地上波テレビ放送激減のプロ野球は既にオワコンなのか?ポストシーズンや国際試合、娯楽の多様化が人気低下の原因?

2月1日はプロ野球のキャンプインの日。いわば、プロ野球界にとっては元日のようなもので、この日が1年のスタートともいえる特別な日です。

そんなプロ野球界ですが、取り巻く状況は非常に厳しいと言わざるを得ません。

キャンプイン直後の2月2日には元プロ野球選手の清原和博容疑者が覚せい剤所持の疑いで逮捕されました。昨年、野球賭博に関与したとして世間を賑わせた記憶も冷めやらないうちのこのニュース。現在はプロ野球界とは関係ないとはいっても、プロ野球界のイメージダウンは避けられないでしょう。

おまけに、前身の「プロ野球ニュース」から40年の歴史を持つスポーツ情報番組、フジテレビの「すぽると!」が3月をもって終了する事が発表されました。これで平日帯のスポーツ専門番組が無くなってしまいました。プロ野球関連のニュースが激減する事は避けられません。

プロ野球中継も地上波からほとんど消えかかっています。かつてはドル箱と呼ばれるほどの高視聴率を誇った巨人戦も、クライマックスシリーズや日本シリーズ以外は1桁視聴率が当たり前となっています。もはや系列会社の日テレのコンテンツの中でもお荷物と化しており、今年は昨年よりも更に減る事が確実視されています。

プロ野球ファンにとっては何とも歯がゆい状況が続いていますが、この先プロ野球はどうなってしまうのでしょうか。巷の一部で言われているように、既にプロ野球自体がオワコンとなってしまっているのでしょうか。

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時代の流れとともに多様化していく娯楽

プロ野球の視聴率低下は、何もプロ野球自体の問題だけではないような気がします。むしろ、時代の変化という側面が大きいでしょう。

巨人が国民的人気を誇った数十年前は、日本のプロスポーツといえば、野球と相撲だけ(相撲は便宜上、あえてスポーツと言わせてください涙)でした。テレビ中継も地上波のみ。

今や日本にもサッカーを始めとして様々なプロスポーツが誕生しています。さらに、BS,CSの普及によってあらゆるジャンルのスポーツが視聴可能となり、さらに世界のプロスポーツリーグも楽しめる時代となりました。

娯楽が多様化してしまったのです。さらに現在はインターネットがあります。SNSも隆盛しています。DSやPSなど、あらゆるゲーム機があり、多種多様なゲームソフトもあります。娯楽の一番手が地上波テレビであった時代とは違うのです。そしてそのテレビで見られるスポーツがプロ野球(巨人戦)と相撲くらいであった時代とも違うのです。

さらにプロ野球界のトップ選手のメジャーリーグ流出も大きな原因でしょう。昔はメジャーリーグなど遥か遠い異次元の世界であったのが、気軽にテレビで見られるようになりました。そして日本のトップ選手がメジャーに挑戦する事も当たり前となりました。成功する選手もいますが、失敗して日本に帰ってくる選手も大勢います。

日本で無双していた選手が全くメジャーで通用せずに帰ってきて、また日本で活躍する。実際に実力不足でメジャーでは成功できなかったのかは別として、ファンからしてみれば、日本のレベルどうなの?と思ってしまっても無理のない事だと思います。つまり、日本プロ野球界は頂点ではなく、メジャーリーグこそがプロ野球界のトップであるという認識が多くの野球ファンに広まってしまったと思うのです。情報化社会の発達、グローバリズムの浸透が招いた悲劇とも言えるでしょう。

この時代の流れを無視して、プロ野球を叩くのはいささか無理筋である気がするのですがどうでしょうか。

しかし、この時代の流れを理解せずにこれまで通りのやり方で、昔の古き良き時代をもう一度と各球団が思っているようであれば、プロ野球界に未来はないというのは間違いのない事でもあります。

では、時代の流れとともにこの先プロ野球界が生き残っていくために改善すべき点はどのようなところなのでしょうか。

ポストシーズンの見直しを

まず第一に、クライマックスシリーズは廃止すべきだと思います。シーズン2位や3位だったチームが日本シリーズに進むかもしれないというのは、やはりどう考えても理不尽です。消化試合の減少や、ポストシーズンの試合が増える事による盛り上がりなどのメリットも分かりますが、大きく言えばやはりデメリットの方が大きいと思います。

これならば、以前パ・リーグが採用していた前・後期制の方がまだ理屈に適っています。前期優勝チームと後期優勝チームがリーグ優勝をかけて戦う方がまだ選手もファンも納得がいくのではないでしょうか。もしも前期も後期も同じチームが優勝したのであれば、シーズンを通して2番目に成績の良かったチームと決定戦を行えばいいのではないでしょうか。その時はもちろん、前後期優勝チームに1勝か2勝のアドバンテージをつけて。

とにかく、シーズンを1位で終わりながら、日本一決定戦に出られない可能性が多分にあるこの制度は一刻も早く廃止するべきだと思います。もちろん、昨シーズンから前後期制を採用し、どちらにも優勝できなかったチームにも優勝の可能性を与えるJリーグの制度変更にも同じ理由で断固反対ですが(苦笑)。

観客を満員に出来て、テレビなどの放映権料も見込めるクライマックスシリーズが球団にとって重要な収入源になる事は十分承知していますが、長い目で見た場合、やはり肝心なシーズン本番の存在意義に疑問を持たれる方が痛手になるような気がします。

プロ野球界は勇気をもってポストシーズン制度を見直すべきだと思いますね。シーズン優勝チームにもっと敬意を払うべきです。

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侍ジャパンもプロ野球衰退の原因?

もう一つ、個人的に思うプロ野球の衰退の大きな原因があります。

それは、野球日本代表の存在です。昨今はサッカーと同じように野球も「侍ジャパン」という名を冠した代表チームを結成して、色々な国際試合に参加しています。

20年以上前の昔はオリンピックに派遣するチームはあくまでアマチュアチームであり、ワールドベースボールクラシック(通称WBC)やプレミア12といった大会もない時代でした。しかし、プロ野球選手のオリンピック派遣の解禁を機に、国際大会にはプロ野球オールスターチームで参加するのが当たり前となっています。

確かに第1~3回のWBCやプレミア12、オリンピックなどは通常の野球中継の数倍の視聴率を記録するほどの盛り上がりを見せています。しかし、このプロ野球の代表チーム結成による国際試合参加は諸刃の刃であると考えます。

全日本プロレス社長であり、大レスラーでもあったジャイアント馬場は、ライバル・アントニオ猪木率いる新日本プロレスとは結局、大規模な対抗戦をしませんでした(1990年の『スーパーファイトin闘強導夢』に選手派遣はしたが、結局大物同士の対決はなし)。再三、新日本の猪木がマスコミなどを使って対決を煽りましたが、馬場は全く相手にせず、結局存命中は実現しませんでした。

この理由としては、まず馬場が猪木を信用していなかったというのが大きかったと言われていますが、もう一つ大きな理由があります。

ジャイアント馬場は生前こう語っています。「対抗戦は麻薬のようなもの。確かに対抗戦をすれば盛り上がって客は入るし注目も浴びる。しかしその後必ず反動が来る。対抗戦以外の団体内の戦いにお客さんは満足できなくなる。結果的には衰退していく」と。

プロ野球の国際試合参加も同じではないでしょうか。確かに各チームのスター選手がドリームチームを作って他国の代表と戦うというのは、非常に胸が高鳴ります。盛り上がるし、話題も独占できるでしょう。しかし、その反動は通常のプロ野球のペナントレースに現れるのではないでしょうか。

オールスターチームの国際試合という極上の興奮を味わってしまった野球ファンが、ペナントレースの球団同士の対戦では満足できなくなってしまう、という風にも考えられます。

これだけビジネスとして成立してしまっている以上、難しいのは百も承知なのですが、プロ野球のオールスターチームはせめてオリンピックだけにする、とかという方法に戻すというのも有りなのではないかと思います。実際にメジャーリーガーが参加するのはWBCだけですしね(そのWBCも辞退するメジャー選手が続出で、決して各国の最強チームではない)。

長期的な視点でペナントレース第一に考える

一つだけ言えることは、上に記したクライマックスシリーズ制の導入や、「侍ジャパン」での国際試合参加というのは、あくまで短期的な視点での盛り上がりだという事ではないかという事です。

プロ野球の本分は何といってもペナントレース。ここが盛り上がらなくてはプロ野球界の未来もくそもありません。クライマックスシリーズも「侍ジャパン」も、その試合自体は非常に盛り上がるのですが、長期的に見た場合、ペナントレースに対して副作用をもたらすものだとわたしは思います。

「国家百年の計」とまでは言いませんが、是非とも日本プロ野球界には、その場しのぎの戦略ではなく、もっと中長期的な視点でプロ野球界を盛り上げていってほしいものだと思いますね。

プロ野球が日本のプロスポーツの中での圧倒的存在であった時代を取り戻す事は恐らく難しいでしょう。恐ろしい速度で進化を続ける情報化社会の発達と、それに伴う娯楽の多様化、そしてこれからますます広がるであろうグローバリズムはもう止める事は出来ません。

となれば、その中でどう生きていくか、を考えなくてはならないのですが、本当に難しい問題ですよね(涙)。

根本的に変えなければならない部分も多々ありますが、それはまた別の機会にでもご紹介したいと思います。恐らくこの倍以上の文字数を割かなければならないので(苦笑)。

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