NHK大河ドラマ「真田丸」第34話「挙兵(きょへい)」史実から見たネタバレ予想と第33話「動乱」視聴感想とMVP

三成と家康の争いではなく、家康と前田利家の争いだった?

秀吉亡き後の豊臣政権内部の混乱ぶりを描いた真田丸の第33話「動乱」。

「動乱」では豊臣政権内部での徳川家康(内野聖陽)と石田三成(山本耕史)との権力闘争が描かれていましたね。

三成派と家康派が武力衝突寸前までいくという物語でしたが、この構図は史実ではかなり様相が違います。

まず、対立したのは徳川家康と石田三成ではなく、家康と前田利家です。豊臣政権老衆(おとなしゅう/五大老の事)の中でも群を抜く実力者である二人ですね。秀吉死後の家康の明らかな専横の数々に対して、律義者として有名であり、人望もあった利家が反発。お互いの屋敷に味方する大名たちが集まり、一触即発の事態になりました。

スポンサーリンク

結局武力衝突は回避され、家康が利家を含む四大老・五奉行と誓紙(誓い文句を書いた紙)を互いに差し出す事でこの騒乱は和解。利家が家康の元へ訪れ、家康は向島へ退く事で事なきを得ました。

真田丸では石田三成が主導での争乱という事でしたが、これは明らかに史実ではないですね。石田三成が前田利家派の主力である事は間違いありませんが、あくまで家康対利家の構図です。少なくとも表向きは。

そして、真田丸において三成に味方したのは宇喜多秀家(高橋和也)、金吾こと小早川秀秋(浅利陽介)だけでしたが、実際には徳川屋敷に集まった以上が前田屋敷には馳せ参じています。真田丸では徳川屋敷に姿を見せた加藤清正(新井浩文)も、この動乱の時には前田屋敷にいました。反家康派であったという事ですね。

大谷吉継(片岡愛之助)が徳川屋敷の方へいたというのは史実通りです。ちなみに、真田昌幸(草刈正雄)が徳川屋敷へいたというのは確証が得られていません。信幸(大泉洋)の義父・本多平八郎忠勝(藤岡弘、)と信繁の義父・大谷吉継がともに家康派という事を考えると恐らく家康の方ではないかと思われます。徳川方として大谷吉継の屋敷で待機していたという説もありますが、こちらも定かではありません。この時期に京に滞在していたことは間違いないと思われますのでどちらかに与した事はほぼ間違いなく、その場合恐らく家康の方でしょうね。

清正らが家康になびいたのは寧が原因?たぬき親父の本領発揮の徳川家康

この真田丸においては、加藤清正や福島正則(深水元基)が反三成として家康についた大きな要因を、母代わりと慕う(北政所/演:鈴木京香)の鶴の一声によるものとしています。この説は昔から唱えられていたクラシックな説ですね。家康が豊臣家恩顧の武将たちを味方につけるために北政所に接近したという説です。

ところが、近年ではこの説には懐疑的な意見が投げかけられています。北政所は家康べったりではなく、三成とも親しかったという説が主流となりつつあります。少なくとも清正や正則を家康派に導くような家康派ではなかったという事ですね。

ただ一つはっきりしているのは、三成がその性格ゆえに皆から嫌われていたという事です(苦笑)。全てはそこに起因するのではないでしょうか。朝鮮出兵でのいざこざなども要因ではあるでしょうが、一番は三成のキャラクターによるものだと言えると思います。

そこにうまく付け込んで三成への敵愾心を煽り、まんまと豊臣秀吉子飼いの武将たちを味方にしてしまった家康の抜け目なさは流石という他有りません。そして同時に唯一家康と対等に渡り合える前田利家の死という幸運も持ち合わせていたという事ですね。

「動乱」のMVP 義将・大谷刑部ここにあり!金吾中納言はまさに浅利陽介のハマり役

今回の第33話「動乱」のMVPへと行きましょう。

今回はかなりあっさり決める事が出来ましたね。

大谷刑部少輔吉継の一択という感じです。

打算や憎悪、欲得などが渦巻く中で最も義を通したのはこの大谷吉継でしたね。実際に吉継がどのような意図で家康に味方したのかは定かではありません。ですが、この大谷吉継という男の人生を考えた時に、「動乱」で三谷幸喜が描いた吉継はぴったりとハマってしまうんですよね。多分そういう事なんだろうなと。

家康派、三成派云々ではなく、豊臣家のため、秀吉の遺志に沿うため、そして秀頼のためには何が最も得策であるのか?

歓喜に沸く家康派の大名たちの中で家康本人に言ってのけた吉継には心底しびれました。三成を諫めるシーンも同様です。そんな吉継がなぜ関ヶ原ではあの決断を下すのか?ますますこの先が楽しみになってしまいましたね。

ようやく天下取りを決心した腹黒い家康、己が義を貫こうとするあまりに周りが見えない三成も良かったのですが、次点には敢えて金吾中納言(小早川秀秋)を挙げたいと思います。

もはや日本史の中では最も有名な「裏切者」となった感のある小早川秀秋ですが、根は悪いやつではないという事は恐らく日本史に詳しい人は大体感じている事と思います。彼の場合はただただ腹黒い大人たちに利用された凡人であったというのがわたしの印象です。関ヶ原での裏切りも彼自身が考えて出した結論というよりも、宿老達主導で外堀を埋められた世間知らずのお坊ちゃまには他に選択肢が無かったといったイメージの方が強いですね。

そんな金吾を浅利陽介さんが見事に演じています。もはや日本一の小早川秀秋俳優の座は彼のものといってもいいでしょう(褒め言葉なのか?笑)。

加藤清正も良かったですね。関ヶ原では東軍につくが、徳川家康が天下を取った後は豊臣秀頼に忠義を尽くすという、脚本家にとっては実に評価しづらい・・というか描きにくいことこの上ないキャラがこの加藤清正だと思うのですが、真田丸では単純な熱血漢というキャラクターに彼の行動原理を求めようとしていますね。

まあそれはわたしも正解だとは思うのですが、新井浩文さんの演技が拍車をかけてこの清正をただの猪武者ではない魅力ある武将へと昇華させています。歴代の清正公の中でもかなり異質であり、尚且つ魅力的な人物に仕上がっていると思いますね。三成と芯の部分では通じ合っている清正というのは実に新鮮ですよね。

スポンサーリンク

第34回「挙兵(きょへい)」のストーリー

徳川屋敷に攻めかけ、家康を排除しようとしたが失敗した三成は、その責を取らされて謹慎する事となった。

事は収まるかに見えたが、加藤清正や福島正則ら秀吉子飼いの武断派武将たちは三成の謹慎では収まらず、三成襲撃を企てる。

この動きを察知した信繁(堺雅人)は、京・伏見が混乱するのを見据えて幼馴染のきり(長澤まさみ)に対して信濃上田城へ帰るよう忠告するが、きりは信繁の忠告を聞かずに細川忠興の正室であり、敬虔なキリシタンである細川玉(細川ガラシャ/演:橋本マナミ)の元へと身を寄せる事となる。

清正らの襲撃によって危機に立たされることとなった三成を救おうと信繁は一計を案じ、兄・信幸の協力の下、三成を救出すべく策を巡らせるのであった。

天下取りを虎視眈々と狙う徳川家康は、領国会津に戻った上杉景勝(遠藤憲一)に対して謀反の疑いをかける。家康から疑いをかけられた景勝は家康からの上洛命令を断固拒否。家康は上杉家の会津征伐を決意する。

ここに関ヶ原の戦いがいよいよ始まりを告げたのであった・・


史実から見た「挙兵」ネタバレと考察 三成襲撃事件と会津征伐、関ヶ原のカギとなる重要事件

次週はいよいよ関ヶ原の戦い前の重要な歴史的事件である、「石田三成襲撃事件」が描かれる事となりそうです。

「石田三成襲撃事件」とは、徳川家康に匹敵するほどの実力者・前田利家が亡くなってすぐに、加藤清正、福島正則、黒田長政、浅野幸長、細川忠興、池田輝政、加藤嘉明の豊臣家重臣の七人が石田三成を亡き者にしようとして三成の屋敷を襲撃しようとした事件です。

三成は事前に情報を察知して難を逃れたものの、この事件の調停に家康が乗り出して七将の矛を収めさせましたが、代わりに三成を謹慎処分としてしまいました。つまり、三成は実質的に失脚してしまったという事です。

この事件は関ヶ原の戦いに至るうえで非常に重要な事件となります。この事件によって豊臣家を牛耳るうえで最大の目の上のたんこぶであった三成の政治生命を実質断つことに成功した家康は、次に五大老の一人であり、最も反家康の色彩を鮮明にしていた会津の上杉景勝に目をつけます。

上杉景勝に謀反の疑いありと言いがかりをつけ、会津征伐の口実を設けます。景勝がこれを拒否すると、会津討伐を発令します。当然会津征伐は秀頼の命令であるという形を整えて。秀頼の命とあれば、豊臣家の大名たちは従わざるを得ません。前田利家すでに亡く、三成も失脚してしまっている状態のこの頃の豊臣家には、家康に逆らえるものは誰もいませんでした。

そして家康が上杉景勝を討伐するために軍を東に向けて行軍しているまさにその時に、失脚し謹慎中であった石田三成が打倒家康のために挙兵するのです。

これが関ヶ原の戦いが始まるまでの一連の流れとなります。

村上新悟さんの直江状朗読はあるのか?そして哀川翔演じる猛将・後藤又兵衛初登場!!

一説によれば上杉景勝と石田三成は既に連動しており、景勝は家康軍を釘付けにしてその隙に三成の挙兵をアシストしたという説がありますが、この説には明確な根拠がありません。ただし、「動乱」の中で景勝が家康と戦う決意を三成に話すシーンがあったので、真田丸では三成景勝共謀説を採用するかもしれませんね。

このサイトで何度かお話をさせてもらっているのですが、上杉家家老・直江兼続(村上新悟)の天下の名状・「直江状」は家康の上洛要請に対する返書です。

この日本史に残る名状・直江状がいよいよ次週は登場する事となるはずです。しかもあの村上新悟さんの美声で・・もう今からワクワクしてきちゃいますよ。とにかく最高なまでに家康をディスった(笑)この直江状。どのように描かれるのか楽しみですね。てか、やってくれますよね、もちろん(汗)。直江状無かったらNHKに抗議しますんで。割とマジで(苦笑)。

もう一つの次週の見どころ、それはあの天下の猛将・後藤又兵衛基次(哀川翔)の初登場。

一昨年の大河ドラマ「軍師官兵衛」を見ていた人にはピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんね。そう、あの又兵衛です。塚本高史さんが演じていた黒田家の武将です。

この又兵衛、大坂の陣では信繁とともに大坂方の中心武将として徳川方を大いに恐れさせる存在となる後半の重要人物です。

又兵衛が出てきたという事は、いよいよクライマックスが近づいてるんですよねえ・・嬉しい反面、若干ブルー入っちゃってるのはわたしだけでしょうか(汗)。

スポンサーリンク

コメントを残す

このページの先頭へ