今や「世界の宮崎駿」とまで呼ばれる事となった日本の映画監督・宮崎駿氏。その功績や偉業は今さら言うまでもない程に偉大なものです。老若男女、国や人種、さらには時空までも超えて愛され続ける宮崎作品は、間違いなく人類が反映し続ける限り未来永劫に残り続けて語り継がれるほどの名作ばかりです。
そして、宮崎監督の作るアニメ作品の大きな特徴といえば、職業声優さんではない俳優さん等を中心としてキャスティングされた声優さんたち。そのメンバーはまさに日本演劇界の超大物揃いであり、マスコミなどでもこぞって取り上げられる程の豪華メンバーなのです。
というわけで、ここでは宮崎駿監督作品の劇場版長編アニメーション作品における主要キャストの声優さんをご紹介していきたいと思います。
魔女の宅急便(1989年)主演:高山みなみ
登場人物 | 声優 |
キキ | 高山みなみ |
ウルスラ(画家の少女) | 高山みなみ |
ジジ | 佐久間レイ |
コキリ | 信沢三恵子 |
オキノ | 三浦浩一 |
バーサ | 関弘子 |
トンボ(コポリ) | 山口勝平 |
おソノ | 戸田恵子 |
おソノの夫(フクオ) | 山寺宏一 |
先輩魔女 | 小林優子 |
ドーラ | 斉藤昌 |
老婦人 | 加藤治子 |
船長 | 大塚明夫 |
マキ | 井上喜久子 |
宮崎駿監督のスタジオジブリ作品の前作「となりのトトロ」公開からわずか1年あまりという短いスパンで発表されたのがこの「魔女の宅急便」です。興行的に不調に終わったトトロとは逆に興行的には大成功を収め、1978年の「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」を抜いて当時のアニメ映画の興行収入新記録を更新した作品です。
主役のキキを演じたのが高山みなみさん。同時に物語中で重要な役となるウルスラ役も演じ、一人二役を見事にこなしています。さすがの演技幅の広さです。そして演技の幅の広さといえば忘れてはならないのが山ちゃんこと山寺宏一さん。主要キャラであるフクオ(オソノの夫)を演じていますが、他にもアナウンサー役と警官役を掛け持ちしています。これもまたさすがの一語です。二人とも現在に至るまで超一流であることが納得できますよね。
この作品では本職の声優さん以外ではベテラン大物女優の加藤治子さん、劇団青年座の創設メンバーである関弘子さん、元東京キッドブラザーズの俳優・三浦浩一さんらが出演なさっていますね。
紅の豚(1992年)主演:森山周一郎
登場人物 | 声優 |
ポルコ・ロッソ | 森山周一郎 |
マダム・ジーナ | 加藤登紀子 |
フィオ・ピッコロ | 岡村明美 |
ピッコロのおやじ | 桂三枝 |
マンマユート・ボス | 上條恒彦 |
ドナルド・カーチス | 大塚明夫 |
フェラーリン | 稲垣雅之 |
マルコ・パゴット | 古本新之輔 |
ばあちゃん | 関弘子 |
公開当初、まだ劇場で見ていない段階では、「紅の豚」というタイトル、そしてあのグラサン姿の豚の主人公を見て、「いったいどんな映画なんだよ(苦笑)」と思ったのを覚えています。それくらい作品の中身が想像できませんでした。ナウシカ、ラピュタ、トトロ、魔女の宅急便と宮崎監督の作品が来ていたから尚更でしたね。
見てみるといい意味で裏切られました。大人のための大人の映画だったのです。とにかくカッコイイ。ハードボイルドなんです。そしてそんなハードボイルドな紅の豚を演じたのが森山周一郎さん。ミスター・ダンディです。その低音ヴォイスは唯一無二。紅の豚を演じるのはこの人しかいないといってもいいでしょう。「さよなら銀河鉄道999アンドロメダ終着駅」で星野鉄郎を送り出して散った老パルチザン役といい、本当に素晴らしい声です。男ですが惚れてまいそうです(笑)。
その他のキャストも超大物歌手の加藤登紀子さんをはじめとして、上條恒彦さんや古本新之輔さん、関弘子さん、稲垣雅之さんなどの俳優陣の他、関西お笑い界の重鎮・桂三枝さん(現:桂文枝)まで登場するという濃さ。かなり個性的なキャストがそろっていましたね。
もののけ姫(1997年)主演:松田洋治(まつだようじ)
登場人物 | 声優 |
---|---|
アシタカ | 松田洋治 |
サン | 石田ゆり子 |
エボシ御前 | 田中裕子 |
ジコ坊 | 小林薫 |
モロの君 | 美輪明宏 |
乙事主(おっことぬし) | 森繁久彌 |
カヤ | 石田ゆり子 |
甲六 | 西村雅彦 |
ゴンザ | 上條恒彦 |
トキ | 島本須美 |
山犬 | 渡辺哲 |
ヒイ様 | 森光子 |
タタリ神 | 佐藤允 |
牛飼いの長 | 名古屋章 |
病者の長 | 飯沼慧 |
キヨ | 香月弥生 |
ジバシリ | 冷泉公裕 |
公開当時における数々の新記録を樹立し、文字通り伝説となった映画ですね。「もののけ姫」、これまでにない程にメッセージ色の強い作風は多くのファンに衝撃を与えるとともに、新たなファン層の開拓にも成功したといえるでしょう。
以前から宮崎監督作品には職業声優以外のキャスティングが目立っていたのですが、この「もののけ姫」からより一層その傾向が強まりましたね。上記主要キャストのうち、声優を本職としているのは島本須美さんのみ。後は凄い俳優さんばかりとなっています。
森繁久彌さんに森光子さんという男女の両巨頭に加え、小林薫さんや田中裕子さん、美輪明宏さん、石田ゆり子さんに西村雅彦さん、上條恒彦さん、渡辺哲さん、名古屋章さんに佐藤允さん・・本当に凄いとしか言いようがないですね。
個人的には「風の谷のナウシカ」でアスベルを演じた松田洋治さんが再び宮崎作品に帰ってきてくれたのが本当に嬉しかったですね。しかも主役として。「家族ゲーム」で育った世代ですから松田さん大好きなんですよ。歴代の子役たちの中でもずば抜けた演技力を備えた俳優さんですね。ナウシカ役の島本さんとのコンビ復活もまた感涙物でしたね。
千と千尋の神隠し(2001年)主演:柊瑠美(ひいらぎるみ)
登場人物 | 声優 |
---|---|
千/荻野千尋 | 柊瑠美 |
ハク | 入野自由 |
荻野明夫 | 内藤剛志 |
荻野悠子 | 沢口靖子 |
湯婆婆(ゆばーば)/銭婆(ぜにーば) | 夏木マリ |
坊/ねずみ | 神木隆之介 |
釜爺(かまじい) | 菅原文太 |
リン | 玉井夕海 |
父役 | 上條恒彦 |
兄役 | 小野武彦 |
番台蛙 | 大泉洋 |
青蛙 | 我修院達也 |
カオナシ | 中村彰男 |
おしらさま | 安田顕 |
おくされさま/河の神 | はやし・こば |
もはや当分は破られる事のない不滅の記録だろうといわれていた前作「もののけ姫」が打ち立てた数々の記録を簡単に塗り替えてしまったモンスター映画ですね。歴代興行収入第1位の記録は公開から16年を経た現在でも破られていません。公開当時の日本国中の熱狂は未だに記憶に新しいところです。
主人公の荻野千尋役に抜擢されたのは当時14歳だった子役の柊瑠美さんで、相手役のハクにも当時13歳の子役、入野自由(いりのみゆ)さんを抜擢。二人はまさにシンデレラガール、シンデレラボーイとなりました。
それ以外のメンバーは前作よりもさらに本職が俳優さんの起用が進みましたね。上記主要メンバーに職業声優さんは一人もいません。若き日の大泉洋さんや安田顕さんというTEAM NACS(チームナックス)のメンバーがいるのが凄いですね。まさに先見の明の凄さってやつでしょうか。
さらには当時まだ8歳だった名子役の神木隆之介さんも坊役で出演しています。今でも俳優だけでなく声優としても高い評価を誇る神木隆之介さんのマルチな才能はこの頃から光り輝いていたのです。
宮崎監督作品における声優のその他の作品については以下の記事をご参照ください。
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