WBC(ワールドベースボールクラシック) 高視聴率のカギはメジャーリーガー?過去3大会の視聴率を振り返る

2006年に記念すべき第一回大会が行われ、2009年、2013年と歴史を積み重ねてきたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。

日本は第1回大会から3回連続の出場を果たし、第1回と第2回大会で連続優勝。第3回大会でも3位に輝いている、日本にとっては非常に縁起のいい大会です。日本はこのWBCでの優勝を大目標に掲げて日本代表チーム(通称:侍ジャパン)を常設化し、親善試合を組むなどして代表強化に努めて来ました。

しかし、2017年3月に開幕する2017ワールド・ベースボール・クラシックにはなにやら暗雲が立ち込め始めているようです。

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ワールド・ベースボール・クラシックは2017で最後になるというアメリカメディアの報道

ネットニュースでこんな記事を見かけました。

WBCが来年の大会を最後に消滅の可能性 米メディア報道

記事の内容をザックリと説明すると、アメリカ大手メディアのCBSが様々な根拠を理由として、2017年に開催される第4回WBCがWBC最後の大会になる可能性を示唆しているというものです。

まあNPB(日本野球機構)や一部野球ファン、それにメディアにとってはショッキングなニュースかもしれません。

NPBや各球団、更にプロ野球ファンにとってWBCは、現時点では競技復帰が決まったオリンピックと並んで最重要視する国際大会であり、プロチームで編成されたドリームチームの真剣勝負はペナントレースとは異質の盛り上がりを見せ、否応なしにプロ野球への注目度を集めるビッグイベントです。

さらにこのWBCを放送するテレビなどのメディアにとってもこのWBCは確実に高視聴率を望めるスーパーコンテンツとして価値の高いものとなっています。

世界の王が監督として参戦した記念すべき2006年第1回大会

ここ日本でどれだけWBCの注目度が高かったのかといえば、過去のWBCにおける日本のテレビ局の視聴率がそれを物語っています。

2006年に行われた第1回WBCでは日テレ、テレ朝、TBSが試合中継を担当しました。初めての大会という事で恐らく放送する各局も手探り状態であったことは容易に想像がつきますが、日本で行われた第1ラウンド3試合(中国戦、チャイニーズタイペイ戦、韓国戦)の平均視聴率は18.9%。決して悪い数字ではありません。しかし全て日本での試合という事もあり、試合時間が日本のゴールデンタイムであったことを考えれば、特段高い数字とはいえないかもしれません。

日本プロ野球界のレジェンドであり、ホームラン世界記録を持つ「世界の王」こと王貞治を監督に据え、メジャー組からはイチローと大塚晶則が参加。さらにNPBからも松坂大輔や上原浩治、松中信彦や青木宣親、福留孝介らを揃えたメンバーはまさにドリームチーム。

しかしこの第1ラウンドではまだ後に視聴率記録を作るほどの盛り上がりは見せませんでした。3試合目に韓国に負けたことは後の盛り上がりへの序章だったのかもしれませんが。

韓国への連敗、デービッドソンの大誤審等で決勝キューバ戦は野球史上最高視聴率に

アメリカで開催された第2ラウンドではさらに視聴率が落ちてしまいます。第2ラウンド3試合(アメリカ戦、メキシコ戦、韓国戦)の平均は15%を下回ります。しかしこれは第1ラウンドとは対照的に試合時間が日本時間の早朝~午前開始だったという事が大きいでしょう。それを考えれば悪くない数字とも言えますね。

この第2ラウンドは非常にドラマチックなものでした。アメリカ戦での西岡剛のタッチアップをアウトとされたボブ・デービッドソンの判定は世紀の大誤審として物議を醸し、さらに韓国には2試合続けての敗戦を喫します。この時のイチローの発言や態度に対して韓国のメディアやファンがイチローに執拗なバッシングを行ったのは記憶に新しいところですね。これらのヒール役(?)の出現と、1勝2敗という絶望的な成績でありながらも失点率で奇跡的に準決勝進出を果たすというミラクル(通称:アナハイムの奇跡)によって、俄然WBCは注目を集め、ファンもマスコミも盛り上がりを見せる事となったのです。

準決勝の相手は2度敗れている韓国との試合。この試合で日本は3度目の正直とばかりに6-0の完勝で韓国を下し、決勝進出を決めました。この試合もお昼の試合だったにもかかわらず平均視聴率は36.2%という驚異的なものでした。

そして決勝戦はキューバとの試合。この試合もお昼前からの試合でしたが、平均視聴率は何と43.4%!!。試合は日本が乱打戦を制して10-6で快勝。記念すべき第1回大会の王者に輝きました。そして驚くべきは優勝決定の瞬間、午後2時58分に記録した瞬間最高視聴率56.0%というとんでもない数字です。この視聴率は野球中継の記録となっています。それだけの熱だったという事ですね。

監督問題で二転三転、中日ドラゴンズの選手辞退等で揺れた2009第2回大会

日本の劇的な優勝から3年後の2009年、第2回WBCが開催されました。

この大会は監督選びから難航しましたね。当初は北京五輪代表監督の星野仙一氏が有力だったのですが、世論の反発などもあり、星野氏は身を引いて最終的には巨人軍監督の原辰徳氏に決定しました。

しかしメジャーリーグ組は前回を上回る5人(イチロー、城島健司、松坂大輔、福留孝介、岩村明憲)が参加、NPB組もダルビッシュ有、田中将大、岩隈久志、藤川球児、杉内俊哉、涌井秀章らの豪華投手陣を編成。野手陣も小笠原道大、阿部慎之助、内川聖一、稲葉篤紀、中島裕之らを揃える、まさにオールジャパンのドリームチームでした。

しかしこの大会では選手選考に関する問題も少なからず取り上げられましたね。中日ドラゴンズからは誰も選ばれませんでした。第1次候補選手には5人選ばれたのですが、全ての選手が辞退したのです。この辞退表明には監督である落合博満氏の意向が強く反映されていたともいわれており、この中日の参加選手無しという異常事態には賛否両論が巻き起こりました。

北京オリンピックでは金メダルを期待されながらまさかのメダルなしに終わったプロ野球選手で編成された日本代表。

そのリベンジを期待されて第2回WBCに連覇をかけて臨む事となったのです。

テレビ朝日は開局初の快挙を達成。TBSも軒並み高視聴率をマークした2連覇達成

第1回優勝が記憶に新しいだけに、第2回WBCは東京の第1ラウンドから熱狂的な盛り上がりを見せました。

テレビ朝日が放送した3試合(中国戦、韓国戦、韓国戦)の平均はなんと33.3%!!。ゴールデンタイムといえども驚異的な数字です。どれほど国民的な人気だったかを示す数字ですね。この視聴率によってテレ朝は週間平均視聴率が開局以来初となる1位を記録。社員食堂が無料開放されたのは伝説となっています。

そして第1回と同じくアメリカで行われた第2次ラウンドへ進んだ日本代表。時差の関係で全ての試合時間が早朝からお昼にかけての時間帯だったのですが、3月20日に行われた韓国戦で平均40.1%を記録するなどし、第2ラウンド全試合を中継したTBSもまさにほくほく状態(死語w)でした。ちなみにこの試合が第2回WBCの試合別最高視聴率となりましたね。ちなみに第2ラウンド以降の全ての試合はTBSが放送しました。

そして快勝した準決勝のアメリカ戦では平均28.7%。韓国と4度目の対決となった決勝戦では平均36.4%、瞬間最高45.6%を記録します。前回の決勝キューバ戦には視聴率で及ばなかったものの、試合内容はまさに死闘と呼ぶにふさわしいものでしたね。

追いつ追われつのシーソーゲームで延長戦に突入。最後はイチローが意地の決勝タイムリーで勝ち越し、それをダルビッシュが守り抜くという、まさにプロ野球ファンにとってはアニメの世界のようなドラマチックな試合でした。この勝利によって日本はWBCで連続優勝という快挙を達成したのです。

この第2回WBCでは第1ラウンドでは前回第1回よりも平均で15%以上視聴率を伸ばし、第2ラウンド以降も約3%上積みしています。

第1回よりもさらに若返ってイケメンスターたちを揃えたのも大きかったかもしれません。とにかくこの優勝によって、間違いなくWBCは「日本に」定着しました。特にメディアにとっては、まさに「キラーコンテンツ」と呼ぶにふさわしいイベントに成長したと言えるのではないでしょうか。

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メジャー組不在で盛り上がりに欠ける中臨んだ山本浩二率いる侍ジャパン

劇的な2回連続優勝を飾った2009年から4年後の2013年、WBCは第3回大会を迎えました。

日本代表侍ジャパンは、この第3回でも代表チーム編成に紆余曲折を余儀なくされましたね。

第3回WBC日本代表監督に選出されたのは元広島東洋カープ監督の山本浩二氏。前回は現役監督である読売ジャイアンツの原辰徳監督だったのですが、今回は現役監督では難しいという事となり、プロ野球OBであるミスターカープの登場となったわけです。

選手選考に関しては、参加要請をしていたメジャー組の6選手(イチロー、黒田博樹、ダルビッシュ有、青木宣親、岩隈久志、川崎宗則)全てに断られるという事となり、全選手を日本プロ野球球団所属選手で編成せざるを得ないという苦境に立たされることとなります。

投手陣の中心は前回大会でも活躍した田中将大、杉内俊哉、内海哲也、涌井秀章らに前田健太や澤村拓一らを加えたメンバー。野手陣も前回主力の内川聖一や阿部慎之助、稲葉篤紀らを中心として、中田翔や坂本勇人、糸井嘉男らを加えたフレッシュなメンバーで臨む事となったのです。

ハッキリ言って、この第3回大会は第2回と比べると始まる前から盛り上がりに欠けていましたね。熱が上がらなかったというか。メディアは宣伝するのですが、ファンとの温度差は明らかだったと思います。

原因はやはりメジャー組の辞退が大きいと思いますね。メジャー組とNPB組で編成するドリームチームという構図は大きな魅力でしたから。監督の山本浩二氏というのも第1回の王貞治氏、第2回の原辰徳氏に比べれば話題度的には地味だった感も否めませんでしたね。

準決勝でプエルトリコに敗れ初めて優勝を逃し、視聴率も期待外れに終わった2013第3回大会

メジャーリーガー不参戦という中での布陣で2013年の第3回大会に挑んだ侍ジャパン。

前回大会までは東アジアの国同士で行われた第1ラウンドでしたが、第3回大会からは地域が違う国も一緒になる方式に変更されたという事もあって、日本の対戦相手はキューバ、中国、ブラジルでした。この第1次ラウンドは日本の福岡で行われ、いずれも平均視聴率20%以上だったものの、どの試合も30%には届かず、前回大会を視聴率的にはるかに下回る事となりました。

前回までと変更になったのは第2ラウンドも日本で行われたという点もそうです。

第2ラウンドの日本の対戦相手は台湾、オランダ、オランダというものでした。

台湾戦が平均26.5%、最初のオランダ戦が34.4%で二度目のオランダ戦が30.4%という数字でした。第2ラウンドは過去2回を超えましたが、これは時間帯がゴールデンであったという点が大きいでしょう。過去は日中でしたから単純比較はできないですね。

そしてサンフランシスコに渡っての準決勝はプエルトリコとの対戦となりました。この試合で日本は1-3の敗戦を喫し、初めてWBC優勝を逃す事となってしまいます。ちなみにこの試合の平均視聴率は20%を大きく下回るというものでした。

過去2回の驚異的な視聴率を考えれば、視聴率的には期待を大きく裏切る結果となったといってもいいかもしれません。その原因は何だったのでしょうか。

個人的にはやはり色々な意味で盛り上がりに欠けたという他理由が見つかりません。

メジャーリーガーの全員辞退、何だかんだで盛り上がってしまう日韓戦が1試合も無かったことなどが主原因だと思います。とはいっても凄い視聴率なんですけどね。コンテンツとしては優秀なのですが、以前の2大会があまりにも凄すぎですよね。

2017第4回視聴率のポイントはメジャー参加の成否 正念場を迎える小久保ジャパン

最後の大会となるかもしれな2017ワールド・ベースボール・クラシック。

強化試合と銘打って今年も数試合を組んでテレビ中継もしていましたが、視聴率的には一桁にとどまった試合がほとんどでした。まあ、あくまで強化試合ですからそんなものかもしれませんが、今の日本プロ野球界の一流どころが集まっている事を考えれば少し寂しい数字と言えるのも確かです。

2017年の第4回大会では第1回、第2回の時のような国を挙げての熱狂的な盛り上がりを取り戻す事が出来るのでしょうか。既に侍ジャパンを率いるのは、昨年の「プレミア12」と同じく小久保裕紀監督であることが決定しています。

個人的にカギを握ってくるのはやはりメジャーリーガーの参加ではないかと思っています。

イチロー、ダルビッシュ、マー君、マエケンといったメジャー組と、大谷翔平や山田哲人、筒香嘉知などの国内組とのドリームチームがやっぱり見たいんですよねえ。

本当の意味での日本最強チームが組めるかどうかが第4回大会の日本国内での盛り上がりに大きく関係するのは間違いないでしょう。

今から放送するテレビ各局はメジャーリーガーの動向を祈るような気持ちで見ているかもしれませんね。

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