世の中には色々なタイプのバンドがあります。
4人編成のバンドや5人編成のバンドが最もポピュラーかもしれませんが、中には6人以上の大所帯バンドなども少なくはありません。
そんな中、バンドという形態で活動するのに最も最小人数であろうバンドが3ピースバンド(スリーピース)でしょう。
過去にも現在にも素晴らしい3ピースバンドは常に活躍を続けて来ましたが、その中でも個人的に最も好きな3バンドを挙げてみたいと思います。
ミューズ(muse) 現役ナンバーワン3ピースバンド、ドラマティックなミューズサウンドは唯一無二
わたしが考える最も偉大な現役3ピースバンドがこのミューズです。すみません、何の捻りもなしで(笑)。もはや世界を代表する大御所バンドですもん、当たり前ですよねぇ。
2001年発表の2ndアルバム「オリジン・オブ・シンメトリー(Origine of Symmetry)」収録の「プラグ・イン・ベイビー」のPVです。
「エピック・ロック(叙事詩的な壮大なロック)」という表現がよくミューズの音楽を現す際に使用されますが、このプラグ・イン・ベイビーはミューズの持つハード・ロック的な側面が強く出た曲ですね。3ピースバンドらしいシンプルでカッコいいチューンです。とにかくイントロから完全に引き込まれますね。そしてマシュー・ベラミーの弾く強靭でソリッドなリフは間違いなくミューズの名曲の中でも一二を争うほどカッコいいです。ダークでへヴィ、しかし美しい・・まさにミューズの魅力に溢れた名曲です。
ミューズの大きな特色でもある「エピック・ロック」「シンフォニック・ロック」といった側面よりも、ミューズの「オルタナティブ」「グランジ」の側面の方を強く表す曲かもしれませんね。とにかくミューズの音楽は色々な表現でカテゴライズされていますが、とてもそんな括りで語れるようなバンドではないと思います。
ギタリストでありヴォーカリストであり、更にメインソングライターでもあるマシュー・ベラミーという天才の存在はもちろんの事、ミューズの根幹ともいえるグルーヴ感を作り出すクリス・ウォルステンホルム(ベース)とドミニク・ハワード(ドラムス)のリズム隊もロック界を代表する実力者です。
そういえば、ミューズといえば数年前に音楽ファン以外の間でもちょっとした話題になっていましたよね。日本のお笑い芸人・鉄拳(逆モヒカン頭に白塗りメイク・マント姿のあの人です笑)が書いたパラパラ漫画「振り子」が話題になり、その振り子のBGMに使われていたのがミューズの名曲、「Exogenesis Symphony Part III」だったのです。まあ鉄拳のパラパラ漫画のセンスも当然として、BGMにミューズのこの曲を使う辺り、「あんたなかなかやるよね」って感じですよね(何様?汗)。そしてこのことが縁となり、鉄拳は何とミューズの公式プロモーション・ビデオに使用されるパラパラ漫画を書き下ろす事となったのであります。そのPVがこれです。
うーん、なかなか味のあるPVですね。てか、やっぱり鉄拳のパラパラ漫画って日本人の琴線を打つ何かがありますよね。しかしミューズの心も打ったという事は、この感覚は全世界共通なのかもしれませんね。
では最後は2009年発売の5thアルバム「ザ・レジスタンス(The Resistance)」に収録のアルバムタイトルナンバーで締めましょう。鉄拳の振り子のBGMも入っている名作ですね。
ポリス(The Police) 世界で最も成功した3ピースバンド 30年以上待ち続ける新作アルバム(涙)
恐らく世界で一番の成功をおさめたであろう3ピースバンド、それがポリス(The Police)です。このバンドも大好きなバンドであり、もちろん欠かす事は出来ません(何の捻りもなくて本当にスミマセン涙)。
この曲はポリスの余りにも有名な大ヒット曲、「Every Breath You Take(邦題:見つめていたい)」です。ポリスの第5作目にして現時点で最後のアルバムとなっている「シンクロニシティ―(Synchronicity)」からシングルカットされ、ビルボードチャート8週連続1位、さらに1983年の年間チャート1位にも輝いてるポリスの代表曲中の代表曲であり、音楽史に残る名曲です。
ちなみにうちの妻もポリスファンなのですが、妻はやっぱりこの曲が一番好きなのだそうです。
ポリスといえば活動停止から32年経っており、活動停止以降はそれぞれがソロ活動を精力的に行っていました。中でも中心メンバーであるスティング(ベース、ヴォーカル)は最も成功を収めており、ポリスのスティングというよりも、ソロアーティスト・スティングの方が30代以下の世代にはしっくりくることでしょう。
そんなわたしのポリス初体験は皮肉にも活動停止した後の1985年頃。中学生の時です。後追いでポリスの存在を知り、レコード屋で見つけて買ったポリスの初めてのアルバムに入っていて、一聴して気に入ってしまった思い出の曲がこれです。
ポリスの4thアルバム「ゴースト・イン・ザ・マシーン(Ghost in the Machine)」に入っている「マジック(Every Little Thing She Does Is Magic)」です。ポリス好きな友人の兄からは、なぜ「シンクロニシティ―」じゃないの?と言われましたが(苦笑)、いやいやこのアルバムも傑作アルバムですよ。このアルバムはシンクロニシティよりも実験色が薄く、幅広く支持を受け入れられやすいと思いますね。とにかくこの曲以外にも名曲が目白押しです。個人的にはアルバム単位でいえば、「シンクロニシティ―」よりも好きかもしれません。
にしても、PVのメンバーみんな若いっすね(笑)。スティングはメチャクチャカッコいいし、ギターのアンディ・サマーズはホントに渋いっすなあ。メンバー唯一のアメリカ人、スチュワート・コープランド(ドラムス)はとにかく陽気で、このPVからは三人の仲の良さがこれでもかってほど伝わってきますよね。
このポリスの一番のバンドとしての特色といえば、ロックバンドでありながらジャズ/フュージョンの影響を色濃く残し、さらにアジア、中東、アフリカなどの世界各国の音楽性を取り込んだ無国籍風のポリスサウンドと呼ばれるオリジナリティを確立したという事でしょう。
ポリスはデビュー30周年のメモリアルイヤーである2007年に3人が集結して大規模なワールドツアーを敢行しましたが、アルバム制作には至りませんでした。
スティング、アンディ、スチュワートの三人は決して仲違いして活動停止をしているわけではないので、是非ともスタジオアルバムを作って欲しいというのが恐らく世界中のポリスファンの願いだと思います。特に、ポリスを知った時には既に活動停止中であったというわたしのような後追い組からしてみれば尚更その思いは強いですね。
それでは、最後にわたしが最も好きなポリスの曲をご紹介して締めたいと思います。シンクロニシティー収録の「キング・オブ・ペイン(King Of Pain)です。マイケル・ジャクソンの「ビート・イット」のパロディ曲、「イート・イット」のヒットで知られるコメディアン、アル・ヤンコビック。彼はこの曲のパロディも作っています。その名は「キング・オブ・スエード」(笑)。
それではポリスの再結成を願ってお別れしましょう(アル・ヤンコビック関係ねーしw)
スーパーグラス(Superglass)
1990年代前半に世界的に猛威を振るったブリット・ポップムーヴメント。イギリスから大勢のスターを生み出したこのブリット・ポップ全盛期にイギリスから出現した3ピースバンドがこのスーパーグラス(Superglass)です。
素晴らしいバンドを沢山輩出した半面、正直ダメなバンドも数多くあり、正に玉石混合状態という側面もあったブリット・ポップブームでしたが、このスーパーグラスは間違いなく本物でした。というより、ブリット・ポップの括りで考えるのも失礼だといえるくらいに素晴らしいバンドなのです。
正直彼らの才能は1stアルバムの「アイ・シュド・ココ(I Should Coco)」をリアルタイムで聴いた人であれば、誰もが認識できたことでしょう。それくらいに他のブリット・ポップで出てきたミュージシャンとは格が違いすぎました。
1stアルバム収録の「マンサイズ・ルースター(Mansizelooster)」です。この時、メインソングライターであり、ギター&ヴォーカルを務めるギャズ(ギャズ・クームス)はなんと弱冠19歳。ドラムスのダニー(ダニー・ゴフィ)は21歳、最年長ベース&コーラスのミッキー(ミック・クイン)は26歳でした。
どうですか?若さゆえの勢いと爆発力、そして満ち溢れたセンスを併せ持った、まさに大器の降臨だと思いませんか?わたしはこのデビューアルバムを聞いた時の衝撃を未だに忘れる事が出来ません。もしもスーパーグラスを聞いた事がないという人がいれば、是非ともデビューアルバムから順に聞いていってほしいと願います。
理由は、彼らの音楽性の変遷を順を追って追いかけてもらいたいからです。彼らはアルバムを出すごとに音楽性を大胆に変えていったことでも有名なバンドですが、そのどれもが素晴らしく成功を収めている稀有なバンドでもあります。そんな彼らの変化の過程は、アルバムを順を追って追いかける程理解できるし、また素晴らしさを感じる事が出来ると確信しているからです。
あまりにも衝撃的な1stアルバムでしたが、そんなわたしは続く2ndアルバムでデビュー作以上の衝撃を与えられる事となります。
1997年に発売されたスーパーグラスの2ndアルバム、「イン・イット・フォー・ザ・マネー(n It for the Money)」です。
明るくポップで勢いで突っ走った1stとは真逆ともいえるへヴィでどこかダークな湿っぽさも感じさせる圧倒的なサウンド、そして捨て曲なしの完璧なアルバム構成。えと、ギャズまだ21くらいっすよね(苦笑)。とにかくカッコイイ。ただひたすらカッコイイ。あれだけ素晴らしかった1stをいとも簡単に超えて来やがった・・なんて奴らだ・・これがこのアルバムを聴いたわたしの偽らざる感想でした。
この後もスーパーグラスは素晴らしいアルバムを立て続けに発表していくわけですが、わたしが一番納得がいかないのが、スーパーグラスに対する日本での低評価です。恐らく日本で最も過小評価されているロックバンドの上位トップ5には間違いなく入るグループです。
まあ過小評価されているのは日本だけではなく、世界でもそういう傾向はあるグループなのですが・・実際にこのスーパーグラスの異名に「ミュージシャンズ・ミュージシャン」という言葉があります。ミュージシャンのためのミュージシャン、つまりミュージシャンの間で評価の高いバンドという意味です。
これが納得いかない。ミュージシャンじゃなくてもこの素晴らしさは理解できるんですけどね。実際わたしがそうですしね(笑)。どう考えたってレコード会社のプロモーションが足りなかったんじゃないの??っていちゃもん付けたくなってしまうほどです。
ギャズはこれらの状況を知ってか知らずか、スーパーグラスに関してこんな言葉を残しています。
「「Everyone’s Second Favourite Band(僕らはみんなが2番目に好きなバンドなのさ)」
いやいやご謙遜を。間違いなくあなたたちはイギリスを代表するバンドですよ。
惜しくも2009年に解散したスーパーグラスですが、未だにファンの間の人気は根強く、多くの人から復活の時が待たれています。実際、音楽性の相違での解散ですし、メンバー間のわだかまりはなさそうなので何年か後にはまた素晴らしいアルバムを作ってくれることを切に願っています。
最後にこの曲をご紹介します。2002年発売の4thアルバム「ライフ・オン・アザー・プラネッツ(Life on Other Planets)」に収録されている「グレイス(Grace)」です。うーん、やっぱ解散は惜しい・・再結成してもらって、まだ出演していないフジロックやサマソニで見たいっすなぁ・・
あとがき
まあ独断と偏見ですので、3バンド全てがイギリスのバンドになってしまった事はお許しください。
あと、グリーン・デイ入ってないとか馬鹿じゃないの?とか、エマーソン、レイク&パーマー(ELP)いない時点でにわか確定wwwとか苦情入れられても一切受け付けません。独断と偏見ですから(笑)。
もちろん他にも素晴らしいバンドは沢山ありますが、きりがないので3バンドにしました。個人的に最も好きなバンドたちです。
この記事を読んでもらって、ミューズ、ポリス、スーパーグラスに興味を持ってもらえたのであれば、サイト制作者としてこれほど嬉しい事はありません。
「ロックは死んだ」とか言われて久しいですが、若い世代にもロックの素晴らしさを知ってくれる人たちが増えればいいなと心の底から思いますね。
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