ジャスティスこと田中投手を12球団が1位指名?過去の指名競合選手とドラフト制度の功罪についてちょっとだけマジメにw

今年の夏の甲子園を沸かせたヒーローと言えば早稲田実業の1年生・清宮幸太郎選手ですが、この怪物スラッガーが3年生になる2017年のドラフトでは一体何球団の1位指名になるのかなんて事まで早くも議論されていますね。

しかし、2年後などとは言わず、来年2016年のドラフトでもとんでもない怪物が控えているのです。

 

創価大3年生の田中正義投手です。

 

ネットなどではジャスティス(英語で正義という意味)などと呼ばれている(名前の読みは「まさよし」ではなく「せいぎ」)、文句なしの来年のドラフトの目玉です。

 

創価大・正義にGスカウト仰天「10年大魔神できる!」完投翌日に16人11K

この記事の中で日ハムのスカウトは「12球団1位でも全く驚かない」というほどの逸材であると述べています。

12分の1と言うと、確率は約8.3%。そんな低確率だとしても各球団が取りに行く価値のある投手だと、現時点ではプロの目から見ても認識されるくらいの選手であるという事です。

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過去のドラフトにおける1位指名競合選手たち

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日本プロ野球のドラフト会議における最多球団指名競合選手は、1989年の野茂英雄(新日鉄堺)と、1990年の小池秀郎(亜細亜大)の8球団です。

野茂英雄(新日鉄堺)

近鉄、大洋、阪神、ヤクルト、ダイエー、オリックス、ロッテ、日本ハムの8球団競合で近鉄が交渉権獲得。

近鉄入団後の1年目から最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振の投手4冠に輝き、MVP,新人王、沢村賞などタイトルを総なめする。

その後1995年にはアメリカに渡り、ロスアンゼルス・ドジャースへ入団。ここでも、1年目から最多奪三振と新人王を獲得。その後は延べ8球団を渡り歩き、アメリカン・リーグとナショナル・リーグ両方でノーヒット・ノーランを達成するなど、メジャーにおける日本人選手の価値を高め、日本人選手のメジャー挑戦への扉を開けたパイオニアと言われている。

日本プロ野球通算 78勝 メジャーリーグ通算 123勝 計201勝

 

ちなみに、野茂の抽選に敗れた外れ1位指名選手の中には、大洋に入団しハマの大魔神として活躍した佐々木主浩や、ダイエーに指名され、後に巨人で長嶋監督から「くせ者」と呼ばれる事となる甲子園のアイドル・元木大介(入団拒否)、ドラフト指名後の「心は一つです!!」の言葉と鮮やかなパンチパーマで一躍時の人となったパンチ佐藤こと、オリックス・佐藤和弘などがいます。

その他にもこの年のドラフトは史上空前の当たり年と言われており、1位指名だけでも、佐々岡真司(広島)、与田剛(中日)、小宮山悟(ロッテ)、潮崎哲也(西武)らの後のエース級となる選手たち。1位以外でも、球史に残る名捕手・古田敦也(ヤクルト2位)、日ハムのエース・ガンちゃんこと岩本勉(日ハム2位)、近鉄いてまえ打線の核となる現参議院議員・石井浩郎(近鉄3位)、巨人・近鉄で長距離砲として活躍した帝京高校の優勝投手・吉岡雄二(巨人3位)、打撃の求道者であり、天才打者と呼ばれた前田智徳(広島4位)、自他ともに認めるスーパースター・新庄剛志(阪神5位)、元木大介と共に甲子園を沸かせたいぶし銀、上宮高校・種田仁(中日6位)などなど。

凄いですなぁ。これに匹敵する当たり年と言えば、名球会選手8人を排出した1968年くらいでしょうが、残念ながらこの頃はまだウエーバー制でくじ引きの無かった頃なのでここでは割愛させていただきます(め、面倒くさいからじゃないからねっ)。

小池秀郎(亜細亜大学)

ロッテ、広島、中日、ヤクルト、阪神、西武、近鉄、日本ハムの8球団競合でロッテが交渉権獲得。

ロッテが交渉権を獲得するも、小池は入団を拒否して社会人・松下電工へ入社。2年後のドラフトで近鉄から1位指名を受け入団する。

プロでは延べ4球団を渡り歩き、1997年には最多勝を獲得するなど、NPB通算51勝。

 

うーん、当時ドラフトでロッテに決まった瞬間の小池選手の会見場での顔は今でも鮮烈に覚えてますね。会見場はまさにお通夜状態でした。

当時のロッテ監督は金やん(400勝投手・金田正一)で、巨人・ヤクルト・西武志望であった小池の意向を尊重したロッテのスカウトは、事前に小池選手には指名しない旨を伝えていたにも関わらず、ドラフト会場で金やんが指名用紙を奪って小池指名を決めたらしいです。その結果、約束を反故にされた小池選手は態度を硬化させ、入団拒否・・・と。金やんらしい逸話と言えばそれまでですなぁ(笑)

結局2年後にはプロ野球界入りするのですが、2年間の社会人時代に故障に見舞われて2度目のドラフト時にはかなり力が落ちていたと言われています。

結果論になってしまいますが、ロッテ指名の段階でプロに入っていればどんな成績を残したのか・・・ドラフトのifとして、非常に興味があるのは自分だけではないでしょう。

 

福留孝介(PL学園)

1995年のドラフト会議において。

近鉄、巨人、中日、ヤクルト、日本ハム、ロッテ、オリックスの7球団競合で近鉄が交渉権獲得。

近鉄が交渉権を獲得するが、巨人と中日が意中の球団であった福留は入団を拒否して社会人の日本生命へ入社する。

3年後のドラフトにおいて、逆指名制度で中日へ入団。

初年度からレギュラーとして活躍し、リーグ優勝に貢献。4年目には松井秀喜の三冠王を阻止して首位打者を獲得するなど、球界を代表する選手へと成長。2008年からメジャーへ活躍の場を移し、2013年から日本プロ野球に復帰し阪神へ入団、2015年現在、現役として活躍中。

2015年現在で日本プロ野球通算安打数 1435 本塁打数 227 メジャー通算安打数 498 本塁打数 42 日米通算安打数 1933 本塁打数 269

 

7球団競合に恥じない、見事な成績ですね。

しかし、小池選手と同じくこの福留選手も拒否して社会人へ行ってしまうんですよね。

当時7球団によるくじ引きの結果、当たりくじを引き当てた当時近鉄の佐々木監督は嬉しさのあまり、会場に響き渡るほどの大声で

「よっしゃあぁぁぁぁぁっ!!!」

と叫びました。

対照的に映し出される福留選手の凍り付いた表情・・・ドラフトの諸行無常を嫌と言うほど感じさせる場面でしたね(涙)

佐々木監督の魂の叫びも虚しく、福留選手は社会人へと進むのであります(名付けて「よっしゃあの変」)。

ちなみにこの7球団競合というのは、高校生の指名重複における最多競合数です。

 

ちなみに、これ以外の重複指名を多い順にみてみると

1979年 岡田彰布 (早稲田大学) 6球団
1985年 清原和博 (PL学園)  6球団
2007年 大場翔太 (東洋大学)  6球団
2009年 菊池雄星 (花巻東高校) 6球団
2010年 大石達也 (早稲田大学) 6球団
1986年 近藤真一 (享栄高校)  5球団
2007年 佐藤由規 (仙台育英高校)5球団
2007年 長谷部康平(愛知工大)  5球団

額面通りの働きをした選手もいれば、実績を残せていない選手もいますね。実力世界の性と言えばそれまでですが。

なお、2007年の大場・長谷部両選手は大学・社会人ドラフトでの重複、佐藤選手は高校生ドラフトでの重複であり、全ての選手対象のドラフトとはまた条件が異なっているので参考記録といったところでしょうか。

ドラフト会議の是非

悲喜交々のドラフト会議は、日本プロ野球界における一大イベントとして完全に日本に定着し、ストーブリーグの風物詩と呼んでも過言ではないものとなっています。最近では、ドラフト会議当日に特番が組まれ、指名された選手やされなかった選手の個別の人生を追ったドキュメンタリー風の番組まで放送されています。

FA制度が導入され、実績を残せば球団を選べるようになった現在では以前に比べて語られる事が少なくなりましたが、やはりこのドラフトの是非を巡る議論と言うのは依然として根強いものがあります。

ドラフト賛成派の意見としては、

・プロ野球界の戦力均衡のため
・自由競争におけるマネーゲームを防ぐため

というのが主な意見であり、

ドラフト反対派の意見としては、

・職業選択の自由に反するのではないか
・希望球団への入団が困難になる事からの人材流出

などが争点となり、他にも様々な意見があり議論が続けられています。

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悔いの残らないプロ野球人生を送れますか?

 

自分なりの個人的な意見を言わせてもらいます、あくまで個人的な意見を。

まず、ザックリ言うとドラフト制度には反対です。

賛成派の主張である、「戦力均衡の維持」と「マネーゲームを防ぐ」というのは果たして本当に必要でしょうか。

FA制度が出来、メジャー帰りの選手も増えた今となってはあまり意味の無いように感じます。要はお金があるチームはそれらの選手を大枚をはたいて獲得すればいいだけの話です。新人選手獲得にかけるお金がそちらに流れるだけのような気がします。

それに、圧倒的に強いチームがあった方が面白いと思いません?

金を惜しみなく使って巨大な戦力を誇る金満チームを貧乏球団が打ち破るっていう方が盛り上がるような気がしますけど。要は、ヒール(悪役)がいた方がいいって事です。さながら、V9時代の巨人みたいな存在が。その方が戦力均衡による群雄割拠化よりも人気が出ると思うのですが。今は一発逆転のクライマックスシリーズがあって、V9時代より下剋上しやすいですしね。

 

それに、自分がもしドラフトにかけられる側の人間だったとしたら嫌じゃないですか?

ドラフト肯定派の人の意見として必ず語られるのが、

「プロ野球界という会社に就職すると思えばいい。どの球団に入るのかというのは、所属する部署がどこになるかというだけ」

という意見です。

なるほど、一見ごもっともな意見に見えますがちょっと待ってください。

例えば、同じ働きをして同じ成績を残しても給料は球団によって違いますよね。5000万上がる球団もあれば、半分しか上がらない球団もある。経営状態にもよりますし、査定方法も球団によって違いますし。

メジャーに行くにしても、ポスティングを使ってFA取得前に行かせてくれる球団もあれば、FA取得するまで行かせてくれない球団もあります。

育成を重視して比較的長い目で見てくれる球団と駄目なら高卒でも2,3年で容赦なくクビにする球団。同じ会社だなんて自分だったら到底思えません。

それより何より、プロ野球に挑戦するという事は選手にとって人生を懸けたチャレンジだと思うんです。

成功するのか失敗するのかは人それぞれですが、少なくとも自分であれば、悔いを残さずやりたいと思うはずです。

であれば、挑戦を終えた時に悔いの残らないように自分でしっかり考えて決めた球団で人生最大の挑戦をしたいと思います。

駄目であったとしても悔いを残さないために。

 

プロでダメだったのは実力不足なだけ、球団なんか関係ないよって意見もあるでしょう。でも、もし自分が意中の球団以外の球団に入ってプロで結果が出せずにクビになったら、「もしあの球団に行ってたら・・」と考えてしまうだろうと思ったからです。

一世一代の大勝負に出る以上はせめて勝負をかける舞台くらいは本人に選ばせてあげたいと思うのは甘い考えっすかね(昔、この議論を酒の席で先輩としていて「お前は甘い!!」と一喝されたことがありましたなぁ笑)

てなわけで、個人的にはドラフトで指名球団を袖にした小池選手や福留選手、強烈なバッシングを浴びた江川選手や桑田選手を責める気にはなれないのでした。

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