プロ野球メジャー移籍のポスティングシステム解説 FA制度との違いは?日本球団からMLBへの移籍方法

日本の国技ともいえる歴史と人気を誇っているプロ野球。その人気はまさに国民的スポーツと呼んでも差し支えないでしょう。

野球が国技といえば、ベースボール発祥の地であるアメリカももちろんそうです。

1980年代までは全く別世界といってもいい存在だった両国のプロ野球ですが、現在では毎年のように海を渡ってアメリカメジャーリーグに挑戦する日本人プロ野球選手の話題で盛り上がっている事からわかるように、日米の選手の行き来も昔に比べれば随分と道が開かれたという印象ですよね。

そんな日本からアメリカメジャーリーグへの挑戦への手段として注目されているのが、「ポスティングシステム」なのです。

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2017年現在、日本プロ野球界の選手がMLBに挑戦する方法とは

2015年の前田健太、2013年の田中将大を始めとして、ダルビッシュ有や松坂大輔、イチローなどの名選手たちが過去にこのポスティングシステムでメジャーリーグへの移籍を果たしました。

日本ではスポーツニュースなどでよく聞くこの「ポスティングシステム」という言葉ですが、案外その詳細は知られていないのが実態ともいえます。ここでは、日本プロ野球界からメジャーリーズベースボールへ移籍する際のポスティングシステムについて説明していきたいと思います。

日本プロ野球球団所属の選手がメジャーリーグに挑戦するためには大きく分けて2つの方法があります。以下がその2つの方法です。

・フリーエージェント選手となる

・ポスティングシステムを活用する

ポスティングシステムを説明する前にまずはこのうちのフリーエージェント制について簡単に説明しておきましょう。上記2つの違いはハッキリと知っておかなければいけないのです。

NPB(日本プロ野球)選手がメジャー移籍の出来る海外FA権を手にする条件

フリーエージェント制度(FA制度)というのは、日本プロ野球12球団に所属している選手がフリーの選手となり、自由に好きな球団へと移籍できる制度の事です。

もちろんフリーエージェント選手(FA選手)となって自由移籍できるようになるには条件があります。その条件をクリアする一流の選手のみに与えられる権利、それがフリーエージェント制なのです。

フリーエージェント権(FA権)取得方法 国内移籍のFA権
2006年(平成18年)までのドラフトで入団した全選手:累計8年(通算1160日)経過で取得
2007年(平成19年)以降のドラフトで入団した高校生選手:累計8年経過で取得
2007年(平成19年)以降のドラフトで入団した大学生・社会人選手:累計7年(通算1015日)経過で取得
海外移籍のFA権
全選手が累計9年(通算1305日)経過で取得

とまあ、表に纏めると上図のようになるのですが、この記事では日本プロ野球界からメジャーへの移籍という事なので、図の中の「海外移籍のFA権」という枠内が対象となります。つまり、累計9年間経過でFA権取得という事ですね。

1年間上限145日間の1軍選手登録を9年間、累計1305日間の1軍選手登録という条件をクリアした選手はフリーエージェント選手となり、日本以外の海外リーグの球団とも自由に交渉することが出来、移籍も自由に出来るという事です。何の制約も受けずに大手を振ってメジャーにもいけるというわけですね。

立場的にフリーではない球団所属選手のメジャー移籍方法がポスティング

ポスティングシステムとFA制度との違いを明確にするために、まずは日本におけるFA制度を簡単に説明しました。ここからは本題のポスティングシステムについて説明します。

日本でよくいわれるポスティングシステムとは、一般的には「FA(フリーエージェント)の権利を有さない日本プロ野球球団に所属する選手がメジャーリーグ球団へ移籍するため」のシステムです。

FAの権利を取得してフリーエージェントになってしまえば、どの球団にも属さないフリーの立場で好きに球団を選んで移籍出来るようになるのですが、このポスティングシステムはFAになる前にメジャー挑戦したい選手のための制度(現時点では圧倒的にメジャー移籍への用途となっている)なのです。

つまり、

・条件を満たしてフリーの立場となってメジャー移籍するFA

に対して、

・フリーでない日本球団所属選手がメジャー移籍するポスティング

という違いというわけなのです。

選手がメジャーへの移籍を希望し、球団が認めればポスティングシステムが可能に

ポスティングシステムの概要は以下の通りです(日本の球団からメジャー球団へ移籍するという前提での説明)

まず、ポスティングで移籍希望の日本人選手の所属する日本球団がメジャーリーグにその旨を通告します。その際、その日本球団はポスティング移籍するための譲渡金(移籍金)の金額を設定します。上限は2000万ドル(110円/$換算で約22億円)となっています。ポスティング移籍がまとまったメジャーリーグの球団はこの譲渡金を、選手が所属していた日本球団へと支払うのです。その支払いが行われると、日本球団はその選手の保有権を手放すこととなり、選手は自由契約選手として公示されることとなり、海外へ移籍するのに支障がなくなるというわけです。

譲渡金を日本球団に支払って、そのポスティング移籍希望選手と契約したいという球団と選手とは期限内(通告から30日以内)に自由に交渉すことが出来ます。複数球団が獲得を名乗り出た場合は全ての球団と交渉することが出来、選手が契約球団を選ぶことが出来るのです。

もちろん、この制度は日本人選手がポスティングでのメジャー移籍を訴えたとしても、所属している日本球団が首を縦に振らなければ実現しません。手が希望して球団が認めてくれた場合のみ、ポスティングシステムは発動して移籍することが出来るのです。さらにいえば、ポスティングシステムが球団から認められても、お金(譲渡金)を払って契約してくれるメジャーチームがなければ、これまた移籍はできません。

というわけで、フリーエージェント移籍とポスティングシステムの一番の大きな違い、それは日本球団の許可がいるかいらないかという点なのです。

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球団がポスティングを認めるメリットはFA移籍では得られない譲渡金(移籍金)

ここまでポスティングシステムの説明を聞いてきた方たちの中には、球団が何故あえてポスティングを許可するのか不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。

貴重な戦力を、FA取得する前に何故海外の球団に手渡してしまうのか??という疑問です。

これは簡単です。

フリーエージェントでメジャーなどの海外の球団へ移籍された場合、出て行かれた球団には一銭のお金も入りません。一人の有力選手を失うだけというのが現状です(国内移籍なら選手やお金が入りますが)。

しかしポスティングであれば、選手は失いますが譲渡金を手にすることが出来るのです。

例えば、海外FA権をあと1年でほぼ間違いなく獲得する選手がいたとしましょう。その選手はメジャー志向が強く、海外FA権を取得すればほぼ間違いなく海外移籍(MLB移籍)という状態です。残留の可能性はほぼ0%に近いという状況です。

そうなれば、球団によってはFAになって選手をむざむざ失うよりは、選手を失うのが1年早くなったとしても、ポスティングで譲渡金を貰った方がいいという考え方をする球団も当然出てきます。

メジャー移籍を希望する選手は当然ながら1年でも早くメジャーへ移籍したい。球団はフリーエージェントになってタダで出ていかれるくらいなら金銭を貰った方がいいと考える。

選手と球団、どちらの利害も一致するからこそ成り立つシステムともいえます。

とはいえ、12球団の中には選手がどれだけ希望したとしてもポスティングシステムを認めない球団も何球団かはあります。「海外移籍したければフリーエージェントとして行きなさい」というスタンスの球団です。こういう考え方ももちろん当然ありですよね。

というわけで、ポスティングで移籍できるかどうかは、どの球団に属しているかというのもかなり重要な要素になっているというのが現状なのです。

日本ハムの二刀流・大谷翔平選手のメジャー移籍はポスティングシステム?

一部メディアやネットなどでは、2017年のオフには日本ハムの二刀流、大谷翔平選手のポスティング移籍が確実であるという声が根強くありますよね。

実際に日本ハムは過去2011年に当時のエースだったダルビッシュ有投手のポスティング移籍を認めた実績があります。

もちろん今年どのような成績を大谷選手が残すのかという事や、大谷選手のケガ等、不確定要素もあるでしょうが、今年の移籍とはならなくても遅かれ早かれ大谷選手がメジャー移籍するのは間違いないでしょう。何せ入団前からメジャー志向の強さは人一倍だった選手ですしね。

というわけで、今年のオフはポスティング移籍がまた脚光を浴びそうなこととなりそうです。日本プロ野球界からしてみれば当然大きな損失なのですが、プロ野球ファンからしてみれば、大谷の二刀流がメジャーで通用するのか??見てみたい気持ちも大きいですよね。本当に心中複雑な制度です(苦笑)。

ちなみに、過去のポスティングシステムでの入札金額の多かった日本人選手については以下の記事で

歴代日本人メジャーリーガーで一番高額な移籍金(入札金)は?

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