうして使われなくなった言葉を“死語”と呼びます(ここでの「死語」とは言語学において使用される死語ではなく日常的に使用されている意味での死語です)。
ここでは、昭和から平成初期のバブル期に生まれて流行した言葉の中から、現在ではほとんど使用されなくなった“死語”たちをご紹介してみたいと思います。
背広
男用の襟付き・腰丈の上着のことです。
昭和の時代にはスーツやスーツの上着、ジャケットのことを「背広」と言っていました。うちのおじいちゃんがわたしが就職するときに「おい、背広はちゃんと買ったのか?」と聞いてきたのはいい思い出です(笑)
アベック
いわゆる「カップル」のことですね。恋人関係にある男女、夫婦関係にある男女のことを昔はこう呼びました。
同じ球団の選手が同じ試合でホームランを打つことを「アベックホームラン」といいますが、今アベックという単語が使われるのは野球くらいなのではないでしょうか。
メンゴ
「ごめんなさい」という意味で、神妙な感じではなくポップに謝るときに使います。
例えば「ああ、ごめん、ごめん」というところを「メンゴ、メンゴ」といった感じで。由来は「ごめん」のアナグラム…というか業界用語風に逆さにして「めんご」という事ですね。
個人的な話ですが、高校の時(約30年前 爆汗)の数学の先生が授業中に間違えた時とかによく使ってたのが印象的です。あの先生元気かなぁ…
半ドン
職場や学校などにおいて午前中のみの勤務・就学になる日のことを「半ドン」と呼んでいました。
この「半ドン」の由来は明治9年(1876年)と古く、遡る事140年以上前にオランダ語を基に日本語(半)と組み合わせて誕生した造語といわれています。
うちの母などは未だに娘の学校が半日授業で終わる日などは「今日は半ドンだったの?」とよく言います。土曜日半日授業だったわたしの世代までは通用しますが、うちの娘なんかは「何?半ドンって。意味分からんし」と冷ややかな言葉を浴びせています(涙)
タンマ
「ちょっと待って」という意味ですね。これも代表的な昭和死語といっていいかつての流行語です。
例えば友達の説明の流れが速くて追いつけないときなどに「ちょっと、タンマ、タンマ」っていう風な使い方です。わたしが子供のころは子ども達が普通に使っていた言葉ですから、少なくとも40年くらい前まではまだ流行語だったと思います。
ナウい
今という意味の英語「NOW(ナウ)」を動詞形にした「ナウい」。その名の通り、「今風」「最先端」「クール」「スタイリッシュ」「イケてる(これ自体が死語な気もしますが…苦笑)」といった意味を持つ、昭和後期の当時に爆発的に流行した言葉です。なお、この「ナウい」の反対語ともいえる「ダサい」は未だ生き残っていることを考えるとなかなか興味深い言葉ともいえます。
かなり前の話ですが、ダウンタウンがMCを務めた「HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP」にアニソン界の大王、ささきいさおさんが出演された時にこの「ナウい」を使って松本人志さんに「その言葉自体がナウくないですからね」とツッコまれてたのを思い出します(笑)
コメント
今から思うとバブル時代ってやたらと死語が多いように思いますが、気のせいでしょうか。
りぞっとさんが挙げられたものの他に…
『イタ飯』なんてありましたねぇ。今でも使うんでしょうか?
ところで… 背広って、死語なんですか⁈(汗)
残念ながら死語だと思います(笑)
うちの職場の部長が息子さんの就職活動中に「お前、ちゃんと背広買っとけよ」って言ったら「背広って何なん?」て返されたと嘆いていらっしゃいましたから…涙
30代なら何とか通じそうですけど、現役学生世代には厳しいんじゃないでしょうか。実際周りでもめっきり聞かなくなりましたし…
イタ飯ってまた懐かしいですね(笑)若い世代に使ったら(゜_゜)でしょうねぇ
色々とお褒めに預かり?有難うございます。(笑)
「背広」…妻に確認したら、冷た〜い目で”死語”よ、って言われ、息子にはリアルに??な反応をされました。(涙)
確かに最近使わなくなっていたとは思いますが、”普通名詞”だと認識していたので軽くショックを受けております。(苦笑)
ちょっと高尚な話?になりますが、昭和の時代には結構耳にした慣用句やことわざもすっかり日常生活で聞かなくなりましたよねぇ。これも気のせいでしょうか?
眉唾のしぐさで、「その話は”これだよ”」ってなシーンもすっかり見なくなりましたね。それこそ時代劇なんかで。
下の子供の宿題でことわざ覚えるのに、例え話をしているのですが、ピンとこないみたいで苦労してます。
>>眉唾のしぐさ
ありましたね~もうかれこれ30年以上お目にかかっていないと思います(笑)
死語じゃないですけど、昔取引先のとある会社のお偉いさんが生粋の時代劇ファンで、商談の席でわたしに対して「御意!!」とか言ってて、一緒に営業していた後輩が後でわたしに「御意ってなんですか」ってポカーンとしてました(笑)
“御意“って今だと、逆に認知度高いかもしれませんね。「ドクターX」の影響で。まあ、時代劇が元ネタって知らない人も多いでしょうが。
「大岡越前」の初期シリーズを見るとホントにタイムマシンに乗って昔(昭和40年代)に戻った気持ちになるくらい、隔世の感がありますね。…令和なんですねぇ〜。(遠い目)
「ドクターX」あまり見てないんで知らなかったんですが、そうなんですか(笑)
ちなみにその取引先の役員さんは会社の意向の事を「上意」と呼んでた強者です(笑)