【1986~87ジャンプ】BIG3時代が終わり車田正美の聖闘士星矢(せいんとせいや)と荒木飛呂彦のジョジョが新連載スタート!

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1985年前半の週刊少年ジャンプは、魁!!男塾とシティーハンター、ついでにとんちんかんという人気作品たちを世に生み出したものの、1985年後半には新連載作品が軒並み苦戦を強いられ、短期打ち切りが続出という非常事態となっていました。

そんな中、年が改まった1986年1・2合併号では(実際に発売されたのは1985年12月ですが汗)、この後の週刊少年ジャンプを代表する漫画が連載開始となります。その作品こそ、車田正美先生の「聖闘士星矢」。車田正美の様式美全開のこのスケールの大きな作品は後のアニメ化され、各キャラクターたちの聖衣(クロス)を纏ったフィギュアも大人気となるなど、各方面に大きな影響を及ぼした作品でもあるのです。

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30年以上にも渡る荒木飛呂彦の超大作はここから始まった1987年(昭和62年)

1986年の週刊少年ジャンプですが、どこを切り取ろうかと迷いました。ぶっちゃけ聖闘士星矢以外に長く続いた新連載といえば、こせきこうじ先生の「山下たろーくん」くらいですし。というわけで、1987年に突入してしまいました(爆汗)。んでもってピックアップしたのが1987年の1.2号。理由は後述という事で。

作 品 名       作 者 名

ジョジョの奇妙な冒険  荒木飛呂彦
ドラゴンボール     鳥山明
キン肉マン       ゆでたまご
魁!!男塾       宮下あきら
キャプテン翼      高橋陽一
こち亀         秋本治
北斗の拳        武論尊・原哲夫
シティーハンター    北条司
アカテン教師梨本小鉄  春日井恵一
聖闘士星矢       車田正美
ついでにとんちんかん  えんどコイチ
ハイスクール!奇面組  新沢基栄
銀牙~流れ星銀     高橋よしひろ
キララ         平松伸二
空のキャンパス     今泉伸二
赤龍王         本宮ひろし
山下たろーくん     こせきこうじ

ええ、この1987年一発目(厳密には発売は1986年12月)の合併号で始まった新連載作品こそ、あの「ジョジョの奇妙な冒険」だったのですよ。ええ、もちろんこの1987年1.2合併号時からリアルタイムでずーーーーーーーっと読み続けています。よってこの号をシカトする事なんてとてもじゃないけど出来なかったというわけです(笑)。

既にビーティー、バオーで比類なきオリジナリティを確立していた天才・荒木飛呂彦

まずは現在でもジョジョの奇妙な冒険8部に相当する「ジョジョリオン」がウルトラジャンプで絶賛連載中の鬼才・荒木飛呂彦のライフワークともいえる「ジョジョの奇妙な冒険」について。

しっかりとはっきりとこの1987年1‐2号でのジョジョの奇妙な冒険の初見は覚えていますね。「魔少年ビーティー」と「バオー来訪者」で既に荒木作品は知っていましたし、両作の他の漫画家にはないオリジナル性には凄く衝撃を受けたと同時に、面白かったのに短期で連載終了となったことに少し納得がいっていなかったのも大きかったですね。

と、そんな状況で始まったこの「ジョジョの奇妙な冒険」。その内容は副題にあった「ロマンホラー~真紅の秘伝説」というサブタイトルに相応しいものであり、いきなり出てきた古の古代文明での石仮面でハートをグイッと鷲掴みですよ。後はこれが19世紀イギリスの二人の青年、ジョセフ・ジョースターとディオ・ブランドーの物語とどう絡んでくるのか?

ぶっちゃけ、めっちゃ面白かったんですけど、心のどこかでは「どうせまた短期打ち切りなんだろ??他に終わらせるやつあんだろってんの怒」って思っちゃってました(爆汗)

わたしのこの当時のひねくれた心境がどれだけ見当外れであったかは、もはや火を見るよりも明らかですよね(笑)。

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車田様式美ワールドへと原点回帰して大成功を収めた聖闘士星矢

そして1986年の1‐2号から連載開始の「聖闘士星矢」についても触れぬわけにはなりますまい!(何者だよw)

週刊少年ジャンプでの2作目の連載作品「リングにかけろ」で大成功をおさめ、次の「風魔の小次郎」でも人気を博した車田正美先生でしたが、その次の「男坂」はまさかの短期打ち切りという現状での連載作品がこの「聖闘士星矢(せいんとせいや)」でした。まさに失敗の許されない背水の陣といってもいい状態だったのかもしれませんね。

リンかけ後半のスーパーフィニッシュブロー路線によって確立された感のある「車田正美的様式美」の世界観でしたが、前作の男坂はその車田節が若干抑えられていた印象が強かったですね(それでも個人的には男坂は佳作で過小評価の作品だと思う)。

そんな背景が関係あるかどうかはわかりませんが、この「聖闘士星矢」は美形キャラが満載、ド派手な技がぶち抜きページで炸裂するという、リンかけ世界大会以降の車田的様式美に立ち戻ったかのような作品でした。

そしてこの原点回帰は結果的に大成功しましたね。前述したようにアニメ化によって人気はさらに促進され、クロスのフィギュアはバカ売れし、社会現象にさえなりましたから。

個人的にはテレビアニメのオープニング・エンディング曲をMAKEーUP(メイク・アップ)が担当したのは驚きでした(OPが「ペガサス幻想(ファンタジー)」でEDが「永遠ブルー」)。当時のMAKEーUPっていえば、バリバリのハードロックバンドでしたからね。まさか地上波テレビアニメの主題歌を担当するとは思いませんでした。しかし、両曲ともバンドの実力にたがわない名曲であり、このMAKEUP起用も結果的には大成功だったと思いますね。

ビッグ3からキン肉マン、北斗の拳が終焉しドラゴンボール一強時代へ・・

1985年後半くらいから1986年前半頃の週刊少年ジャンプは「北斗の拳」「キン肉マン」「ドラゴンボール」の三頭体制(ビッグ3)が抜けた存在っぽかったのですが、1986年後半頃に入ると、その一角であるキン肉マンの勢いにやや陰りが見えて来はじめましたね。掲載順も半分より下になることが多くなり、完全に下り坂に入ったといった感じでした。

そして台頭してくるのが「魁!!男塾」や「シティーハンター」、「聖闘士星矢」らという事になるのですが、何年もの間雑誌の看板を背負った人気作の勢いが衰えてもすぐに次のエース級が複数出てこれるというのが、恐るべき層の厚さを感じさせますよね。

そしてこの「ジョジョの奇妙な冒険」連載から約5か月後にはキン肉マンが終了し、さらにその約1年後には北斗の拳も終焉することで、完全に週刊少年ジャンプは鳥山明先生の「ドラゴンボール」一強時代へと突入していく事となるのです。

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