Google社が生み出した(正式に言えばGoogleの関連会社)人工知能(A・I)囲碁ソフト「アルファ碁(AlphaGO)」が世界トップクラスの韓国人棋士、李世ドルとの5番勝負で4勝1敗と勝ち越したことで、AIの凄さとともに、驚異と恐怖を世界に与えました。
オセロやチェスに続いて、人類最後の砦とも言うべき知能ゲームである囲碁までAIに敗れたことで人類対人工知能の対決はすでに勝負付けが決まった感さえありますね。
そんな中、中国でこんな話題が出ているそうです。
人工知能AlphaGo、中国ネットユーザーがマージャン対決を提案
麻雀の本場、中国人ならば麻雀対決でAIを打ち負かす事が出来る、という事らしいです(笑)。
アルゴリズムでは碁に及ばないが、人間が勝てる要素も
このニュースを見てバカバカしいと思ったと同時に、面白いかもと思ってしまった自分も実はいます(笑)。
中国と日本では同じ麻雀でも全く別物といっていいほどの違いがありますので、中国の麻雀レベルがどれほどのものかは知りません(苦笑)。
それに、アルファ碁ではなく、麻雀に特化したAIと対戦した方が面白いと個人的には思いますね。アルファ碁よりもっと強い敵って事です。
まあ日本の麻雀であれば、牌の種類はたったの34種類、牌の数にしたって136枚だけです。役にしたって50種類程度です。ローカル役(地方によって定められている限定の役)を全て入れたって60種類にも満ちません。
アルゴリズム的には囲碁の足元にも及ばないでしょう。
しかし、麻雀には囲碁と違って人間が勝てる大きな要素があります。
人によってはそれを「運」といい、人によってはそれを「流れ」と言います。
これこそAIに麻雀が対抗し得る最大の不確定要素なのです。
運か流れか?いずれにせよ不確定要素が勝機を導く
マージャン好きな人間にも二通りの人がいます。
確立重視派であり、不確定要素を「運」と考える人。
運とは不確定要素ではなく場の「流れ」によって支配できると考える人。
簡単に言えば、勝負の流れだとか波のようなものがあると考えるか無いと考えるかという事です。
この議論になったら水掛け論になってしまうのでここでは言及しませんが、どちらにせよAIがいくら優れた知能を持っていようともこればかりはどうにもならないだろうという事だけは確実に言えるでしょう。
配牌(最初に配られた状態での手役の状態)にしろ自摸(ツモ。山から一枚一枚引いていく牌)にしろ、どうしても偏りが出るのが麻雀です。どうやったって上れないくらいひどい配牌や自摸の時もあれば、ど素人がやったって勝てちゃうでしょ?ってくらい素晴らしい配牌や自摸に恵まれる事もあります。
特に自摸して切る場合には打ち手のセンスや特徴が色濃く出ますが、配牌だけはどうにもなりません(苦笑)。
あくまで運頼みだったにせよ、自分の打ち方で流れを引き寄せるにせよ、完全無欠の人工知能でもこれだけは支配できないのです。
鳴き、喰い仕掛けの是非にAIはどんな結論を出すのか?
マージャンにはポン、チー、カンというルールがあります。
自分以外のプレーヤーの捨てた牌を、必要とあらば自分の戦力としてもらう事が出来るのです。ただし、その場合はその捨てられた牌に絡むメンツ(ポン、チーなら3枚、カンなら4枚)を他のプレーヤーにさらさなければなりません。麻雀用語でいう「鳴き、喰い」というやつです。
中には全く鳴かないプレーヤーもいれば、積極的に鳴くプレーヤーもいます。これも打ち手によって千差万別であり、打ち手の性格や打ち筋が露骨に現れます。
AIにこの「鳴く、喰う」システムを覚えさせるのはそう難しい事はないでしょう。恐らく他のプレーヤーの捨て牌などから確立を瞬時に計算して鳴くか鳴かないかを合理的に判断してしまうと思われます。
しかし、個人的にAIの頭脳で導いた結論として、積極的に鳴いていくのか、それとも鳴かずに面前で手を続けていくのかにもの凄く興味があります。
自分はあまり鳴かないタイプであるのですが、鳴いた方がいいのか鳴かない方がいいのかというのは永遠に結論の出ない議論でもあります。そんな永遠の議論に対してAIがどのような結論を導き出すのかを是非見てみたいのです。
人工知能は捨て牌をどう読む?降りるのか、突っ張るのか、回るのか?
もう一つ、捨て牌から他のプレーヤーがどんな手を作っているのか、どんな牌を持っているのか、さらにはどの牌を待っているのかというのを読むのも麻雀の大きな楽しみであり、戦略的に最も重要な要素です。
自分の手を作っていくと同時に、他の3人の捨て牌から敵の手の進み具合や待ち牌、手役などを予想しなければなりません。非常に高度な戦略性が要求されます。相手の状況を鑑みて、場合によってはその勝負を「降りる」という決断も必要になってきます。「降り」るとは、自分の上りを放棄して相手に振り込まない事のみを考える事です。
他のプレーヤーに対して自分が劣勢なのが明らかな場合、果たしてAIは勝負を降りるのでしょうか?それとも突っ張るのでしょうか?それとも危険牌を回避して回りながら上がりを目指すのでしょうか?
考えるだけでワクワクしてきませんか?
いずれは人間の仕草や表情を読んで打つAIも?
麻雀を打っていて非常に参考になるのが、相手の態度や仕草、表情などです。
一流の打ち手になればなるほどそういったものは表に現れにくいのですが、所詮人間です。どうしてもいい時や悪い時、諦めモードや勝負モードなどで表に出てきます。
そういったちょっとした事でも麻雀では勝負を決する重要な要素となります。
ところが、AI相手だとそういった情報は皆無です。動揺や恐怖、歓喜などを表面から読み取る事は出来ません。
しかし、それは相手も同じ。
いくら人工知能でも相手の仕草や表情などで手牌の状況を読むなんてことは出来ないでしょう。
こちらが相手の表面から情報を得られないのと同時に、こちらも動作や仕草などから推測される事もないわけです。
まあこれに関しては引き分けって感じでしょうかね。
え?そういう事も識別できるAIがすぐできるって?
そん時はそん時ですよね(笑)。
AIに立ち向かう人類代表の雀士は?妄想爆発(笑)
AI VS 人間の麻雀対決は考えただけでワクワクしてしまいますね。
妄想ついでにもうひとつ。
人類代表の雀士は誰がいいんでしょうか。
プロ代表はやはりこの人しかいないんじゃないでしょうか。
そう、「ミスター麻雀」の小島武夫。麻雀界の顔っていったらこの人でしょ。
小島プロの麻雀には華がある。そしてこの人の麻雀を見ていると、この人は間違いなく麻雀の神様に愛されているって確信できます。雀士に一番必要な「何か」を持っている、そんな男です。
プロ以外ではやはりこの男でしょうか。
麻雀の鬼、「雀鬼」桜井章一。
代打ちとして数々の修羅場をくぐり抜けてきた男。色々な意味で賛否両論ある人ですが、誰がなんと言おうと強いことは間違いないでしょう。
この2人がタッグを組み、人類代表として人工知能に立ち向かう・・
やべえ、ぞくぞくしてきた・・・(笑)
他にも二階堂姉妹や高宮まり、宮内こずえとか女流棋士で挑むのも華があっていいかもしれないですね。男子も前原雄大と佐々木寿人の「チームガラクタ」でA・Iに超攻撃的麻雀挑んだりしたら面白いかも。
架空のキャラとかで挑んだらどうなるでしょう。
「AKAGI」の赤木しげるとか「むこうぶち」の傀とかね。凍牌の「氷のK」ことケイと「ライオン」堂嶋、全てを見通す「瞳」を持つアイがタッグを組んで戦うなんてのもいいっすねえ。
妄想してたら止まらなくなるのでこの辺でやめときます(笑)。
とにかくGoogleさん、ぜひとも最強の麻雀ソフト作ってください、お願いします。
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