冨樫義博(とがしよしひろ)の最高傑作漫画?レベルE!感想や全話数・各エピソードやアニメ版等 幽白、ハンターを凌ぐ名作?

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皆さんの大好きな漫画家って誰でしょうか。わたしの場合は沢山いますが、現在でも大好きな漫画家の一人が冨樫義博(とがしよしひろ)です。

幽遊白書(ゆうゆうはくしょ)やHUNTER×HUNTER(ハンターハンター)でお馴染みの現代を代表する大人気漫画家としてあまりにも有名ですよね。ここでは、そんな富樫義博の傑作の一つとして今でも高い評価を誇っている名作「レベルE」をご紹介しましょう。

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幽遊白書、ハンターハンターに比べて知名度が低い「レベルE(イー)」

週刊少年ジャンプで長期連載となってアニメ化され、大人気となった富樫義博の代表作、「幽遊白書」と「HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)」。ここでご紹介する「レベルE」という作品、富樫義博ファンの間では幽白、ハンターに負けぬほどの人気を誇る名作なのですが、残念ながら一般ファンの認知度でいえばレベルEと2作品の間にはとても大きな差があるというのが実情でしょう。

実際に幽遊白書のファンで単行本も全て持っているという30代の職場の男性はこの「レベルE」という作品を全く知りませんでした。「HUNTER×HUNTER」のアニメ大好きで毎週録画して保存してあるといっている同じく職場の同僚も知りませんでした。この二人には「レベルE」という作品の存在を教えてあげて、自分が持っている単行本全巻を貸してあげたのですが・・

もう二人とも大絶賛(笑)。貸してあげたこっちが嬉しくなるくらいに大満足の様子で、素晴らしいリアクション(笑)。まさに芸人顔負けかってくらいの。

「いやぁ、○○さんありがとうございます!!最高ですよ、こんなの知らなかったなんてもったいなかったっす!!」

とか

「ハンターファンのうちの嫁が特にハマっちゃって・・今日本屋に買いに行くって言ってましたよ(苦笑)」

とか。まあ冨樫義博の作品が好きな人間なら絶対にハマるだろうとは思っていましたから、気に入ってくれるのは想定内だったのですが、まあやっぱり確かに自分でも何度読んでも面白いんですよねえ。

バトル漫画ではなくオカルト要素の強い新境地を開いた冨樫義博の週刊少年ジャンプ連載作品

ここで、レベルEに関する概要を記しておきましょう。

作 品 名:レベルE(れべるいー)
作 者 名:冨樫義博
連載雑誌名:週刊少年ジャンプ
出 版 社:集英社
ジャンル :SF、オカルト
連載期間 :平成7年~平成9年(月1連載)
全 話 数:16話
コミックス:全3巻

連載期間の平成7~9年(1995年から1997年)といえば、冨樫義博の出世作ともいえる幽遊白書の連載終了(1994年)後、HUNTER×HUNTERの連載開始(1998年)前のちょうど間の時期であるという事になります。

とはいっても、漫画・アニメ界を代表するバトル漫画として評価の高い両作品とはちがって、このレベルEはバトル漫画ではありません。地球に住んでいる宇宙人の存在などといったオカルト的な要素を基本としたSF漫画という事になっています。幽白やハンターのファンの多くはここで少し戸惑いを覚えられるかもしれません。「なんだ、バトルなしなのね・・」という感じで。しかしご安心を。というか、食わず嫌いは本当にもったいないですよ、と声を大にして言いたいです。読まなきゃ人生損してます!!といってもいいほどに、冨樫の作品好きならば絶対に読んでもらいたい作品なのです。

冨樫義博という天才の真価が発揮されるのはバトル漫画だけじゃないんだ?という事を再発見できる作品だと声を大にして言いたいですね。むしろこのレベルEの方が面白いんじゃないか??と思う人も恐らく大勢いらっしゃると思います。逆にいえば、幽白、HUNTERのどちらにも勝るとも劣らない程の傑作だという事です。まあとにかく読んだことのない人にはとりあえず読んでくださいとしか言いようがないですね。その結果気に入るかどうかですからね。

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全16話のショートエピソード一覧 バカ王子を中心とした群像劇

全16話のショートストーリーなのですが、普通の作品よりも1話当たりのボリューム(ページ数)が大きいので読みごたえは大きいです(普通のジャンプ作品だと大体1巻に10話収録なのが、このレベルEは全16話で単行本は3巻)。

ストーリーはオムニバス形式になっており、それぞれのエピソードでつながりのあるものもあれば、全く関係のないエピソードもあります。以下が主なエピソードストーリーとなっています。

第1話~3話  ドグラ星のバカ王子がやってきた
第4話~5話  人食い種族
第6話~9話  原色戦隊カラーレンジャーの災難
第10・11話 人類の危機?王女の王子様探し旅
第12・13話 消えた如月高校野球部員
第14・15話 原色戦隊カラーレンジャーの活躍
第16話    バカ王子のハネムーン珍遊記

それぞれのエピソードネームは適当にわたしが名付けました。内容的には遠からずだと自負しております(笑)。まあ大体2・3話区切りでのショートストーリー群であるという感じですね。

登場人物は基本的にドグラ星の天才性悪バカ王子(正式名:バカ=キ=エル・ドグラ)が中心となっていますが、バカ王子が全く登場しないエピソードもあり(人食い種族やカラーレンジャーの活躍等)、基本的に地球や宇宙での人間外生命体と人類との物語を描いたものとなっています。

その内容は命や種族について思わず考えさせられる程の深いヒューマニズムもあれば、史上最強の頭脳と史上最悪の性格という二面性を持つドグラ王子に振り回される気の毒な面々(筒井雪隆やクラフト隊長、カラーレンジャーの少年たち)たちの人間模様(笑)、さらには王子の悪だくみによってもたらされる様々なドキュメンタリーなどなど・・

とにかく全3巻とは思えない程に圧倒的なスケールと面白さで読んでいる者をノックアウトしてくれちゃいます。とにかく密度の濃い作品なんですよね。

冨樫義博が「我々(読者)の予想の少し斜め上を行く」理由こそレベルEにあり!

ここであまり内容について詳しく説明することは省いておきましょう。全3巻という話数の少なさというのもありますが、やはり実際に読んでもらってその面白さを実感してほしいので。

この「レベルE」は連載終了から14年後の2011年にテレビ東京系でアニメ化もされていますので、そちらの映像作品の方からチェックしてみるというのもいいかもしれません。ただし、アニメ版の方は最終話のバカ王子の新婚旅行エピソードが無いので、そこだけが残念ですね(新婚旅行エピソードがまた秀逸なんですわ)。ただし、アニメ化は時代設定が現代に設定されていますし、基本的に原作を忠実に再現している素晴らしい作品です。これを見て後から単行本を楽しむというのもいいかもですね。

ネットをする冨樫ファンは目にしたことがあるかもしれませんが、よくネットで冨樫義博の天才性を評する言葉で「冨樫は必ず我々の斜め上をいく」という比喩が使われています。実はこの言葉の語源はこの「レベルE」の中で使われたのが最初なのです。

クラフト隊長がサド隊員にバカ王子の事を

「あいつ(バカ王子)の場合に限って、常に最悪のケースを想定しろ。奴は必ずその少し斜め上を行く!」

と説明している場面です。

冨樫義博という天才のストーリー展開は非常に複雑で、所謂少年漫画の王道的な展開から外れて読む人間の予想をことごとく裏切ってくれる・・そんな富樫の傑出した才能をレベルEのバカ王子の天才性とつなぎ合わせたのがネットでの「冨樫は斜め上を行く」という表現なんですね。

常人では作り出せないような傑作を生み出す力。バトル漫画とは一線を画したSF漫画。冨樫義博という漫画家の本当の凄さが垣間見られる作品こそこの「レベルE」であるとわたしは信じて疑いません。

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