リオ出場逃したなでしこジャパン 五輪予選で見えた日本女子サッカーの課題とは?復活はあるのか?

サッカー女子日本代表・なでしこジャパンのリオオリンピック出場の可能性が完全に消えました。

わずかに残っていたリオ行きの可能性ですが、中国が韓国に勝利した事によって、なでしこが残り2試合を全勝しても届かなくなってしまったためです。

これにより、なでしこが戦う残り2試合は完全に消化試合となってしまいました。

思えば、5年前のワールドカップ優勝以来、なでしこが主要国際大会に出場するのは当然のことだと国民のほとんどが思っていたと思います。

今回のリオオリンピックの予選にしても、男子代表の方はマスメディアもかなりの危機感をもって伝えていましたが、なでしこに関しては男子ほどのネガティヴな報道はなかったように思います。

結果として、五輪出場は厳しいと言われていた男子の方はアジア1位での通過を果たし、比較的楽観的に見えた女子の方は3戦して1勝も出来ずに敗退が決定するという事となりました。

本当に勝負事とはわからないものだなぁとつくづく感じさせられましたね。

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苦難の時代が予想される日本女子サッカー

なでしこは残念ながら五輪出場を逃してしまいました。

選手たちは本当に悔しいでしょう。しかし、本当の戦いはここからと言えるでしょう。

彼女たちというよりも、日本女子サッカー界自身を待ち受ける困難の事です。

女子サッカーの人気は、なでしこの2011年ドイツワールドカップ優勝という快挙から本格的にブレイクしました。

その後もロンドン五輪の銀メダル、そして2015年のワールドカップカナダ大会での準優勝と、大きな国際大会で軒並み素晴らしい成績を残してきました。

ワールドカップドイツ大会で優勝したなでしこは、国民栄誉賞を授与されるという国民的存在までに上り詰めたのです。

なでしこの国際大会での活躍が、日本の女子サッカー人気の起爆剤であり、生命線ともいえるのは間違いないと思います。

その国際大会の中でも、ワールドカップと並んで抜群の知名度と注目度を集めるオリンピック出場を逃したのですから、女子サッカーの人気低迷が心配されるのも無理はありません。

攻撃のオプションと戦術の少なさ、そして起点となるボランチの展開力のなさ

今回の五輪予選を見ていて思ったのが、完全に相手に研究されていたという事です。

ボランチに入った攻撃のキープレイヤーである宮間あやは徹底マークに会い、自由にボールを持たせてもらえずに前線に効果的なパスを供給する事が出来ませんでした。宮間を本来のポジションであるサイドに配置すれば、今度はボランチから前線に展開する選手がいなくなってしまう、と・・。先日引退した澤穂希選手がいた時には、澤選手が攻撃の起点になる事が出来ました。宮間がマークされても後ろの澤が攻撃を組み立てる事が出来たのです。そういう意味でもなでしこの多彩な攻撃の起点となれる選手が2人前後に並んでいたという事は非常に大きいし、相手にとっては厄介な問題であった事でしょう。

しかし、今のなでしこは宮間さえ潰せば攻撃の形を作る事が出来ませんでしたね。宮間徹底マークは相手からしてみれば当然の策であり、日本からしてみれば予想の範囲内であったと思われます。

そういう意味では、宮間が機能しない時の攻撃パターンをこの最終予選まで確立できなかったというのは、監督を始めとしたスタッフの責任が大きいと感じます。

男子W杯2010年の南アフリカ大会を圧倒的な強さで制したスペインが、2014年のブラジルW杯であっさり予選リーグ敗退を喫したのと同じです。あの時もスペインは前回大会とほとんど変わらないメンバーで臨みましたが、相手はスペインを徹底的に研究していました。今回も相手は徹底的に日本をマークしており、プレッシャーによってパスミスをさせられたり、パスコースを読まれてパスカットされ、カウンターを浴びる場面が数多く見られました。

例え同じメンバーでやるにしても、戦術を変えるとか、いくつもオプションを用意するとかしておかなければ、簡単に勝たせてくれるほど世界は甘くありません。今回のなでしこには戦術パターンやオプションが極端に少なかったと思います。

個人でDFを置き去りにできるほどのスピードを持った選手や、セットプレーで無類の強さを誇るような高さを持った選手は残念ながら日本にはいません。だからこそ、決めごととしての攻撃のオプションや戦術は必要だと思います。

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守備の脆さを克服するためにポゼッションサッカーを

澤や宮間を起点として、そこに川澄や大野、大儀見が絡んでいくショートパスを軸とした多彩な攻撃がなでしこの持ち味であり、それを封じられたのが今回の敗因の一つだと思いますが、もう一つ気になったのが守備の脆さです。

この五輪予選ではGKを含めたDF陣の致命的なミスが何度か失点につながっていましたが、そんな大きなミス以前のもっと大きな課題が浮き彫りになりました。

わたしが一番気になったのは、最終ラインの位置が低すぎる事。

最終ラインが引きすぎているので、前線との距離が間延びしてしまって、仮に最終ラインでボールを奪えても素早い攻撃につなげる事が出来なかったり、最終ラインのクリアしたセカンドボールを拾えなかったりしていたことです。

裏を取られるのが怖かったのか、それとも過密日程の疲労を考慮しての戦術だったのかはわかりません。わかりませんが、仮に疲労を考慮したのであれば、これまで同様にポゼッションしながらパスを回して相手を走らせて相手のスタミナを奪う戦術の方が疲労は少なく済むと思います。

フィジカルでは世界の選手に比べて劣っている日本の守備の最良な選択は、やはり戦術的に守るしかありません。ラインを高く保ってオフサイドを取るとか、前線の選手と連動してボールを奪うとか、組織的な守備で防げるかどうかが生命線となります。

しかし、今回は残念ながらそのどちらも徹底されていたようには思えませんでした。

ポゼッションというのは、守備的な側面もあります。相手にボールを渡さなければ、ゴールを奪われる事もないのです。日本が失点を防ぐ方法は、やはりポゼッションを高めるのが一番だと個人的には思います。それには、もっと最終ラインが押し上げて前線との距離をコンパクトに保つのが基本となります。そうすれば選手間の距離も縮まり、奪われてもプレスが効果的に機能するようになるはずです。

ポゼッションは最も効果的な守備でもあるという事をもう一度念頭に置いたチーム作りをすることが、守備を安定させることにつながると思います。

なでしこが蒔いた種は必ず再び日本を復活させる

これから苦難の時代が到来するのが予想される女子サッカー界ですが、なでしこの選手たちが成し遂げてきた偉業という物は、その苦難の時代に光を指すものであると思います。

なでしこの活躍によってたくさんの子どもたちが彼女たちに憧れてサッカーを始めました。間違いなく日本女子サッカーの底辺は広がっています。

彼女たちはあと何年かすれば、なでしこの候補として表舞台に出てくるでしょう。

今回は残念ながら五輪出場を逃してしまいましたが、彼女たちが蒔いてくれた種は確実に芽を出してくるはずです。

なでしこが築いてくれた女子サッカーの歴史は、これくらいで終わってしまうものではないとわたしは信じています。

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