昭和時代から活躍する声優界の大御所、神谷明さん。1980年代にはキン肉マンのキン肉スグルや北斗の拳のケンシロウ、シティーハンターの冴羽遼という、週刊少年ジャンプ連載からアニメ化された大ヒットアニメの人気キャラクターを次々と演じて一躍時代を代表する声優となりました。
ジャンプで誕生した上記3キャラが代表作といわれる神谷さんですが、それらを演じる前の1970年代のアニメや人形劇等でも実に印象的な役を数多く演じられています。ここでは神谷明さんの1970年代の代表作などをご紹介しましょう。
1973年 バビル2世 主人公・バビル2世(古見浩一)役
放送期間 :1973年1月1日~9月29日
放映時間 :毎週月曜日19:00~19:30
放送回数 :全39話
放 送 局:NET(現:テレビ朝日)系列他
製 作:NET、東映
音 楽:菊池俊輔
原 作:横山光輝
主 題 歌:「バビル2世」水木一郎、コロムビアゆりかご会
声優界の後のレジェンド、神谷明さんの記念すべき初主演作品がこの「バビル2世」です。神谷さんはこの作品で浩一くんことバビル2世を演じました。
本作は「週刊少年チャンピオン」で連載された漫画のアニメ化作品であり、「鉄人28号」や「魔法使いサリー」「三国志」などでもお馴染みの横山光輝氏による漫画です。菊池俊輔さんが作曲して水木一郎さんの歌う主題歌は未だアニソンの名曲として人気ですよね。ロプロス、ポセイドン、ロデムというバビル2世に仕える「三つのしもべ」というキーワードもこのアニメの人気に拍車をかけました。
宿敵・黄泉の声優を担当された大塚周夫(声優・大塚明夫さんの実父)さんとのバトルは痺れましたね。
1973年 荒野の少年イサム 主人公・イサム役
放送期間 :1973年4月4日~1974年3月27日
放映時間 :毎週水曜日19:00~19:30
放送回数 :全52話
放 送 局:フジテレビ系列他
製 作:フジテレビ、東京ムービー
音 楽:渡辺岳夫
原 作:山川惣治・川崎のぼる
主 題 歌:「荒野の少年イサム」ボーカル・ショップ
前述したように、神谷さんはキン肉マンや北斗の拳、シティーハンター等、週刊少年ジャンプ連載漫画のアニメ化作品で主人公を多く演じてきました。そんな神谷明さんの初ジャンプキャラ主人公作品こそこの「荒野の少年イサム」です。
日本漫画では珍しい、開拓時代のアメリカ西部を舞台とした、いわゆる漫画版「西部劇」といってもいいこの「荒野の少年イサム」。作画を担当した川崎のぼるさんといえば、「巨人の星」や「いなかっぺ大将」、「てんとう虫の歌」などヒット作を多数持つ人気漫画家です。ちなみにこの漫画の3年前に放映されたアニメ版「いなかっぺ大将」で神谷さんは複数の端役として参加しています。
1974年 ゲッターロボ(G) 主人公・流竜馬役
放送期間 :1974年4月4日~1974年5月8日
放映時間 :毎週木曜日19:00~19:30
放送回数 :全51話
放 送 局:フジテレビ系列他
製 作:フジテレビ、東映
音 楽:菊池俊輔
原 作:永井豪
主 題 歌:「ゲッターロボ!」ささきいさお
神谷明さんはスーパーロボットアニメにも多く出演していらっしゃるのですが、初のロボットもの主人公を演じたのがこの「ゲッターロボ」シリーズです。
神谷明さんが演じた“リョウ”こと主人公・流竜馬(ながれりょうま)はイーグル号及びゲッター1のパイロットとして、神隼人、巴武蔵とともに恐竜帝国に立ち向かうという役どころです。クールな隼人、ムードメーカーの武蔵をまとめる熱きゲッターチームリーダーです。
上に紹介したアニメデータは「ゲッターロボ」のものですが、終了翌週の1974年5月15日からは「ゲッターロボG」が続編として放送を開始して1976年3月25日まで全39話が放送されました。尚、“G”からは「ゲッターロボ」最終回で壮絶な戦死を遂げた武蔵に代わって車弁慶がゲッターチームの新メンバーとなっています。
1974年 宇宙戦艦ヤマトシリーズ 加藤三郎・加藤四郎役
放送期間 :1974年10月6日~1975年3月30日
放映時間 :毎週日曜日19:30~20:00
放送回数 :全26話
放 送 局:日本テレビ系列他
製 作:讀賣テレビ、オフィス・アカデミー
音 楽:宮川泰
原 案:西崎義展
監 督:松本零士
主 題 歌:「宇宙戦艦ヤマト」ささきいさお、ミュージカル・アカデミー
主演作ではありませんが、神谷さんの1970年代の仕事といえばこの「宇宙戦艦ヤマト」も外すことは出来ません。上記データはヤマトのテレビアニメ第1作目のものです。テレビシリーズは3作、劇場版も複数作が製作される長寿人気シリーズとなったこの「宇宙戦艦ヤマト」、平成に入ってからはテレビアニメで「2199」「2202」としてリメイクされ、こちらも人気シリーズとして映画化もされています。まさに昭和から平成までアニメファンに愛され続ける人気コンテンツです。
ここで神谷さんが演じたのが、ヤマトクルーでブラックタイガー隊隊長の加藤三郎。とはいっても神谷さんが加藤を演じたのは第13話からで、12話までは相原役の野村信次さんや同じくブラックタイガー隊の山本明役の池水通洋さんら複数の声優さんが回によって加藤を演じていらっしゃいました。
神谷明さんは加藤三郎をテレビアニメ1・2作目、劇場版でも「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」まで務め、加藤三郎戦死後は新たにコスモタイガー隊に加入した弟・加藤四郎役として後の劇場版「完結編」までのテレビ・映画各シリーズで声優を務められています。
ヤマト乗組員でも屈指の人気を誇った加藤三郎・四郎兄弟。その人気は神谷さんが声優を務められた事と無関係ではないでしょう。こういう正統派の二枚目声もカッコいいのです。
1975年 勇者ライディーン 主人公・ひびき洸役
放送期間 :1975年4月4日~1976年3月26日
放映時間 :毎週金曜日19:00~19:30
放送回数 :全50話
放 送 局:NETテレビ系列他
製 作:NETテレビ、東北新社
音 楽:小森昭宏
原 作:鈴木良武
監 督:富野喜幸(由悠季)・長浜忠夫
主 題 歌:「勇者ライディーン」子門真人、コロンビアゆりかご会
中日ドラゴンズの主砲・大豊泰昭選手の応援歌としてもお馴染み(え?知らない?笑)、勇者ライディーンの主人公・ひびき洸も神谷明さんが演じていらっしゃいます。
監督として富野喜幸(後に富野由悠季に改名/26話まで担当)、キャラクターデザインを安彦良和が担当という「機動戦士ガンダム」でのコンビが揃った本作、マジンガーZやゲッターロボといったそれまで人気を博したロボットアニメとは作画もストーリーも一線を画す作品となっています。
コメント