日本に卓球プロリーグが?課題は世界ランキング維持 中国選手の強さによる五輪等でのドローにも影響が

2016リオデジャネイロオリンピックでは、史上初めて男子シングルスの水谷準が個人戦としての日本人初メダルを獲得し、さらに男子団体ではこれまた史上初のメダルとなる銀メダルを獲得、女子団体も2大会連続のメダルとなる銅メダルを獲得した卓球日本代表チーム。

水谷準が中国の世界ランキング1位、馬龍戦で披露したラリー戦は、「神ラリー」と呼ばれてメディアで取り上げられるなど、卓球の露出も認知度も急上昇し、リオ五輪を境にして日本卓球界を取り巻く環境は大きく変わったといえるでしょう。

しかし、オリンピックによって飛躍的に上昇した卓球人気を、これからどうやって維持し、そしてさらに上積みしていくのか?卓球が今以上のメジャースポーツになるためにはそこが一番大事なのです。

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リオ五輪で人気・注目度とも大きく飛躍した日本卓球界に届いたビッグニュース

冒頭でも述べたように、リオオリンピックでの日本代表の大活躍によって日本における卓球への関心はこれまでと比べ物にならない程に上昇しました。

特に男子においてその傾向は顕著でした。

元々、女子は前回ロンドン五輪で銀メダルを獲得していたこともあって、福原愛と石川佳純を中心に高い知名度と人気を誇っていたのですが、女子の人気に比べて男子は大きく後れを取っていたというのがリオ五輪前までの現状でした。

しかし水谷準の個人・団体における大活躍、さらには丹羽孝希、吉村真晴というニュースターの台頭もあって、いまや男子選手の知名度も女子にひけを取らないほどとなってきています。

まあもともと男子も女子に負けないくらいの実力はあったのですが、ようやく世間での認知度が女子に追いついてきたといった方が正確なのかもしれません。

そして、卓球の人気や注目度がこれまでにないほどに上がっているこのタイミングで、卓球ファンであれば「おおっ?!」と思うようなニュースが飛び込んできたのです。

卓球、新リーグを検討 18年春から、福原らの参加促す

なんとなんと、将来のプロ化を睨んだ卓球の新しい日本リーグ創設が検討されており、来春にも新リーグ機構が創設されるというビッグニュースです。

現在の日本卓球リーグとは?トップ選手の参加状況など

ここで現在の卓球界の現状について簡単に説明しておきましょう。

現在日本には日本卓球リーグ実業団連盟(JTTL)が主催している日本卓球リーグがあります。

この日本卓球リーグは現在の日本国内リーグにおける団体戦の最高峰に位置される大会です。男女ともに1部と2部に分かれており、それぞれ前期と後期に別れてそれぞれ総当たりのリーグ戦を行います。前期と後期の合計成績による上位4チームが「JTTLファイナル4」に進出し、年間総合優勝を争うという形になります。成績による1部と2部との入れ替え戦も行われます。

基本は実業団リーグといえるこの日本卓球リーグですが、海外を転戦するプロ選手が参加できる「ゴールド制」というレンタル制度を設けてあり、この制度によって石川佳純や福原愛もこの日本リーグに参加したという実績もある大会です。

今年10月から11月に行われた平成28年度後期日本卓球リーグ大阪大会は、ゴールド制で日立化成に石川佳純が参加して大変な盛り上がりを見せましたが、海外を拠点に戦うトップ選手はなかなか日程的にも参加が難しいというのが実情であり、リオオリンピック代表選手ではこの石川佳純選手が参戦したのみという厳しい現実もあります。

しかしこの国内トッププロの国内参戦への日程的なハードルというのは、仮に日本に新たなプロ化を視野に入れた国内リーグがて来たとしてもそのまま引き継がれる課題になる事は間違いありません。

トップ選手たちの年間スケジュールと世界ランキングの関係

現在、男子の水谷準、丹羽孝希、吉村真晴、女子の福原愛、石川佳純、伊藤美誠らのリオ五輪代表組をはじめとする多くの世界ランキング上位の日本人卓球選手たちは、世界卓球連盟(ITTF)が主催する大会をメインとして世界を転戦しています。

ITTFが主催するのは主に世界卓球選手権大会、卓球ワールドカップ、ITTFワールドツアー、ITTFワールドツアー・グランドファイナルなどです。

基本的にテレビの卓球中継やスポーツニュース等の選手紹介などでよく紹介される卓球の世界ランキングというのは、これらのITTF主催の世界大会の成績を大きく反映したものとなっています。

つまり、世界ランキングを維持・向上するためにはこれらの大会に参加してポイントを稼いでいかなければならないという事になります。

ニュースの中でのトップ選手の参加実現における多くの課題の一つが、この世界ランキングの維持・向上という事となるのです。

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世界ランクの維持・向上への障害となる国内リーグとの日程問題

なぜ卓球のトップ選手たちは世界ランキングに拘らなければならないのか?

それは、現在の卓球界における4大大会(オリンピック、世界卓球、ワールドカップ、ITTFワールドツアー・グランドファイナル)の代表として出場する条件が、この世界ランキングを参考にして決められるからなのです。

例えば、オリンピック、世界卓球の日本代表は世界ランキング上位順となっていますし、グランドファイナルもその年のワールドツアーの成績で参加が決まります。

仮に日本に卓球の新リーグが出来たとして、そこを主戦場に戦えば、ランキングを上げるための大会に参加できなくなるという可能性が大いに出て来ます。大会に参加できなければポイントが得られずにランキングは下がってしまい、結果的には主要国際大会の舞台に出られなくなってしまうというわけです。

というわけで、一番いいのはワールドツアーや大きな国際大会と極力被らないように日本リーグの日程を決める事です。しかしそうしたとしても選手は過酷な移動、さらに過密日程などの問題が出てくることも容易に想像できます。結果的に調子を落としたり体調不良や怪我などによってランキングを落としてしまう可能性も高まるでしょう。

一口にプロリーグといっても、現在の卓球トップ選手の1年の年間スケジュールを勘案するとかなり厄介な問題が横たわっているのが現状なのです。


オリンピックのドロー(組合せ)と世界ランキング、中国選手との兼ね合い

世界ランキングが下がる事で大きな障害となる事がもう一つあります。

それはオリンピックでのドロー(組合せ)です。

オリンピックではどんな強豪国でもシングルスは各国2選手しか出場できません。現在の卓球界で圧倒的な強さを誇る王者・中国もたったの2選手しか出場できないのです。

そして重要なのは、シングルスのシード選手が世界ランキングで決定されるという事です。世界ランキング上位を占める中国選手は間違いなく第4シードまでに入ってきます。この時点で4シードのうち2つのシードは決まり、残る4シード枠は2つとなるのがほぼ確実です。

メダルを狙う中国以外の強豪選手は、この第4シードの中に入れるかどうかでメダルを獲得できるかどうかが大きく左右される事となります。

第4シードまでに入った4選手は、準決勝まで対戦しないことが約束されるからです。つまり、圧倒的な強さを誇る中国選手と対戦するのは早くてベスト4の段階という事になるのです。このようなシステムがあるために、特にオリンピックイヤーにはメダルを目指す選手はなんとしても第4シード以内に入れる世界ランキング上位を目指すのです。

無限の可能性が広がる卓球の日本新リーグ構想

国内に誕生する新リーグを成功させて卓球人気をこれまで以上にアップさせることが出来るかどうかの大きなポイントは、現在の日本国内の人気選手が参加できるかどうかにかかっているといってもいいでしょう。

水谷や福原、石川といった人気選手が参加すれば間違いなく注目度は上がり、集客力は増します。水谷準がリオで見せてくれたあの凄いプレーを実際に会場で見る事で新たに卓球のファンとなる人も大勢いるでしょう。

しかし現時点でそれらトップ選手が国内で見られるのは、1月に行われる卓球全日本選手権とITTFワールドツアーのジャパンオープン・荻村杯のみ。国内のファンが実際に会場で見られる機会があまりに少ないのが現状なのです。

集客力や注目度が上れば入場料や放映権料、スポンサー料、ロイヤルティーなどによって収益が上がります。収益が上がれば賞金なども増えて選手の待遇も上がります。さらに人気が出る事で選手個人につくスポンサーもどんどん現れるようになるでしょう。トップ選手を迎える体制、さらに新たなスター選手を生み出す裾野も大きく広がるはずです。

さらには、JリーグやBリーグなどのように地域密着型のクラブチーム運営を目指せば、自治体などとの連携も見込めます。可能性は大きく広がってくることは間違いありません。

現時点では2018年からの発足を目指すという、卓球プロリーグ構想。いきなりのプロ化は収益面から厳しいという事ですが、なんとか軌道に乗せて実現してほしいですね。元卓球プレーヤーとしてこれほど胸がわくわくするニュースはありませんからね(笑)。

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