高身長ペンホルダー、中国の許昕(きょきん/シューシン) プレースタイルやプロフィール、世界大会での実績等

ここ数十年にわたって世界の卓球界を支配し続ける卓球王国・中国。

そんな中国は国策ともいえる強化策によって熾烈ともいえる国内の競争を作り出し、恐るべき中国国内のレベルの高さを勝ち抜いた中国卓球選手たちは、世界の卓球界を席巻してきました。世界で勝つよりも中国国内で勝ち抜いて代表になる方がよほど困難であるとまでいわれています。

そんな中国が生み出したリオ五輪中国代表で団体戦金メダルメンバーでもある、許昕(きょきん/シューシン) をご紹介しましょう。

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世界ランキング3位・許昕(きょきん/シューシン) 右ペンホルダードライブ型

生年月日  :1990年1月8日生まれの27歳
出 身 地 :中国江蘇省徐州
効 き 腕 :左
身    長:181㎝
グリップ  :中国式ペンホルダー
ラケット  :インテンシティNCT
フォアラバー:国天NEO3ブルースポンジ
バックラバー:国狂3(50号スポンジ)
タ イ プ :ドライブ攻撃型
世界ランク :3位(2017年4月時点)

現世界王者の馬龍(まりゅう/マロン)、前世界王者の張継科(ちょうけいか/ジャンジイカ)という、ともに「大満貫」(オリンピック、世界卓球、ワールドカップ全てで優勝する事)を達成した大選手の後塵を拝して、中国第三の男というポジションがすっかり定着してしまっている感のある悲運の名選手・・というのが、わたしがこの許昕選手に持っているイメージです。

ハッキリ言って日本でもそうですが、世界的にも上記した2選手には知名度・人気ともに大きく劣っているというのが現状でしょう。

しかし実力的にはこの許昕選手が大満貫を達成していたとしても少しもおかしくはありません。それだけの実力は十分に兼ね備えている名選手なのです。

馬龍、張継科の二強に続く中国第三の男は世界一のダブルスの名手

前述したように大満貫を達成した歴史に残る名選手、馬龍張継科の実績が凄すぎて、そしてその2選手が立ちはだかっているために、この許昕選手のシングルスでの3大大会優勝は2013年のワールドカップヴェルヴィエ大会(ベルギー)のみとなっています。しかし実力的にもっとタイトルを獲得していて然るべきなのもまた前述したとおりです。

許昕選手を語るうえで特筆すべきなのは、ダブルスのプロフェッショナル的存在であるという事でしょう。左利きである許昕は、男子ダブルス・混合ダブルスで世界卓球優勝3度を誇っているダブルスの名手として有名です。

卓球界ではよく知られた事なのですが、テニスやバドミントンと違って二人の選手が交互に打球を打たなければならない卓球のダブルス競技は、左利きと右利きという選手の組み合わせが最も強いといわれています。その理由は、交互に返球するうえでのフットワークで左と右の組み合わせが最もスムーズに動けるからです。わたしも学生時代には左シェークハンドの選手とダブルスを組んでいました(自分は日本式ペンホルダーの右利き)が、同じ右利きの選手と組むよりもはるかに動きがスムーズでしたし、実際に試合での結果も良かったのを覚えていますね。

というわけで、ダブルスが必須となるオリンピックの団体戦では欠かす事の出来ない存在ともいえます。その証拠にリオ五輪団体戦では張継科と組んだダブルスで危なげなく全勝して中国の金メダル獲得に大きく貢献しました。

2017年の世界卓球選手権ドイツ・デュッセルドルフ大会ではシングルスに加えてダブルスにも次世代の中国エースの呼び声高い樊振東(さいしんとう/ファンジェンドン)とのコンビで代表に選ばれています。ハッキリ言って許昕(きょきん/シューシン)と樊振東(さいしんとう/ファンジェンドン)のペアは、他のペアを大きく引き離してダブルスの圧倒的な優勝候補といえるでしょう。悲願の日本勢での世界選手権優勝を狙う日本の大島祐哉・森薗政崇コンビ、丹羽孝希・吉村真晴コンビにとっては大きく立ちはだかる壁となる事はで間違いありません。

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ペンホルダーからの強烈なトップスピンを誇るフォアハンドドライブと魅せる卓球

許昕選手のプレースタイルは非常に分かりやすいですね。ペンホルダーの選手らしく、その余りにも強烈なフォアハンドドライブが最大の武器であり特徴でもあります。身長は181cmと中国の卓球選手としてはかなりの長身に入る部類であり、そのリーチの長さを生かした守備範囲の広さ、さらには鍛え抜かれたフットワークを駆使して強烈なトップスピンのかかったフォアハンドドライブで相手を打ち破ります。

中国選手らしく、前陣でのスピード勝負にも対応できますが、やはりこの許昕のプレーの醍醐味といえば、中陣から後陣に下がっての強烈なドライブ合戦でしょう。そのラリーは名勝負製造機といえる程であり、これまでに世界の名選手たちと数限りない名ラリーを作り上げてきたほどです。リオ五輪での水谷準と馬龍との男子シングルス準決勝でのラリーが「神ラリー」として有名になりましたが、許昕選手の試合でもあのレベルのラリーを見る事が出来る可能性は高いです(もちろん相手のレベルによります苦笑)。

ペンホルダー最大の弱点と呼ばれるバックハンドに関しては、ほとんど裏面打法(裏ソフトラバー)で返球しています。ペンホルダーですが裏面打法でのチキータ等のバックハンド技術の精度も非常に高く、台上打球の処理などにおいても弱点と感じさせない程の技術力を誇っているのが特徴です。

代名詞ともいえるフォアハンドドライブは、やや打点を下げて打つのを得意としており、その分スピードは落ちますがそれを補って余りあるトップスピンの回転力を有しています。その回転力は凄まじく、ブロックの得意な選手でも抑えきる事が出来ずにオーバーしてしまう程の威力を誇ります。

今や絶滅危惧種といってもいいほどに人口の減少したペンホルダー使用選手ですが、そんなペンホルダーの魅力を余すことなく伝えてくれる選手ですね。中国や日本ではやはりシェークハンドよりもペンホルダーに思い入れの深い人も多いでしょう。許昕にはペンホルダーの素晴らしさを次世代の卓球少年・少女たちにも伝えていってほしいと切に願いますし、それが出来る選手だと思います。

とにかく、彼の試合は面白いです。一度是非見てもらいたいです。とにかく「魅せる卓球」の極致が許キンの試合にはあります。ロビングからのフォアハンドドライブでの逆襲、後陣からのドライブ合戦、相手のレベルが上がれば上がる程許キンの試合はけた外れに面白くなります。お金を出して見に行くなら誰の試合?と問われれば、わたしは迷わず許キンの試合と答えますね。それほど彼の試合は魅力に溢れていて、尚且つ面白いのです。

リオ五輪団体決勝で水谷準に敗れた屈辱を晴らすのは世界卓球2017の舞台?

張継科馬龍の影に隠れて中国第三の男と呼ばれて久しい許昕選手。

リオ五輪でも団体戦メンバーには選ばれましたが、シングルスではランキングで自分よりも下位であった張継科選手にその座を譲る事となってしまいました。

リオオリンピック団体戦決勝の日本戦では、日本の絶対エースである水谷準選手にマッチポイントを握りながら逆転を許してシングルスで2-3で敗れ、リオ五輪での団体戦で中国の唯一の黒星を喫するという屈辱も味わいました。中国では中国選手は中国選手以外に負ける事はこの上ない屈辱であり、許されない事でもあるのです。許昕の悔しさは計り知れないものがあった事でしょう。

そんな実力に反した苦難の卓球人生を歩んできた許昕だからこそ、ここからの伸びしろはむしろ同世代の馬龍張継科よりも大きいといえるかもしれません。大きなタイトルへの渇望は間違いなくほかの中国選手の誰よりも高い事でしょう。

その意味では、絶対王者の馬龍や大舞台で無類の強さを発揮する張継科、次期中国エースと呼ばれる天才・樊振東らよりもこの許昕こそが最も日本にとって恐るべき敵となる可能性は高いでしょう。そんな許昕が手始めに狙うのが、2017世界卓球選手権でのシングルス、ダブルスの二冠であることはいうまでもないでしょう。

ペンホルダーの超一流選手という事で、世界中のペンホルダー好きの期待を一身に背負っている感もある許キン選手。ペンホルダー隆盛の時代を築くためにも頑張ってほしい選手ですね。

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