記事「[懐かし漫画]週刊少年ジャンプ連載でテレビアニメ化された初期の名作 永井豪に本宮ひろし、井上コオ、川崎のぼるら大物揃い」では、週刊少年ジャンプ草創期にテレビアニメ化された漫画についてご紹介しましたが、ここではジャンプが一気に飛躍した1980年代にアニメ化された作品群をご紹介したいと思います。
1990年代にギネス記録となる世界最高の発行部数を記録した週刊少年ジャンプ。その下地を築いた1980年代は、ある意味記録を作った1990年代よりも強く光り輝いていた時代だったのかも・・そう思える程に超強力なメンツが揃っていますので、懐かしがりながらご覧下さい(笑)。尚、各作品紹介にある単行本の巻数は、特記が無い限りはJC(ジャンプコミックス)での巻数です。
Dr.スランプ アラレちゃん 作:鳥山明 (1981年フジテレビ系列)
作 者:鳥山明
連載時期:1980年5・6合併号~1984年39号
単行本 :全18巻
放送時期:1981年4月~1986年2月
テレビ局:フジテレビ系列他
制 作:東映アニメーション
放送開始されるや否や日本全国に「アラレちゃんブーム」を巻き起こしたのがこの漫画「Dr.スランプ」のアニメ版、「Dr.スランプ アラレちゃん」です。漫画界の超大御所・鳥山明先生の初の連載作品ですね。まあおもろいです。リアルタイムでジャンプで読んでたんですが、小学生の私が見てても面白かったんですが、今でもたまに読み返すと変わらないくらい面白いのが凄いです。キャラといい世界観といいギャグといい、とにかくセンスの塊という言葉がピッタリくる漫画でしたね。
未だにその愛すべきキャラ達がCMに出演する等、人気は世代を超えて受け継がれている本作品。鳥山作品といえば男子は「ドラゴンボール」ですが、この「Dr.スランプ」は女子に大人気の漫画でしたね。2つものキラーコンテンツを作り出した鳥山明・・流石という他ありませんよね。ちなみに「Dr.スランプ」は1997年にも同じフジテレビ系列で「ドクタースランプ」というタイトルで再度アニメ化されています。声優さんとか一新されているので見比べてみるのも面白いですよ。
スペースコブラ 作:寺沢武一 (1982年フジテレビ系列)
作 者:寺沢武一
連載時期:1978年45号~1980年29号
単行本 :全18巻(このJC全18巻は第6部まで収録)
放送時期:1982年10月~1983年5月
テレビ局:フジテレビ系列他
制 作:東京ムービー新社
いやあ、かっこよかったっすねえ、スペースコブラ(連載漫画名は“コブラ”)。リアルタイム時小学生でしたが、うちのクラスの男子はほとんど見てみましたよ、このアニメ。羽田健太郎さんの音楽、大野雄二さん作曲で前野曜子さんが歌う主題歌、洗練されたキャラとストーリー、野沢那智さん演じるコブラのカッコよさ・・とにかく「COOOOOOOL!!」という言葉がこれほど似合うアニメもないでしょう。まあ理屈抜きにカッコイイのです。
コブラ自体のジャンプでの連載は幾度となく繰り返されており、基本的に一つの章が終われば休載してまた新たな章が始まるという繰り返しでした。第6部「地獄の十字軍」までを週刊少年ジャンプでやり、その後はスーパージャンプでの連載となりました。どの章も面白いですよ。独特の世界観はクセになりますよね。ていうかコブラは最高のヒーローです。コブラ好き男子なら誰でも一度はサイコガン埋め込みたいと思ったことがあるはずです。「コブラファン」だったらカズレーザーがコブラに憧れる気持ちは激しい程わかるはずです(笑)。
キン肉マン 作:ゆでたまご (1983年日本テレビ系列)
作 者:ゆでたまご
連載時期:1979年22号~1987年21号
単行本 :全36巻(1988年までの本編分。現在59巻まで)
放送時期:1983年4月~1986年10月
テレビ局:日本テレビ系列
制 作:東映動画
「火事場のバカ力」や「牛丼一筋三百年」、「屁のツッパリはいらんですよ」などなど、数多くの流行語を生み、さらにキン消し(キン肉マン消しゴムの略)を大流行させたキン肉マンのアニメ。神谷明さんの名調子も素晴らしく、子供たちに熱狂的ブームを巻き起こしました。ちなみに「キン肉星王位争奪編」に関しては、1991年に日テレ系で1986年の本編終了後に単独のアニメ化となっています。
キン肉マンほどファンそれぞれにお気にの超人が分かれるアニメも珍しいですよね。それほど個性豊かで魅力的な超人たちがたくさんいたという事です。一般ファンが考えた超人が実際に登場するという企画も斬新でしたよね。わたしも何通かジャンプに出しましたとも、ええ。全て落ちましたがね(笑)。
わたしが一番好きな超人は「ウォーズマン」ですね。皆さんは誰が好きですか?
ストップ!ひばりくん! 作:江口寿史 (1983年日本テレビ系列)
作 者:江口寿史
連載時期:1981年45号~1983年51号
単行本 :全4巻(JC版、未完)
放送時期:1983年5月~1984年1月
テレビ局:フジテレビ系列
制 作:東映動画
小学生の時にリアルタイムで新連載から連載終了まで読んでいましたが、とにかく衝撃的な作品でしたね。子どもながらに初めて体験する世界でしたね(笑)。
容姿は誰もが振り返るほどの美少女でありながら実は男子だという関東大空組組長の息子・大空ひばりと、その大空家で生活することとなった普通の男子である坂本耕作のドタバタを描くラブコメギャグ漫画です。漫画はギャグ要素が強く、アニメはラブコメ要素がより強い感じになってましたね。
とにかく絵が綺麗。そしてシュールな世界観にシュールなギャグ、まさに江口寿史ワールドが炸裂する本作。連載依頼27年にわたって未完でしたが、2010年に完結したのが大きな話題となったのは記憶に新しいところです。ちなみに完結話は「ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション」の最終巻となる第三巻で見ることが出来ます。
キャッツ・アイ 作:北条司 (1983年日本テレビ系列)
作 者:北条司
連載時期:1981年40号~1984年44号
単行本 :全18巻
放送時期:1983年7月~1984年3月(第1期)
テレビ局:日本テレビ系列
制 作:東京ムービー新社
漫画家・北条司の初連載作品にして大出世作がこの「キャッツ♥アイ」です。謎の女盗賊集団「キャッツ・アイ」の正体である瞳・愛・泪の来生三姉妹の活躍をコメディタッチに描いたラブコメ作品です。アニメ放送時に中坊だったわたしたち男子の間では、来生三姉妹で誰がいいかなんて下世話な話題で盛り上がっていたのをよく覚えています(苦笑)。
杏里さんの歌うアニメ主題歌「キャッツ・アイ」もオリコン1位の大ヒット曲となり、アニメ作品の出来も素晴らしく、相乗効果で一躍大人気アニメとなりました。ちなみにアニメ作品は1984年3月で一度終了し、少女漫画として大人気だった「ガラスの仮面」のアニメ版を間に挟んだ1984年10月からは第2期として続編がスタートし、1985年7月に完結しました。ちなみに第2期のオープニング曲は当時人気の美人シンガー、刀根麻理子さんの「デリンジャー」でした。この曲も個人的には好きでしたねえ。
キャプテン翼 作:高橋陽一 (1983年テレビ東京系列)
作 者:高橋陽一
連載時期:1981年18号~1988年22号
単行本 :全37巻
放送時期:1983年10月~1986年3月(第1期)
テレビ局:テレビ東京系列
制 作:テレビ東京・土田プロダクション
世界中のサッカーファン、いやファンだけではなく世界中の超一流サッカー選手にも大きな影響を与えた世界的な人気アニメ、サッカーアニメの頂点に立つのがこの「キャプテン翼」でしょう。先日引退を発表したイタリアセリエA、ASローマのフランチェスコ・トッティや今やレアル・マドリーの監督であるジネディーヌ・ジダン、フランスの点取り屋ティエリ・アンリ、ユベントスの至宝、アレッサンドロ・デルピエロ、ACミランの“狂犬”、ジェンナーロ・ガットゥーゾ・・とにかくキャプ翼ファンを公言する世界的超大物選手は枚挙にいとまがないほどです。
そんなキャプテン翼の最初のアニメ化はテレビ東京。主題歌はあの「蝶々サンバ~♪、ジグザグサンバ~」の歌詞がお馴染み、当時人気絶頂だった3年B組の松浦悟・・じゃなかった、沖田浩之さん。この曲は今でも何かというと流れるので若い世代にもお馴染みですね。ちなみにこちらも人気アイドルだった竹本孝之さんの歌うバージョンもあります。
大空翼に影響を受けてオーバーヘッドシュートの習得に血眼になった小学校のあの日々・・。控え選手だったくせにね・・もっと基本練習しろっての(笑)
夢戦士ウイングマン 作:桂正和 (1983年テレビ朝日系列)
作 者:桂正和
連載時期:1983年5.6合併号~1985年39号
単行本 :13巻
放送時期:1984年2月~1985年2月
テレビ局:テレビ朝日系列
制 作:テレビ朝日・東映動画、東映エージェンシー
週刊少年ジャンプにおける作品名は「ウイングマン」でしたが、アニメ化にあたっては「夢戦士ウイングマン」となったのが桂正和先生の代表作、ウイングマン。この「ウイングマン」の連載開始時の年齢が弱冠20歳!その若さでジャンプ連載を持つだけでも凄いのに、早くもアニメ化されるほどの作品を世に放つのですから驚異としか言いようがありません。
桂正和先生といえばやはり定評のあるのが魅力的な女性キャラ。その片鱗はこのウイングマンで既に確立されつつあり、素晴らしい女性キャラクターはこのアニメの大ヒットに大きく貢献しましたね。同時に変身ヒーローものという題材でありながら、魅力的な女性キャラを本編に存分に絡ませたラブコメ要素の大きさというのもこの「ウイングマン」を唯一無二の存在としていましたね。
よろしくメカドック 作:次原隆二 (1984年テレビ朝日系列)
作 者:次原隆二
連載時期:1982年44号~1985年13号
単行本 :12巻
放送時期:1984年9月~1985年3月
テレビ局:フジテレビ系列
制 作:タツノコプロ
セリカXXにサバンナRX-7、フェアレディZにスカイラインGT-R、トヨタソアラ・・わたくし、国産人気車種はほぼこの漫画で覚えました。まだ車に興味もなかった頃に国産車の車種を覚えられたのはこの漫画のおかげです。わたしは自動車を運転できない中坊でしたが、実際に免許持ってる若い世代に与えた影響の大きさはもっと凄かったのでしょうね。いわゆるスーパーカーとかのレースものはこれまでもありましたが、この作品の画期的なのは国産車メインでしかもチューニングショップでチューニングしながらレースに出るという、リアリティを追求した漫画だったことです。派手さはありませんが、そのリアルさがしっかりと若者の支持を得た作品だといえるのではないでしょうか。
アニメはあのタツノコプロが制作しました。アニメも流石は「タツノコプロ」制作!って感じで素晴らしい出来でしたね。ただし、リアルタイムでの放送は何故かこの山陰ではなし!見たのは再放送でだったのが残念でしたね(涙)。
北斗の拳 作:武論尊/原哲夫 (1984年フジテレビ系列)
原 作:武論尊
作 画:原哲夫
連載時期:1983年31号~1988年35号
単行本 :27巻
放送時期:1984年10月~1987年3月
テレビ局:フジテレビ系列
制 作:東映動画
もう説明不要でしょう。未だに多くのファンを持つ伝説の名作「北斗の拳」。言っときますがわたくし、ドストライク世代でございます(笑)。
アニメ版では長兄ラオウとの宿命の対決までを描いた「北斗の拳」、そしてリンとバットが成長した後のファルコやハン、ヒョウ、カイオウとの戦いを描いた「北斗の拳2」との2期にわかれています。原作の漫画版では実はその後まだ話が続いたのですが、アニメ版はここを切っています。まあ切って正解だと個人的にも思います(苦笑)。
それにしてもこのアニメはケンシロウ役の神谷明さんやラオウ役の内海賢二さんは当然として、何といってもレイを演じた塩沢兼人さんの名演が光りましたね。レイの声は塩沢さん以外に考えられません。そして忘れちゃならねえのが、千葉繁さん(笑)。予告のあの名ナレーションは聞いた事ない人は必見!!いや必聴!!ですよ。
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