自動車の夜間走行において最近気になるのが走行時のヘッドライト(前照灯・ヘッドランプ)の点灯についてです。
40代を過ぎて特に最近夜間走行の際の視認能力が落ちてきているような気がするのです。昔よく年配の人が、「最近年を取ったせいか夜の運転が見にくくてしょうがないよ」とぼやいていたのを覚えていますが、自分もそんな年代になってきたんだなあと実感する今日この頃なのです(苦笑)。
そこで重要になってくるのが、ヘッドライトの切り替え、俗にいうロービームとハイビームの切り替えなんですよね。
夜間運転の強い味方、ハイビーム 前方照射距離はロービームの約2.5倍!
そんな事を思っていた昨今、こんなニュースを目にしました。
警視庁の調べで夜間の歩行者の道路横断中の死亡事故のうち、ロービーム使用時の割合が全体の96%を占めているとの事です。
ハイビームを使用していれば防げた事故もあるとして、秋の交通安全運動でハイビームの使用を重点項目としていくとの事ですね。
確かにハイビームを使うか使わないかで夜の自動車運転手の視界は雲泥の差がありますね。
ロービームの前方照射距離が約40mなのに対して、ハイビームの前方照射距離は約100mと、ハイビームはロービームの約2.5倍の距離をカバーする事が出来ると言われています。
当然ハイビームを使う事が出来ればハイビームで走りたいというのは、夜間に自動車を運転した事のある方であれば誰もが思う事でしょう。
しかし、そこで気になるのがハイビームを使える条件、ハイビームをいつどこでどんな時であれば使用してもいいかという問題なのです。ハイビーム使用のTPOですね。
夜間走行の基本はハイビーム ロービームはあくまで「すれ違い用」のヘッドライト
ハイビームを使う条件なのですが、これが意外なのです。ベテラン運転手の方でもご存知の無い人が多いのではないでしょうか。
ハイビームの正式名称は「走行用前照灯」といいます。
ロービームの正式名称は「すれ違い用前照灯」です。
どういう事かといいますと、ハイビームこそが通常運転時の「走行用前照灯」であり、ロービームは対向車とすれ違う時に使用する前照灯であるという事なのです。
つまり、通常の夜間運転時はハイビームで運転し、対向車が来た時にロービームに切り替え、対向車がいなくなった時にハイビームに戻すという事なんですね。夜間走行のヘッドライトはハイビームが基本となるという事です。
お恥ずかしい話なのですが、わたしは運転歴20年以上なのですがこの事実を知ったのはごく最近の事です。教習所で習ったような気もするのですが・・全然覚えていませんでした。
基本がロービームであって、ハイビームが特殊な状況下での使用なのだと思っていたのです。
ハイビームを使用すべき条件は各地域の道路条件によっても異なってくる??
わたしがハイビームを使用していたのは主に以下のような場合です。
- 対向車が全くいない時
- 前方に同方向を走る車がいない時
- こちらを向いている歩行者や自転車がいない時
- 市街地ではない場所を走行している時
恐らく同じような認識をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
道路交通法によると、やはり夜間走行の際の基本はハイビームであるとなっています。
ただしこの規則はまだ現在のような自動車の多い時代ではなかった時に定められたために、現代の自動車事情に当てはめられなくなってきているとも言われています。
しかしハイビームにしない事で歩行者が巻き込まれる事故も多く発生している。
あちらを立てればこちらが立たず、といった状態であるのが現状というのが正直なところであり、さらには地域によって道路事情に差があるために各都道府県に共通して義務付ける事は難しいのだそうです。
例えば、東京や大阪などの都市部では対向車がいない状況の方が特殊なくらいに交通量が多いですし、前方車や歩行者などもひっきりなしにいるという状況であり、明らかに基本ハイビームは迷惑な状況が考えられます。
逆にわたしの住んでいる鳥取などは、ごく一部の市街地以外ではハイビームを使用する状況がかなり多く生まれる事となります。特に山間部の県道や農道などを走行中はハイビームにしていないと危ないと感じる事が多いですね。
街灯がほとんどない道路も珍しくなく、落下物(動物等も含む)も結構ありますし自転車が走行していたりしても、ロービームだと直前まで気付かないという危険な状況に陥ってしまいます。
うーん、やっぱり道路の状況に応じたハイビームとロービームの切り替えが大事なのでしょうね。
当たり前だが他の自動車や歩行者などに配慮してハイとローを小まめに使い分けるのが重要
話を総合すると、やはりこのような結論に辿りつきます。
- 自動車の夜間走行の基本はハイビーム
- 対向車・前方車・歩行者・自転車などを視認したらロービームに落とす
- 対象がいなくなったらまたハイビームに
と、結局当たり前の結論になってしまうんですよね。
対向車や後方車がハイビームにしている時のまぶしさを知っていれば、やはりハイビームにするのを躊躇ってしまうというのは運転者の性だと思いますね。
実際にわたしの職場の上司でハイビームを巡って他の自動車の運転手に絡まれてトラブルになった人もいますし(苦笑)。基本ハイビームだからと言ってハイビームにしていてたちの悪い輩に絡まれるのも嫌ですからね。
やっぱり当たり前の話になってしまいますが、相手の立場になって考えて、その時々に合わせてハイビームとロービームを使い分けるしかないのかなという気がしますね。
確かにハイビームとロービームを使い分けていると、適度な緊張感を保てるので集中力維持にはいいかなという気もしますし。面倒くさいですけどね(汗)。
海外のハイビーム事情 目には目をの中国編(笑)
あ、ちなみに日本ではハイビームが基本でハイビーム推奨なのですが、お隣の中国に関してこのようなニュースを見かけました。
中国の広東省深センでは、ハイビームを無暗に使用するドライバーに対しては、同じようにハイビームを5分間照射して眩しくさせるような罰を与える・・のだそうです(笑)。まさに「目には目を、歯には歯を」のハンムラビ法典のような世界ですね(爆汗)。
ハイビームの扱いに関して問題になっているのは日本だけではないという事ですね。
それにしても、お国柄が違えばこれだけ方向性も違ってくると言うのがおもしろいですね。
中国に行かれる方はハイビームの使用には十分に注意した方が良さそうです。
コメント
基本ハイビームは、嘘です
交通教本を読んで御覧なさい
「市街地は常時ロー」ですから
基本ハイは、「高速道路」のみ
で、2017年3月より「郊外も基本ハイ」
を追記
これは、街灯の少ない郊外を
高速なみに飛ばす馬鹿がいるから
仕方なく、今年の教本から文言を追加
するのでしょう
「すれ違い用前照灯」は「すれ違い専用」」ではありません
保安基準38条5項で「すれ違い用(ロー)」は、「走行用」と
同様の機能要件を規定しています
「ロー」=「走行用」+「すれ違い用」で、
決して「すれ違い専用」ではありません
道交法(52条)では、基本ハイなんて一言も言っていません
1項は、ハイでもローでもいいから、「前照灯」をつけろと
言っているだけ
で、2項は、他の交通を妨げる恐れのある場合(=もし、ハイだったら)
ロー(減光)にしろと言っているだけ
「恐れがある場合」なのだから、
1項の「前照灯」がハイ100%(基本)とはならない
ローの可能もあり(=ローでも良い)
最新の交通教本を読んでみたら、
「郊外」という具体的な言葉は使っていませんでした
「市街地はロー」(今まで通り)で、
「市街地以外では基本ハイ」でした
「高速道路」と「郊外など」を「市街地以外」と表現し、
より明確にしたのでしょうね
まあ、でも「市街地」の定義自体、相変わらず曖昧ですけどねw
もちろん、この最新の教本でも「基本ハイではない」ことには
変わりません
法律は変わっていませんからねw