日本プロ野球の強打チーム21世紀編 史上最強打線にダイハード、オジンガン、マリンガン、ノーリミット等

80年以上を誇る日本プロ野球史の中でも歴史に残る、その時代における強打、猛打の打線。その中でも愛称をつけて語り継がれているものをここではご紹介します。

この記事では20世紀が終わって21世紀が始まった2001年の「ダイハード打線」から。

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2001年福岡ダイエーホークス「ダイハード打線」パ・リーグ初の30発カルテット誕生

ブルース・ウイリス主演の大ヒット映画「ダイ・ハード」。しぶとく生きる・不死鳥という意味のこのタイトルは、何点差がついても諦めない程の強力打線という意味と、ダイエーホークスとダイ・ハードのスペルが似ている事から当時のホークス打線の「ダイ・ハード打線」の語源となりました。そんなホークスの強力打線を現す「ダイハード打線」が猛威を振るったのが2001年です。

打順 守備 選手名 打率 本塁打 打点 盗塁 獲得タイトル等
柴原洋 .302 49
P・バルデス .310 21 81
井口資仁 .261 30 97 44 盗塁王
小久保裕紀 .290 44 123
松中信彦 .334 36 122
城島健司 .258 31 95
秋山幸二 .286 11 32
DH 大道典嘉 .325 36
鳥越裕介  .174 16

ホームラン数でいえば、小久保裕紀が44本、松中信彦36本、城島健司31本、井口資仁が30本と、30ホームラン以上の選手が4人誕生し、同一チーム内で30本以上4選手というパ・リーグ史上初の記録を達成しました。この4選手全てが95打点以上をマークしており、まさに破壊力抜群です。井口に至ってはそれに加えて44盗塁で盗塁王という機動力も兼ね備えているのですからピッチャーはもうお手上げ状態です。

かつては本塁打王を獲得したベテランの秋山幸二が30本カルテットの後の7番を打ち、30本カルテットの前の2番には3割20本以上のバルデスがいるというこの超重量級打線を率いたのは世界のホームラン王、王貞治監督。“世界の王”が作り上げて率いるのにこれだけ相応しい打線は他にないといっていいでしょう。

2001年近鉄バファローズ「いてまえ打線(梨田監督期)」タフィ&中村紀洋の最強3・4番

梨田昌孝監督の下で12年振りにパシフィック・リーグ優勝を成し遂げた2001年の近鉄バファローズ。近鉄球団最後の優勝がこの2001年となってしまいました。この優勝の立役者は打線、特に日本記録となった二人のスラッガーといってもいいでしょう。

打順 守備 選手名 打率 本塁打 打点 盗塁 獲得タイトル等
大村直之 .271 16 53
水口栄二 .290 30
・ローズ .327 55 131 MVP、ホームラン
中村紀洋 .320 46 132 打点
磯部公一 .320 17 95
吉岡雄二 .265 26 85
DH 川口憲史 .316 21 72
S・ギルバート .267 24
的山哲也 .177 25

この年の近鉄バファローズはいてまえ打線が大爆発して12年振りのパ・リーグ優勝を果たしました。その原動力となったのがタフィ・ローズと中村紀洋という日米のスラッガーによる3・4番コンビです。ローズはホームランキング、中村は打点王を獲得したのですが驚愕すべきはその数字、なんと二人合わせて101本塁打、263打点という記録を残したのです。同一チームの選手二人で101本塁打というのは日本プロ野球記録となっており、まさに史上最強の3・4番コンビこそこの年のタフィ&ノリだったのです。

この年の近鉄はチーム打率、本塁打、得点全てにおいてリーグ1位を記録したのですが、逆にチーム防御率は4.98でリーグ最下位でした。チーム防御率4.98での優勝は優勝チーム史上で最低の防御率となっていると同時に、リーグ最下位の防御率で優勝したのは後にも先にもこの年の近鉄バファローズだけとなっています。このように、2001年の近鉄はまさに規格外の打力のチームだったのです。

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2003年ヤクルトスワローズ「オジンガン打線」おっさんが見せた意地と底力

1990年代後半に横浜ベイスターズ打線を形容した「マシンガン打線」。そのマシンガンを基にネーミングされたのが2003年のヤクルトスワローズが誇った「オジンガン打線」。さてその打線名の意味するものとは?

打順 守備 選手名 打率 本塁打 打点 盗塁 獲得タイトル等
稲葉篤紀(31) .273 11 30
宮本慎也(33) .284 44 11
T・ベッツ(30) .287 15 52
A・ラミレス(29) .333 40 124 最多安打、ホームラン、打点
鈴木健(33) .317 20 95
古田敦也(38) .287 23 75
真中満(32) .293 48
城石憲之(30) .261 28

「オジンガン打線」とは読んで字の通り、「オジン」(おっさん)の打線という意味です(オジンという言葉自体既に死語ですが笑)。当時ヤクルトの主軸だった岩村明憲が開幕戦で右手首を故障して離脱。その穴を埋めたのがこの年に西武から移籍してきた33歳のベテラン、鈴木健。そして鈴木は全盛期を思わせる打棒復活によってレギュラーポジションを掴みました。

この岩村アウト→鈴木インによってヤクルトの打線は4番の助っ人、“ラミちゃん”ことラミレス以外は30歳以上のおじさん選手たちばかりとなったのです。そしてこの「オジンガン打線」が特異なのは、そのネーミングがネットから発生した事でしょう。30歳以上の高齢打線である事から、マシンガン打線をもじってオジンガン打線という言葉が生まれ、それが定着したというわけです。なお、上記オーダーの選手名の後ろの()内が当時の年齢です。

しかしこのベテラン打線、チーム打率がリーグ2位の.283を記録しておっさんの意地を見せてくれました。世の30代に大きな勇気を与えてくれる打線でもあったのです。

2004年読売ジャイアンツ「史上最強打線」シーズン球団ホームラン数日本記録はこの打線!

2004年の読売ジャイアンツに冠せられた打線の名、その名も「史上最強打線」。これほど分かりやすいネーミングもありませんよね。堀内恒夫監督の1年目のこの驚愕の打線、その名に恥じぬ、まさに史上最強なのです。

打順 守備 選手名 打率 本塁打 打点 盗塁 獲得タイトル等
仁志敏久 .289 28 60
清水隆行 .308 16 60
T・ローズ .287 99  ホームラン
高橋由伸 .317 30 79
小久保裕紀 .314 41 96
R・ペタジーニ .290 29 84
阿部慎之助 .301 33 78
二岡智宏 .269 49

もうトップバッターの仁志敏久からいきなり28本塁打ですからね(笑)。2番清水が3割以上の16本、3番のタフィー・ローズが45本で4番高橋由伸30本、5番小久保裕紀41本で6番のロベルト・ペタジーニが29本、7番阿部慎之助33本、この年はペタジーニの控え中心となった清原和博が12本…と8人の打者が2桁本塁打、しかもそのうち6人が28本以上を放っているというこの打線、長打力・破壊力はまさに史上最強の打線といっていいでしょう。

なお、タフィ・ローズに小久保裕紀、ロベルト・ペタジーニ、清原和博、江藤智と5人もの過去のNPBホームラン王タイトル獲得者が同一チームに揃ったというのもこの史上最強打線だけです。しかしプロ野球史上最強といわれる打線を擁しながらもこの年の巨人は優勝した中日に8ゲーム差をつけられての3位に終わりました。チーム防御率がリーグ最下位となる投壊現象がその大きな原因です。

そしてこの2004年の史上最強打線、もう一つの日本記録を持つチームでもあります。その記録とは、日本プロ野球史上シーズン最小盗塁数(25個)というワースト記録です。最強の長打力を誇る打線でしたが、機動力の無さも史上最高だったというわけです。

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2005年千葉ロッテマリーンズ「マリンガン打線」バレンタインが率いたマシンガン打線

今や千葉ロッテ打線の代名詞ともなっている「マリンガン打線」。切れ目なく続く横浜ベイスターズの強力打線を文字って、当時解説者だった元西武の石毛宏典氏が名付けたこの名前、言い得て妙だと感心してしまいますね。

打順 守備 選手名 打率 本塁打 打点 盗塁 獲得タイトル等
西岡剛 .268 48 41 盗塁王 
堀幸一 .305 46
福浦和也 .300 72
サブロー .303 14 50
M・フランコ .300 21 78
ベニー・A .271 13 71
DH 李承燁 .260 30 82
里崎智也 .303 10 52
今江敏晃 .310 71

サブロー、堀、福浦、里崎など、千葉ロッテの象徴であった生え抜き選手たちが揃い躍動したこの2005年。千葉ロッテを31年振りの優勝へと導いたボビー・バレンタインは、NPB史上初の日本シリーズ優勝監督となるとともに、ファンの間で一躍英雄になりました。

30本以上の本塁打を放ったのは韓国の英雄・李承燁(イ・スンヨプ)のみで、まさに長打は無いがしっかり繋いで点を取るスタイル、マシンガン打線をもじったマリンガン打線でした。

なお、この年の千葉ロッテの打線オーダーは147試合を戦って、なんと135通りを数えました。相手投手との相性や選手の調子などを試合ごとに考慮した緻密さがこの事実からも現れていますよね。

2008年埼玉西武ライオンズ「No Limit打線(ノー・リミット)」本塁打王・中村剛也が大ブレイク

「No Limit打線」の語源となったのが、この年の西武ライオンズのスローガンであった「No Limit!(限界はない)」。現役時代に西武の黄金期メンバーだった“ナベQ”事渡辺久信が新監督となり、デーブこと大久保博元が打撃コーチとして作り上げたのがこの破壊力満点の打線でした。

打順 守備 選手名 打率 本塁打 打点 盗塁 獲得タイトル等
片岡易之 .287 46 50 最多安打、盗塁王 
栗山巧 .317 11 72 17  最多安打
中島裕之 .331 21 81 25 最高出塁率
C・ブラゼル .234 27 87
G.G.佐藤 .302 21 62
中村剛也 .244 46 101 ホームラン
DH 後藤武敏 .301 12 27
細川亨 .238 16 58
H・ボカチカ .251 20 47

前年に4番を打って27本塁打のアレックス・カブレラと、長年チームの中軸を打った5番打者の和田一浩が揃ってチームを抜け、下馬評はBクラスという声が圧倒的だったこの年の西武ライオンズ。しかしそんな下馬評を覆してのリーグ優勝と日本シリーズ制覇。その最大の要因こそがこの「No Limit打線」です。

1番の片岡以外は全て2桁本塁打をマーク。さらに盗塁王の片岡から栗山、中島と続く上位陣は機動力も兼ね備えており、様々な得点パターンを誇ります。

そしてこの年に大ブレイクして初のホームラン王を獲得したのが“おかわり君”こと中村剛也。そしてこの後おかわり君は6度の本塁打王(2017年時点)という大偉業を達成することとなります。しかしこれだけの打線を作り上げたデーブ大久保恐るべしって感じでしょうか。是非もう一度球界に戻ってきてほしい指導者ですね。

 

なお、その他の各時代における名物打線については以下の記事をご覧ください。

日本プロ野球歴史上最強打線 昭和編➀

日本プロ野球歴史上最強打線 昭和編②

日本プロ野球の強打チーム・平成編

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