ATPワールドツアーファイナルズとは?賞金や出場条件、大会システムやテレビ放送など

1年間激しい戦いが繰り広げられてきた2016年のATPワールドツアーもいよいよ大詰めとなり、11月13日からはいよいよワールドツアーの最終戦となるATPワールドツアーファイナルズが始まります。

ATPツアーによる格付けではグランドスラム(全米、全英、全仏、全豪の四大大会)に次ぐ格を持つとされているこのワールドツアーファイナル。一体どのような大会なのでしょうか。ここでは男子シングルスのツアーファイナルズについて説明していきたいと思います。

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ファイナルとは年度を代表するトップテニスプレーヤー8人のみに与えられる栄誉

このATPワールドツアーファイナルズを簡単に一言で言ってしまうと、その年に最も活躍した8人の選手によって争われる、ボーナスステージであるというものです。

その年に最も活躍した8人の選手というのは、ATPが算出する世界ランキングの上位者8名の事を言います。世界ランキングの中でも、レースランキングという世界ランクによって出場者が決められるのが、このツアーファイナルなのです。

ATP世界ランキングの決定システムや仕組み、さらにレースランキングについては以下の記事をご参照ください。

テニス世界ランキング決め方の仕組み・システム解説 プロスポーツ界一過酷なATPツアーのポイント増減

まさにその年の男子プロテニス界の顔ともいうべき選ばれたベスト8の選手が揃ったこのワールドツアーファイナルズ。まさにそれは、プロテニスファンにとっての最高級の至極の時間ともいえる豪華なものなのです。

40年以上前から大会名と開催地を変更しながら続くグランドスラムの次に権威ある大会

ワールドツアーファイナルズというのは、2009年から毎年ロンドンのO2アリーナで行われており、2016年で8回目を迎える事となります。

なんだまだ8年しか歴史がないのか・・と思われるかもしれませんが、それはあくまでロンドンで行われる「ワールドツアーファイナルズ」という「名称」の大会というだけの話です。

このツアーの最終戦の上位者によるボーナスステージは、1970年から開催場所と名称を変えて受け継がれてきたものです。1970年から1989年までは「ザ・マスターズ」という名で各国の持ち回り(第一回は東京、終盤は13年連続ニューヨークで)で行われ、1990年からは「ATPツアー世界選手権」という名でドイツ、2000年からは「テニス・マスターズ・カップ」という名で再び各国持ち回り、そして2009年から現在の「ATPワールドツアーファイナルズ」となったというわけです。

まああと何年後になるかはわかりませんが、また大会名と開催都市をかえて新しいものとなる事は間違いないでしょう。

しかしどこで開催され、どんな大会名になったとしても、このツアー最終戦がグランドスラムに次ぐ権威と格を持った大会であり続ける事は間違いない事なのです。

2016年の世界ランキングを例に出場選手をシミュレーション

その年の最終的な世界ランキング上位8名のみが出場できるワールドツアーファイナルズですが、今年2016年の例をとってみてみましょう。

実はまだツアー最終戦のパリ・マスターズの真っ最中なのですが、パリ・マスターズ開幕前のレースランキングを例にとってみましょう。

順 位   選  手  名    国  名

1 位  ノバク・ジョコビッチ  セルビア
2 位  アンディ・マレー    イギリス
3 位  スタン・ワウリンカ   スイス
4 位  ミロシュ・ラオニッチ  カナダ
5 位  錦織 圭        日本
6 位  ガエル・モンフィス   フランス
7 位  ラファエル・ナダル   スぺイン
8 位  ドミニク・ティエム   オーストリア
9 位  マリン・チリッチ    クロアチア
10位  トマシュ・ベルディヒ  チェコ

以上が2016年10月31日現在のレースランキングトップ10です。もちろん、マスターズ1000であるパリ大会の結果次第で順位に変動はある可能性があります。

仮にこのままの順位でツアーファイナルを迎えたと仮定して、出場者がどのようになるのかをシミュレーションしてみましょう。

怪我などで欠場の場合は下位選手が繰り上がり、グランドスラム優勝者には嬉しい特典が・・

まず出場者ですが、上位8名という事ですので、1位のジョコビッチから8位のティエムまでに出場権が与えられます。

しかしこの8名の選手の中で、7位のラファエル・ナダルに関してはケガのために今シーズンの残り試合全てを欠場するという事がすでに発表されています。従って、ランキング7位のナダルを除く上位8名という事で、9位のマリン・チリッチが繰り上げでツアーファイナルに出場することとなるのです。

欠場した選手がいれば順次その次の選手が繰り上がりで出場できるということとなっていきます。つまり、もう一人欠場者がいれば10位のベルディヒ、もう一人いればさらに次の11位の選手・・といった具合ですね。

さらにややこしいのは、上位8選手以外のランキング20位以内の選手の中にその年のグランドスラム(全英・全米・全仏・全豪)を優勝した選手がいた場合です。この場合、上位8選手の中の最下位の選手に代わって(上のシミュレーションを例とすると9位のチリッチ選手)、グランドスラムの優勝者がツアーファイナルに出場することとなります。

万が一同じようにグランドスラム優勝者が上位8名以外に二人いた場合には、グランドスラム優勝者のうち世界ランキングがより上位の選手のみがファイナルに出場することとなります。二人ともファイナルに出る事は出来ないというシステムとなっているというわけです。

あと、ツアーファイナル中のケガなどによって途中で試合に出場できなくなった選手の代わりに試合を行う事となる補欠選手というのも2選手選ばれます。これは出場選手以外の上位ランキング者2名が選ばれます。彼らは大会に帯同し、いつでも試合に出れるよう準備をする事となります。試合に出場すれば、試合出場給や勝利給を得られる事となります。出番がなくとも、一定の報酬も約束されています。

ちなみにATPワールドツアーファイナルズの試合は全て2セット先取の3セットマッチで行われます。

ゲームカウントが6-6になった場合にはタイブレーク方式が採用されます。これは最終セットでも同様です(グランドスラムの場合は最終セットではタイブレーク方式ではなく、2ゲーム差がつくまで延々とゲームを繰り返す)。

世界ランク上位者をランク順に2つのグループに均等に分けるラウンドロビン

ファイナルでは出場する8選手を2つのグループに分けます。4人×2グループですね。そしてこの4人が総当たりのリーグ戦を行います。これをラウンドロビンといいます。よくテレビ中継などでラウンドロビンと解説者や実況が言っていますが、簡単にいえば予選リーグとか、予選グループという意味ですね。

ラウンドロビンのグループ分けは、世界ランキングによって決められます。

ラウンドロビンの2グループの名は、スタン・スミス・グループイリ・ナスターゼ・グループと名付けられています。この名は往年の名プレーヤーの名を冠したものです(グループ名はその年ごとに違う選手の名前に変わります。)

まず、世界ランキング最上位のノバク・ジョコビッチがスタン・スミス、次位のアンディ・マレーがイリ・ナスターゼに自動的に振り分けられます。つまり、ランキング最上位の2人はラウンドロビンでは絶対に対戦しないようになっているというわけです。

次に振り分けられるのがその次にランキングの高い二人、2016年を例にとってみれば、3位のワウリンカと4位のラオニッチです。この二人をくじ引きによってスミスグループかナスターゼグループへと分けます。

次が5位の錦織と6位のモンフィス、さらに最後に8位のティエムと9位のチリッチ、という風にランキングで近接する2選手をそれぞれ2つの組に振り分けていくのです。

こうすることで上位ランキングばかりが偏ってしまうというリスクを避け、実力者がばらけるようにしているという事ですね。

ちなみに2015年のツアーファイナルのラウンドロビンはこのように組分けがされました。

スタン・スミスグループ   イリ・ナスターゼ・グループ

N・ジョコビッチ(1位)  A・マレー  (2位)
R・フェデラー (3位)  S・ワウリンカ(4位)
T・ベルディヒ (6位)  R・ナダル  (5位)
錦織圭     (8位)  D・フェレール(7位)

2016年はどのようなラウンドロビンの顔ぶれとなるのか、錦織圭選手が一体どちらのグループに入って誰と当たるのか、非常に楽しみですね。

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ラウンドロビンの上位2名が準決勝進出し、勝者が決勝で栄光をかけて戦う

ラウンドロビンで4名の選手が総当たりで戦い、その上位2名づつが決勝トーナメントへと進出することとなります。この時点でベスト4進出という事ですね。

そして準決勝では、スタン・スミスグループの1位選手とイリ・ナスターゼグループの2位選手、スタンスミスの2位選手とイリ・ナスターゼの1位選手がそれぞれ戦い、勝った選手が決勝戦へと進出することとなるのです。

最後まで残った二人がツアーファイナル優勝という栄誉をかけて戦うという事ですね。

ちなみに昨年のツアーファイナルはこのようになりました。

スタン・スミス・グループ  イリ・ナスターゼ・グループ

1位フェデラー 3勝0敗  1位ナダル   3勝0敗
2位ジョコビッチ2勝1敗  2位ワウリンカ 2勝1敗
3位錦織    1勝2敗  3位マレー   1勝2敗
4位ベルディヒ 0勝3敗  4位フェレール 0勝3敗

準決勝
フェデラー  2-0 ワウリンカ
ジョコビッチ 2-0 ナダル

決勝
ジョコビッチ 2-0 フェデラー

錦織選手は惜しくもラウンドロビン敗退となってしまいましたが、ジョコビッチ、フェデラーという新旧王者と同組となった事は多少グループ分けには恵まれなかったともいえるかもしれません。実際にこの二人が決勝進出していますしね(苦笑)。

まあこの辺りの組み合わせの妙もツアーファイナルの醍醐味と言えるんですけどね。

出場給、ラウンドロビン勝利給、決勝進出給、優勝給など賞金も莫大なツアーファイナルズ

シングルスの賞金はかなり凄いことになってます。

その年によって賞金額は違うのですが、昨年2015年を例にとってご紹介しましょう。

まずは試合出場ボーナス。これは予選(ラウンドロビン)の3試合に欠場なく出場すれば、$167,000(約1700万円)が各選手に支払われます。

これとは別にラウンドロビンで1勝する度に$167,000(約1700万円)を手にすることができます。2勝すれば約3400万円、3戦全勝だと約5100万円がもらえてしまうというわけです。

さらに準決勝で勝利して決勝進出ならば$510,000(約5200万円)、決勝で勝って優勝すれば$1,050,000(約1億700万円)が上乗せされるのです。

これを昨年優勝したジョコビッチで計算してみましょう。

出場給$167,000+ラウンドロビン2勝で$334,000+準決勝利$510,000+決勝勝利$1,050,000で、〆て総額$2,061,000!!日本円にして約2億1000万円を手にしたという事です。

たったの5試合で2億1千万を高いと思うか安いと思うかは人それぞれでしょう。何といっても世界で最強の8人の中から選ばれた世界一のテニスプレーヤーなのですから。

ちなみに惜しくも準決勝進出を逃した錦織選手ですが、それでも出場給とラウンドロビン1勝の勝利給を含めて約3400万円を手にしています。これでも十分凄いんですけどね(汗)。

テニスと言えばGAORA!のGAORAが放送するファイナル。地上波放送は?

テレビ放送については、スポーツ専門チャンネル「GAORA」が毎年放映しています。テニス中継といえば、やっぱりGAORAですよね。

地上波では2014年にはテレビ朝日とBS朝日が、2015年にはNHK総合とNHKBS-1が生放送しています。今年も錦織選手の出場は確定していますので、恐らくどの局かが中継するのではないでしょうか。

それにしても、ツアーファイナルが地上波放送で見られる日が来るなんて、10年前には思ってもみなかった事ですよね?

それを思えば、やはり錦織圭選手の活躍というのには、同じ日本人選手として誇らしいというだけではなく、一テニスファンとして感謝してもしきれないですね。

だって錦織選手がいなければ、間違いなく地上波放送でツアーファイナルが見られる日なんて来てませんからね・・

今年のツアーファイナルズについてはこちらの記事をお読みください。

2016ATPワールドツアーファイナルズラウンドロビングループ分けや展望

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