4月16日公開の人気アニメシリーズ、名探偵コナンの劇場公開版「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」の主題歌に、人気ロックユニット・B’zが起用される事が決定しました。
もはやお馴染みとなった感のあるコナンとB’zのタッグ。今回で劇場版の主題歌を担当するのは5回目となり、テレビ版の5回と併せて、合計10回目のタイアップとなります。
B’zが劇場版コナンに提供する曲名が、「世界はあなたの色になる」という新曲。映画の内容を踏まえてこの映画のために書き下ろしたそうです。
アニメ界屈指の人気コンテンツと音楽業界トップクラスの人気アーティストがタッグを組むのですから、どちらも売れないわけがありませんね。逆に言うと、どちらにとっても十分なほどのメリットがある、という事です(皮肉に聞こえたらスミマセン涙)。
しかし、こういうニュース、つまり人気アニメと人気アーティストのコラボの話題を聞くたびに、70年代、80年代アニメで育った世代としては、少し寂しさが伴うのもあるんですよねえ・・(苦笑)
昔からあったアニメ劇場版と一流アーティストとのコラボ
寂しさが伴うというのは、つまりこういう事です。
「もう、アニソンに特化した大御所アニソン歌手は出現しないのか!?」
って事ですね。
まあ今回は劇場版ですので、そんなに違和感はないんですけどね。古くは、1970年代の超人気アニメ、「宇宙戦艦ヤマト」の劇場版「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の主題歌を、これまた当時のスーパースター、「ジュリー」こと沢田研二が歌って大ヒットした例とかも普通にありますしね。そう、「ヤマトより愛をこめて」です。
それ以外にも、機動戦士ガンダムの劇場版3部作では、それぞれ第1部をやしきたかじん「砂の十字架」、2部の「哀・戦士編」、3部の「めぐりあい宇宙(そら)編」を井上大輔が担当しました。特に第2部の井上大輔が歌った「哀戦士」は、後にGACKTがカヴァーしてヒットしてますんで、若い世代でもお馴染みの曲でもあります。
このように、劇場版アニメに関しては、一流アーティストが楽曲担当するってのは別に珍しくもなんともないのですが、問題はテレビアニメですよ、テレビアニメ。
最近はテレビアニメも売れっ子歌手やバンドが主題歌を担当するのが当たり前になってしまっていますね。
これはこれで、けっこうカッコいい曲もたくさんありますし、アニメの「箔」もついて悪くはないんですが、やっぱり昔のアニソン大好きだった人間からしたら「なんか違うんだよ、なんか!」って思ってしまうのですよ(涙)。
そのアニメのみに特化したアニメソングの衰退
テレビアニメの主題歌って今でも結構、「この作品のためのオリジナル書き下ろし!!」とかって謳い文句を見るんですけど、「本当?」って思っちゃいませんか?
だって実際に聞いてみると、「歌詞に全然アニメの内容反映されてねーし」ってのが多くて多くて。「オリジナルって事にしてあるけど、後付けなんじゃね?元々あった曲をちょこっと内容に合うために歌詞変えてみた、的なさ」って見方も出来ちゃうくらい、アニメとあんまし関係ない主題歌が多いんですよ。
昔は、ホントにそのアニメのための曲でしたからね。
「飛ばせー、鉄拳、ロケットパンチィィィィっ!!」
「デビルアローは超音波、デビルイヤーは地獄耳、デビルウイングは空を飛び、デビルビームは熱光線」
「サイボーグ戦士っ、たがぁためにぃ、たたっかうぅぅ~」
「命を懸けて飛び出せばぁ、科学忍法、火の鳥だぁ~」
「銀河のかなた、イスカンダルへ~」
などなど、もうアニメに特化しすぎっつーか、歌詞もこんなんだったんで、やっぱり「アニソン」って感じがビンビン(死語w)ですよね。逆に言うと、そのアニメの色が強すぎて「潰しが効かない」ってのが難点で、それ故にこういったアニソンが消えてしまった原因なんでしょうけど。
アニソンの新たなアンセムと、アニソン歌手たちの活躍の場を!
まあ色々考えると、現在のような方式の方が効率がいいのは勿論理解できます。
アーティストにとってもアニメ制作側にとっても「ウイン・ウイン」な関係ですからね、今の方が。アーティストには聞いてもらえる間口が広がるし、アニメ側にとってもステータスが上がりますからね。
しかし、アニソンに特化したアニソン歌手の活躍の場が奪われてしまっているというのもまた事実。
われわれが子供だった時代には、「アニメソングの大王」ささきいさお、「アニソンの帝王」水木一郎、そして「およげ!たいやきくん」の大ヒットでお馴染みの子門正人が不動のアニソン三羽烏(アニソン御三家)として君臨していました(子門正人さんの引退は残念至極・・涙)。
彼らのような、シンガーとして超一流の人たちが、アニメキャラや必殺技名を歌い上げるというのが、当時のテレビアニメにおける、一種の「カタルシス」のようなものでもあったのです。
未だに彼らはアニソン界の大御所として熱狂的な固定ファンを持っているのがその証拠だと思います。
昔のアニソンばかりではなく、今のアニソンでもどんどん代表曲を出してもらいたいと思っているファンはすごく多いと思いますし、彼らの後継者となる、アニソン界を背負って立つアニソン歌手の台頭も見てみたい・・そう思うのですが、いかがでしょう?
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